ページ 109 | 今日もだらだら、読書日記。

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えでぃっと! ライトノベルの本当の作り方?!

 

中学生にして新人賞を受賞し、一迅社でライトノベル作家をやっている高校生・羽沢雛太。彼の元にやってきた新しい担当編集は同じ高校一年生の女の子と自称「神様」なミニチュア狐耳少女だった。しかも新シリーズを担当する事になった絵師さんは同じ学校の同級生で…!?

現役高校生ラノベ作家の担当が現役高校生編集者の女の子になり、挿絵が現役高校生イラストレーターでさらに主人公の幼馴染とちょびっと不思議要素とかも絡みつつ展開するラノベ業界ラブコメ。

ラノベ業界ラブコメというとGAの「ばけらの!」を髣髴してしまうのですが、そちらとはまた違った方向から描かれるラノベ業界の様子と、主人公たちの恋愛事情が中々楽しかったです。実際の作家をモデルにしたと思しきキャラクターも出てきますが、あくまでそっちはエッセンス程度の扱いでメインは主人公たち3人(+α)の関係が中心。終盤は典型的なハーレムラブコメの様相を呈してましたが、私は美少女高校生イラストレーターの宝泉院さんが一番好きでした!

個人的に一番楽しかったのは、編集会議のシーン。作家と編集が二人三脚で物語を面白くしていく様子がとても楽しそうで、物凄いワクワクする。編集さんとの相性とかもあるだろうし、こうも上手くいくことは稀なのかもしれないけど、やはりこういう形で作品を「高めて」いけるというのは「自由に好きなものを描く」同人とはまた一味違う商業創作活動の魅力なんだろうなあ。特に一人で同人をやっていると、なかなかこういう形の指摘をして貰える事は中々出来ないので、そういうのを忌憚なく言ってくれる相手が居るということには物凄くうらやましく感じる。いや、実際本当に忌憚無いツッコミをバリバリされたら、凹むのは目に見えてるんだけどさ…!!

一方でその「二人三脚」の創作活動に魅力を感じるからこそ、その後の宝泉院さんさんのトレス疑惑の話が恐ろしい。「あれ」が真実であるとはどうしても思いたくないけど、本当にそういう事がきっかけで沈んでいった絵師さんがいるのではないかとか考えると…。最近は特に、ちょくちょくトレース疑惑問題が取りざたされていた事もあって、本当に恐ろしく感じました。

青春ラブコメとしても創作活動モノとしてもとても面白かったです。しかし、個人的には創作活動モノとしての方向に高い比重の魅力を感じていたせいか、イツキの異能能力設定は余計に思えなくも無かったり……彼女自身凄く良いキャラだとはおもうんだけど、物語の出来に彼女の能力が影響を与えているということに、どうも抵抗を覚えてしまう。まあ「運を引き寄せるのも実力のうち」って返されるとそこまでなんだけども。

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身代わり伯爵の冒険

 

町のパン屋の看板娘・ミレーユ。色恋沙汰に生まれてこのかた御縁が無く、ひたすら実家のパン屋の商売繁盛のことばかり考えていたが、ある日謎の青年に拉致(!?)され、死んだとばかり思っていた父親の元に連れてこられてしまう。しかも、成り行きから双子の兄・フレッドの身代わりとして王宮に出仕することになってしまい…!?

ついったーで「鈍感×鈍感とか、天然×天然とか、両思いなのに進展しなくていつまでももどかしい関係なカップリングの話が読みたい!」と叫んだらオススメされたので手にとってみました。きっぷのいい町娘・ミレーユが父方に引き取られた双子の兄の身代わりとして男装し、陰謀渦巻く王宮に潜り込む…というお話です。

