ページ 144 | 今日もだらだら、読書日記。

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コードギアス反逆のルルーシュSTAGE-4-ZERO

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗
[絵]木村貴宏/toi8

   個人的お気に入り度数
行政特区日本を巡る一連の事件から本編最終話までを描いた、ノベライズ第四弾(過去話を含めると第五弾)。

ああ、ほんと前回での展開が楽しかっただけに、富士での特区日本の事件以降の展開が辛かったです。あのタイミングでギアスが暴走するとかルルーシュの間の悪さは異常。特に小説版を読むと、これまでルルーシュがどれだけ自分のギアスに頼りっきりだったのかがモロに浮き彫りにされてきてもうなんというか…他の人間を根本的に信用できなかった結果ではあるのだろうけど、もう少し自分の作った「黒の騎士団」を信用して、作戦を任せても良かったんじゃないかなあ。

自分がユフィにやらせてしまった行動とそれによって引き起こされた惨劇に打ちのめされながらもその犠牲を少しでも無駄にするまいと行動しながらも、動揺を隠せないルルーシュ。一方で頑なな心を漸くユフィによって救済されかけ、再び地獄に叩き落されるスザク。なんかどっちの考えにも同情できる部分があって、ほんとなんともいえない……。ユフィがああなってしまった直後のゼロのセリフに違和感を覚えるカレンという構図も面白かったです。本当に最期まで何もわからないままだったユフィの想いも、凄く痛かったです。これで少しでも状況を理解していたのならまだ少しは救いがあった気がするんだけど。各キャラの心理状態が描かれることによって、絶望に彩られたラストの展開がますます救いがない展開に見えました。続編で補完されると信じてるけど、ほんと容赦ない…。

基本的には今回もアニメのエピソードを忠実になぞっていているのですが、ルルーシュがユフィの「行政特区日本」の構想に賛成できなかった理由とか、ブリタニアの皇族が地位を返上する意味、アニメ版でイマイチ腑に落ちなかった部分がちゃんと補完されてるのがすごく良い感じです。個人的に唯一残念だったのは、最終決戦前のスザクが『ルルーシュ』に電話をかけるシーンがまるまるカットされていたこと。おそらくこの時点では既にスザクはゼロの正体に気付いているわけで、どんな気持ちでルルーシュとあの会話をしたのかは物凄く興味があったので…というか、スザクに焦点を当てるというのを公言してるノベ来図なのに、このシーン抜いたらだいぶ片手落ちだと思うんだけどなあ。

全体で見るとツッコミどころも多々あったノベライズでしたが、結構楽しんで読めました。R2のノベライズも来月から発行されるようなので、そちらも楽しみ。

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ドラマCD バカとテストと召喚獣

B001714BECドラマCD バカとテストと召喚獣下野紘 中原麻衣 清水香里 谷山紀章 水原薫 川田紳司 氷青 津田健次郎
movic co.,LTD.(PLC)(M) 2008-05-23
by G-Tools
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感想リンク
ク ォ リ テ ィ 高 す ぎ !!

実は私、よほど好きな作品じゃないとドラマCDは買わない人なのですが、これは全力でオススメしてみます!!とりあえず、原作ファンなら買って損はないとおもう。まあ、明久ファンの私としては、明久役の下野さんの演技だけに3000円だしてもいいですが、つかBクラス戦だけでこれをご飯に10日は食塩水でいけるっ!!!

釣り餌になりそうなので真っ先に書いてみると、バカテストは全部、新問です。
単純に、ここだけでも十分買う価値はあるかと思う…。
ちゃんとドラマCDで「音で聴く」のを前提にしたネタに差し替えされてるので、文庫版とは違った感じで楽しめます。あと、秀吉がバカテストの回答者になったのって今回初じゃない?

