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キーワード:時雨沢 恵一 (18 件 / 2 ページ)

電撃文庫RPG Cross of Venus+電撃学園RPG文庫

電撃学園RPG Cross of Venus
[制作]アスキー・メディアワークス
電撃学園RPG文庫
[著]時雨沢 恵一、五十嵐 雄策、おかゆ まさき、水瀬 葉月、橋本 和也、三雲 岳斗、支倉 凍砂、成田 良悟、竹宮 ゆゆこ
[絵]黒星 紅白、しゃあ、とりしも、さそりがため、さめだ 小判、和狸 ナオ、文倉 十、ヤスダ スズヒト、ヤス
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電撃学園RPG Cross of Venus(通常版)
「電撃学園」に通うごくふつうの高校生である主人公と彼の幼馴染・キズナが肝試しをしようと夜の学園に赴いたら購買でメロンパンを貪っているシャナと遭遇、なしくずしに「絶夢」と呼ばれるなぞの存在との戦いに巻き込まれ、電撃文庫作品の人気ヒロイン達と共に作品世界を回りながら物語の改ざんを阻止ていく…というお話。90年代のなかよし読者としては、高瀬綾の「くるみと七人のこびとたち」とか思い出します。

アクションRPG仕立てな作りのゲームで、難易度・易で20時間前後で(隠しボスを除いて)クリア。全16章で各章1?2時間くらいでクリアできるので手軽といえば手軽なのですが、とにかく終盤に入るまでラスボスの手がかりが殆ど掴めないまま「絶夢」の手先と戦うばかりの展開になるので、ちょっとフラストレーション溜まるかも……個人的には、9?15章が丸々蛇足に見えたのですが、気のせいですか…(ぶっちゃけ1?8章のボリュームをもう少し上げて、全作品世界回り終えたら即ラスボス戦、で十分だったと思う)

全体的に良くも悪くも「電撃文庫ファン向け」のアイテムというか、あまり出来のよくないキャラゲーの域を脱してない。8章×2だから8つの作品世界を2回ずつまわるのかと思ったら、一通りの世界を回った後はそれっきり登場の無い世界もあったりして、結構扱いの違いが顕著です。舞台としては「禁書目録」、敵役としては「シャナ」関連が贔屓目で、逆に「ドクロちゃん」と「とらドラ!」の世界には結局ラスト除いて1回ずつしか行かなかったなぁ…。

ただ、最終章のお話の展開は結構好きです。主人公に生徒会シリーズの杉崎鍵から名前を取って「すぎさき」と名づけたら、反響死滅兄さんみたいなの出てきて爆笑したけど。王道といえば王道なんだけど、崩壊する世界で、大切な人達がヒロインたちに次々に想いを伝えていくという展開は結構泣ける。さ、桜君がいい人になってるよ!!!(失礼)

ただ、ああいう展開にするなら、ラスボス相手に負けたら特殊バッドエンドほしかったよーな……わざわざクリアした後に負けに行った私の立場は。

全体的にやっつけ仕事というか、ファンアイテムだから出せば売れるだろう的思考が透けて見えるというか、「もうちょっとここを頑張ってくれれば…」みたいな部分が多くてその辺は残念なのですが、ファンとしてはそれなりに楽しめる1本でした。個人的には、せめてななめ移動くらいさせてくれよというのと、電撃カードのカットインはもうちょっと頑張ってほしかったくらいかなあ…

あ、でも最後にもう一つだけ言いたい。亜美の扱いが酷すぎる。
仲良し5人の中で唯一セリフも出番も無いと思ってたら、一応サブヒロインのはずなのに、最終章でセリフなしの雑魚中ボス扱いで絶夢の傀儡として量産されてた(←亜美ちゃんスキーは見ないほうが幸せです)ってどうなのー!

