[著]田中 ロミオ [絵]山崎 透 人間が衰退して“旧人類”と呼ばれるようになった世界では、妖精さんが「人類」としてまったりと住まっていました。世界でも最後になるであろう学校教育を卒業した「わたし」は仕事の楽さと適度な張り合いを求め、おじいさんの後を継ぎ妖精さんと人間の橋渡しをする“調停官”の仕事につくのですが… |
おじいさんと主人公のユルユルーな会話や、主人公と妖精さん達のほのぼの?とした会話にとにかく肩の力が抜ける。凄い和む。疲れたときとかに読むときっとストレスが緩和されるに違いありません。きっと文章からα波が出てます。凄まじいまでの癒し系小説でした。
ちょっぴりテンポの外れた会話の応酬も非常に魅力的なんですが、物語の展開も非常に好み。ゆったりまったりしてほのぼの和み系なのに、妙にサバサバしたやりとりとか、「妖精さんの、あけぼの」でのどこか薄ら寒いモノを感じるオチなどは新井素子の短編SFに近いものを感じて、最後の報告書で思わずニヤニヤしてしまったり。
なんかこう色々なものに疲れた時に、甘?いクッキーとミルクティー片手に読みたいという感じの1冊ですね。それこそ小学校の図書室にこっそり置いておきたいような、万人にオススメしたい一作。特に「MOTHER」シリーズで「どせいさん」に癒されてしまうような人は是非読むべき。かなり似たようなベクトルです。
既に2巻が発売されているようなので、また人生に疲れたら手を出してみる事にします。
以下余談。
本作の著者である田中ロミオ氏といえば「クロスチャンネル」などのエロゲーのシナリオライターとして有名な方らしいのですが、私の脳内では「Fate/Zero3巻のあとがきの人」というイメージだったりします。先日まで
「田中ロミオ」→「ギルガメシュ(誘い受)の人」(⇒当サイトのFate/Zero vol.3感想を参照)
…という脳内反射を行っていたのですが、本作を読んでイメージが変わりました。
次からは
「田中ロミオ」→ |
※どせいさんのアイコンはSaturn Fortress様からお借りしました。