ページ 138 | 今日もだらだら、読書日記。

▼ 最近の記事

てめぇら、とっとと金返せ! 魔術士オーフェン無謀編1

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

金貸しをやりながら一人旅を続ける黒魔術士・オーフェン。ところが、地人の兄弟ボルカン&ドーチンに振り回され、身入りの無い日々を送っていた。しかも彼ら持ち込む依頼はヘンテコなものばっかりで…!?
   個人的お気に入り度数
1年半ほど前に大人買いして、「はぐれ旅」1巻を読んだまま積みっぱなしだったオーフェン。「なかなか積読が減らないの!」と泣きついたら既読の友人から「たぶん無謀編のほうが読みやすいよ!」というありがたいアドバイスを戴きました。というわけで、金貸し魔術士のオーフェンがクリーオウやマジクと出会う前に出会った依頼を描く、短編集です。

………うーん、面白い事は面白いんだけど、こういうのって最初にやったもの勝ちというか、最初に読んだ作品の一人がちというか……ちょっと正確歪んでるけど才能はある天才系キャラが何かおかしい変人達に振り回されて…みたいな展開は、スレイヤーズすぺしゃるやフルメタの「?」シリーズに代表される富士見F系短編集のテンプレート的展開ですよねー、という感じで、1巻なのに全く始めて読んだ気がしないというのはどういうことだろう。

学生時代に「スレイヤーズすぺしゃる」を文字通り飽きるまで読破した(シリーズ30巻中20巻まで頑張ったよ!)身としては、あまりにも目新しさがなかったと言うのが本音だったりする。いや、どっちがどっちの二番煎じというのは論じないとして、単純にこのテの話は読み飽きてるんだ…私にとっては。きっとスレイヤーズとオーフェンをリアルタイムで交互に追いかけていけば、素直にこちらはこちらで楽しんで読めたんだろうなあ。なんで私、スレイヤーズはほぼ全部読んだのにオーフェンは未読なんだろう……(しかも「エンジェル・ハウリング」は途中まで読んでいるという不思議)

今のところ同時代に人気を二分した富士見の「スレイヤーズすぺしゃる」シリーズと違う部分を見出せなかったので、どうしても絶賛は出来ないかなぁ…。1編あたりの分量が少ないので、気分転換に崩していくには良いかもしれませんが。噂によると、無敵属性執事が出てからが本番らしいので、一気に件の執事が出るところまで飛ばすのもありかなあとか思う今日この頃です。

あ、忘れてた。ちっさいキリランシェロかわいいよキリランシェロ。過去編のためだけにシリーズ追いかけてもいいと思うくらいには可愛かったよキリランシェロ!!無感情系生意気天才っ子と逆ツンデレ系お兄さんなコンビは萌えますね!!

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

吉永さん家のガーゴイル8

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

夜のお墓で、クラスの3バカと夜の墓場で「運動会」を繰り広げ、住職にこっぴどく叱られた双葉。帰ってきたらガーくんの様子がなんかおかしい。一昨年死んだお隣のジイサンの霊に取りつかれてしまったらしいのだ。慌てて兎轉舎に駆け込んだら、今度は他の幽霊たちまで視認できるようになってしまって…!?
   個人的お気に入り度数
町内アットホームコメディ第8弾。久しぶりに双葉&ガーゴイルがメインのお話。

佐々尾さんのおばあちゃんが登場する1巻のエピソードは1巻の中で特に好きなエピソードだったりするのですが、佐々尾のジイサンがまたいいキャラすぎる。なんていうかこういう、年輪を重ねてるのにどこかヤンチャな爺さんは良いですね。そしていろいろとターミネーターな住職様との凸凹関係がまた良いんだ。つかジイサンどんだけ素直になれないツンデレっ子なんだよ!!

