遅まきながら冬コミ当選しました。
スペースは12/29(月) 東3ホール"ケ"-24aです。初ラノベジャンル参加。
新刊で「バカとテストと召喚獣」の男子キャラ中心ギャグ本と、余裕があれば「碧陽学園生徒会」シリーズの鍵受中心ギャグ本を予定。
とりあえず予定が確定したら新刊情報とか載せるかも。
▼ 最近の記事
ダブルブリッド Drop Blood
[著]中村 恵里加 [絵]たけひと ある晴れた日、フェンスで囲われた屋上で布団を干している大田真章に向かって声が掛けられた。やたらと不機嫌そうなその声は、フェンスの向こうから聞こえてきて…捜査六課の面々の日常、片倉優樹の過去、そして『あれから』の話を収録した短編集。 |
「Dead or Alive」「Momentary Happiness」「汝の隣人は燃えているか」
それぞれ大田、安藤&虎司、夏純のなんてことない日常を描いた短編。
このまま本編の間にちょっと入ってても何の違和感のないだろう、ほんとうになんてことない「日常」を描いた3作…なのに、完結した後に読むとちょっと切なくなってしまうのは何故だろう。個人的に一番好きだったのは安藤さんと虎司が焼肉に行く話を描いた「Momentary Happiness」かな。メインである焼肉の話もなんかもうありありと情景が浮かんできて素敵なのですが、ちょっとだけ追加された『あの後』の話にぐっとなりました。安藤さんと虎司の初々しいカップル(?)ぶりが素敵。
「こどもらしくないこどものはなし」「こどもらしくないこどもにすくわれたはなし」「こどもらしくないこどもとぶこつなおにのはなし」
片倉優樹が小学生の時に起きたとある事件に関わった、2人の同級生の話と小学生時代の優樹が飯田と出かける話。
自分の気持ちを伝えられない事を後悔し続ける少年と、気持ちを伝えられた筈なのに上手く伝えられなくて今でも時々彼女に想いを馳せる少女の話は、この物語の結末を知っていると無性に切なくなる。優樹の気付かないところで彼女の優しさに触れた人々が確かに存在したのだと、感慨深い気持ちになりました。
…といいつつ、一番ツボだったのは誰がなんと言おうと「ぶこつなおにのはなし」です。飯田可愛いよ飯田。
さりげなく浦木に振り回されてたり、お嬢さんの反応に一喜一憂する飯田モエー。
「続いた世界のある顛末」
片倉優樹が物語の舞台から去った後、捜査六課に戻った山崎太一朗と未知、そして残された捜査六課の面々のお話。
警戒心バリバリの未知にどこか不器用な形で接する太一朗に思わずニヤニヤ。太一朗に触られる事を拒む未知に対し、太一朗が打ち出した妥協案には爆笑してしまいました。この二人、予想以上に良いコンビだ。
捜査六課に戻った後の展開は…特に何処がどう、というわけでもないのに無性に涙が出た。取り返しのつかないことをしたと、元の関係には戻れないのだと言外に強調する大田。かつてと変わらない虎司。様々な意味で変わってしまった太一朗。それでも、この3人が再びお互いに語り合う姿を見られたのが無性に嬉しかったのか。それとも、そこに片倉優樹の不在を感じてかなしくなってしまったのか。淡々と未知やアヤカシ達の怒りの言葉を受け、それでも「死にたいと願いながら死ぬまで生きる」と言う太一朗の姿には、どこかいなくなってしまったあの人の姿を感じさせて、余計に哀しくなった。何気にまともに喋るのは初めてな夏純と太一朗のやりとりがなんか好きだったなあ。
そして優樹の「全て任せる」という言葉を受けて彼女の意図を汲んで行動していく大田がかっこよすぎる。本編9巻以降、美味しいところは片っ端からこの傍観者が総取りしていった気がしてなりません。
「おじさんは、ゆうさんのこと、すきだったの?」
「ああ、好きだよ」
最後の未知と太一朗の会話がまた、胸をしめつけてくる。未知が過去形で問いかけた質問に対し、「現在形で」応える太一朗の想いが切ない。短い邂逅の中、最後の最後まで分かり合えない二人が片倉優樹を通して通じ合う言葉のやりとりに、また無性に泣けてきた。ほんとにもう、なにがなんだかわかんないくらいに泣いた。
最後までダブルブリッドらしい、最高の物語でした。
これで最後なのは哀しいけど、次の物語を楽しみに待ちたいと思います。
ダブルブリッド完結で4年待った私に怖いものなんかないぜ!たとえ続きが絶望視されても「ソウル・アンダーテイカー」の続編を夢見続けたいと思います!いや、ほら、こないだ久しぶりに続きが載ったし!!