商売根性溢れる庶民派で、どこか破天荒な女の子であるミレーユが見せる、女の子らしい一面がとてもかわいい。プロローグの暴れっぷりからして彼女に周囲が振り回されるのかと思いきや、慣れない男社会に振り回されたり、陰謀渦巻く貴族たちのやり方に憤ったり心を痛めたり…という姿に若干の驚きと、それ以上の愛おしさを感じました。王宮での鬱憤を晴らそうととった行動とその顛末には爆笑したけど。

そんなミレーユが「身代わり伯爵」となった時から影に日向に彼女に付き従い、次第に惹かれていくのが兄の親友・リヒャルドなわけですが…恋愛ごとに不慣れで不器用な二人のすれ違いから、それが解きほぐされるエピローグまで思う存分に楽しむ事が出来ました。「王道ファンタジー」と謳うだけあって、素晴らしい王道展開にニヤニヤがとまらない。王道すばらしいよ王道。

しかし、完全にドツボにハマったのは終盤でミレーユの兄・フレッドが登場してからでした。何、この素晴らしすぎる兄貴!!!笑顔で人を惑わす昼行灯ぶり、自分大好き妹大好きなナルシストっぷり、そしてミレーユとリヒャルドの恋路をさりげなく進展させようとする策士ぶりに最初から最後まで胸がキュンキュンときめきまくりました。もう、わたし、フレッドの親衛隊に混ざってもいい……。

ミレーユとリヒャルドの淡い恋の行方や二人の周囲を渦巻く陰謀といい、素晴らしすぎる萌え兄貴といい、いろいろな意味で素晴らしかったです。少しずつ、続きも読み進めていこうとおもいます。とりあえず兄貴にもっと出番を!!!

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夏コミ新刊、委託はじめました。+サンクリ45予定

夏コミで頒布したバカテス本「ばかてすっ!」が「とらのあな」様で委託していただけることになりました。
すごく……びっくりです……

以下のリンクから商品ページへ直接飛べますので、夏コミで買い損ねた!という方は是非どうぞ。
手数料の関係でちょっと高めになってますが……他の素敵な同人誌のオマケかなにかに、是非。
(小部数ながら秋葉原店でも取り扱っていただいてるみたいです。)


内容は秀吉&明久中心、2巻の文化祭話の妄想補完本です。
とりあえずメイドアキちゃんかわいいよな本です。

→本の詳細はこちらからどうぞ。



なお9月27日に池袋で開催される「サンシャインクリエイション45」でも頒布しますので、
そちらのイベントに参加される方はそちらでどうぞ。Bホール エ-04b「CELESTE BLUE」でおまちしております。
サンクリ新刊は……コピーでなにか、出せたらいいなあ……orz

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我が胸で眠れ亡霊 魔術士オーフェンはぐれ旅3

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

借金取立ての旅の途中、『魔術士殺し』と呼ばれる女暗殺者・ヒリエッタに命を狙われたオーフェン。またぞろ、自分の縄張りで商売をしているのが気に喰わない金融業の元締めにでも狙われているのだろう…とおもっていたのだが、ヒリエッタは意外な取引を持ちかけてくる。一時的に彼女と手を組む事にしたオーフェンだが…
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我が胸で眠れ亡霊 (富士見ファンタジア文庫?魔術士オーフェンはぐれ旅)
本編シリーズ第三巻。女殺し屋に命を狙われたオーフェンがとある魔術士の生み出した「亡霊」と対決することになる…というお話。序盤に出てきた、オーフェンの金貸し戦跡噴いた。「無謀編」を知ってるとどのくらい金に困窮してたか、仕事上手くやってないかは知ってたけど、そこまで酷かったのかよ!!!とっとと金貸しやめて他の職業に転職しろよ!!!

