アンゲルゼ 最後の夏 | 今日もだらだら、読書日記。

アンゲルゼ 最後の夏

 

親友リコの「孵化」を私の歌が助けた……? 次々に明かされる衝撃の事実に戸惑う陽菜。能力の検査と訓練のために軍の施設に通い始めるが、そのメニューは苛烈を極めていた。新しい仲間、有紗もなぜか酷く冷たい。何度もくじけかける陽菜だが、世界は彼女を待ってくれなかった。アンゲルゼの「大活動期」が目前に迫っている…。重すぎる使命と折れそうな心を抱えた陽菜の、凄絶な夏が始まる!

“未孵化(アンハッチ)”としての能力を開花させ、否応無しに軍への入隊を余儀なくされた陽菜は、夏休みの殆どの時間を基地での教練をして過ごす事に。中学で受けたお仕着せの軍事訓練とは違う、本格的な軍事教練に日々ヘトヘトになりながらも何とか付いて行く陽菜だったが──「天使病」と呼ばれる奇病が蔓延し、その病気から人間外の存在になった者達と人類との闘いが勃発する架空の現代日本を舞台にした現代ファンタジー第二弾。今回は軍に入ることになった陽菜が様々な過酷な訓練を受けながら、「アンゲルゼ」に関する様々な真実を知っていくというお話。

ちょっと持ち上げては崖の下まで突き落とす、聞きしに勝るサド全開な展開に読んでるこちらまでわたわたしながらも手に汗握りまくりです。色々あったけど特に西原の母親の話は、真実に気がついたとき背筋が寒くなりました。

人間と“アンゲルゼ”との戦いに足を踏み入れ、次々と過酷な真実を知らされ突き落とされていく合間に、定期的に挿入される中学生の少年少女らしい青春なお話が憎らしい…!!いつこの儚い幸せが打ち砕かれてしまうんだろう、とハラハラしてしまうのは私だけじゃないはず。サブタイをふまえると、切なさ倍増。1巻の突き落としぶりがあまりにも見事だったので、「それで、湊はいつもう一回陽菜を裏切るの?」とか思ってしまう私がいる…。

人生を一変させるような出来事を経て、以前よりも前向きになった陽菜が少しずつ現実に立ち向かっていく姿は頼もしいものがあるのですが、同時に着々と嫌な伏線張られてる感じが恐ろしい。特に、敷島には様々な意味で不気味なものを感じます。陽菜に対しての不可解な態度は、利用しようとしているのか不器用な優しさの裏返しなのか…「利用している」程度ではすまないような何かが彼の行動の裏に潜んでいる気がして、それがとても恐ろしい。

ちなみに後書きで「湊派か覚野派か」みたいなネタがありますが、私は断然覚野派ですね!!なんか湊は全体的に行動がうさんくさいというか、3巻か4巻くらいでふたたびポジション裏返りそうな気がしてならない。覚野は出番少ないけど、一途ツンデレ(糖分控えめ)の香りを感じて、彼が出てくるたびにニヤニヤします。あと新キャラの有紗さんも、これは糖度1%未満ツンデレかそうなんだな!という感じでとても好きです。彼女の今後の活躍(もろに、捨て駒キャラになりそうだけど…)に期待。

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