電撃学園RPG文庫
電撃学園RPGの初回特典としてついてきた、短編アンソロジー。

もはや学園とか完全スルーして、いつも通りの「キノの旅」な時雨沢恵一といつも通りの「とらドラ!」な竹宮ゆゆこ、「電撃学園」の要素を織り交ぜつつも(多分)いつも通りの「乃木坂春香」を描いている五十嵐雄策、舞台が「電撃学園」なだけでやってることは基本的にいつも通りホロとロレンスのイチャイチャな支倉凍砂、ゲーム本編についての反省とか愚痴とかをテンション高いキャラ会話主体で薦める三雲岳斗とおかゆまさき、未登場作品の自キャラを電撃学園に紛れ込ませて他作品とクロスオーバーさせてる水瀬葉月、橋本和也、そして成田良悟という感じ。どうでもいいけど、現代に紛れ込んだホロが割りと真面目にイヅナにしか見えません。夜はPC、昼は購買の店番しながらゲーム三昧なホロて……


個人的にはクロスオーバー組が全体的に好きだったかも。特に水瀬さんの短編で出てくる、フィア&ホロのやりとりが最高。長い年月を生きるホロの貫禄と母親のような優しさがラストのやりとりであふれてくるような気がしました。成田さんの短編はオタクが電撃学園に紛れ込んじゃったヨ!!という素晴らしい内容。大河にサイン貰おうとするとか、オトコマエすぎます。

あと、三雲さんの短編が……地文なしの「生徒会の一存」になっちゃってるよー!電撃のみならず別会社の作品にまで手が伸びる、いろいろな意味で恐ろしい1編でした…本当に、暫く笑いが止まらなかった。特に直前の橋本さんの短編で、いい子全開な操緒を見ていると、こっちのツッコミキャラ化してる操緒とのギャップが……

しかし、同じような楽屋裏オチをやったドクロちゃんのほうも「サバトちゃんとシャナと大河とルイズを一同に会させて、会話させたい」発言を筆頭に色々大暴走でしたが。最終巻で出たキャラはさすがに出せないと思うよ!!


電撃コラボレーション  まい・いまじね?しょん

[著]電撃文庫記念企画
(うえお久光、時雨沢恵一、上月司、有川浩、中村恵里加、五十嵐雄策、有沢まみず、柴村仁、古橋秀之、岩田洋季、成田良悟)
[絵]西E田、むにゅう、京極しん、田上俊介、さそりがため、三日月かける、山本ケイジ
   
西E田さんの書かれたイラストを元に電撃文庫の作家・イラストレーターがストーリーを作っていくというコラボアンソロジー。15周年企画の一環?で今月から毎月こういったコラボ小説が発売されるようです。男女の学生、手紙、UFOというキーワードの縛りがあるのに王道ラブコメあり、SFありホラーありで各作家さんの味が出まくってる辺りがおもしろかったです。

色々な意味で「いつも通り」で学園キノ系はっちゃけギャグの時雨沢恵一、ベタ甘ラブコメな有川浩とかもおもしろかったですが、ダブルブリッドやソウルアンダーテイカーから一転・コテコテの脱力系メタメタギャグをやらかしてくれた中村恵里加とギャグ系エロコメ・シリアス泣きゲー系のどちらでもなく何故か超ダークでホラーな展開の有沢まみずが最大の衝撃だったかも。中村さんはまだ著者近影や初期の後書きのゲーム語りからなんとなくこういう芸風もアリかなあと思ったんですが(ていうかいつかギャグコメ書けばいいと思います)、有沢まみず×ホラーラノベは想像したこともなかったぜよ…確かにインフィニティ・ゼロはちょっと欝グロも入ってましたが!半分くらい未読の作家さんでしたが、やはり既読の人の方が普段と比較できる分二重の楽しみがありますね。

そのほか、ある意味王道といえなくもないような、古橋さんのお話と最後という事を最大限に利用した他の短編ネタが炸裂の成田さんの短編がお気に入り。未読の作家さんの中では上月司さんのスレ違いラブコメに1票。男の子と女の子で同じ行動に対する見解がどんどんズレていくのが素敵過ぎる。こういうギャグコメディは大好きだ…!