今回は何よりオーフェンとクリーオウの微妙な関係にニヤニヤが止まらない!オーフェンに振り向いて貰いたくてヤキモキしているクリーオウと、邪険に扱いながらも彼女の事を大切に思っているオーフェンの縮まりそうで縮まらない絶妙な距離感がたまらない。

一方で、様々な意味で重いものを感じさせるオーフェンの過去も気になる。オーフェンの《牙の塔》時代は「無謀編」の方で結構読んだけど、あちらは結構ドタバタなイメージしかなかったので、1巻の事件があったとはいえこんな重たい過去があるとは思いもよらなかった。そういえばあの話ではアザリーの他にも《牙の塔》時代の仲間が出てくるんだっけ?1巻を読んだのが2年前とかなので、いい加減内容忘れてる……

彼の過去になにがあったのかは今後の本編で明かされていくのかなあと思うので、今後どんな風に物語が続いていくのかも楽しみです。

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我が命にしたがえ機械 魔術士オーフェンはぐれ旅2

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

借金を踏み倒して逃げだした地人の兄弟を追いかけて古都アレンハタムへやってきたオーフェンとマジク、クリーオウの3人。まずは大陸魔術士同盟支部に足を運ぶが、突然の大爆発に巻き込まれてしまった。爆発の瓦礫の中から、かつての友人・ステファニーを発見して…
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我が命にしたがえ機械 (富士見ファンタジア文庫—魔術士オーフェンはぐれ旅)  <br />
気がついたら1巻を読んでから2年半の月日が経過しておりました…というわけで、周囲のブームに流されて遅まきながらようやく本編続きに着手(無謀編は結構読み進めてた)。今回は、“天人”の残した遺産で、すべての魔術士を抹殺しようとする殺人人形とオーフェンが対決するお話。

“魔術”と“魔法”の違いや作品世界で“ドラゴン”と呼ばれる種族の存在や魔術の成り立ちなど、全体的に作品の世界観を補強するような会話が多かったような。あと、「無謀編」のイメージを持ったまま読むとマジクがすごい子になっててびっくりですね。あと「お師様?」っていってオーフェンを慕ってる(?)様子にびっくりです。確かに言葉の端々はアレなんですけど、さりげなく恰好までオーフェンのまねっこしちゃって、なんなのこの師匠大好きッ子!!(無謀編の時は「この金食い虫!!」みたいな扱いだった…よね?)

まあ、オーフェン自身もそういうイメージでマジクを見てただろうから、思わぬ才能の開花にさぞかしびっくりしたんだろうけどなあ…。牙の塔でも才能があると言われていた自分をも超えそうな才能を発掘したことに、嫉妬心やらなにやらを隠しきれない姿が印象的。色々と不安なフラグが立ってる気がするけど、今後二人の関係はどうなるんだろう。弟子が師匠を追い抜いていくのが半ば確定的となっている気がするけど、無謀編でのやりとりを見ているとあまり確執とかに発展しないでほしいなあと思うばかり…。

そしてせっかく中盤までそれなりにシリアスに話が進んできたのに、遺跡で待ち構えてた人と「殺人人形」の酷いグラフィックにうっかり噴いた。そしてオチで更に噴いた。ここは笑うところですよねっ!?

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384,403km あなたを月にさらったら

 

美由紀は幼稚園の頃に同じ組だった理世にずっと片思い中。私立小学校に進んだ理世と公立の学校に進んだ美由紀は離れ離れになり、月と地球にいるようなさみしさを感じていた。そんな彼女の念願が叶って理世の通う私立女子高に進学するが、理世はとある先輩の「お気に入り」になっていて…!?

ティアラ文庫、創刊ラインナップ以来のジャンル:「百合」。みりおんぐらむさんの感想がきっかけで手にとりました。主人公が、幼稚園児の頃から好きだった女の子を今度こそモノにするため、エスカレーター式のお嬢様学校に進学する…というお話。

主人公のキャラが楽しすぎて、最初から最後までニヤニヤが止まらなかった!これまで読んだティアラ文庫のラインナップの中でも最高に楽しめたかも。本人はあくまで「策士」のつもりでいるんだけど、考えていることがすぐに顔に出てしまったり、大事なところであっさり計略が破たんして茫然としたり……という壮絶なうかつな子っぷりが微笑ましい。「コードギアス」のルルーシュの女の子版、という言葉が脳裏をよぎったとかよぎらないとか。

