アニメが面白かったので手を出しました。殺し屋が市民の3%を占めると言われている街・福岡を舞台に、様々な『殺し屋』たちがそれぞれの獲物を求めて暴れまわるお話。
「これは好きそうな気配がするぞ」とおもって思わず原作読み始めたら予想以上に馬場と林の関係性が大好きなやつだったのでとても満足しました色々な意味で。林が女装している理由とか、予想以上に過去の自分へのコンプレックスやらなにやらを拗らせてる感じで大変好きです。幼い頃から与えられることを知らないで育った林が、はじめて見返りなしに何かを与えてくれた馬場に対して段々懐いていくのが大変ニヤニヤするし、それを踏まえてのクライマックス後のやりとりは反則じゃないですかね……エピローグで完全にただのケンカップルになってるのなんなんだ……ファンサービスかなんかかな(誤解)。
普段は普通の人間でありながら仕事を請け負えば淡々とそれをこなしていく『殺し屋』たちの裏表のある世界。ひょんなことから殺人請負会社に就職してしまった一般人・斉藤が自分の過去を思い悩みながらも慣れない福岡の街と彼等が裏の世界で巻き起こす事件に翻弄されていく姿が楽しかったです。アニメでは今の所(確かまだ3話)軽くしか触れられていない、登場人物それぞれの事情がわりとしっかり描かれているのでアニメから入っても楽しめんじゃないかと。(というか斉藤の過去の話はわりあい1巻のキモだと思うんだけど触れないままでどう落とすんだろう…)
それぞれが追いかけていた別々の事件が、最終的に一つの大きな事件へと流れ着いていくという流れがとても好きで。色々な所でニアミスしていた彼等が少しずつ同じ目的の為に集まっていくのに、とてもわくわくする。そして、一件落着とおもいきや、一気にこれまでの展開を疑い返す羽目になるような終わり方。「どこまで」が「誰」の手のひらの上だったのか?最後の最後で煙に撒くようなおわりかたがとても良かったです。
受賞作ということもありわりかし綺麗に1冊で終わってる感じなので2巻はどう続けるのかな。続きも楽しみ。
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幸運なバカたちが学園を回す1 〜豪運ザコとカワイイ幼馴染〜
矢内総流はかなり特異な運の持ち主だ。たとえば、ソシャゲでお気に入りのキャラが欲しくてガチャを回せば、まったく興味の欠片もないSSRを引いてしまうような、いわゆる“要らない幸運を引く”体質だった。そんな、人とは違う妙ちくりんな幸運を持った総流が―すべてが“運”で決まる学園に入学してしまった!時間割、食堂のメニュー、席替え、試験…学生生活に欠かせない、ありとあらゆるものが運試しによって決まるというとんでもない学園。そんな学園で総流は、小学校以来の幼馴染と再会する。…が、総流にとっては、それすらも“要らない幸運”だった!?これは、全然嬉しくない幸運を持つ少年と、愉快な仲間の物語。 (「BOOK」データベースより)
ガチャ運が全ての学園で、「要らない幸運」ばかりを引き寄せてしまう主人公とちょっと運の偏ったクラスメイトたちが運に振り回されつつも楽しい(?)学園生活を送るお話。
後述する時間割等の問題は置いておいて、ガチャを回すための「ポイント」がランダムで現金だけでなくいろんなもので消費されたり(カロリーガチャを死ぬほど回したい)、集団での意見統一ができればガチャの内容を変更できたり…と、割合様々な抜け穴のある学園のガチャシステムが面白い。「要らない幸運」を引き寄せる主人公を筆頭に各キャラクターたちにガチャ運の偏りがあり、それを戦略的に利用していく展開も楽しかったです。
主人公・総流とその悪友である和光、幼馴染ヒロインであるレナとの関係性はまあ悪友萌え幼馴染ヒロイン好きとしては普通に美味しいやつなんですけど、しっかりものの義妹・みらいとの兄妹関係がなにげに好きでした。しかしガチャ産の義妹とは一体何なのか…。あと、徳光をめぐる学食ガチャのやりとりが楽しい。本人にとっちゃ笑い事じゃないだろうけど。