声優さんについて
ああもうすいませんすいませんすいません明久as下野紘さんがハマりすぎてて、ムッツリーニばりに鼻血拭きまくりました。ああ明久可愛いよ明久可愛いよ明久可愛いよ!!!
ちゃんとオバカな時、真面目な時、熱血な時で声の使い分けしてくれてるのが嬉しかったな?。特にマジギレモードがちゃんと再現されてたのが嬉しすぎる。ああ、リアル明久が、リアル明久がいるよモエエエエエエエ!(下野さんすいません、褒めてますから!

他の人も良い具合にハマり役で、ほぼイメージ通り。姫路さんは可愛いし(ちょっと黒いけど…)、美波さんはツンデレだし、秀吉は性別秀吉だし、雄二は予想よりも頭良さそうなのにちゃんと粗野でオバカなところも再現されていて、もーほんと素晴らしい!!鉄人とか須川くんとか根本くんもしっかりキャラのイメージと合ってました!…あれ、男子キャラは久保君以外脇までオールスターなのに、なぜ女子キャラはメイン4人(?)しかいないんだ…?

何故か脳内でグリーンリバーライト声で再生されていたムッツリーニがとても違和感あったのは私のイメージが特殊なんだと思います……。あと、翔子さんが何度聞いても長門有希さんにしか聞こえないのは幻聴でしょうか。そのくらい。

「バカがテストと召喚獣を振り返る」
1巻直後の打ち上げ会中に、各キャラが試召戦争を振り返るという設定。敢えて総集編みたいなつくりにすることで、上手く名場面だけドラマCD化してます。合間合間に各キャラの妄想という形の小ネタも入って、散々笑わせてもらいました。しかし姫路さん黒いよ……どこかの嘘だっ!の人がオーバーラップするよ…

個人的には木下優子に扮した秀吉がCクラスに宣戦布告しに行くネタがなかったのがちょびっと残念だったのですが、これは実際声ネタではやり辛かっただろうとおもうので、なくて正解かな。召喚バトルも点数が視覚化される設定を完璧に省いて各キャラのやりとりメインにしたお陰でスピード感が出て、1巻感想でちょくちょく見られた「バトルがただの点数の見せ合いになっていて退屈」というポイントもかなり改善されているかと。

ドラマCDによくあるキャラクターの解説とか、バトルモノでよくあるやたら長い状況説明のセリフとかも殆ど無くて、ほんと自然に聞けました。ほんとこれ凄い。出来良すぎる。

とりあえずわたしとしては、Bクラス戦のかっこいい明久に激しく萌えたのでなにもかも満足です。

「テストと召喚獣がないのでバカだけ」
ホントに公式で明久×秀吉ヤッチャッター!!!(叫)

休日に、二人で出かけることになった秀吉と完全デート気分な明久に、Fクラスの残り全員が全力で阻止にかかる!というお話。明久の悪知恵が炸裂する3.5巻の「僕と暴徒とラブレター」の屋外編といった印象。明久と雄二の悪友コンビが仲良くお互いを墓穴に落としまくる姿が最高です。ナチュラルに雄二にもホモ疑惑を仕掛けようとする明久にニヤニヤしつつ、秀吉の「お主、雄二に対しては本当に鬼畜じゃな…」という一言で、即座に明久×雄二を妄想した自分がちょっと切なくなりました。

それにしても、秀吉完璧にヒロイン扱いですね……男と思われてないことをブツブツいいつつ、さりげなく明久になびいてたり、町の不良にナンパされたり……とやりたい放題です。ていうか、ラストの展開は完全にメインヒロイン扱いな気がするのですが……明久×瑞希派としては複雑な心境です……なんだろう、ポニテよりも秀吉をなんとかしないと、瑞希エンドは見込めない気がするよ!?

姫路さんと明久の、このやりとりには噴いてしまいましたが。

(※かなり要約して)
「あちらの方は彼女ですか?彼氏ですか?」
「いいえ、秀吉です」


そして、さりげなく仕込まれた小ネタが凄い。よもやドラマCDで原作の後書きネタを出しますか!!確かに原作あとがきのノリはそのまんま本編でも使えそうなネタばかりでしたが!!