佐々尾のじいさんがガーゴイルに取り憑いて、彼を成仏させるために御色町の守護霊達が追いかけてきて、しかもなぜか彼ら幽霊が人の目に見えるようになってしまって…!?といつも通りの大騒動。ガーゴイルとは違って搦め手主体の佐々尾のじーさんや、自分とは違う形で町を守り続ける幽霊達に感化されていくガーゴイルの姿が面白かったなぁ。いつの間にやら佐々尾のじいさんに戦い方を伝授してもらってる姿が微笑ましいです。

しかし、住職さんが武器の卒塔婆を自分の寺のお墓から引っこ抜いてるのには爆笑した。聖職者なのにそんなことしちゃってるアンタが一番バチ当たりだよ!!!!墓石ドミノといい卒塔婆を武器に襲ってくる住職と言い、岡田あーみんの「こいつら100%伝説」思い出した。

どこかヤンチャで無鉄砲で、でも一本気溢れるジイサンを暖かく優しく時に厳しく見守るおばあさんとの夫婦関係が素敵。ラストでは思わずホロリとさせられてしまいました。面白かったー。


余談ですが、何気にエンターブレイン公式のあらすじがおかしい件について。

夜は墓場で運動会! 夏休みの晩、寺の境内でムカデ競争や騎馬戦に熱中する双葉と三バカ達は墓石をドミノ倒しにして、あえなく御用。ターミネーター似の住職に大目玉を食らう。「ご先祖様を大切に」と諭されてもピンとこないなどと考えているうち、異変が! 最強の門番の誇りをもつガーくんが倒れ、生霊に憑かれてしまう! 町は幽霊だらけになり、災いの元を探る双葉は思いがけず死んだはずの隣のジーサンに再会する!?  ご町内ハートフルコメディ第8弾。

私の知識が正しければだけど、「生霊」ってまだ生きている人の霊のことじゃないっけ?

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

吉永さん家のガーゴイル7

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

小学校の授業で「百色のような怪盗になりたい」と言い出した梨々。どんな名目でも窃盗は犯罪だと言う双葉はそんな彼女と大喧嘩をしてしまう。どちらも考えを譲ることができずに仲直りのきっかけを見失ってしまう二人だが、そんな折りに妖しげな宗教団体と対立していた百色が行方不明になってしまって……
   個人的お気に入り度数
ガーくんのライバル・怪盗百色と梨々にスポットが当たるシリーズ第7弾。梨々が大好きな百色のためにけなげに頑張る姿も最高なのですが、それ以上にお互いの保護者達に影響受けまくりな梨々と双葉の姿ににんまり。将来なりたい職業といわれて、“門番”になるにはどうすればいいのか…と人知れず悩む双葉が可愛いのなんの。

百色側の視点からの物語ということで、今回は普段味方の側から見ているだけでは実感しきれないガーゴイルの圧倒的な強さが引き立つお話でした。物語が割りとのほほんとしているので、言葉でいくら「ものすごく強い」といわれても実感できない部分が多かったんだなぁ。梨々がおびえるのも判るというか。

百色に憧れて「正義の怪盗になりたい」と言う梨々、ガーゴイルに影響されて「どんなに正義を持っていても窃盗は駄目だ」と言う双葉。そんな彼女を心配しながら見守る大人たち。怪盗になるには梨々が思っている以上に辛い覚悟が必要で……そんな覚悟を背負った百色が敢えて“悪”になる姿がかっこよかった。そして百色を捕らえていた人間達にガーゴイルが言い放ったセリフが物凄く印象的でした。久しぶりの錬金術ネタのバトル話でしたが、今までの中でもクライマックスの盛り上がりは髄一だったかも。本当に何度も胸が震えた。

それにしても、なんか今まで悪役で登場したキャラクターでもなんだかんだとご近所時空に取り込まれていったこのシリーズですが、今回の最後の最後でなんだか嫌な伏線が生まれてしまった予感。これはそのうち再び火種となって戻ってくるんだろうなあ…

それにしても、3巻の双葉、4巻のイヨ&ガーゴイル、5巻のパパママ、6巻の和巳、7巻の梨々…と、毎回スポットの当たるキャラクターが変わっていってその度に少しずつ違った雰囲気の物語が楽しめるのがとても楽しいです。8巻では誰にスポットが当たるんだろう…と期待しながら次巻に手をつけたいと思います。

余談ですが7巻感想をざっと見たらみんな「梨々可愛いよ梨々」みたいなので一人で地味に主張してみる。
デュラハンかわいいよデュラハン!!!