ガチャをめぐるあれやこれやでバタバタしつつ、中心ではわりと真面目に「幼馴染との関係改善」を軸にラブコメしてるんだよなあ。軽口を叩き合いつつもわりと真面目に相談に乗ってくれる仲間たちが印象的でした。問題の「告白」に関しては流石にどうしてそれで「告白」だと思ってもらえると思った……なんですけど……。前後の文章の意味が理解できなくて三度見した。バカにありがちな思考の飛躍にしたって流石にもうちょっと言い様があるでしょうよ……。
あと、これ作中でも申し訳程度に突っ込まれてるけど、時間割までガチャ運に左右させてしまう(6時間ぶっとおし腹筋とか、まだ習ってない単元の科目を受講させられるとか、毎日自習を引きまくるとか)のは流石に教育機関として破綻してない?いくら架空の学校とはいえ、これがまかり通る世界観はちょっと嫌だなあ。特に物語の序盤は割と主人公やヒロインの「引きの悪さ」を笑うような展開が連続するため、ちょっと笑いのツボが合わなくてしんどかったです。
最後のオチが、何が何でも目当てのSSRを引かなければいけない状況で、「一番良いところで珍しく運が味方してくれる」みたいなご都合展開じゃなかったのは良かったなあと。主人公の「本人にとって要らない高レアを引いてしまう」という設定が完璧にハマっていて、挙句に「もう要らないと思った途端に来る」というガチャあるあるも踏まえていて大変趣深かった。
物欲センサーって、あるよね……。
脱サラした元勇者は手加減をやめてチート能力で金儲けすることにしました
さすがです、お兄様(作品が違います)
かつて世界最強の勇者として世界を救った存在であり、頭よし、顔よし、性格よし、とおおよそ欠点の見当たらないパーフェクトすぎる元勇者・天堂雷輝が仕事先で出会った美女やブラコン妹を骨抜きにしつつ脱サラして会社を興し、世界を救うためビジネスの世界に征っくぞー!(やや物理コミ)というお話。
依頼毎にメインとなる美女が登場して、彼女の悩み事を解決しつつちょっといい雰囲気になりつつどうにもならないところは勇者の物理力で解決しビジネスも成功させていく。とにかく雷輝社長が強いしかっこいいし完璧なので美女がメロメロになってもしょうがないなみたいな所ある。ブラコン妹も様々な事情から絶対の自信を持っているので他の女とどうこうしてても特に攻撃とかなくて、どっしり構えている。
最初から最後までもう絵にかいたかのような「超強い主人公無双」なんですが、弱者への見下しも強者の奢りもイケメンの厭らしさも一切ない、勇者としてビジネスマンとしてもあまりにも完璧なお兄様のスーパーサワヤカイケメンっぷりが凄かったです。とにかく読んでいてストレスとなる要素がみつからない。どんなにピンチになっても安心して読めるあたり、ハードボイルド系水戸黄門みたいな圧倒的な強さを感じました。
第1巻では「社長」といいつつも個人で動くことが多かったので次巻があるなら今回登場したメインの3人以外の社員の姿がみたいです。しかし、ちょいだしされた社内の雰囲気も本当に良かったので安心できる……安心感がすごい……。
回復術士のやり直し 〜即死魔法とスキルコピーの超越ヒール〜
勇者として目覚めたものの、役立たずの烙印を押され廃人にされてしまったケヤル。最後に仲間を出し抜いて賢者の石を手に入れた彼は石の力で世界を『癒』し、勇者として目覚める前からやり直すことを決意する。悪意によって一度人生を奪われた少年が繰り広げる、人生やり直し系復讐劇。
なろう版(多分3巻途中分くらいまで)既読。即死技、洗脳、人体改造、スキルコピー等々、「回復」という概念を拡大解釈して定番のチートスキルとして転用していく発想が面白い。これから起こることを知りつつも敢えてそれに乗っかることで復讐するための「言質取り」と「お膳立て」を整えていく展開がエグいけど、しかしまあ味方も敵も擁護のしようがなく下種か廃人しかいないので一周回って爽快ですらある。