…「ゲームネタ満載の笑えそうで笑えないパラレル番外編」が超気になります。それで1冊出しませんか。学園キノ的なノリで。
魍魎の都 姫様、それはなりませぬ
[著]本宮 ことは [絵]堤 利一郎 諾子の屋敷の庭で咲いている山吹の茂みの所から、陰気臭い童子の泣き声が聞こえてくる。いい加減うっとおしくなってきて話を聞いてみたら、「川へ連れて行って」と頼まれて…。些細な事で則光と喧嘩をしてしまった諾子は、山吹に付いているそれを連れて再び屋敷を飛び出すのだが…! |
なんかやたらと後半駆け足だとおもったらちょおま…!打ち切り?というわけで、“見鬼”の能力を持つおてんば姫・諾子を中心に繰り広げられる平安ラブコメ第二弾。
面白かったんだけど、なんか後半から突然駆け足になって、身もフタもなく敵が倒されて…そのまま「え?あれ、完結??」という感じ。なんか中盤まで書いたところで編集部から打ち切り宣告され、強引にオチをつけたような感じが透けて見える気がするのはきのせいかなぁ…1巻に登場したメインキャラ人数だけではオチがつけられないから、強引に諾子と則光の話にしぼってとりあえずそこだけでも終わらせました、みたいな。あらすじに今回一切出てこない藤原道長への言及がある事を踏まえて、やはり途中で強引に展開を変えたような気がしてならない。四天王も季武しか出てこないし、とにかく物足りなさばかりが漂う。
特に今回のボスの倒され方が…ひどいなぁ…1巻での手ごわい“天狗”像とあまりにもかけはなれていて、ポカーンとしてしまった。後半の諾子と則光のやりとりが最高だっただけに、それ以外の部分が特に酷く感じてしまう。素直になれない二人が背中合わせに、ポツリポツリと本音を漏らし合うところなんか、ほんと素晴らしいのに。その後の照子と諾子のやりとりにもニヤニヤがとまらなかったのに。電車の中でごろごろ転がりたくなるくらい素晴らしかったのに!!
もうなんというか、もっとこの二人のもどかしいやりとりを拝んでいたかったよ?!としかいえない。四天王についてもまだ語られきれてない感じがするし敵の目的やなんやらには全く触れずにおわってるし…とにかくこれで完結だなんて、あんまりだ!
お前はいったいなんなんだ!? 魔術師オーフェン無謀編3
[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也 金貸し魔術士のはずなのに、今日も今日とて金欠なオーフェン。そんな時、土人兄弟の弟・ドーチンから「ボルカンが最近やたら羽振りが良い」と聞かされ、今日こそ借金を取り立ててやろうとボルカンの元を訪れるが、思わぬ人物が現れて…!? |
2巻の感想で「オーフェンはシリーズ後半になったら主食が食塩水・砂糖水になるにちがいない」という予想を書いたけど、むしろシリーズ「後半」どころの騒ぎじゃなかったネ!!たった1巻先で予想が的中するなんて!!!むしろ水で溶いてない分どこかの観察処分者よりさもしい食生活な気がする……ますます懐が可哀そうな子になっていくオーフェンから目が離せません(おもに憐み的な意味で)
それにしても、噂には聞いてたけどキースは良いキャラだなぁ…完璧キャラで性格歪んでる系のよくある執事さんかと思わせておいて、色々ダメすぎる上に卑怯なところが素敵。「スレイヤーズすぺしゃる」におけるナーガポジションはコギーだと思ってたんですが、実はキースだったんですね!というかナーガはまだ使いようによっては役に立つ子だけど、キースは保身のための悪知恵ばかりに頭が回っている分1ミリも役に立たなくて、本当に駄目な人だ(褒め言葉)今まで以上に振り回されっぱなしのオーフェン、哀れなり。
そして何気に過去編の方も……じわじわとアザリーの変人度合いが上がってる気がしてなりません。実力を持ち合わせているぶんキース以上にヤバイ人に思えてきました。アザリー素敵だよアザリー。
ゴッデス!3 最終戦争って大変なの!!!