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

吉永さん家のガーゴイル6

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

クラスメイトに巻き込まれ、なぜか演劇部が新入生歓迎会で披露する劇に主演することになってしまった和巳。最初は及び腰だったものの、ヘトヘトになりながらも少しずつ演劇の練習に楽しみを見出すようになる。ところが、演劇部当てに、劇を中止するよう脅迫状が送られてきた。その台本はかつて学園で起こったとある事故をモチーフにしているらしく…?!
   個人的お気に入り度数
妹・双葉の影に隠れて影が薄かった兄・和巳が大活躍のシリーズ第6弾。和巳が拾った台本に隠された8年前の事件の真相とは、そして台本の作者と脅迫者の正体は…!?という感じの学園ミステリー風仕立ての物語です。

演劇の台本が8年前に起きた事件をモチーフにしていて、作中劇と実際の事件での配役を見立てながら事件を解決する様子はなんとなく同じレーベルの「文学少女」シリーズを髣髴しましたが、ドロドロはしてなくてむしろそのあたりは「ガーゴイル」らしくサッパリ綺麗に終わらせてくれます。台本の作者はなんとなく想像が付いていたんだけど序盤のひっかけにはまんまと騙されてました。

謎の脅迫者から演劇部を護る為にガーゴイルに護衛を依頼するのですが、気がつけば和巳達の良い相談役になっているガーゴイルの、精神的な成長に思わずニヤリとしてしまいます。序盤のとにかく空気読めないガーゴイルを知っているとこの短期間でどれだけ成長したかを思って胸が熱くなる。そして何気にカラーページの漫画がいいんだよなあ…作品を読みながら、ガーゴイルが和巳の学校に行ってる間の御色町を想像するだけでニヤニヤが止まりません。

なよなよしてるけど優しくて生真面目でまっすぐな和巳のキャラクターがよく出ているお話。これは単純な双葉ではこういう展開に出来ないだろうし、主人公が和巳だからこそのお話という感じが素敵です。ただ、個人的にはますます和巳が何故「女と見まごう美少年」設定なのかわからなくなってきたなぁと。これまでは彼自身の影が薄いから死に設定化しててもそこまで気にならなかったけど。彼がメインを張ったお話でここまで完全に死に設定になってるのを見ると、せいぜい普通の美少年くらいにとどめておけばよかったのでは…という気がしてしょうがありません。この作品で「和巳モエー」な展開をやられても多分かなり困りますが、性別不詳キャラスキーとしてはやっぱり設定生かせてない部分が気になるんだよなあ…。

それにしても後書き読んで噴いた。この冊数を1年で出したのかよ!!速筆すぎ。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

今月のまとめとオススメ本[2008年7月分]

今月の読了本は感想を書かなかった本を含め24冊でした。
うち3冊は青い鳥文庫の再読だったので感想割愛で。クレヨン王国は永遠の心のオアシス。
でも、それを抜いても21冊も一ヶ月に読んだのは久しぶりだなあ…

2008年7月のページアクセストップ4

ば、バカテスがトップ圏内に居ない…!いやまあ、5位にはいるんですけど。
今月実は、TOPを除く全ページで一番アクセス高かったのは担当イラストレーター別感想リストだったりするんです……いつもみたいに特出したアクセスが殆どありませんでした。読んだ本の中に新刊があまりなかったからかなあ。

銀色ふわり
⇒感想

AURA
⇒感想

生徒会の三振
⇒感想

花園のエミリー
⇒感想

というわけで、「インフィニティゼロの有沢まみずですねわかります」という感想より「有沢まみずがシリアス感動モノ書いてるよっ!?」という感想を頻繁に見かけたような気がしてならない「銀色ふわり」がさりげなく今月の1位でした。インフィニティ・ゼロ、私は好きなんだけどなあ…「いぬかみっ!」も「ラッキーチャンス!」もスルーしたので比較できませんが。

2位はライトノベル界に色々な意味で今月ホットな話題を提供してくれた田中ロミオ新作「AURA 魔竜院光牙最後の闘い」。…正直私、このタイトルよりも仮題時代の「流行の学園ラブコメを目指してみる(仮)」の方がぜっっっっっったい、面白かったと思うんだけど。というか個人的にはこの仮題を知って読んだほうが方が絶対面白く感じると思うのですがいかがなものか。タイトルが「AURA」になった瞬間、私の購入意欲がどーんと下がったのは良い思いでです。結局買ったけどね!

