ページ 109 | 今日もだらだら、読書日記。

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フォルマント・ブルー リミックス

 

奇病に侵され、18歳の誕生日に生命を落とす事を運命づけられた少年・楷名春希。絶望のままに無気力な毎日を送る彼は廃棄場で自らの事を「シンセサイザー」だと言う少女・庭瀬伽音に出会う。彼女との出会いを経て、少しずつ生きる気力を取り戻していく春希だが…

富士見ミステリー文庫の「フォルマント・ブルー カラっぽの僕に、君はうたう。」を加筆+文庫未収録の短編を加えた新装版。不治の病に冒された少年と自分の事を「電気の歌姫」と名乗る少女が出会い、二人の過去や未来に立ちふさがる出来事を乗り越えていく、というお話。

笹野響哉の存在が序盤から示唆されていること、敵側の事情がある程度明かされてくること、ラストで主人公が死の運命から逃れた事に対する説明が加えられていた事など、富士ミス版では結構唐突に思える事が多かった伽音が攫われてから先の展開に対するフォローが加えられていて、旧版よりも判りやすくなった印象を受けました。楽器屋の主人と庭瀬教授の関係とか伽音の出自なんかも、富士ミス版では明かされてなかったっけ…?とにかく、そんなに多くを加筆しているわけではないのですが、説明不足だった部分に細やかな修正が施されていて、これだけの加筆でも結構雰囲気変わるものだなあ。

主人公達と同じくらいに、チョイ役のはずのガルバニックの辿った顛末が胸に残る。主人公達よりも誰よりも、色々な意味で「悲劇的」な運命をたどったのは彼だよなあ。ガルバニックとしての「それ」と、若き音楽家だった「彼」が誰も知らない所で鬩ぎ合い、破滅へと進んでいく姿が切ない。

音楽の奏でる美しい雰囲気と、人間という種の醜さという対称的な要素が同居する物語ですが、個人的にはやはり春希と伽音がコンテストに応募する用の音楽を一緒に作っていく場面が好きです。なにかを創り上げていく場面というのは、凄くワクワクするなあ。そして「心音」を音素材として撮るシーンは、別に何もしてないのにエロいですよね!!

同時収録の短編「皇帝の棲家には、電気仕掛けの歌姫。」は、ピアニストを目指す一人の若者が、春希と出会う前の伽音と出会うお話。存命の頃の庭瀬親子の人間関係等が透けて見える一方、普通に良い青春話だーと思っていたら、オチに噴いた。そ、そう来るのかーーーっ!

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ベン・トー4 花火ちらし寿司305円

[著]アサウラ [絵]柴乃 櫂人

HP同好会の面々は、夏休みを利用して強化合宿をすることに。朝から企業戦士達と駅弁の強奪戦を繰り広げたり、滝に打たれて精神修行に励む彼らの最終目的は、花火大会の日にだけ販売されるという「花火ちらし」だった。全国各地から強豪の集うその街で、「狼」達の戦いが幕を開ける…!!
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夜のスーパーで半額になった弁当を巡り、《狼》と呼ばれる猛者どもが無意味に熱い闘いを繰り広げる熱血バカ小説。今回は全国各地から強豪の《狼》達が集う街での強化合宿編。これは……やはり「全国大会」フラグ……(違います)

新キャラ可愛いよとか作者はSEGA愛しすぎだよとかいいたいことは色々ありますが、とりあえず言いたい。白粉が変態すぎる。とりあえず佐藤は、『変態』の二つ名を白粉に譲ってやるべき(確かに今回の佐藤もかなりの変態ですが、あれは世間の一般的な思春期の男子の思考として許されそうな気がする?)。些細な事から全てホモ妄想に繋げていく彼女の妄想力は腐女子として正直見習いたい部分も多くありますが、いやでもあれはちょっと!!!彼女の妄想は腐女子のそれを通り越してナマナマしすぎるんだよ!!!その割に、時々突発的に展開される「筋肉刑事」の描写が妙にエロくて……っていやいや!!妙にわたし、ボーイズラブには興味シンシンだけど「薔薇族」とか「さぶ」の世界には興味ないから!!!あと、白粉もどうかとおもうけど白梅様も頑張りすぎだと思う。