また、美由紀の恋人である理世が非常に良い性格してる。おっとりした天然娘かと思わせておいて、予想外に客観的な視点を持っている、作中で何度も表現される通り「猫みたいな」女の子。彼女と美由紀が結ばれた後は理世の視点からも物語が語られるのですが、しょうもない計略を巡らせてはすっ転ぶ美由紀の姿と、そんな彼女をふりまわす天然小悪魔っぷりに笑いが止まりませんでした。

唯一、残念なのはティアラ文庫では定番の事ながらかませ犬ポジションの押しが不自然に弱い事。
特に恋敵であるまりあ先輩にはもうちょっと頑張ってほしかったな。良いキャラだったのに。
美由紀と理世が結ばれたとたんに完全に出番がなくなるのは正直どうかと思う。

あと、
理世×美由紀(with酒)を、どうしてカットしたし
せっかくエロありレーベルなんだから、そこはしっかり収録すべきだっただろおおおおお!

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コッペとBB団 その3

[著]田口 仙年堂 [絵]はしもと しん

かつてコッペを生みだし、BB団を裏切った男・K次郎博士の残した隠し部屋が発見され、その部屋に怪人の製造ポットが設置されていた。コッペの「弟妹」達の誕生に沸きあがる一同だが、BB団の支部が正義のヒーロー「トリオ・ザ・ナイトメア」に襲撃されて……
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アットホームな悪の組織・BB団と人工人間の少女・コッペが織りなすドタバタコメディ。「FBオンライン」で連載されていたお話に書き下ろしを加えた最終巻。

コッペの弟妹となる怪人で炎の男・ミスター・フランベ、氷の美女・ミス・ソルベ、大地の巨漢・ポテト・パパ、風の少年・アロマ・ボーイという4人が怪人として、そして「家族」として少しずつ成長し、絆を深めていくというお話。相変わらずちっとも「悪の組織」にはちっとも見えないBB団の面々と、凶悪な力を持ってはいるものの心優しく、敵と戦う時ですら躊躇してしまう彼らの姿が印象的でした。また、弟妹達の誕生によって4人の「お姉さん」としてこれまでと違った立ち位置で描かれるコッペの奮闘もなんだかほほえましい。

しかし、敵である「トリオ・ザ・ナイトメア」がまたちっともヒーローらしくなくて、彼らとの闘いを見ているともうどっちが悪の組織でどっちがヒーローだかわからなくなってくるから困る。ミスター・フランベが彼らに対して「そういえば俺達は悪の組織だった」みたいなこと言いだす場面がありましたが、あれは全国の読者も同じ気持ちだったのではないかと。しかしその一方で、最初バラバラに各自のやりたいことをやるだけだった「トリオ・ザ・ナイトメア」の子供たちが初めて“強敵”と呼べる存在に出会い、敵を打ち倒す為に少しずつ協調して戦う事を覚え、人間としての成長を果たしていく姿が印象的でした。そして予想以上に肝っ玉母ちゃんなゴーストWさんがすてきすぎる。

そしてエピローグではいい人だらけのBB団がなぜ「悪の組織」ではならないのかという、物語の秘密の一端が明かされます。しかしP子がラストで呟いているように、彼らの目的は徐々にコッペ中心のものに変わってきているわけで、BB団が今後どうなっていくのかは非常に興味をそそられます。むしろ数年後には普通に正義の組織に生まれ変わっててもおかしくないんじゃね!?コッペの進学とか主にそういう方向の理由で。

しかし、もともと「FBオンライン」で連載されていた作品と言うだけあって外伝色が強く、これが「最終巻」と言われてしまうのは少し物足りなさを覚えます。ゆっくりとした発刊ペースでも構わないので、彼らのアットホームなやりとりをもう少し眺めていたかったような。3巻も十分面白かったけど、ミスターフランベ達4人が中心になってしまって本来の主役であるコッペ達は物語の中心に居ませんでしたし。