特出作品無しの中、新刊出るたびアクセス数が5位とか6位くらいで甘んじてしまう「生徒会の三振」が上がってきたのも印象深し。個人的に、一番何も考えずにゆるーく楽しめる感が大好きなシリーズです。鍵かこいいよ鍵。「花園のエミリー」は先月のアクセス数の残滓で4位居座り。あと数日遅かったらバカテスに抜かれてた気がします。バカテスが強すぎる件について。

2008年7月に読んで面白かった本


吸血鬼のひめごと 3
⇒感想

戦闘城塞マスラヲ Vol.4
⇒感想

おと×まほ5
⇒感想

吉永さん家のガーゴイル5
⇒感想

正直、「おしごと」最終巻を壁にぶん投げた経験を持つ私としてはエンディングだけで下半期ラノサイ杯に投票余裕でした状態(まだ今リアルタイムで上半期やってますから!!)な「吸血鬼のひめごと3」が文句なしで今月一番のオススメ。ただ、あのカタルシスは「おしごと」をリアルタイムで追いかけた者にしか味わえないんだろうなあ……良くも悪くも、あのエンディングで終わりだと思って読まないと、この感動は味わえないと思うorz

その他、8月新刊からのフライングですが鈴蘭かこいいよ鈴蘭で「戦闘城塞マスラヲ4」。…しかし、鈴蘭がマジでどこぞの主役奪還した某スーパーコーディにしか見えない。最終巻ではヒデオが活躍するといいよね……(遠い目)「おと×まほ5」はエフェクトさんのキャラに100万点つけます。あとryoさんの初音ミクCDに。あ、あとかなたんもかっこよかったよね!(オマケかよ)

そしてゆっくりとした足取りで「吉永さん家のガーゴイル」を消化中……タイミングよく先日最終巻が発売されたわけですが、そこまでたどり着くまでに暫く時間がかかりそうです…ファミ通の目録がほしいのに、今月来月で買う予定の本が「文学少女」だけという状態なので、最終巻だけでもフライングで買っちゃおうかしら。おるたなてぃぶ含めてあと14冊とか遠すぎるorz とりあえずお気に入り度的に言うと、5>>>3=1>2、4かな。やはりご町内の皆さんがワイワイやってる話が好きみたいです。

検索キーワード

今月はコミケ準備やらなにやらで時間が取れないので割愛しますがとりあえず一言……


先月からバカテス5巻が待ち望まれすぎな件について。
気持ちはわかるけどさ!!わかるけどさ!!

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

機動戦士ガンダム00(2) ガンダム鹵獲作戦

[著]木村 暢 [原作]矢立 肇 [原作]富野 由悠季
[絵]柳瀬 敬之 [絵]羽音 たらく


ソレスタルビーイングに対抗する為、ユニオン・AEU・人革はそれぞれがガンダムを鹵獲しようと動き出す。ヴェーダの予想よりも遙かに早く結託した三勢力は圧倒的な物量作戦を展開し、ガンダムマイスター達を追い詰めていく。絶体絶命の彼らの前に現れたのは、3機の新しいガンダムだった…!
   個人的お気に入り度数
コーラサワーが私の癒し……
あんただけは最後までバカのままでいておくれ……アニメ「機動戦士ガンダムOO」のノベライズ第二段です。