[著]ひかわ 玲子 [絵]近衛 乙嗣 連れ去られた宙良を救出する為、神々の住まうヴァルハラへ向かう事を決意したアキラ達。ところが思わぬ足止めをくらい、アキラの目の前には宙良を連れ去ったトール神が現れる!アキラ達は無事元の世界に戻る事が出来るのか!? |
アキラ達の悲願である「元の世界に戻る」という目的も達成できた…と言っていいのか大きく疑問が残るし、何より彼等・彼女達の身の中には神々が眠ったまま。自ら眠りについた宙良のフィンリルや起きる気配のなさげなその他の神々はとにかく、トールとロキはまだお互いが鬩ぎあっている状態なわけで、あの終わり方だとすぐにでもひと悶着起きても不思議じゃないように思える。一見ハッピーエンドっぽく見えなくもない終わり方だけど、まじめに考えるとコンビニだけ復活して、誰も自分の家や家族が復活してない(ネタバレ)っぽいあたりとか、だいぶ酷い。まあそれが「イマドキの高校生っぽい」といえばそうなんでしょうけど…。
ラスボスはご健在だし、身内にも不安の種は残ったままだし、結局目的は達せられたとは言いがたいし、主人公達は潜在能力の存在だけ示唆されてあと投げっぱなしだし……なんだこの猛烈な消化不良感。
うーん、実は私が「最終巻」だとおもっていたのがそもそもの間違いで、実は続きがあるのでしょうか。…でもキャラの!での連載は少なくても終わったくさいし、後書きを見る限りどうみても本編はこれで一区切りっぽいよなあ…これで本当に終わりだとしたら、残念でなりません。
なんていうか、この巻でよかったと思えたのは鎖に繋がれる宙良の挿絵がエロかった所くらいです。挿絵といえば、オーディン&ワルキューレがまんまヴァルキリープロ●ァイルのオーディン&ヴァルキリーに見えたのはツッコミ禁止でしょうか。まあラスボスとはいえ一種のモブみたいなもんだし、もうそんな細かいところに拘ってはいけないのか…
今月のまとめとオススメ本[2008年10月分]
10月に読んだ本は23冊でした。
おお、今月はあまり読んでない印象だったのに意外に多い。
前半は先月から引き続きの少女小説系積読消化月間、後半はLNFmini参加に向けて、杉井光強化月間だったのが効いたのでしょうか。やはり「今月はこれを読もう!」って思いながら本を選ぶと進みが速い気がするなぁ…。
2008年10月のページアクセストップ4
とらドラ9! (⇒感想) | とらドラ8! (⇒感想) | 境界線上のホライゾン1上 (⇒感想) | "文学少女”はガーゴイルとバカの階段をのぼる (⇒感想) |
アニメが始まって最新刊も発売!の「とらドラ!」がぶっちぎり。
とらドラ…というか今期の電撃アニメはどっちも普通に面白くて困ります。どちらも割と原作に忠実な展開なんだけど、キャラクターが凄いイキイキと動いてて、キャラクターの表情変化や動きを見ているだけでも楽しめてしまうのが素直に凄いなあと。大河も実乃梨もインデックスも美琴も可愛すぎる。しかし「とらドラ!」はどんどん重い展開になっていきますがアニメはどこまでやるんだろう。
「ファミ通コラボ」は全作品知ってるおかげもあるけど、普通に面白かったです。というかバカテス好きの腐な人は文学少女コラボのためだけに読んでいいと思うよ!!腐女子フィルター全開な
2008年10月に読んで面白かった本
境界線上のホライゾン1下 (⇒感想) | 神様のメモ帳 (⇒感想) | ダナーク魔法村はしあわせ日和 いとしのマリエラ (⇒感想) |
今月、面白い本は沢山読んだんだけど、突き抜けて面白かったのがあまりなくてこういうのの選択に困る……とらドラ9、境ホラ1下、ファミ通コラボが突き抜けてて後はそれなりに面白いくらいでとんとんというかなんというか。
「境界線上のホライゾン1下」はやはり群を抜いて面白かった!1上の読みづらさを必死に耐え忍んだ甲斐がありました。トーリかっこいいよトーリ!吉井明久(バカテス)・杉崎鍵(生徒会)と共にラノベ界三大「バカッコイイ」主人公として萌え転がり崇めたいと思います。
杉井光強化月間的には「神様のメモ帳」、少女小説強化月間的には「ダナーク魔法村」が一番ツボだったかな。女装少年眩しい「さよならピアノソナタ3」も凄く良かったのですが、雰囲気としては「メモ帳1」の方が好きかも。ダナークはこれで打ち切りというのが本当に惜しい…続きが読みたいなあ。
検索キーワード
今月は途中でSereneBach→WPへ移行したので、あまり正確なデータが取れてません。というわけで、途中経過をご紹介します。確か10月13日くらいの1週間解析だったかな?