個人的には洗脳されて性奴隷化しているヒロイン(?)・『術』の勇者フレアが実は虎視眈々と復讐返しを狙っている展開をめちゃくちゃ期待しているのですが、どうなるのかな。個人的にはケアルのワンサイドゲームのまま終わってしまうとそれはそれでスッキリしないんですよね……喧嘩両成敗で共倒れしてほしいんだけど。
ところで書き下ろしの追加シーン、どこかとおもったらまさかの過去編。原作になかったホモのDVが追加されてるとは思いませんでした!!『剣』と『砲』が同性愛拗らせた性犯罪者なのは知ってたけど、洗脳前のフレアのこじらせぶりも大概に酷い。勇者3人ともマジで地位と勇者としての特権がなかったら完全に犯罪者だよ…。
異世界テニス無双 テニスプレイヤーとかいう謎の男がちょっと強すぎるんですけど!
異世界ファンタジーの世界に召喚されてしまったのは普通の高校生。しかし彼は、インフレを繰り返して異能力バトルのレベルまで昇華されてしまった「高校テニス」の頂点を極めた男だった……というお話。あらすじの時点で某ジャンプのバレンタインチョコの数が凄い某異能高校テニスマンガを彷彿した人、だいたい合ってます。
インフレ能力系スポーツマンガ×俺TUEE系異世界ファンタジーという混ぜちゃいけない洗剤まぜちゃった感じのあらすじ時点でヤバイんだけど、どこかで聞いたことあるようなトンデモ技やトンデモ能力が次々と繰り出され、周囲が驚いては「こんなの全国なら常識だぞ」とあっさり受け流される姿に笑いが止まらない。発想だけでも勝利感すごいのに、そこにいちいち中二病丸出しの必殺技名くっついてるのズルいでしょ……美味しいところを持って行かれまくるヒロインが、徐々に解説ではなく「驚き担当」化していくのにめちゃくちゃ笑った。
スポーツ漫画と異世界ファンタジー、双方のお約束をしっかりネタにしてメタメタな笑いに変えつつ、それでいてド直球の正統派王道ファンタジーなのがとてもアツかった。気がなさそうに見えてしっかり意識しちゃってるヒロインとのラブコメあり、現実世界で背中を追い続けた憧れの先輩との男と男の約束あり。ラブコメとスポ根、どちらの要素も美味しく頂けて一冊で二度おいしい。
そして、どんなに圧倒的な能力を持っていても「スポーツ漫画の登場人物」には踏み入ることが出来ない場所があり、そこを「異世界ファンタジー」ならばやすやすと踏み越えていける。2つの世界が交わったからこそたどり着くことが出来たクライマックスが最高でした。まだまだ物語には様々な謎が隠れていそうで、続きがとても楽しみです。
それにしても、あとがきでさらっと明かされた「異能バトル〜」のあの人の話にニヤニヤせざるをえない。めちゃくちゃ中二丸出しのネーミングセンスで笑いまくってたら……その草の根運動で定着しちゃったのかよ!!「異能バトル」は未読なのでスルーしてしまったんですが、アニメイトの店舗特典のコラボ小説確保してくればよかったなあ……。
アビス・コーリング 元廃課金ゲーマーが最低最悪のソシャゲ異世界に召喚されたら
最強の集金システムと言われ、法整備により潰された廃課金ゲー「アビス・コーリング」。そのゲームと酷似した異世界に転移してしまった主人公が、廃課金プレイヤーとしての豊富なゲーム知識と初回1回無料ガチャで引き当てた眷属の力でコツコツ石を集めつつ降りかかった火の粉を払っていくお話。
なろう原作(多分2巻分ぐらいまで)既読。「リセマラ」「ログインボーナス」「初回任務で石獲得」などのソシャゲの定番システムを何が何でも現実(=召喚された異世界)に適用しようとする主人公の迷走ぶりが面白い。転移した異世界を「ソシャゲ」と位置付けて周囲から見たら奇異な行動を繰り返し、自分たち以外の人間を「NPC」と考える主人公・ブロガー(HN)と、転移前はソシャゲとは縁がなく、転移した世界を「異世界」と位置付け、そこに住む「人間」達と新たな関係を構築していくヒロイン・青葉がお互いに全く正反対の方向から世界に対してアプローチしていくのが印象的でした。まあ実際、何割かは現実に通用したりするんだけど、流石にリセマラするために自殺しようとするのは思い切りが良すぎるのでは…!?