しかし、今回は槍水先輩も可愛かったのですが、著莪と洋のイチャつきっぷりが半端ではなかったです。槍水先輩も悩殺的な格好やら夜祭やら数々のお色気イベントで頑張っておられましたが、やはり一つ屋根の下というシチュエーションでは全力で従兄妹の独壇場。シリアスな話題もしっかり抑えつつ、公然とイチャイチャする二人の姿にいいぞいいぞもっとやれー!!!と叫ばずには居られない。いやあ、前巻は完全に槍水先輩のターンでしたが、今回は著莪のターンだなあ。著莪可愛いよ著莪。

弁当争奪戦中の熱い展開や、お弁当を食べるシーンでのお腹の減る描写の数々なども健在で、本当に素直に楽しんで読めるシリーズなのが嬉しいです。笑いも萌えも熱さも内包して、どこから食べても美味しいという印象。ナックラヴィーはあれだけかっこよく、ハードボイルドに出てきたのにあの技は酷いwww

しかし、これ食事前に読んじゃいけませんね。お腹へる……。

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神様のメモ帳4

[著]杉井 光 [絵]岸田 メル

四代目からの依頼で、平坂組の手がける音楽イベントの手伝いとして借り出されたナルミ。ところが、イベントを妨害しようとする勢力が現れて、話はどんどんきな臭い方向に。事件の裏には、かつて四代目とともに「平坂組」を作り上げた男・平坂錬次の影が見え隠れする。同じ頃、ナルミは関西弁を使う男と出逢い、友達になるのだが…
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ニート予備軍の主人公と妙に有能なニート達と、「ニート探偵」を名乗る不思議な少女・アリスが繰り広げるミステリー第四弾。

ナルミが、ナルミが有能な子になってるーーーー!?
これまでのナルミは結構、他の有能ニートたちの才能を指くわえて見てるだけで、あとは結構口だよりっぽい印象があったのですが、仲間達からも言われまくっている通り今回は意外な才能を発揮していきます。四代目の主催するイベントの広報担当として如何なくその「口先三寸」という能力とこれまで得た人脈を発揮する姿が輝いてる。しかし、その割りにナルミが将来ニートになる気マンマンなのはどうなんですか(笑)ここに、「NEET探偵事務所」に集う新たなハイスペックハードボイルドニート誕生の瞬間を見た気がする!!!

義兄弟の契りを結んだ四代目と、何も知らずに「友達」として出会った平坂錬次との確執の間に挟まれて苦しみながらも「なんとかしたい」と奮闘するナルミの姿にニヤリとする。これまでの彼なら、こうもアクティブには動き回れなかったでしょう。もちろんこれまでのようにへこたれたり、仕事を投げ出しそうになったりはするんだけど、それでもギリギリの所で踏みとどまり、或いは仲間達から叱咤激励を受けてふたたび立ち上がっていく姿が良かったです。そして、そんなナルミだからこそ、クライマックスの平坂組の面々へのタンカが言葉の表面以上にかっこよく思える。ほんと、ナルミは成長したなあ。

これまでのように「有能でハイスペックなニート達が、(依頼されれば)事件をあっさり解決するよ!!」みたいな部分が薄くなった分、ナルミがもがき、足掻き、それでも挫けずに前に進んでいく姿が印象に残る一冊でした。ナルミかっこいいよナルミ。あと四代目と平坂とその周辺の人間関係が腐った目でしか眺められないよ!!!(だいなし)

ところでイベントのプロモーションを手がけた音楽バンドというのが、さりげなく同作者の某作品を匂わせているのがまた。バンドのメンバーは直接的には登場しませんが、もろにその正体を匂わせる描写の数々にニヤニヤします。

484024071Xさよならピアノソナタ (電撃文庫)メディアワークス 2007-11

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…あれ?「女ばかりのバンド」?「大切な人はいなくなってしまった」?
ひょっとしてこのあたりの話は、10月発売の短編集への伏線?
いや、某エロゲーみたいに主人公がネタとして女装してる可能性もすてきれな(強制終了)