この辺りの展開は、アニメ側は全く見てなくてなんとなく人づてで何が起こったか軽く聞いたくらいなんですけど(だれそれが死んだとか、ケガした程度の知識)、人づてに聞いた話から予想していた展開よりもずっと重かったんですね。特にルイスがネーナの起した事件によって負傷する場面が想像以上に……この作品には不釣合いなくらいに明るい彼女の姿が印象に残っているだけに衝撃も大きかったです。ソレスタルビーイングとしても、敵側に本気出されてことごとく予想を上回られた上、トリニティの3人によってまた別の意味での危機に…と、まさに綱渡りの連続だなあ。

まだ2巻だというのにとことん重い展開の連続で、前回あれだけはっちゃけぶりを見せてくれたグラハムまでシリアスキャラになってしまったのがとても哀しいです。ガンダム鹵獲作戦のときはちょっと色々とアレでしたけど。天然皇女・マリナさんの出番も殆どなくて、もうこの作品の希望はコーラサワーだけですよっ!もう彼には最後までスペシャル的にとかなんとか言っててほしい。撃墜されても無傷な辺り、既に製作側も彼はギャグキャラ扱いなんだなあと感慨深く思いました。

しかし、うーん、悪くないんだけど、物語的にもキャラクター的にもやはり一押し突き抜け方が足りないみたいな印象が否めない…単純に好み的な問題で。コーラサワーのバカっぷりを拝む目的の為だけに読むには、本編が重過ぎる……しかし、次はいよいよロックオン兄さんがアレなことになってしまう話だと思われるので、なんだかんだと買ってしまいそうですが。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

吉永さん家のガーゴイル5

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

御色町南口商店街では、恒例の春祭りが始まろうとしていた。お祭り気分が高まる吉永家の面々だが、北口商店街にあるデパートがバーゲンセールを春祭りと同じ日程で開催すると言い出し、俄かに南口・北口との対立が表面化。しかも、なぜかパパまで北口側を応援すると言い出して…!?
   個人的お気に入り度数
今まで子供たちの影に隠れがちだった吉永家のパパ&ママにスポットが当たる町内アットホームコメディ第5段。久しぶりにご町内の人々が大活躍。

お祭り前のワクワク感、お祭り最中の高揚感がひしひしと伝わってきて、読んでいるこちらまで思わずワクワクしてしまうような展開がとても良かったです。しかもデパートの件を契機にどちらかというと保守的だった南口商店街の面々がどんどん派手に祭りを盛り上げようとして大暴走する姿が面白い。南口側ではイヨさんやデュラハンや百色やオシリス、北口側は東宮一派…と、これまでシリーズに出演したキャラクターたちが総出演で祭を盛り上げる姿も感慨深かったです。何よりもなんとなく吉永パパが北口側についた思惑が最初にわかってしまっていたので、パパの期待した通りの展開に祭が進行していくのにはニヤニヤでした。

ただ、色々と思うところがあったにせよ、松川&ゴールデンボーイズの最後の暴走っぷりはいささか強引だった様な。独白の通り後がないと思い詰めていた松川はとにかく、まだまだ後があるゴールデンボーイズがここまで致命的な暴走をやらかしてしまうというのはありえないと思うのです。裏である程度汚いことをやらかしているグループであるなら尚更、そういう部分にはデリケートに対処しそうな気がするんだけど。あれだけのことをやらかしておいてほぼお咎めなしなのにも疑問が残りました。

とはいえ、彼らをオールキャストでやりこめるキャラクター達の姿がとても爽快だったので、細かい部分は気にしないが吉なのかもしれません。何よりもパパ&ママの活躍が素敵過ぎる!!南口・北口の対立を巡って冷戦状態に陥っていた二人が仲直りする場面では胸が熱くなりました。そして最強キャラなのに何気に少女趣味なママさんに噴いたw

2?4巻まではどちらかというと錬金術関連の話が多かったけど、やはり御色町のご近所さん達が活躍する話は格別に面白いなあ。今後も、もっと町内の皆さんが活躍するような話が読みたいです。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

戦闘城塞マスラヲ Vol.4 戦場にかかる橋

[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人

聖魔グランプリを勝ち抜き、優勝候補としての座を磐石のものとしたヒデオ・ウィル子ペア。優勝を意識し始めたヒデオは魔殺商会を率いる少女・鈴蘭を最大の障害と考えていた。そんな中、魔殺商会と魔人組織<アルハザン>が主催するサバイバルバトル<クロスフラッグス>の存在を知った二人はアルハザンに味方し、大会中に彼女を倒す事を決意する。「未来視」とさえ噂される優勝候補・ヒデオの動きによって、クロスフラッグスは思わぬ展開を見せるが…
   個人的お気に入り度数
うわあああ、敵も味方も熱いっ!
3巻ではちょっとテンションダウンかなと思う部分もありましたが、今回は物凄く面白かったです!