「ソシャゲと酷似した異世界」という設定の中でファンタジーしながらもときおり顔をだすソシャゲネタが楽しかったです。特にクライマックスの、まさに勝てない敵は石の力でぶん殴ればいいじゃないな戦い方、まさしくソシャゲという感じで好き。あと、バトル時の「僕ならリセマラだ」の決め台詞、いかにも廃課金プレイヤーの発想というかんじで良いなあ。
ただ、最初の街とはいえ、主人公が現在のところ“無課金プレイ”状態で割と無双できちゃってるのでちょっと「鬼のような廃課金ゲー」という実感ないんですよね……青天井のごった煮インフレガチャに加えて戦闘補助目的で石を割るのが前提な課金バランスは確かに割と石の使い所が多そうだなと思いつつ、原作がWebだからか全体的に設定が小出しで、個人的にはイマイチ「日本人を狂わせた廃課金ソシャゲ」というほどのオーラ感じないというか。もっとトンデモな集金システムで殴りに行ってほしい。
かき下ろし部分で明かされた最大レア度21(あとからレア度がインフレして増設された結果の模様)&眷属二万種オーバーのごった煮ガチャ(しかも眷属を重ねなくて良いので2体目からただのダブリと化す上、一度引いた眷属は排出確率が上がるおまけ付き)というガチャの設定はあまりにも衝撃なんですけど、そこまでガチャがシブいと逆にもうガチャ回らない気がするんだよな…。
クオリディア・コード 3
「この世界はニセモノだ」―ほたるから託されたメッセージを訝しんでいた霞だが、大國真昼医務官の襲撃を経て自らの目に映る異常な世界の真実を知り、人知れず行動を始める。一方、最大戦力である舞姫・ほたるを欠いた防衛都市に、さらなるアンノウンの大襲来が迫る。霞の留守を守るべく必死に抗戦する明日葉と、カナリアの死を受け入れ今一度戦場に立ち上がった朱雀だが、新たに出現したかつてなく強力な人型アンノウンに追い詰められてしまう。だが、混乱する戦場に消えたはずの少女が姿を現す時、世界は反転する!!激戦の果てにたどり着く世界の真実とは!?大人気アニメの公式ノベライズ、運命の第3巻!(「BOOK」データベースより)
渡航が描く、TVアニメ「クオリディア・コード」本編のノベライズ。真実が明らかになる最終巻。3巻は千葉というか千種兄妹(+ヨハネスを加えた千種親子)に焦点が当たる分、これまでの巻よりも描写がイキイキしていた気がします。1巻の時にも思ったけど、ほんと渡航先生の描く千種兄妹は何しててもイチャついてるようにしか見えないので困るな……。世界の真実が明らかになってからの物語はアニメでもかなりの急展開(良い意味で)だったので、各キャラクターの視点から改めてじっくりと物語を読めるのがとても楽しかったです。
個人的にはやはり終盤の壱弥&霞、青生&明日葉の関係性が好きなんですが、千種兄妹のイチャイチャぶりとはまた別枠で、壱弥と霞ってお互いの事好きすぎじゃないですかね……!?アニメで見て展開知ってるのに10回くらい後ろから殴られて悶絶したんですけど。壱弥が霞から「本当のヒーロー」と言われて立ち直っちゃう程度に霞のこと買ってることはアニメの時から知ってましたけど背中を預けるまでの葛藤ぶりまるで主人公の事大好きなのに素直になれないツンデレヒロインかよ……だし、前々から霞が壱弥のことを何かにつけて「ヒーロー」と呼ぶのにはなにか劇的なエピソードがあるのではと興味津々だったわけですがぶっちゃけこれ一目惚れ(違)じゃん……最終決戦中に壱弥ポエムを読み始める千種霞まじ何なんだ……。
そして「クズ金」読者としてはやはり晴磨さんの安否が気になってしまうのでした。というか最後の霞の意味深発言で色々期待してしまうんですけど、晴磨さん周りの話を含めたクオリディア・アフターとか出ませんか?