B001KBYQLCキラ☆キラ~Rock'n Rollshow~(通常版)プリンセスソフト 2009-02-26

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愛百合女学院へようこそ

[著]成田 空子 [絵]CHI-RAN

「私服で通学できる」という校風に惹かれて、全寮制の女子校・愛百合女学院に転入した帰国子女の森永苺。ところが、パンフレットは5年前に作られたもので、私服登校した苺は転校初日から退学を言い渡される事に!?風紀委員や生徒会のお姉さま方から逃げ回っていたら、なぜか全校生徒の憧れの的・生徒会長の愛羅様に助けてもらって…
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ティアラ文庫創刊ラインナップの百合枠。ガチの百合萌えはあんまりないのでスルーしてたのですが、ティアラ文庫チャットで話題になったりと色々気になってきたので手を出してみる事に。

読んでみた感想ですが……うまく言葉には出来ないけどなんか全体的に百合っぽくない…。昔のキャピキャピ系少女小説の文体で書かれた生徒会長モノBL小説、という印象。自分としてはあんまり百合ん百合んしててもヒいたかもしれないので苦手な読み味じゃなかったけど、正統派な百合を期待して読むとションボリだろうなあ。

主人公の御相手役である生徒会長・愛羅様が始終壊れっぱなしで、「本来の顔」を見せてくれる場面が本当にちょっとしかなかったのも残念かも。恐らく「普段はクールビューティ装ってるキレモノだけど、実は可愛いもの好き」的なキャラなんだとは思うんですが、その辺が描写不足で。もうちょっと表側のキリっとした「全校生徒憧れの美女」みたいな部分を出してくれればよいギャップ萌えキャラだったと思うのですが。

主人公についても、「勘違いしてたからって制服指定の学校で私服着てきていいって話にはならないだろ!!!」としか言えない。特に序盤の主人公の行動は、自己中心的なモノ以外の何も見えてこないので、正直不愉快でした。しかもその無茶な主張が、学院長やら生徒会長やらの取りなしで上手い事通ってしまうので、読んでる側としては非常にストレスたまる。こんなに「一度痛い目見た方がいいよ!!!」って思った主人公もめったにいないよ!!

途中で「制服を着たがらない」理由はちゃんと提示されるものの、それなら学校側に事情話してスカート丈調整してもらえばいいじゃん?とか……結局、本音は「制服なんか着たくない!可愛い私服が着たいの!!」なんじゃないの、としか思えないのがなんとも。帰国子女だからどうこうっていうよりただのワガママだよねーこれ…。

愛羅さまのセクハラが彼女の持つ過去のトラウマに触れてしまい、お互いの距離が離れて……というあたりは結構面白い展開だと思ったんだけど、そこから仲直りまでの描写があまりにも軽くて、なんだかなーと思ってしまう。

主人公の舌ったらずでイライラを誘う喋り方といい、世間知らずで自己中心的な性格と言い、ただの変態さんな生徒会長さんといい、キャラクターには正直あまり魅力を感じなかったのですが、変態全開な生徒会長の奇行を眺めるのはそれなりに面白かったし、生徒会長の繰り広げるセクハラの数々はとてもエロかったので、軽く気分転換に眺めるエロ小説としてはOKという感じでした。感想書き始めると文句ばかりでてくるんだけど、不思議と「つまらなかった」わけではないんだよね…ううむ。

ただ続きがあるならもうちょっと各キャラクターを掘り下げていってほしい気がします。苺のルームメイトや意地悪双子とか、結構いいキャラだったのに殆ど掘り下げが無くてとても惜しい。

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大正野球娘。

 

時は大正14年。洋食屋の娘・鈴川小梅は女学院の親友・小笠原晶子に誘われ、級友達と“野球”というものをやることに。まだまだ女性が男性の後ろに隠れているような世の中で、男子を見返そうとして手探りで立ち上がった彼女たちだが…!?

大正時代を舞台に、良家のお嬢様達が試行錯誤しながら男性を「野球」で見返そうと頑張るお話。

以前読んだ同作者の征服娘。が結構ドツボだったのでこれもハマるんじゃないかなあと思ってはいましたが、予想以上に面白かった!もうとにかく、娘さんたちがとっっっっっても、めんこい。良家の子女としての分別と、年相応の少女としての無邪気さを併せ持った彼女達のやりとりに、どうしようもなく胸がキュンキュンする。ああもうこの娘達の頭をなでなでしたいっ!!!