…ところで岩田さんの「シンデレラ」、大筋は切ない恋愛モノで結構好きなんだけど、男の子の方の行動の理由があまりにもしょぼすぎると思ってしまう私は駄目なんでしょうか。本当に好きな相手ならそんなの愛で乗り越えられるだろ。女を断る理由がほしくてそういうこと言った、とまでは思わないけどもうちょっとまともな理由がほしかったです。


撲殺天使ドクロちゃんです

オンライン書店ビーケーワン:撲殺天使ドクロちゃんです撲殺天使ドクロちゃんです

[著]おかゆ まさき、高橋 弥七郎、築地 俊彦、鎌池 和馬、ハセガワ ケイスケ、谷川 流、水島 努、成田 良悟、時雨沢 恵一
[絵]とりしも、CLAMP、いとう のいぢ、駒都 えーじ、渡辺 明夫、しゃあ、若月 神無、氷川 へきる
どうしてこんなところにいるんですかCLAMP先生。
絵柄が明らかに一人だけ浮いてて素敵ですCLAMP先生。

電撃の人気作家さんを中心に全員で「撲殺天使ドクロちゃん」を書いたトリビュートノベル。前後の文章を予め原作のおかゆさんが考えて、その間を埋めると言う形なんで、前後の文章を8回読むのは正直微妙だったのですが逆に何の縛りもなくドクロちゃんのアンソロ小説を書きました、というより全然良いですね。各作家さんの味が出ていて面白かったです。

しかし「ドクロちゃん」のあの畳み掛けるような主人公の地文は、原作を読んだ時から鎌池さんに似てるな?とおもってたけど、鎌池バージョンに関しては桜君の中に上条当麻が降霊してしまったようにしか見えない(しかも全く違和感がないw)

あと、ハセガワさんがこんな時でもいつものノリで素敵すぎです。
読んだ時暫くどうリアクションすればいいのか悩みましたから!!
原作を知っててあれ読むとある意味最大のギャグだと思います。

そして谷川さんと水島監督と時雨沢さんはギリギリの線走りすぎ(笑)
ブ△ーポップはとにかく小○館とディ■ニーは危険だからーーーっ!?
前者2人のところは電車の中で噴出しかけ
時雨沢さんの部分は電車の中では読めませんでした

他の作者さんも各人のキャラが上手く出てる感じで普通に面白かった。
企画物としては評判の悪い富士見の「小説やろうぜ!」よりよかったのでは?
ハセガワさんの浮き上がりっぷりもあの中に入るとある意味新鮮です。
時雨沢さん、全くの別シリーズであのノリギャグ小説を書いて欲しい(笑)「学園キノ」楽しみです。


「私の好きな」ライトノベル・オールタイムベスト・75(草稿)

ラノベオールタイムベスト100の話題を見かけてからずっと「自分のオールタイムベスト100を作りたい」と思っていたのですがいつもの調子で紹介入りで記事化すると地獄のように長い記事になるので体力があれば夏コミで本にしようかな……と思っていたのですが、そのうち普通に「自分のオールタイムベスト100」の流れが界隈に来たので取り急ぎ出します。コミケで紹介本……というのは割と真面目に考えているのでもし覚えていたら夏コミ1日目のFC小説島をチェックしてみてくださいね(まだ本が出るとは言ってない)

なお、100タイトル選ぶつもりで85まで選んだところで「これは無理に100にするよりもここから少し削ってまとめたほうが正しいな……」という気持ちになってきたので75に削って出します。夏コミで本当に本にするなら改めて100にするかもしれないし50くらいまで更に削って出すかもしれない。そして好きな順・刊行順ではなくだいたい私が読んだ年代順です。

1990年代

1:神坂一「スレイヤーズ」「このジャンル」を認識した始まりの一作
2:山本剛「魔導物語」良きノベライズ
3:神坂一「闇の運命を背負う者」
4:新井素子「グリーン・レクイエム」続編の「緑幻想」が特に好き。
5:あかほりさとる「セイバーマリオネットJ」
6:久美沙織「MOTHER2 ギーグの逆襲」MOTHERがBROTHERになってしまう。
7:北条風奈「小説TWINSIGNAL」シンガポール行きたくなる!!!2巻が特に好き。
8:神坂一「ロスト・ユニバース」
9:庄司卓「倒凶十将伝」