「リアルバカテスト」
ひとつだけ、保健体育の下野さん自重ーーーっ!!!!!

もうね、なんていうかね、下野さんの声を真面目に聞くの、私初めてなんですよ。
つまり今の私の脳内は下野さん=明久なのですよ。

うっかり第二次性徴期の前に大人の階段のぼっちゃった明久を凄い勢いで妄想しちゃったじゃないですかーッ!!!!!(落ち着け)

ドラマCD 感想リンク集
各種ラノベ感想系リンクでは当たり前ながらドラマCD感想は収集してないので…
自分用メモも兼ねて感想見かけたサイトさんへのリンク。あまり見つからない…。というか、あれだけ腐狙ったキャスティングにしておいて、一部のファン以外は到底ゲットできないこの異常な入手難易度の高さはなんだったんだ、とエンターブレイン及びムービックを問い詰めたい。
※不都合などありましたらお気軽にご連絡ください。

 ■ 「cointoss::seeTrash()」さん
 ■ 「まいじゃー推進委員会!」さん
 ■ 「明日へと続く記憶」さん
 ■ 「屠られ日記!(GNO2)」さん
 ■ 「新非公式新聞部」さん
 ■ 「ちび艦長ブログ」さん
 ■ 「鍵の壊れた部屋で見る夢」さん
 ■ 「爪先で蹴る遊び」さん

ざっと見ると声優は一部キャスト以外はほぼ違和感なしという感想多目(秀吉や姫路さんに違和感を感じた人が若干居たくらい?)。キャストによるバカテストは評価が分かれる、というカンジでしょうか。

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コードギアス反逆のルルーシュSTAGE-3-SWORD

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗
[絵]木村貴宏/toi8
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スザクがユフィの騎士に任命されるあたりから、キュウシュウ戦役のあたりまでを描いた、ノベライズ第三弾。STAGE2までに散々感じた、物語の不恰好なつぎはぎ感が綺麗に無くなって、普通にアニメのノベライズとして楽しめました。まあSTAGE2の後書きにあるスザクに焦点を絞って云々が本当なら、もうこの先は基本的に重要エピソードには全てスザクとルルーシュが二人でかかわっていく事になるわけだけど。

アニメでもそうだったのですが、この辺からユフィがどんどん可愛くなっていくのでとても萌えてしまいます。更に、神根島でユフィにいいとこ見せようとして滑りまくるルルーシュが可愛くて仕方ありません。落とし穴の配置と脳内シミュレートは完璧なのに、功を焦って自分の体力を計算に入れてない辺りがルルーシュの駄目なところですよね(でもそこが好き!!

一方で、今回は完全にスザクの心理状態にスポットの当たった巻となってます。ぶっちゃけスザク祭です。過去の事件によって人間としてどこか欠けてしまったスザクが様々な人々に心配されつつ、ユフィと出会うことで少しずつ人間らしさを取り戻していく物語であると言い換えても良いのではないかと。

アニメ版を見た際、ある意味目的も考えもはっきりしていて理解しやすいルルーシュに対してスザクはどこかちぐはぐした印象(行動・発言はとても正義感溢れる偽善者なのに、一方でルルーシュ以上に冷酷で独善的な印象があった)を受けて、その辺が引っかかっていたのですが、その辺がようやく納得できました。7年前の事件でルルーシュ以上に傷つき、大事なものを亡くしてしまったのはスザクだったんだなあと。ユフィの騎士を辞退した真相なんかも、ただ自責の念に駆られただけではなくて、彼の根幹に関わる予想以上に深い問題だったわけですね。

そんなスザクが自らの傷に折り合いをつけ、そして作中でも髄一ゼロと共同戦線を張るキュウシュウでのくだりはこの作品とは思えないほどに熱くて、アニメでも大好きな場面でした。というか、ここぞとばかりにゼロがいいとこ持っていきすぎなんだよ!!澤崎の問いに対する対照的な二人の回答が、とても印象的でした。こんな二人を目の辺りにしてしまったら、ルルーシュやユーフェミアが全く違う立場から「二人が手を取り合う未来」を夢見てしまった気持ちも判る気がする。