とにかく各キャラが魅力的で、彼女達の挙動挙動を見ていくのが楽しい。シスコン気味な静やツンデレ全開な環が次第にデレてくる描写が可愛いのなんの。そして、良家のお嬢様であり、様々な個性・才能を持っている彼女達が皆、様々な理由で平凡な主人公である小梅を愛しく感じているのがまた。特に巴と小梅のやりとりは、真っ先に彼女の「小梅LOVE」な心象描写を見せ付けられたあとだと、もう彼女が冷静な態度の裏でどんなことを考えているか…と想像するだけで楽しくなってしまう。小梅と許婚の三郎さんが、どこかたどたどしいながらも少しずつ親密なお付き合いになっていく姿も良かったなあ。

大正時代に生きた人々の息遣いが今にも聞こえてくるような物語の描写も素敵。特に食べ物の描写がおいしそうすぎて、空腹時に読むのはやばかった。淡い色のソーダ水、牛の骨から作ったドミグラスソースをかけたふわふわのオムライス、美味しい塩で握った「ご飯の味を楽しむための」おにぎり、大口をあけないとかぶりつけないサンドイッチ、食べる人への気配り満点な稲荷寿司……などなど、とにかく本当にご飯がおいしそうだったなあ…猛烈にオムライス食べたくなりました。つか3巻のタイトルが「たこやき娘」なのが超気になるんですけど!!!

しかし、キャラクター描写も大正という時代背景も、様々な嗜好を凝らして男子に対抗するための策を練り上げる姿もしっかりと描かれている割に、実際の試合シーンがちょい尻切れトンボな印象を受けるのが気になるかなあ。まあ女の子達のキャッキャウフフが楽しかったので正直野球シーンはどうでも良いですが。

ところで征服娘。の2巻はそろそろ諦めた方がいんですか?
密かにずっと待ってるよ!!!


4086304023征服娘。
(集英社スーパーダッシュ文庫)
集英社 2008-01-25

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない4

[著]伏見 つかさ [絵]かんざき ひろ

前回の一件の後、「これが最後の人生相談」と言いだした桐乃。しかし、彼女はなかなか「人生相談」の内容を京介に明かそうとしない。そんな中、京介は天敵でもあり桐乃の親友であるあやせから相談を受ける。桐乃へのプレゼントをゲットする為、コスプレ大会で優勝を狙う二人だが…!?
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いや、ここでルート選択に「麻奈美ルート」がないのは常識的に考えておかしい
みんな何いってんだよ京介の嫁は麻奈美でしょ?妹とかゴスロリ邪気眼とか、所詮恋愛戦線においては脇役ですよ。特に黒猫とかどう考えてもかませだからこそ輝くキャラだとおもうんだけどなあ…黒猫メインヒロインルートとか、好きなキャラだからこそやめておいてほしい。ああいう子は報われないからこそ萌えるんだ…!!!

……というわけで、第一部完的な内容の「俺妹」シリーズ第四弾。基本的にはいつも通りの内容ですが、全体的に今回はラブコメ寄せ気味。桐乃と黒猫がデレ大勢入ったり、エロゲーの深夜販売に行かされたり、例によって京介が良い兄貴っぷりを炸裂させたり……うーん、話としてはいつも通り面白かったのですが、同梱のアンケートハガキの内容が意外すぎて、最後の最後ではがきの内容を見て「なんだかなあ」って思ってしまった。

自分の中ではこの物語の区分ってそもそも「ラブコメ」じゃない。京介と桐乃という兄妹関係が物語のメインでありながら、京介には麻奈美というれっきとした恋愛対象がいて、彼女が物語の本筋から切り離されているという事自体が、この物語の本筋が「ラブコメではない」事の象徴だと思ってました。なので、今回の「桐乃ルートか、黒猫ルートか」みたいな質問には非常にモヤモヤしたなあ…。そして個人的に、黒猫好きだけど黒猫ルートはないなあ……特にああいう但し書きをされている以上、絶対にありえないなあ…つか桐乃がいなくて黒猫がメインの話になるなら、それもう「俺妹」じゃないとおもう。