2000年代

10:時雨沢恵一「キノの旅」
11:中村恵里加「ダブルブリッド」オールタイムベストスリーには余裕で入る
12:椎野美由貴「バイトでウィザード」
13:甲田学人「Missing」
14:神野オキナ「シックス・ボルト」
15:杉原智則「頭蓋骨のホーリーグレイル」
16:有沢まみず「インフィニティ・ゼロ」
17:鈴木鈴「吸血鬼のおしごと」
18:木ノ歌詠「カラっぽの僕に、君はうたう。 フォルマント・ブルー」
19:川上稔「AHEADシリーズ 終わりのクロニクル」電子書籍化待ってる…
20:賀東招二「フルメタル・パニック!」
21:岩井恭平「消閑の挑戦者」
22:岩井恭平「ムシウタ」
23:三上延「シャドウテイカー」このへんの三上延作品セット買い。
24:後藤リウ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」この本があったから18年待てたんだとおもう
25:藤原祐「レジンキャストミルク」殊子先輩が好きだ
26:風見周「殺×愛 ─きるらぶ─」
27:高殿円「カーリー」
28:土橋真二郎「扉の外」
29:喬林知「まるマシリーズ」三男派
30:虚淵玄「Fate/Zero」
31:林トモアキ「戦闘城塞マスラヲ」
32:井上堅二「バカとテストと召喚獣」
33:水瀬葉月「ぼくと魔女式アポカリプス」
34:菊池たけし「アリアンロッド・リプレイ・ルージュ」TRPGリプレイの中ではこれが一番好き。
35:神坂一「ドアーズ まぜこぜ修繕屋」神坂一挙げすぎってそろそろ思ってるよね。わかるよ。
36:小野上明夜「死神姫の再婚」
37:葵せきな「碧陽学園生徒会シリーズ」正式名称を使うめんどくせえオタク
38:田口仙年堂「吉永さん家のガーゴイル」最後の名乗りのカタルシスよ
39:平坂読「ラノベ部」平坂先生のリレー小説描写は神
40:田口仙年堂「魔王城」電子書籍化して!!!!!!!!
41:杉井光「さよならピアノソナタ」火目の巫女とどっちにするか悩んだ
42:田尾典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」
43:うえお久光「紫色のクオリア」
44:壱月龍一「ラ・のべつまくなし」
45:渡島健康「魔王様げ〜む!」

2010年代

46:本田誠「空色パンデミック」こっちも電子書籍化して!!!!!!!!
47:あざの耕平「東京レイヴンズ」
48:海羽超史郎「STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐」続編「比翼連理のアンダーリン」が特に好き
49:柳実冬貴「Re(アールイー): バカは世界を救えるか?」
50:森 美紗乃「奥様は貴腐人 旦那様はボイスマイスター」
51:かじいたかし「僕の妹は漢字が読める」異色の萌えディストピアSF
52:和ヶ原聡司「はたらく魔王さま!」
53:大樹連司「ボンクラーズ、ドントクライ」甘酸っぱくてほろ苦い青春の三角形。
54:夕鷺かのう「(仮)花嫁のやんごとなき事情」
55:渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」
56:榎宮祐「ノーゲーム・ノーライフ」
57:賀東招二「甘城ブリリアントパーク」続きが読みたい……
58:壁井 ユカコ(GoRA)「K -Lost Small World-」男二人の依存関係とすれ違いと
59:ツカサ「銃皇無尽のファフニール」
60:羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」
61:望公太「最強喰いのダークヒーロー」
62:speakeasy(さがら総・橘公司・渡航)「クオリディア・コード」前日譚も本編も全部違う味わいがある
63:望公太「ラノベのプロ!」良い幼馴染ラノベだった
64:瀧ことは「腐男子先生!!!!!」書籍版完結してよかった……
65:師走トオル「ファイフステル・サーガ」
66:瘤久保慎司「錆喰いビスコ」3巻までしか読んでないんだけどその3冊がメチャクチャに好き
67:衣笠彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ」

2020年〜

68:二月公「声優ラジオのウラオモテ」
69:七夕さとり「悪役令嬢レベル99 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜」
70:有象利路「サキュバスとニート」このへんの有象利路作品も著者セット枠。
71:紫大悟「魔王2099」
72:七斗七「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」
73:鏡 貴也「伝説の勇者の伝説」令和になってから読んだ。
74:南野 海風「魔術師クノンは見えている」
75:とくめい「アラサーがVTuberになった話。」