また何らかの形で続きが出ないかなあ、と思わず考えてしまう最終巻でした。

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アンゲルゼ 最後の夏

 

親友リコの「孵化」を私の歌が助けた……? 次々に明かされる衝撃の事実に戸惑う陽菜。能力の検査と訓練のために軍の施設に通い始めるが、そのメニューは苛烈を極めていた。新しい仲間、有紗もなぜか酷く冷たい。何度もくじけかける陽菜だが、世界は彼女を待ってくれなかった。アンゲルゼの「大活動期」が目前に迫っている…。重すぎる使命と折れそうな心を抱えた陽菜の、凄絶な夏が始まる!

“未孵化(アンハッチ)”としての能力を開花させ、否応無しに軍への入隊を余儀なくされた陽菜は、夏休みの殆どの時間を基地での教練をして過ごす事に。中学で受けたお仕着せの軍事訓練とは違う、本格的な軍事教練に日々ヘトヘトになりながらも何とか付いて行く陽菜だったが──「天使病」と呼ばれる奇病が蔓延し、その病気から人間外の存在になった者達と人類との闘いが勃発する架空の現代日本を舞台にした現代ファンタジー第二弾。今回は軍に入ることになった陽菜が様々な過酷な訓練を受けながら、「アンゲルゼ」に関する様々な真実を知っていくというお話。

ちょっと持ち上げては崖の下まで突き落とす、聞きしに勝るサド全開な展開に読んでるこちらまでわたわたしながらも手に汗握りまくりです。色々あったけど特に西原の母親の話は、真実に気がついたとき背筋が寒くなりました。

人間と“アンゲルゼ”との戦いに足を踏み入れ、次々と過酷な真実を知らされ突き落とされていく合間に、定期的に挿入される中学生の少年少女らしい青春なお話が憎らしい…!!いつこの儚い幸せが打ち砕かれてしまうんだろう、とハラハラしてしまうのは私だけじゃないはず。サブタイをふまえると、切なさ倍増。1巻の突き落としぶりがあまりにも見事だったので、「それで、湊はいつもう一回陽菜を裏切るの?」とか思ってしまう私がいる…。

人生を一変させるような出来事を経て、以前よりも前向きになった陽菜が少しずつ現実に立ち向かっていく姿は頼もしいものがあるのですが、同時に着々と嫌な伏線張られてる感じが恐ろしい。特に、敷島には様々な意味で不気味なものを感じます。陽菜に対しての不可解な態度は、利用しようとしているのか不器用な優しさの裏返しなのか…「利用している」程度ではすまないような何かが彼の行動の裏に潜んでいる気がして、それがとても恐ろしい。

ちなみに後書きで「湊派か覚野派か」みたいなネタがありますが、私は断然覚野派ですね!!なんか湊は全体的に行動がうさんくさいというか、3巻か4巻くらいでふたたびポジション裏返りそうな気がしてならない。覚野は出番少ないけど、一途ツンデレ(糖分控えめ)の香りを感じて、彼が出てくるたびにニヤニヤします。あと新キャラの有紗さんも、これは糖度1%未満ツンデレかそうなんだな!という感じでとても好きです。彼女の今後の活躍(もろに、捨て駒キャラになりそうだけど…)に期待。

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「このライトノベルが凄い!2010」投票はじまったようです

というわけで今年も「このライトノベルがすごい!」の季節がやってまいりました。
10月6日投票締め切りのようなので、ライトノベル好きの皆様は忘れないうちに投票してくるといいですよ!