個人的にはやはり、今後も桐乃メインで京介の嫁は麻奈美で…という今の状況を維持してほしいけど、4巻ラストの展開からすると現状維持はありえないのかなあ。1巻だけ黒猫編をやってその後また桐乃メインの俺妹に戻るとか…うーん。次巻がどういう展開になるのか、楽しみのような、不安なような。あと、兄貴が覗きこむのを拒否った桐乃の深淵をもっと覗き込むべき。そ、そっちの属性はないのかと思ってたら兄に対して秘匿してただけだったのか桐乃!!個人的には真面目に「そこんとこkwsk!!!」と思ったよ!!というか桐乃の腐女子ネタが出るまで、黒猫ルートでお茶を濁すなんて私が許さないんだからっ!!

ところで例のTwitter逆批評企画の桐乃が

きりりん
@kirino_kousaka
 コミケ、どのサークルさんをまわろうかな。(2009-08-11 23:56:51)link
きりりん
@kirino_kousaka
 「俺の妹」の同人誌とかも、あったりして……。(2009-08-11 23:57:26)link

とか言ってたんですがコミケのサークルカットでざっと調べたところ、俺妹同人誌って半分以上エr(ゲフンゲフンゲフン)



追記Twitterで桐乃が質問タイムしてたのでちょっと質問してみた

うらら
@urarai
 @kirino_kousaka 4 巻で京介が更なる深淵を覗きかけてましたが、桐乃さんは腐女子属性もあるんですか?(2009-09-29 01:34:35)link
きりりん
@kirino_kousaka
 @urarai そーゆーのはないかな。(2009-09-29 01:41:30)link

公式に否定されたーーー!?<桐乃腐女子説
いやまさか、質問はしてみたものの本当に答えてくれるとは思いませんでした。そして腐女子じゃないのか(´・ω・)ショボーン
それにしても、なんというフレンドリー企画……

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断章のグリム11 いばら姫(下)

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

死なない異形と化した母親と共に、「いばら姫」の泡禍が発動する真喜多家に隔離されてしまった蒼衣達。泡禍の正体も掴めないまま、惨劇は彼らの予想を越えて広がっていく。雪乃と蒼衣の指示で、庭に出た田上颯姫は思わぬ人物に出会い…
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「いばら姫」完結編。とりあえず私、そろそろ昼食食べながらこのシリーズ読むの辞めた方がいいと思う……芽のシーンは前巻のほうが衝撃的だったのでまだしも、コーヒー啜ってるときに水槽のアレが出てきたときは、ほんとにコーヒー逆流しそうになったんだぜorz

怪異描写的には前巻ラストが最高潮という感じだったので、前巻ほどの衝撃はなかったのですが、それ以上に今回は正常な人間の異常さが強調されている物語のように思えました。泡禍の影響ではなく、あくまで自分自身の考えで“異常な”結論に至った人間の姿に、背筋が凍る。今までのように、あくまで非日常的な何かが原因で命を落とした…というのではなく、非日常がトリガーを引いたとはいえ、結果としては「正常な人間同士が殺しあった」という形になってしまったのがとても悲しい。特に莉緒にはひとつでもいいので救いのある展開がほしかったなあ…と思います。結局最後まで彼女は、姉や弟の“代用品”としか見てもらえてなかったわけで。

しかし、エピローグでの風乃での態度をはじめとして、なんだかすっきりしない終わり方。いつぞやの千恵のように、莉緒の“騎士”としての再登場もありうるのでしょうか。続きが楽しみです。

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アラビアンズ・ロマンス ?花嫁は王の腕で微睡む?

[著]仁賀奈 [絵]南條 パピ子

北海道の片田舎で父親と二人、小さな牧場を営む妙楽寧々。ところがある日偶然テレビに映ってしまったのがきっかけでアラビアの石油王国・ウラディスの王子カルディールに見染められてしまい、半ば売られるような形でウラディスに連れて行かれてしまう。ハーレムに閉じ込められた彼女の元に第二王子のラシードが現れて脱出の手伝いをすると言い出すが…
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ティアラ文庫の話題になった時に、「そういえばBL世界には“アラビア物”ってひとつのジャンルがあるらしいよ!」って話になって「そんなジャンル手を出した事が無い!」と思ったので手を出してみたよ、なアラビアもの。そういえば「ハーレクイン」を「ハーレムクイーン」のことだと勘違いしてた時代が私にもありました…