遊び心溢れるラノベの装丁をまとめてみた。

という訳で漫画でやっててラノベが未到達or定着してないデザイン上の遊び心を幾つか挙げてみます。


じゃあその「未到達」なラノベにはどんな遊び心あふれる装丁があるのか!ということで、カっとなってまとめてみました。
いえ、単純に、「マンガの面白い装丁」を「ラノベの面白い装丁」と比較するなら、どうせなら記事を読む側の人も両方ともの情報をもった上で比較してほしいなあ、と思っただけなんです。もちろん記事を書いた人は「ラノベの面白い装丁」についての知識はあるんだろうけど、そういうのを知らない人にラノベにも面白い装丁はあるよ!って言いたかっただけなんです…。さすがに他社を跨いで連結表紙とかないけど!(いやでもこれは単に他社を跨いで同じ作者×イラストレーターのコンビが活躍するという事例が殆ど無いからじゃね…?って思うんですけど…少なくても、私はそんな事例知らない。)

自分が読んだ範囲でのまとめなので、大量に抜けはあると思いますが、その辺はご容赦ください。
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電撃コラボレーション  MW号の悲劇

[著]電撃文庫記念企画
(渡瀬草一郎、三雲岳斗、時雨沢恵一、有沢まみず、成田良悟、近藤信義、藤原祐、在原竹広、岩田洋季、谷川流、おかゆまさき)
[絵]エナミカツミ、とりしも
   個人的お気に入り度数
電撃文庫の記念コラボ企画第二弾は豪華客船「MW号」の沈没という共通の事件を元に、「タコ」「電撃」「30」の3つの単語を物語りに織り込むという縛りを加えたアンソロジー小説。

とりあえずカラーページのびんかんサラリーマンなんぞこれーーーっ!
電車の中でカラー表紙のページ開いて慌てて閉じたよ!!何このBL小説も真っ青のエロいカラー挿絵!!これはいつか「腐女子向けラノベ」エントリとか書いた時のオチとして使えという天啓か!!

例によって様々な解釈の短編が収録されていますが、単体での一番ツボにハマったのは有沢さんの「万年すだれ禿係長小保多喜八郎の冒険」。人生滑りまくり、「仕方ない」と溜息を吐きながら自殺しようと決意した一人の男が、死ぬ前に一花咲かせようとするお話なのですが……正直すだれ禿親父に感動させられる日が来るとは夢にも思わなかった。コボタかこいいよコボタ。先月のホラー話といい、このコラボシリーズでの有沢さんの輝きっぷりは半端じゃない。

あとはベタベタ王道なボーイミーツガールを描いた渡瀬さんの「残酷劇の夜」や、惨劇の起こる船ではなく、惨劇の最中のネット掲示板を舞台にした時雨沢さんの「MW号専用掲示板『ウィー・アー・オン・ボード!』」あたりがお気に入り。時雨沢さんは「キノの旅」本編を彷彿させる、強烈なブラックジョークだなあ…こういう時にネットなんか頼っちゃいけませんよってことですねわかります。三雲さんの「DIVE TO BLUE」と在原さんの「内藤君と水野君の場合」ははっちゃけすぎてて好き嫌いが分かれそうな感じ。特に在原さんは、なんかもう途中から作品そのものが親父ギャグ化しちゃってたからなあ…良い息抜きにはなりましたが、寒かった事も事実としか言いようがない。意図的に狙ってハズしたギャグをやって、そのハズしっぷりを楽しむ作風なのかなあという感じだけど、これを「ギャグ」と受け取れるかどうかは微妙なライン。

しかし、何より今回物凄かったのはこの設定も何もかもバラバラな物語群全てを1つの「群像劇」へと仕立て上げ、バッドエンドになった作品には追加でハッピーエンドオチまで付けてしまった成田さん。元々代表作である「バッカーノ!」からして群像劇なわけで、ある種得意分野だったのかもしれませんが、アンドロイドネタの藤原さんや異能要素バリバリでフリーダムまっしぐらな谷川さんの短編まで強引に1つの世界へと引き込んでしまったのは圧巻としかいいようがない。そして物語そのものも凄く良いのですよね。荒神さんと『魔法のランプ』一味がオトコマエすぎて胸が熱くなりました。すごい、この人凄すぎるよ……!!