本年度は人気作品の完結が非常に多くて、その辺りがどうランキングに絡んでくるか注目な気がしますね、と適当な分析っぽいことを言ってみたり。特に「とらドラ!」は強そうだなあ……

あと個人的に見物なのはやはり男子・女子キャラクター部門。

前回女性ランク10位・男子ランク1位という驚愕の結果を生み出した木下秀吉がどこまでのし上がるかとか、毎年投票してた相良宗介の居ない男子部門最後の1枠を誰にするかとか、今年も非常に悩み多き部門となりそうです(ピンポイント炸裂)

去年の男子ランキングトップ10内だと、アニメ化で知名度を上げつつある(ような気がする)阿良々木暦(化物語)や杉崎鍵(生徒会の一存)、井上心葉(文学少女シリーズ)吉井明久(バカとテストと召喚獣)に男子TOP5常連組の高須竜児(とらドラ)&上条当麻(とある魔術の禁書目録)の電撃文庫アニメ化コンビがどう立ち向かうのかにも期待したいところです。しかし、去年のトップ10はある意味鉄壁過ぎて、誰一人として10位以下に落ちない気がしてならない…ムッツリーニとかそろそろ上がってきそうな気がするけど、そうするとバカテスキャラが3人もランク10以内にいることになるし、キツイかなあ。

…秀吉は、男子部門では鉄壁でしょう。元々投票者の割合が男子方面に傾いてそうなランキングだし。
そろそろ男子部門女子部門両方で1位とかいうアホなことになってもおかしくない気がする……


4796666958このライトノベルがすごい! 2009宝島社 2008-11-22

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投票してきたので、投票した作品を覚書。

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アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭

 

幼いころに両親を亡くして東京の沖合に浮かぶ神流島の親戚の元で暮らしている天海陽菜は「誰にも嫌われたくない、目立ってはならない」という不安や軍事訓練による重圧と闘いながら鬱々とした日々を過ごしていた。彼女の唯一の安らぎは森の奥に居る不思議な存在「マリア」と過ごすことだったが、彼女の元で不思議な少年と出会い…!?

「天使病」と呼ばれる奇病が蔓延し、その病気から人間外の存在になった者達と人類との闘いが勃発する架空の現代日本を舞台にした現代ファンタジー。夏コミで補完本買ってしまったのに本編読んでなかったので、今さら手をつけてみました。

序盤は目立たなく大人しいけど、どこか人間関係に対して冷めた観点を持ち、どこか攻撃的で投げやりな陽菜の考えにイライラしていたのですが、そんな彼女が隣の中学に通う明るい少年・湊尚吾と出会う事によって少しずつ変わっていき、それによって今まで内に閉じこもっていた彼女が周囲に対して心を開いていく姿がとても良かったです。「どうせ親友なんて名ばかり」といって馬鹿にしていた理子・楓に悩みを打ち明けたり、「きっと好かれていない」義母と親娘らしい会話が出来るようになったり……と、徐々に前向きになっていく姿に好感が持てました。

しかし、その直後に起こったとあるアクシデントにより、それまで彼女が築き上げてきたすべての関係を打ち砕かれてしまう場面が辛い。周りの人々が陽菜につきつけてくる言葉はどれもこれも、自分が前半を読んでいたときにうすうす感じていた事だったので否定できない一方、「それでも、陽菜は変わろうとしていたのに…」という悲しさが先に立つ。

付きつける言葉は冷たいけど、なんだかんだいって陽菜のことを気遣っている(ような気がする)幼馴染・覚野のちょっとキツイ励まし(?)により陽菜が再び立ち上がった時には本当にホっとしましたが、間髪いれずにさらなる悲劇が彼女を襲うのには本当に戦慄した。持ち上げたと思ったら再びどん底に突き落とし、まさに容赦ない展開にどんどん引き込まれた。

ラストはドン底の中でも、陽菜が前を向いて「親友を救うため」目の前の現実に立ち向かっていこうとする姿が印象的でした。信じようとした人から裏切られて四面楚歌な状態からのスタートだけど、一方でかけがえのない何かを得る事が出来たはずの彼女には、くじけずに頑張ってほしいなあ。続きを読むのが楽しみです。

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