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?2
「見てマー君!」「…あのさ」「言うなよ。泣けてくるだろ」ゲーム世界に付いてきた母親の真々子が強すぎて、自分たちの存在意義を見失いそうになった真人たちは、強化アイテムが手に入るという学園の試験運用クエストを受けることに。学園で出会った癒術師のメディに心ときめかせる真人だったが…。「ちょっと着てみようかと思って。どう?似合うかしら」やっぱり真々子も付いてきて!?セーラー服で授業参観に参加したり、プールでスクール水着を披露したり、男子から告白されたり、学園祭のミスコンにも出場して大活躍!?さらにはメディも問題を抱えていて!?母親同伴冒険コメディ学園編! (「BOOK」データベースより)
国が運営するVRRPGのテストプレイヤーとして、チートな母親と冒険する羽目になった子供たちの物語。第2巻は、強化アイテム目当てで入学することになった学校で新たな母娘と出会うお話です。
ゲームの中の「学校」が試運転中だからってものすごい雑な設定になってるのずるい。プログラムとはいえ、NPC生徒達のメタ発言に一周回って悲哀すら感じました。無限ループって怖くね……はやく細かい設定作ってあげて!!!
出番は抑え目ながら重要なところは全部持っていってしまう母・真々子が相変わらず強キャラすぎるんだけど、むしろ今回はメディ母娘の束縛関係が(良い意味で)しんどかった……過剰な期待を背負わされ、「良い娘」であることを強いられストレスを溜め込む娘と、出発点は「娘の為」だったはずなのに少しずつ目的を見失って、自分の対面を保つためだけに面倒くさいモンペと化していく母親の関係性が割と多かれ少なかれ世間によくある系のしんどさで、しんどい。
そんな親娘が複雑な所はあるけどそこそこ良好な関係を築いている大好親子と激突することで少しずつ原点を思い出す流れが良かったです。1巻は終盤が母親同士の対決になってしまってちょっと置いてきぼり感あったんですが、今回は母親同士の対決はあくまで前座、メインは子供たち同士のぶつかり合いになっていて、読みやすかった。
……しかし、相変わらず1巻に引き続きこのゲーム作った政府が無能すぎる。実際にゲームを始める前よりも溝を広げてしまってる親子の方が多いし、テストプレイの時点で反対勢力に付け入る隙を作りまくってるし……改善が関係した親子もゲームシステムは関係なく大好親子と殴り合ったから改善したみたいな感じがするんですが……あとオチが大変に酷いと思いました。あと割と学校を休ませてゲームの世界に閉じ込めるって、それアリなの?まあ一応選択の自由はあったけども……本気で一流大学目指してる受験生とかが巻き込まれてたら怒って良い。
子供たちが授業の一環として親の目を離れ、ダンジョン探索に赴くシーンがつかの間の休息という感じで短いけど良かったです。やっぱりゲームはこうでなくっちゃな!!!