そして巻末の「応答せよ!びんかんサラリーマン」噴いた。
びんかんサラリーマン強えええええーーーっ!!


電撃文庫ソートとラノベ作家140人ソートやってみた

電撃文庫2008年上半期発売シリーズソートやってみた。結果15位まで。

1 ダブルブリッド
2 とらドラ!
3 とある魔術の禁書目録
4 モーフィアスの教室
4 吸血鬼のひめごと
4 断章のグリム
7 モーフィアスの教室
8 タザリア王国物語
8 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
10 ツァラトゥストラへの階段
11 MAMA
12 しにがみのバラッド。
13 ブギーポップシリーズ
13 狼と香辛料
15 灼眼のシャナ
15 アスラクライン

67作品中アスラクライン以下、全部1巻で切ったか未読シリーズだったよ……トップ15圏内に「みーまー」「ブギポ」「香辛料」「シャナ」と既に切ったシリーズがはいっちゃってるし。最近の自分の電撃文庫離れが露骨に現れた結果になりました。他所の感想サイトさんが悲鳴を上げてる月でも最近は1?2冊しか購入シリーズがない。

対象シリーズが少ないのと、それ以上に知ってるシリーズが殆どないので簡単に答えられたのですがやはり電撃と言うと「終わりのクロニクル」とか「Missing」とか「ナインエス」「キノの旅」あたりが入ってないのは寂しいかも。個人的には新人を削って、その分対象期間を広げてほしかったですね。2巻以上でたシリーズを対称にするとか…(でもそうするとファンが多そうな紅玉いづきさんなんかは除外になっちゃうのか。)

……と呟いてたらStellaさんが光速で電撃80シリーズソートを作ってくださいました。仕事速い!仕事速いです!!
というわけでこちらも結果晒し。25位まで。

1 ダブルブリッド
2 終わりのクロニクル
3 Missing
4 レジンキャストミルク
5 断章のグリム
5 レベリオン
7 とらドラ!
8 とある魔術の禁書目録
9 都市シリーズ
9 ルナティック・ムーン
11 図書館戦争シリーズ
12 9S
13 アリソン
13 タザリア王国物語
15 キノの旅
16 吸血鬼のおしごと
17 半分の月がのぼる空
18 バッカーノ!
18 リリアとトレイズ
20 しにがみのバラッド。
20 ブギーポップシリーズ
22 キーリ
22 灼眼のシャナ
24 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
25 狼と香辛料

レベリオンとグリムがちょい高すぎるよーな気がするのですが、あとはとても順当な結果に。ベスト3は私の電撃文庫シリーズ中ではかなり鉄壁。タザリアと半月の続き読まなきゃなぁ…。

ついでにラノベ作家140人ソートの結果も。別ブログの方でやったものの転載。
こちらは30位まで。


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イラストレーター買い…むしろ「巻頭カラーページ買い」の話

超個人的「この作家の別シリーズは読む!」(「いつも感想中」さん)
ライトノベルの「作家買い」詳細解説と個人的な事例とか「イラスト買い」とか(「平和の温故知新@はてな」さん)

作者買いの話を読んで、考えてみると殆ど私はライトノベルで「作者買い」をしていないことに気づきました。一応自分の好きなシリーズの作者の別シリーズが出ると、それなりに気になることは気になるんですが高確率で購入には至らないというか、なんというか。

なんでだろうと思ってたんですが、殆どの作品において作者の作品は気になるがイラストレーターが微妙だった事に思い当たってみたり。ライトノベルは個人的に文章と絵があってナンボだと思っているので、私の場合は挿絵もツボに来ないと高い割合で購入に至りません。というか、この作者ならきっと面白いに違いない!っていうのはあるのに読む気がしないのはなぜだろう。