なんという「とらドラ!」祭り…。
先月くらいまでTOP3には必ず入ってたバカテス関連のキーワードとかどこいったんだ、マジで。
神様のメモ帳3
[著]杉井 光 [絵]岸田 メル 奇跡的に意識を取り戻した彩香が学校に戻ってきた。失われたものは多く、ぎこちないながら園芸部の活動を再開した二人につきつけられたのは、生徒会からの廃部宣告だった……。廃部を止める為、園芸部に過去で起きた事件について調べ始めた鳴海とアリスだが、それにはテツ先輩が絡んでいて!? |
まあそんなことよりアリスが、アリスがデレたーっ!!!
てっきりデレることなど金輪際ありえないだろうと思っていたアリスですが、今回はなんかやたらとデレてて、それがまたなんか可愛いぞ!?無茶しようとするナルミにやきもきしたり、勢い余ってぬいぐるみを投げつけたりする姿にきゅんきゅんします。そして挿絵まで相乗効果で……155Pが素晴らしすぎる。
事件の真実を語ろうとしないテツ先輩と事件の真実を求めるナルミ・アリスは結果的に対立する事に。なかなか事件の真相は見えず、ぎくしゃくした綾香との関係もあり、園芸部を残そうとしている自分の行動の根幹すら揺らぎそうになり、煮詰まったナルミは(かなりその場の勢いで)元ボクサーであるテツ先輩にガチンコ勝負を申し込む!ということで、勝負の話になった以降の展開が熱いのなんの。テツとの義理を取ってナルミ達の捜査協力を拒んだ仲間たちがここぞとばかりにナルミを手伝い始める箇所では思わずにやりとしたり。それにしても「Wiiテツ」には噴いた。少佐はSOHOの下請けでいいからゲーム会社に就職しろ。というかそのソフトもってってゲーム会社に売り込めw
ラストではいつもどおり、どこかほろ苦い真相が明かされますがなんだかんだと言ってシリーズ内でも一番ハッピーエンド的な終わり方だったかな。特に、彩香の幸せそうな姿が見れたのは嬉しかった。記憶を失い、どこか歪んだ"かつての彼女のふり"を続ける彩香だけど、良い仲間たちに囲まれて少しずつかつての自分を真の意味で取り返すことができるのではないかと自然に思えるようなエンディングでした。
しかし、ひょっとしてここで完結なのかなあ、残念だなあ…。
キスとDO-JIN! コピーキャットにご用心!?
[著]小林 来夏 [絵]由良 オリジナルと二次創作、そして投稿作の原稿に追われながらも充実した日々を送る七海は念願のPCを購入し、ホームページを開設。早速ファンだという人からメールが届くが、相手のホームページに飾られているイラストは何故か高橋の絵にそっくり。あまり気にしていなかったのだが、イベント会場でその人がスペースに現れ、それから高橋の様子がどこかおかしくなって… |
パクリ大手・響冷夜に様々な面で心乱されているところに今まで自分が知らなかった周囲からの評価まで知ってしまい、落ち込む七海。しかもその上、話を聞いてくれた高橋からは思わぬ発言が飛び出して……と、高橋と七海の関係を中心に今回はかなりシリアス方面に物語が進みます。二次創作と一次創作の違いとか色々身に沁みたり参考になる話も多かったけど、やっぱりこのシリーズはもう少しはっちゃけてくれた方が好み。
中盤以降は人間不信気味な高橋とそんな彼の真意を知ろうとする七海の行動がメインになるので、メインゲストキャラである響の扱いも微妙に見えました…後半に入って彼なりの事情が明らかになったりして同情できる部分が見えてきても、蛇足にしか見えなかったり。
というか執事分が絶望的に足りないよ!!!今回は完全に高橋と七海の話に焦点が絞られている為、西南北の出番は殆どないし、執事も全体的に七海のサポートに回る展開が多かった。大人な態度で全部お見通しな執事もかっこよくて悪くはないんですが、やはり彼が大人しくしてるのは物足りない……。
次はぜひ、執事大活躍を!おねがいします!
それにしても、七海は結局誰とくっつくんでしょうね。西南北ルート一直線だと思ってたけど、なんか今回の話で高橋ルートもありそうな気がしてきた。そして作者さんあとがきでりょーじょくりょーじょく言いすぎですっ!以前読んだ水戸さんのBL小説のノリ思い出して笑ってしまったじゃないかどうしてくれる!!