「好きなライトノベルを投票しよう!! 2017年下期」投票します。
企画元:好きなライトノベルを投票しよう!! - 2017年下期
下半期あまり読めてないのですが賑やかし程度に参加させていただきます。あと2時間ぐらいで締め切りですが、Twitterからの投票も受け付けられてますのでお気に入りの作品があるかたは是非ご参加ください!
緊迫感のあるストーリーや因縁の宿敵・ジャティスとの一時共闘がアツかった!!個人的に乖離していた日常が非日常に侵される話は大好きなので、そういう意味でもポイント高かったです。まだ10巻読めていないのですけど、真実を知ったクラスメイト達にグレンたちがどう向き合っていくのか、とても楽しみです。
1巻もよかったけど、物語の核心に向けて一気に走り出した感じの2巻が楽しかった!主人公TUEE系なんだけど、主人公が「平穏な毎日を送りたい」と考える理由がしっかりしていること、それを脅かそうとする者たちとの戦いがわかりやすく描かれているのが良い。兄に並び立てないもどかしさを抱えながら少しでも長く彼とともにあろうとする妹と、彼女だけのヒーローであるところのお兄ちゃん最高でした。
兄妹萌えといえばこちらもたいへんよかった…アニメの物語を忠実になぞりながらその間の心象描写や補足をしていく、優等生のようなノベライズなんですけどもアニメを楽しんだ身としては各キャラクターの心の動きが読めるのがもう楽しくて楽しくて。特に、さすが生みの親と言うべきか渡航の手で描かれる千種兄妹(そしてヨハネスを加えた千種一家)のイチャコラっぷり、たまらんですね。あと個人的に壱弥と霞はお互いのこと好きすぎるだろうと思いました。
「ノベライズが書けない!」からはじまって、最初から最後まで作者の私小説風を装いながら、読み終わったら文句なしに「これは『正解するカド』のノベライズであった」と思える物語が最高に楽しかった。いかにもSF小説な“仕掛け”の数々が明かされる場面は興奮せざるをえない。アニメの展開など1ミリもなぞってないけど、どうしようもない原作と作者へのリスペクトを感じる物語でした。
タイトル・あらすじから学園舞台の傍若無人俺強い頭脳バトルかとおもっていたら、おもいのほか学園カースト系人間ドラマなお話でした。学園の現体制の歯車としてもどかしい思いを抱えながら独り自らの「正義」に準じる交渉人と、自分の「正義」との板挟みになりながら人間的に成長して仲間とともに現態勢を打破しようとしていくみそっかすヒロインの関係性がとても楽しかったです。
「15センチ」をお題に書かれた短編アンソロジー。個人的にバカテスや文学少女の後日談が読めた時点でかなり買いなんですけど、あまり期待してなかったオリジナル短編がいちいち本当に面白かった…!色んなジャンルのお話が読めて、「15センチ」というお題への解釈も人それぞれで最初から最後までまんべんなく楽しめる。ファミ通文庫がたまにだすこの手の短編アンソロジー企画好きなので、今年もよろしくお願いしますという意味も籠めまして推します。
ショートストーリーズ 僕とキミの15センチ
ファミ通文庫19周年記念として「カクヨム」に掲載された"15センチ"をお題にしたファミ通文庫作家のオリジナル短編+公募作1編+「東雲侑子」「バカテス」「文学少女」の番外短編3編を集めたアンソロジー。番外短編3つ以外はすべて「カクヨム」の企画ページから読めるので、気になる作品があったらチェックしてみると良いかも。
バカテスの短編目的で買ったんですけど、ラブコメありホラーありSFありの「全部盛り」なお祭り感がめちゃくちゃ楽しい。アンソロジーってだいたいひとつふたつは合わない作品があるんだけど、どれも凄く面白かった!ファミ通文庫は割とこの手のアンソロジー企画定期的にやってる印象なので、20周年となる来年も楽しみ。