しかし、ここで一瞬だけでも「人間らしさを取り戻したスザク」と「スザクとルルーシュが手を取り合った未来」が垣間見えてしまっただけに、次の巻でやってくる、最悪の顛末を恨まずにはいられない…。

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コードギアス反逆のルルーシュSTAGE-2-KNIGHT

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗
[絵]木村貴宏/toi8


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ナリタ攻防戦から藤堂の救出戦前後にわたる物語を別の視点から語るノベライズ第三弾。ナリタ攻防戦の後のユフィとスザク、ルルーシュが居ない間のC.C.とナナリーの一幕、C.C.とマオの馴れ初め話、ミレイとロイドのお見合い話……など、アニメの裏側で語られなかった裏側を中心に描きます。

過去話として独立していた0巻はとにかく、1巻「SHADOW」はアニメ本編を見ていないと全く理解できない内容だったのでアニメ本編視聴するまで読むのをストップしてました。漸くR2最新話まで把握できたので、ノベライズ版に手を出すのを再開してみたり。

内容としては一部本編エピソードもありますが、基本的には各キャラに焦点を当てたスピンアウト短編集といったノリで、それを強引に時系列に繋いで繋ぎ合わせて無理やり1つの物語扱いしている印象を受けました。そのため、R2等をきっかけにギアスに興味を持って、小説版で本編補完を……と思って手を出す人には絶対にオススメできません。本編補完は動画配信かDVDかマンガ版でNE!!!ということらしいです。1巻では黒の騎士団結成エピソードが丸々省かれていて、当時アニメを見ていなかった私には何がなにやら状態でしたが、2巻ではルルーシュとシャーリーの恋の顛末とか、ルルーシュとマオの対決が思いっきりスルーされているので(というかそのエピソードを知っていること前提に物語が進むので)アニメ見て無いとすごい勢いで置いてきぼりくらいます……。

なんかこういうつくりにするなら、ナリタ攻防戦や藤堂救出のエピソードも省いてしまって、外伝的な短編集として売り出したほうが良かった気がします。半端に本編に忠実なエピソード挟むから他のエピソードが歯抜けになるのが気になるんだよね…。ついでに、裏表紙のあらすじだけ見るとどうみても本編の忠実再現っぽいので、本来この小説がターゲットにしているであろうアニメ視聴者はあまり買ってないんじゃないかと思うんだ…。

エピソード的には、ルルーシュ不在のC.C.&ナナリーのやりとりと、ミレイさんのお見合い話が面白かったです。小説版はナナリーに結構焦点が当たるのでとてもよいと思う。ナナリー可愛いよナナリー。ミレイさんのお見合い話は、チャランポランで破天荒なミレイ会長の知られざる、『アッシュフォード家の長女』としての姿が見れたのが興味深かったですね。個人的にはロイドと上手く行ってほしいな?と思ってたり。あと、なんといっても一番最初のナリタ攻防戦直後のルルーシュとC.C.のやりとりが凄く好きです。一生懸命遠まわしな婉曲表現を考えるルルーシュさんが非常に可愛らしい一幕なのですがルルーシュさん、間が悪い自分をちゃんと認識してたんですね!ってあたりが。

あと、後書きでも描かれている通りルルーシュよりもスザクに焦点を当てているのが面白かった。原作アニメを見ていた際、スザク側立ち居地が殆ど読み取れなくてその辺がちょっと引っかかってたので、ノベライズで上手いこと補完してもらったカンジでした。特に、ルルーシュがナナリーの次くらいにスザクを大事に思っている一方で、幼い頃とは変わってしまったスザクの笑顔に一抹の不安覚える描写とか、凄く興味深かった。ストーリー終盤やR2に続くことになる二人の関係を予感させて背筋が寒くなる一瞬なのですが、それ以上に……ぶっちゃけルルーシュは自分の身内だと認定した人間は結構無条件に信頼しちゃうイメージがあったので(笑)