平凡な女の子がアラビアの王子様に見染められて、ハーレムに囚われて色々されてるうちにだんだん情が移ってきて……という、ある意味脳内に思い浮かべていた「アラビアもの」の展開そのまんま、ストレートどまんなか展開が個人的には読み慣れてない分面白かったです。っていうかこれなんて少コミ。脱走した所を別口のやつらに捕まって奴隷として売られそうになって?とかとても典型的だなあと思いつつ読んでました。

もっと問答無用で調教系にエロエロなのかとおもったら、段階を踏んでて意外に紳士的な王子様。それまで頑なに拒んできた主人公が、可愛がっている子馬のサチの話を起点にして少しずつ心を開いていくのも結構良かったです。そしてカルディールの忠実な執事である和真がまたいい味出してる。最後まで行くのは数えるほどしかないのですが、その前にわんさかあるエロイベントの数々が雰囲気満点で、エロ的な意味でも満足。

しかし、二人が結ばれた後の展開は微妙に蛇足だった気も……ラシードの話をもうちょっとしっかり引っ張ってほしかったのですが、他のティアラ文庫と同じくやはり途中でライバル側がよくわからないうちに態度軟化してハッピーエンド、ってオチなんだよなあ…特に今回の話は、ラシードと寧々の間には元々利害関係以外の関係がないので、ラストの展開が猛烈に不自然に思える。ほんと、ティアラ文庫はもっと強烈なかませ犬を出すべき。色々美味しい展開が妄想できるだけに、結局たいした活躍もないまま終わってしまうのが残念なんだよ、どのシリーズも。

しかし、個人的にオチには盛大に笑った。序盤からずっと思ってたけど、寧々、馬好きすぎだろ!!!ラストのオチを読んで、「典型的BL小説風味少女系エロ小説」という評価が「BL系エロ少女小説にみせかけた壮大なギャグ」という評価になりました。いや、もう序盤から明らかに「こいつ、父親よりも間違いなく子馬のほうが好きだよな……」とか思ってましたけど!!ないわー、そのオチはないわー。いい意味でないわーwwwwww

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ギャルゴ!!!!! 地方都市伝説大全

 

占い師だった祖母から「人間以外の多くの女性に愛される」と予言された田中春男。ギャルゲー攻略が異様にうまいことから「ギャルゲーゴッド」→ギャルゴと呼ばれ、リアルの女の子とはとんと縁のない日常を送っていたが、ある日なぜか凶暴で有名なドーベルマン(♀)に懐かれたり、妹の持っていた人形が喋り出したりしはじめて…

リアル人間の女の子にはもてないが、人外の女の子とギャルゲーのヒロイン達にはモテモテな少年・田中春男が占い師にして町の都市伝説ハンターだった祖母の跡を継ぎ、都市伝説の元となる怪異と対決していくお話。手にとったきっかけはどうやら感想サイトで「ご近所ヒーローもの」「ピンク髪ヒロイン」という属性描写を見たかららしいです。

ちょっとおかしな連中に振り回されながらも、身近な友人達のために必死で立ち上がる主人公の姿には好感が持てるのですが、なんか全体的にむりやり詰め込んだ要素を扱いかねているような印象を受けて、最初の方は全く物語の世界に没入できなかったなあ。特に第一話は、主人公の動機から何から全てが唐突に思えて、設定書きを読まされているような印象を受けて読んでいてキツかったです。“ギャルゲーゴッド”という設定も物語に一切なじんでないように思えたし、主人公の独特の語り口も一つの魅力なんでしょうが、特に高所恐怖症になった理由とか、本当に「目的のための理由」という気がして、全く感情移入できなかった。

ただ、大体の設定が提示された後に満を持して始まった第二話はかなり面白かった。天然ボケなヒロイン・コトリさんと彼女に“お似合い”な美青年・桑島に嫉妬する春男が迷走する姿には凄く共感できたし、ギャルゲー友達である草一の為に身体を張って立ち上がろうとする春男の姿が印象的。特に、いじめられている彼の為に意外な人物が立ち上がる場面では、胸が熱くなりました。