〜以下、タイトルクリックでカクヨムの第一話に飛びます。〜
文庫表紙のイラストから青春ラブコメアンソロみたいなのを想像して読むといきなりデスゲームの皮をかぶったSF的ななにかにぶん殴られる構成が最高に良い。「僕」と「私」の対話によって淡々と語られる物語と、少しずつ自らの存在が足元から揺らいで行くような展開が楽しかった。
15センチの距離で見つめ合う幼馴染のふたり。いつのまにかそれはどちらが先に離れるかという「いつもの勝負」になっていて……。
なんでもかんでも「勝負」になっちゃうケンカップルは好きですか!(大好きです!) 軽口を言い合ったり、お互いの羞恥を煽ってみたりという軽妙なテンポの掛け合いから、最後にド直球で責めてくるのがズルい。短くて爽やかな青春短編。
家の蔵の中には「コダマサマ」と呼ばれるミニ神社がある。コダマサマへのお供えを持って行った康太は、好奇心からお社の中を覗いてしまい……。
短い時間を濃密に生きる「コダマサマ」たちと不登校になってしまっていた少年の、数カ月間の短い交流。可愛いくてちょっぴり切ない、明日を生きる元気が湧いてくるような物語でした。可愛かった……。
付き合っている先輩と縁日デートに向かう途中、先輩の運転する車に「ぶつかってきた」不思議な少年。現場で拾ったスマホの中身を確認してみると……。
初めて恋に落ちた少年の色ボケ全開の日記が最高に頭悪くて、そこから段々「ちょっと不思議」なお話になっていく展開が楽しい。割と先が読める展開だったけどその王道ド直球ぶりが良かった。最後の「僕の天使」で思わずニッコリ。
クラスであぶれ者になった僕と出雲さん。クラスの中心となる生徒達の楽しそうな姿を横目に、彼女は“地面から十五センチだけ浮いた程度の物語”を所望する……。
もうこのタイトルだけで勝ってる感すごい。求めるのは退屈な日常からちょっとだけ乖離した非日常。クラスの輪の中に入り損ねた彼らがそれをdisりつつ、ちょっとだけ勇気を出してその“非日常”に飛び込もうとする姿に胸が熱くなりました。そしてその非日常感を「地面から十五センチだけ浮いた程度の物語」って言いかえるセンスがめちゃくちゃ好き。それにしてもちょっとしか出てこないけどカーストのてっぺんである花咲さんからは本物の強者の気配がしますね……勝てる気がしない。
展覧会をきっかけに惹かれあっていく華道家元の娘・彩華と書道教室の息子・涼介。涼介への恋心を自覚する彩華だが、彼は茶道教室の娘・花鈴と付き合っていた……。
「カクヨム」コンテストの最優秀作品。両親のせいで恋愛に懐疑的だった繊細な少女がひとりの少年と出会って変わっていく、爽やかなラブコメ……だとおもっていたら途中からうっかり彩華さんが間違った方向にふっきれてドロドロの三角関係に一直線。魔性の女みを上げていく彩華さんvs女の嫉妬全開の花鈴さんvs板挟みにされる涼介という、ひどい泥沼が展開されていきました。3Pルートには流石に入らなかった(でももうこれ3Pエンドだろと思ってた)けど、最後の涼介一人称からそこはかとなく漂う未練感がまた、最後まですっきりしなくて大変良かったです。
入学以来入り浸っている大学図書館で、なんとなく気になる存在であった彼女。ある日、彼女の方から声をかけてきて……。
近づいたり離れたり、もどかしい距離感がくすぐったいラブコメ。自意識過剰ではと警戒したり、女子慣れしてない&図書室慣れしてない感丸出しの主人公と、図書館大好きな女性・高坂さんがとてもかわいい。「15センチ」の中でひとつの物語が生まれたことを予感させるお話でした。
数カ月ごとに、実家のケーキ屋で5号(直径15?)のショートケーキをホールで買っていく少女。彼女が有名な走り幅跳びの選手であり、記録更新の度にケーキを買いに来ていると知って……。