よし、とりあえず歯抜けエピソードについての不満はここで一気に吐き出したので、STAGE3以降は純粋に短編集として楽しむぞー。

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別冊 図書館戦争1

[著]有川 浩 [絵]徒花 スクモ

前回の事件で負傷した堂上が、漸く退院して関東図書隊に戻ってきて暫くたったある日、図書館の書籍が盗まれるという事件が発生した。捜査の担当となった堂上班は、手塚と郁に大学生のフリをさせて張り込みを開始するが…堂上・笠原の「武闘派カップル」成立から、婚約までの様々なエピソードを語るスピンオフ短編集。
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アマ??????イ!

"ベタ甘全開スピンアウト"という公式紹介文に恥じない、なんともあま?いあま?い短編集。本編でも終盤になると少しずつバカップルっぷりを発揮しつつあった二人ですが、正式にカップル成立の後の話となるのでもう色々と全開です。本人は真剣に悩んでいるのにもう完全にオノロケにしか聞こえない会話に、柴崎と一緒にニヤニヤしつつ同時に酒もってこい酒ー!!と叫びたくなったり。

何より、本編「戦争」の頃は男勝りの健康優良児という印象だった郁が、堂上と付き合いだした事をきっかけにどんどん女の子らしくなっていく姿がとても可愛らしい。女の子らしい服のレパートリーを増やしたり、急に堂上の自宅に呼ばれてワタワタしたり、殆どしてなかった化粧を覚えたり…という、"女としての成長"がはっきりと見て取れる1冊でした。一方で、やっぱり田舎育ちの天然純粋培養な郁との関係がなかなか進まなくて、ヤキモキする堂上にニヤニヤ。それでも"はじめて"のエピソードにいたってはこの二人らしすぎる顛末に、思わず噴き出してしまったり。

図書館シリーズらしく、様々な考えさせる部分もありましたがやはりキモはベタ甘部分といって良いのではないかと。もうとにかく頭を軽くして、美味しく頂かせて貰いました。次巻ではメイン二人以外にも焦点を当てていくということなので是非とも手塚×柴崎の進展を!!!よろしくお願いします!!!

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ふたかた

[著]わかつき ひかる [絵]巻田 佳春

トラックに跳ねられて死んだ少女・桂瑞希は成仏できずに幽霊となり、双子の弟である高志に取り憑いてしまう。高志の身体を乗っ取った瑞希はいつも通りに女子制服を身に纏い、学校に登校しはじめてしまう。高志は彼女の無念を晴らし、なんとか成仏してもらおうと試みるが瑞希は学園内で催される「美少女コンテスト」に出場したいと言い出して!?
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男の身体の中に女の子の幽霊が?…という設定から、女装というよりはTSモノに近いのかと思いきや、序盤で多少TSモノ的な要素があるものの結構ガッツリ“女装モノ”でした。ただ、これはちょっと読む人を選びそうかなー…。女装少年がファンタジー世界の産物だと思っている人にはあまりオススメできません。「アイドルはトイレいかない!」的なそういうノリの人。

なんていうか、女装回りの描写が完全に「萌え」ではなくて「エロい」だと感じました。これは作者さんの本業がジュブナイルポルノ方面であるからこその特性なんだと思うんだけど…女装シーンや女の子達の行動に関して恐ろしく現実的な描写が多く、文字の向こうに「リアル」が透けて見えてしまう。その透けて見えるリアルが私の中で「萌え」の発現に対してブレーキをかけてしまっている気がします。特に、高志の裸を見たときの瑞希の、アレに対する反応が壮絶でしたよね。いろんな意味で。

なんていうか、この本を読んで、自分の女装萌えに対するスタンスが完全に「偶像崇拝」的なんだなあと思い知らされた。良くも悪くもこの作品に出てくる女装少年は「現実」なんですよね。トイレ行くところまでしっかり描かれるアイドルというか。