魔殺商会vsヒデオ・ウィル子達が参加するアルハザンという形で、遂に前シリーズ主人公である鈴蘭とヒデオの直接対決が実現!……というわけで、ヒデオ達の戦いも勿論熱いのですが、今回はとにかく鈴蘭達が圧倒的過ぎる!因縁の敵同士であったエリーゼ商会とアルハザンを味方につけ、大きく成長したウィル子の能力で規格外だらけの魔殺商会の面々を翻弄したところまでは良かったのですが、本気を出した鈴蘭達がここまで強いとは。

一見バラバラのように見えながら、自らに絶対的な自信を持ち、同時にそれに相応しい実力を持って立ちふさがる魔殺商会の小細工なんか必要としない圧倒的な強さ。そして自らの前に立ちふさがる圧倒的な宿命を全力でぶち壊そうとする鈴蘭の思いがかっこよすぎ。久しぶりに全開な鈴蘭節に、「お・り・が・み」ファンとしてはニヤニヤが止まらない展開でした。一方、我が強いアウター達に振り回されてワタワタする、かつての鈴蘭の燐片も覗かせて、とにかく今回は前シリーズが好きだった人にはたまらない1冊という感じでした。正直、本来の主人公であるヒデオを鈴蘭が食ってしまっている印象は3巻から引き続いて否めませんでしたが…。

そんな彼女の強さにあらゆる面で圧倒され、自らが感じていた成長は全て仮初のものであると自覚してしまったヒデオ。打ちのめされた彼に容赦なく、更に過酷な現実が襲い掛かります。今までとは段違いに絶望的な状況に陥ってしまった中でも、せめて自分が巻き込んでしまった女性だけでも死なせるわけにはいかないと絶望の淵から立ち上がる姿に胸が熱くなりました。そしてその増援は流石においしすぎますよっ!!

物語は次巻で完結。半ばフライング気味に二人のその後が軽く示唆された中、多少精神的な成長はあったとはいえどもまだまだニートで臆病な自分を脱却しきれていないヒデオがどうやってその示唆された未来にたどり着くのか。最終巻がとても楽しみです。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

リトルバスターズ!SSS Vol.3

[著]糸井 健一 他  [絵]RIKI 他 [原作]VisualArt's/Key

秘密組織「リトルバスターズ」に所属する凄腕エージェント・井ノ原真人。マッスルエージェントを自称する彼は信頼できる仲間たちとともに様々な過酷なミッションに立ち向かう!?ところが、その裏で恐るべき陰謀が持ち上がっていて……
   個人的お気に入り度数
なんか、巻を追うごとに微妙になっていくような……個人的な趣味の問題も大いにあるけど、1巻が一番面白かった気がします。

1編目の真人の話がかなり微妙。笑いを取りたいのか燃えさせたいのかシリアスをしたいのか分からない部分があって、どれをとっても中途半端に感じました。同レーベルの“華蝶仮面”みたいな熱血全開のギャグコメをやろうとしてる一方で、漢臭漂うハードボイルドエージェントモノの要素が入ってきて、なんていうか混ぜちゃいけない洗剤同士を混ぜちゃったような印象。あと挿絵があまりにも原作のイメージとかけ離れていて、違和感バリバリ…(表紙として使うだけなら、インパクトは十分なのですが/今さら気づいたけど、表紙はMGSのオマージュなのですね!!)