しかし、2話の最後で衝撃の事実が明かされるんですが……それを受けた後、3話での春男の態度があまり好きになれなくて。なんか結局春男の事を本気で心配してくれてるエリアスを傷つけた上に、「コトリさんを巻き込まないため」といって逆に彼女を傷つけてしまって、それでも完全に彼女との関係を断ち切ることができないヘタレっぷりが…そこは彼女との関係を断ち切るにしろ彼女のそばで護る立場にたつにしろ、もっときっぱりかっこよく決めてほしかったなあ。

あとやっぱり、この作品ってなんか設定出しが下手だとおもう…。ラストで明かされた「都市伝説」の内容については思わずニヤリとしてしまう所があったのですが、その前までに展開されていた内容があまりにも重かっただけに、なんか大きく肩すかしをくらったような印象でした。3話は次巻回しにしてでももうちょっとページ数を割いてもよかったのでは。

世界観設定やストーリーやキャラクターには魅力を感じるのですが、なんか全体的にのめりこめない自分が居て、それが残念。正直、どこが笑いどころかわかんなかったし。ただ、第二話は普通に面白かったので、案外2巻以降読んだら普通に楽しめちゃうかもしれず…うーん。

一応続きも買ってあるし、巻を重ねるごとに面白くなるみたいな話も聞いたので、また気が向いたら読みたいと思います。

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騎士は恋情の血を流す The Cavalier Bleeds For The Blood

 

人より少し落ち着いて居て、友人たちの中でも埋没している印象の青年・葛城貴士は、人の血流を自由に操る事が出来るという能力<プリーズ・ブリード・ユー>の使い手だった。その能力が故に他者を思うとおりに動かし、自分だけでなんでもすることが出来る貴士は様々な人間を利用し排除しながら、自らの目的を達成しようとするが……

「しずるさんシリーズ」の前日譚にしてしずるさんとよーちゃんの出会いのお話、そしてしずるさんvs統和機構なお話。

両方の世界観を踏襲した物語でありながら「ブギーポップ」「しずるさん」どちらを読んだ事ない読者にも比較的優しいつくりになってるのがかなり良い感じ。ブギーポップシリーズからのキャラクターもかなり居ますが知らなければ逆に気にならない程度のレベルですし、「MPLS=なんか超能力っぽい能力持ってる人」程度の認識があればシリーズ未読者でも問題なく読めると思う。しずるさん側のシリーズはそもそもしずるさん&よーちゃんの出会い話なので、恐らくシリーズ知識が一切なくても大丈夫。両シリーズの入門編としても、結構いいんじゃないでしょうか。もちろん、どちらのシリーズもかじっておいた方が楽しめる事は楽しめますが。

最初3/4くらいはずっと<プリーズ・ブリード・ユー>の使い手であるMPLS・葛城貴士と、彼の周囲に現れた統和機構の組織<オカリナ>の対決が描かれ、これ、しずるさんじゃなくて「ブギーポップ」じゃん!!!とか思っていたのですがとある出来事をきっかけに、意外なところからスイッチを切り替えるような鮮やかさで「しずるさんシリーズ」の世界へと物語が転換していく様子が凄かった!煽り文句の通り確かにこの物語は「しずるさんvs統和機構」であり、しずるさんシリーズであり、同時に“ブギーポップ世界の外伝話”でもあるんだよね。

しずるさんの物語とブギーポップの世界観が融合してちゃんとどちらの美味しいとこも素材を殺さず活かしてる感覚がとにかく凄い。1冊でどちらの世界の物語もちゃんと楽しめてる。というか、物語が「しずるさん」の方面に一気に転換した際の衝撃は本当に凄かった。

上遠野作品は本当に久しぶりに読みましたが、やはり面白い!派生作品が追いきれなくて切っちゃった「ブギーポップシリーズ」やしずるさん世界とのリンクが多いらしい「ソウルドロップシリーズ」あたり、もう一度手を出してみようかなあ。というか「ブギーポップ」と「しずるさん」再読したくなってきました。

ブギーポップとしずるさん、どちらかがお気に入りなら必ず楽しめるはずの一冊。超オススメ!

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