そんなこんなで「女装少年モノ」としての部分にはイマイチ萌えられなかったのですが、むしろ本線のストーリーが凄く面白かったです。勝気でワガママだった姉の幽霊に最初は振り回されるばかりだった高志が彼女の知られざる一面を目の当たりにし、自ら嫌がっていた女装をして姉のために奔走する姿には思わず胸が熱くなりました。ストーリー展開やキャラクターは、全体的にベタではあるんだけどそのベタさがとても良かったです。キャラクター的には華道家元の娘・すみれのキャラクターがとてもとても素敵でした。後半で本性を露にした後の言(?)動とかほんとに素敵過ぎる。

続編があるなら、本性丸出しにしたすみれさんには、是非大暴れしていただきたいです(笑)

なお、余談ですがこのエントリを書いてる中の人は腐女子でありますよ。
確かに読んでるものが男性向レーベルに偏ってることは否定しないけどねっ。
いや、なんか「ラノベ読みの一般的な男性の意見」と受け取られそうな形で、この感想が取り上げられていたようなのでとりあえずそこだけははっきりさせておきますね…多分一般的な「男性の」意見と私の感想はまた違うものだと思うので。(うん、個人的に、瑞希の取った「あの行動」は同じ女としてちょっと信じられなかったんだ?……最近の若者は進んでいるわねー的な。)

それにしても最近、「女装萌え」ってすっかり男性の持つ萌え属性になっちゃったよね?…(´・ω・)

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仮面のメイドガイ メイド革命Ver.

[著]花凰 神也 [原作]赤衣丸 歩郎 [絵]いちば 仔牛

メイドさんたちが理不尽なご主人様に反旗を翻し、“メイド革命”によってメイドのメイドによるメイドのための政府を作り上げた。行方不明の両親の帰りを待ちながら暮らす大富豪の孫・富士原なえかは「巨乳狩り」に遭い、裸のファイヤーダンスを強要されるのだが…!?
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世の中には、どうしようもなくノベライズに向いてない原作ってものがあってだな……。

色々ツッコミどころはありますが、作品そのものは精一杯頑張ってると思います。
そもそもこの原作をそのまま文字化したところで面白くないであろうことは確実で、敢えて世界観をパラレルにして、短いとはいえ単行本1冊分の長さのストーリーに仕立て上げたのは上手かったと思う。敢えて例えるなら「劇場版・仮面のメイドガイ」といったノリ。登場するキャラクターも全く違和感が無くて、原作の雰囲気再現度も凄い。特にコガラシとホムラの超人ご奉仕対決はまさに原作まんまのノリで、素直に凄いな?と思った。

……それでもですね。

どんなに文字を持ってしても表現できないものというのはあると思うんです。
「メイドガイ」の最大の魅力である「コガラシさんの存在の凄まじさ」は間違いなくそれだとおもうんです。たとえ何P使ってコガラシの持つ巨大な存在感や筋骨隆々とした肉体にメイド服、更に仮面という壮絶なミスマッチぶりを文字で表現したとしても、赤衣丸さんが描いた、たった1枚のメイドガイのイラストには勝てないんです。

それなのに本文中に、挿絵が1枚もないってどういうことよ。

その他にも、全くイラスト化されていないゲストキャラクター達とか。
パラレル設定なのに全くいつも通りのキャラクター達が描かれてるカラーピンナップとか。
何故かあらすじがノベライズではなく、原作「仮面のメイドガイ」のあらすじだったりとか。

作者or編集部サイドでギリギリになって方向の転換でもあったんじゃないでしょうか。それで赤衣丸さんのイラストそのほかもろもろが間に合わず、間に合わせで表紙だけなんとかしてもらったと。そんな感じがする。