神様のメモ帳2
[著]杉井 光 [絵]岸田 メル アリスの探偵助手をする傍ら、ラーメン屋「はなまる」でバイトを始めた鳴海。そんな時にNEET探偵事務所に依頼を持ってきたのはタイ人の少女・メオは大きな袋に一杯の札束を抱えていた……大金の入ったバッグを彼女に預けて失踪した父親を探すという依頼を引き受けたアリスだったが…。 |
相変わらずNEETな仲間達のハイスペックぶりが異常。1巻ではアリスと四代目の裏に隠れてある程度脇役に徹していた感じのあるニート3人組ですが、今回は色々な意味で全開です。少佐の教授顔負けな技術力、ヤクザから警察にまで顔を持つテツ先輩の人脈作り、巧みに女の子たちの言動を誘導するヒロさんの会話術……と三人まとめて「才能の無駄遣い」タグつけてやるよ!!!状態。
そんな彼らにどうしても気後れしてしまい、いじけたり塞ぎ込んだり自己嫌悪したりする鳴海ですが、終盤で思わぬ活躍を見せてくれます。一度動き出すと多少の無茶はその場のノリと勢いでゴリ押しし、最終的に美味しいところをまとめて持っていく姿は凄くかっこいい!!……のだけど、そこに至るまでの後ろ向き具合は正直ウザイくらいでありました…あれは被害妄想、というか"加害妄想"とでも言えばよいのでしょうか。アクシデントやトラブルの結果を全て自分の不始末だと思ってしまうのが性質悪い。しかもヒロイン格であるアリスも鳴海に輪をかけた加害妄想の持ち主なので2人してうじうじしだす辺り、なんともかんとも…2人とも動き出せばかっこいいのになぁ。
物語としては、私の中で1巻の顛末がかなり衝撃的だったので2巻は多少インパクトないなあ…と思う部分もあったのですが、その分普通にミステリーとして面白かった気がします。特に終盤にナルミが奇策を打ち出してからの急展開していく様は、物凄く面白かったです。ああいうノリと勢いとハッタリが効いた展開は大好きだ…!!
イラスト化された四代目は予想以上にオトコマエで素敵でしたね。兄弟の杯を交わすところの挿絵を見て、「四代目×ナルミ」とか想像したのは私のせいじゃないと思う。しかし、和服姿のアリス達をイラストで見られなかったのは残念でしょうがない。
テイルズ オブ シンフォニア?ラタトスクの騎士?世界の願い2
[著]矢島 さら [絵]奥村 大悟 ロイドの行方を追い、そしてラタトスクを解放するため旅を続けるエミルとマルタ。旅の途中でロイドのかつての仲間達と出会ったエミルは、それでもロイドを信頼する仲間達の姿を見て次第にその憎しみの形を変えていく。ところが、戦闘中以外でも人格の変貌が起こるようになってきて… |
仲間達がロイドを信頼する姿を見て自分の盲目的な憎しみを改めて考え直すことになるエミル。そして段々とその憎しみに対して疑問を抱き始めた所に新たな敵が……という流れはベタだけど面白い。“ラタトスクモード”の謎やリフィル達が時折覗かせる謎の行動も合わせ、今後どういう風に話が進んでいくのかがとても楽しみ。前作「シンフォニア」のストーリーも踏まえて考えると、また結構この後に重い展開が待ち構えているんだろうなあ。
リフィル&ジーニアス姉弟をはじめリーガル、しいな、ゼロスなど前作キャラが物語に本格参戦。何かと落とし穴にハマるしいなのドジっ娘忍者っぷりが可愛いのなんの。そしてゼロスはハニー好き過ぎて困る。「ハニー」呼びがいろんなところに広がりすぎですからーー!?その他、前作を知っているといろいろと感慨深い部分が多くあり、ニヤニヤしながら楽しんでました。特にイセリア村の村長の言葉は胸にキュンと来る。
しかし、相変わらず「ゲームの内容をただ忠実に再現してます!」という空気は……もうこれはこういうものだと諦めるしかないんだろうなあ。ゲームの内容自体がとても好みなので普通に面白いことは面白いんだけど、一度ゲームをプレイしている人にとってはこの小説、全然面白くないんじゃなかろうか。特にゲームノベライズで戦闘描写を技名と技の描写の連打でごまかしたりするのは、かなり下の下な手法だと思うのですけど…ボス戦すら物語を先に進めるための消化試合以外の何物でもなくて読んでてとてもダルいです。戦闘部分だけでも、ある程度オリジナルを織り交ぜながら技の連打に頼らない頭脳戦要素を持ち込んでほしい。