考えてみると私が今のところ完全な「作者買い」をしてる作者って
 ・川上稔
 ・甲田学人
 ・岩井恭平
 ・中村恵理加
くらいしかいないんですよね。
あれだけプッシュしまくっているフルメタですら同作者の「ドラグネット・ミラージュ」からまず未読…というか序盤で挫折中。1巻は書いてるのは違うので致し方ないといえば仕方ないのか…い、いつか頑張って読もう…。あと新井素子もエッセイ関係は高確率でスルーしてしまっています(あちらは冊数多すぎるというのもあるけど)

というわけで私の場合は作者買いでもイラストレーター買いでもなく、作者&挿絵コンビ買いになる確立が高いです。まあ同じ作者と同じイラストレーターで安心して読めるというのもあるのでしょうが…。「川上稔&さとやすコンビ」をはじめ、「藤原祐&椋本夏夜コンビ」とか「三上延&純珪一」コンビとか来ると確実ですね。私は途中で挫折してしまいましたが「時雨沢恵一&黒星紅白コンビ」なんてのも世間的には人気かもしれません。

しかしそれ以上に「前情報全く無しで新シリーズに手を出す」という場合、私は巻頭にあるカラーページをめちゃくちゃ重視します。表紙が気に入ったら手にとって、巻頭カラーをペラペラ眺めて、それでピンと来るものがあればあらすじを読んでレジに…という寸法です。公式サイトや感想ブログで気になった作品も巻頭カラーがイマイチだとスルーしてる、というのも多かったりします。

というわけで、自分の中で巻頭カラーの果たす責任は恐ろしく重大になります。基本的には、この数ページに作品の雰囲気が全て凝縮されていると考えているからです(内容と巻頭カラーが予想以上に違って地雷を踏む事も多いのですが…)

自分的に「巻頭カラー買い」だった作品

スカイワード1(著:マサト真希/挿絵:橘由宇)
この本、作者さんの文章が非常に独特なのですが(句読点を使わないで畳み掛けるような文体を時々使う)そういう文章を巻頭カラーページに掲載していたため、思わずその文体が気になって購入。巻頭カラーイラストではなく「巻頭カラーの文章」に惹かれた一例。2巻以降はこの文体が鳴りを潜めてしまって作品の雰囲気も大幅に変わってしまって寂しかった記憶が…次シリーズの「絶世少女ディフェンソル」は未読。
オンライン書店ビーケーワン:スカイワード

ウィッチマズルカ1 魔法、使えますか?(著:水口 敬文/挿絵:すまき俊悟)
とにかく見開きで描かれる未玖の願種召喚シーンが素敵。その後のバトルシーンでもその挿絵が1枚あったお陰で凄く場面が想像しやすかったです。ライトノベルの中でも有数にお気に入りな巻頭カラー絵。
オンライン書店ビーケーワン:ウィッチマズルカ 1

レジンキャストミルク4(著:藤原祐/挿絵:椋本夏夜)
もともと椋本夏夜さんのファンをしている私なので、かなり作者&挿絵コンビ買い入ってるシリーズなのですが、巻頭カラー部分が際立ってる小説なので紹介。特に3巻以降の漫画は何かが覚醒しているというか…椋本夏夜さんの脳裏でマカデミアナッツサイズの何かが弾けたとしか思えません。本編のダークを軽やかにスルーして、巻頭カラーで「プリン王国」だのなんだのやりだすセンスが最高です。
オンライン書店ビーケーワン:レジンキャストミルク 4

撲殺天使ドクロちゃんです(原作:おかゆまさき/アンソロジー)
だから、なんでこんなところにいるんですかCLAMP先生。
一人だけ明らかに浮いてます。なんというか空気読めてません。しかもどうみても侑子さん(xxxHolic)がいらっしゃいます。
インパクト強すぎでした。うっかり買っちゃったじゃないですか。やってくれやがったな電撃編集部。完敗です。本当にありがとうございました。
オンライン書店ビーケーワン:撲殺天使ドクロちゃんです

私の場合はこんな感じですが、世間のライトノベルブログ管理人さんにとって「前情報の無い新シリーズ」を手にとるポイントはどの辺になるのかがちょっと気になったりします。やっぱ完全イラスト重視な自分の買い方はライトノベル好きとしては希少なんですかねー。