だとしたら、なんていうか悪いのはノベライズ作者じゃない。
悪はおそらく準備も出来てないのにムリヤリ刊行してしまったファンタジア編集部だ。

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疾走する思春期のパラベラム 灰色領域の少女

[著]深見 真 [絵]うなじ

いつもより早く学校にやってきた佐々木一兎は、映画部の部室で下着姿の少女が倒れているのを発見する。彼女はどうやら、記憶を喪っているらしい。状況から<パラベラム>に関連があると推測した尾褄は自分たちの手で彼女を保護することを提案する。ところがその帰り道、"灰色領域"と名乗る謎の組織から襲撃を受けて…
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映画部の面々が記憶を喪った謎の少女・シューリンを巡って"灰色領域"と呼ばれる謎の組織と激突する話。1巻のような展開の強引さはなくなったけど、やはりあっさり薄味な雰囲気は変わらず。日常描写は凄く楽しく読めるのに、バトルとなると突然つまらなくなるのは何故だろう。

シューリンを拾った映画部の面々が彼女の護衛の為に学校に泊まりこみはじめるあたりは物凄く楽しくて、もっと読んでいたいと思わせるだけの魅力はあります。特に前巻の感想でも触れてるのですが、映画関連の薀蓄は作者さんの映画への愛が存分に伝わってきて、読んでいるだけで楽しい。そして、それまで映画を撮る事にあまり乗り気ではなかったメンバー達が、実際に「映像」として画面の中で動き回るシューリンを見て気持ちを変えるというシーンは秀逸だと思う。ただの何でもない日常の一コマが「映像」という形に昇華した瞬間の感動といいますか、そういうのが物凄い勢いで伝わってきた。もうほんとこのシリーズ、バトルとか全部見なかったことにして心に傷を負った少年少女達の青春劇にしてしまえば最高なのに。

前半が良いだけに、バトルになった途端キャラクターが不自然になったり展開が異常に早くなったりするのが物凄い気になる。スペシャル・ショットの設定ももったいぶって出してきた割に主人公以外の仲間のショットは全然見せ場ないし。いい年こいた大学教授がいきなりどっかの蝶人ホムンクルス パピ・ヨン!!! みたいな雄たけびを上げたときには、本気でどうしてくれようかと思った。

あと普通に同性愛者が多いのはどこにつっこめばいいんですか?元々百合臭漂わせていた睦美さんについてはまあ(どうでも)いいとして、もうノリが完全に純情天然ラブコメ系カップル状態な尾褄×勇樹がいろいろな意味ですげえ。BLなのにとても少女マンガ的と言うか、女装した勇樹を目にした尾褄の反応がいろいろな意味で も の す ご い です。クール系ツンデレ×中性的可愛い男子のBLカップリングが大好きな腐女子の人は是非読んでみるといいよ!!(私としては…勇樹がもうちょっとなよなよしてなかったらなあ……)

遂に判明した一兎のスペシャルショットは、実に悪趣味と言うか…胸糞悪くなるような能力。でも逆に、個人的にはこの力をどうやって今後の戦闘に生かしていくのかは興味あるかな。とりあえず、今のところあと2冊だし余裕があれば手を出してみる方向で…。

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疾走する思春期のパラベラム

[著]深見 真 [絵]うなじ

家庭環境に恵まれず、2ヶ月遅れで高校に入学した佐々木一兎。必ずどこかの部活に入らなければいけないと言われてできるだけ活動の無さそうな映画部の見学に行った所、「ここにはお前のできることは無い」といわれ、追い出されてしまう。ところがその帰り道、映画部に所属する少女と共に変な奴らに襲われて…
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「パラベラム」という、自分の殺意を銃に変えて攻撃する異能を手に入れた少年少女達が繰り広げる物語。

うーん、可もなく不可もなく、つまらなくは無くて、面白かったかといえば面白かったとはいえるけど、「気に入ったのか」といわれると返事に詰まる…そんな感じでした。よくある学園異能ですね、の1言で片付けられてしまうというか、薄味というか。ベタすぎてこの作品だからこその面白さというものがあまり伝わって来なかったというか。