個人的には、2編目の小毬&鈴の友情話を表紙に持ってきた方がリトバスファン的にも幸せだったのではないかという気がします。こちらは不器用な女の子二人(+α)の関係が丁寧に描写されていて、とても可愛かったです。女装理樹フラグをあっさりと叩き折られたときには悶絶しましたが。

ていうか今回もさささ可愛いよさささ。2巻から引き続き、昇格ヒロインの佐々美がリトバスメンバー達に振り回される姿にニヤニヤが止まりません。そしてさりげなくイイヤツっぷり全開なツンデレお嬢様の姿に惚れそうになった。私EX買った暁には真っ先にさささ落とすよ!!!買うかどうかわからんけど!!

3編目は行方不明になった小毬を探して迷探偵・三枝葉留佳が立ち上がる…!というお話で、こちらは可もなく不可もなくという感じ。話を茶化してばかりの自称名探偵・葉留佳とそんな彼女にツッコミを入れたりスルーしたりする理樹たちのやりとりが楽しかったです。こちらについては8月中に「迷探偵・三枝葉留佳の事件簿」的な外伝が出るようなのでこちらの販促短編というイメージが強いのかも。ただ、8月は購入予定冊数がとにかく多いので、その中で無理して買おうと思うほど魅力的なお話ではなかったかなあ…。

なごみ文庫は先月の「はぴねす!」以降、不定期に発売予定が増減してるイメージがあって、ちょっと既に購入予定が多い月なんかは対応しきれないです。今月も2?3週間前に突然「聖なるかな」のノベライズ、「恋姫無双」の各キャラクターに焦点を宛てた短編シリーズ?、「リトバス」の葉留佳外伝の予定が出てびっくりしたり。予定が立たないからせめて1カ月前くらいにはちゃんと刊行予定を確定させてほしいです!!ていうかそれより「私が愛した魔王」を早く出せ!!!

リトバス…女装理樹かさささメインで独立外伝とか出たら、たぶん買います(…)

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

少年のカケラ

[著]深谷 晶子 [絵]くさなぎ 俊祈

戦争で崩壊した後の世界。とある街を統率している少年・海は娼婦の少女・椿、記憶を無くし“石”を持たない少年・シロと3人でささやかに幸せ暮らしを送っていた。二人との暮らしに満足しながらも、なぜか彼らとの決別を予感するシロ。そんな時、都から役人達があらわれて…
   個人的お気に入り度数
終末世界に生きる少年少女たちを描いた物語。この前読んだ「恋愛前夜」より、題材的には興味を持てたんだけど、うーん……題材自体は嫌いじゃないだけに、作者に共感できない部分が浮き彫りになってしまったなあ。

シロや椿の幸せのためなら自分やその他の者を犠牲にする事を全くいとわない海、過酷な生活を送った結果として一部の感情が麻痺してしまっている椿を始めとして、終末に生きる人々の「狂気」みたいなのはとても良く伝わってくるのですが、物語の動きとしてどちらかというとそういう狂気的な美を全力肯定しているというか、心底かっこいいと思ってそういった美しさみたいなのを描こうとしている印象があって、それがなんか肌に合いませんでした。若いころ、一度はこういう退廃的で刹那的なものに美しさや憧れを感じてしまう時期があるもんだけど、作者の人はきっとそういう時期を抜け出せてないんだろうなあ。邪気眼的世界を卒業できていない人が、大真面目にやっている滑稽さというかそういうのを感じてしょうがなかった。私はやはり、「狂気」はどんなに美しくても、肯定してしまってはいけないものだと思うので。いけないものだと解って描くからこそ背徳的な美があるんじゃないのかなぁとか。

結局のところ何を言いたいかというとシロや椿の為に人を殺す海や、月華のために男と寝てる陽華が、自己犠牲の満足に浸ったまま物語が終わってしまってそんな彼らの姿を「キレイだ」「キレイだ」って両手放しで賛美してるのが嫌だったんだろうなあ。そんなのちっともキレイじゃないよ。いろいろと人間的なものが麻痺している椿は置いておくとしても、シロや月華にとってそういう優しさはいい迷惑だと思うんだよ…。

こういう作品に全く迎合できなくなってしまった私はもう若くないんだなあ、と実感。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)