前半はまだ普通に面白いなあと感じたんだけど、終盤の展開が詰め込みすぎで酷い。一兎が疑われた後にもう1?2エピソード挟んで、部活メンバーの結束を強めるような展開になるのかと思ったら、速攻で真犯人が判明して緑茶噴いた。あと、女子はまだいいんだけど男子のキャラ立ちがなんだか不自然。熱血くんなのか被害妄想気味ネガティブ少年なのかイマイチよくわからない主人公とか。突然よくわからないままBL臭をプンプン漂わせはじめる部長副部長コンビとか(あそこまで露骨に狙われると、腐女子としてはちょっぴり萎えるんだ…!)。キャラ立てが不完全なままで無理やり動かしているという印象がぬぐえませんでした。女子も睦美さんは結構好きなんだけど、志甫はなんというか……全角カナで音声再生されると想像すると、2ch用語連発がこんなにウザイとは思わなかったっ!!「ウマー」「キタコレ」「ワクテカ」とか……1、2回口を付くくらいなら結構あるけど、連発しないで欲しい…。

なんだかんだと感想を書き始めると文句しか出てきませんが、普通に面白かったことは面白かったです。というかバトルシーンよりも断然日常シーンのほうが面白かったかな。特に心理学や映画に関する薀蓄話はなかなか興味深くて、かなり楽しく読めました。

ただ、毎月大量にラノベが排出されるこのご時勢で他の作品を読む暇を削ってまでこれを読みたいかと聞かれるとちょっと…という感じはする。とりあえず2巻まで買ってあるので、3巻以降を買うかどうかは2巻次第で。

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図書館革命

[著]有川 浩 [絵]徒花 スクモ

敦賀原子力発電所で無差別テロが発生。その手口が『原発危機』という小説と似通っていたことから、メディア良化委員会はその本の作者である当麻蔵人を狙い、断筆を迫ろうとしていた。最初の一人の「事例」を作ってしまえば、それを盾にしてますます表現の自由が束縛されてしまう。世相社の折口から依頼を受けた関東図書隊は秘密裏に当麻を匿うことにしたのだが…
   個人的お気に入り度数
図書館戦争シリーズ完結編です。

すっかりツン期を抜けてデレモードに半分以上突入している堂上・笠原カップルの微笑ましい初デート☆の姿にキュンキュンしていたら、手塚と柴崎の「担保」のやりとりに心臓をどっくんどっくん打ち抜かれました。あれは反則だ!!ヘタレで柴崎の尻に敷かれっぱなしの手塚の精一杯の反撃に激しく萌えた!!担保!担保!!!

ストーリー本編は最終巻ということもあり、メディア良化委員会との事実上の最終決戦が描かれます。本来の図書隊のホームグラウンドではない政治を舞台に立ち回り、更に味方内にも様々な問題が……と、様々な意味で未だかつて無く苦しく重い闘いとなりましたが、その合間にすかさず挿入されるLOVEの姿にいちいち過剰反応してしまう自分がいました。このバトルとラブの絶妙な割合がとてもツボ。そしてすっかりブラコン丸出し状態の手塚兄が最高です。敵に回すとこれほど嫌な奴もいないですが、味方に回したらこれが心強いの何の。なんだかんだと兄貴が心配な手塚の姿にもニヤニヤしてしまいました。

しかし、今回の殊勲賞といえば、何といってもこの人たちですよね。
大阪のオバチャンパワーSUGEEEEE!

表現の自由に関する問題は、現実問題にも繋がる事が多くて、相変わらず他人事ではないのだなあと思う部分が多かったです。当麻が例として挙げた『片手落ち』の問題なんか、現実でも普通にあるんだろうなあ。最近でも「ちびくろさんぼ」の廃刊とかありましたけど…

しかし、エピローグの堂上夫妻のラブラブっぷりは異常。もどかしい手塚・柴崎コンビにもニヤニヤさせられて、大変ご馳走様でした。さてと、明日辺り「別冊図書館戦争」買ってくるかー。

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