幸せそうにケーキを買っていくゆっきーが本当に可愛いし、そんな彼女の姿に魅せられて、家業のケーキ作りを頑張り始める主人公がさらに可愛い。どこまでもケーキの様にふわふわで甘くて可愛いお話でした。
隣の席に座る、かなりミステリアスな美少女。彼女とのやりとりは、いつも何かがズレていて……。
いつも15センチほど目線がズレていたり、何故か自分のことを必要以上に知った風な口を利く美少女・十六夜さんと「僕」のすれ違いまくりの会話劇が楽しかった。「15」という数字にまつわるズレが沢山登場するのだけど、"十五文字分くらいズレている"なんか完全にWeb小説媒体だからこそのお遊びという感じがして好き。テンポよく会話が進み、最後はちょっと良い感じの雰囲気になって終わる、楽しいお話でした。
五軒先に住む幼馴染の少女の専属理容師をしていた俺。いつものようにカットをしていた最中、彼女が出来たことを伝えると……。
幼馴染なふたりの可愛くて甘酸っぱい恋物語。告白されたので流されるようにOKしたけど付き合えば付き合うほど幼馴染のあの娘と比べてしまって……隣にいるのが当たり前すぎて意識したことのなかった相手が、改めて自分の中で大きくなっていく様子が微笑ましかったです。また、付き合うことになった女の子がまたさばさばしてて可愛いんだよなあ。彼女の実際の気持ちは語られないままだけど、こういう流れになって笑顔で送り出してあげられるのほんとイイ女だなと思った。
クラスメイトの女子の写真を、スマホの中に大切に保存していた主人公。本人に見つかり、「盗撮」と疑われてしまって……。
全然下心なんかないよ盗撮じゃないよって弁明してる筈なのに読んでるこっちがくすぐったくなってしまうような直球の告白をしちゃってる主人公と、それを聞いて満更ではなく頬を真っ赤にしながらぷんぷん怒ってる女の子の姿が目に浮かぶような独白×2がとてもかわいい。もうなんかこっちも赤くなりながら「ご馳走様でした!!!!!」っていうしかないんですけど!?本当にかわいい。
商店街の片隅に存在する釣り堀「恵比寿屋」。そこに集まるお互いの事情も本名も知らない常連たちが、ある日、なんとなくお互いの事情を話す流れになって……。
仕事や家族から逃げてきたり、特に理由はないけどそこにいたり、いろんな事情でそこに来ている常連たちのお互いの事を知らないけれど確かにそこに存在した絆があったかくてたのしい。それにしてもラストそのどんでん返しは反則ですよ!!!(好き)
重箱職人をしている実家には、四段目の『与の重』を作った上で土蔵に封印するという奇妙な決まりがあった。土蔵の掃除を申し付けられた主人公が重箱の中を覗いてみると……。
家業を継ぐのを嫌がっていた主人公がご先祖様と出会い、彼女の描いた蒔絵の虜になる。二重の意味で彼の人生をひっくり返してしまうような出会いと、そこから始まる時をかける物語にきゅんとなった。それにしても最後、アイスキャンディの棒だけでは飽き足らずしっかりとハッピーエンドを自力で用意しているご先祖様のちゃっかり感には思わずにんまりしてしまう。
文芸部に所属するキモヲタの前に突然現れたのは、同じ学校に通う現役女子高生声優。彼女の「役作り」に協力することになって舞い上がったのもつかの間……。
オタクが憧れの声優と出会って素顔の彼女に惚れてしまう、素敵なボーイミーツガールだとおもったらめちゃくちゃ現実突き付けてくるしその後の展開がめちゃくちゃ気持ち悪くて最高にズルい。いやでもそこまで完膚無くフられたんだからもう開き直るしかないよな!!!最高にキモヲタみあふれる要望を気持ち悪がりながらもちゃんと受けてくれる先輩、声優の鏡すぎる。
中間試験の勉強中、自室に現れた小さなオジサン。自らを幸運の妖精と呼ぶオジサンを最初は気味悪がっていたけど……。
都市伝説上の存在「小さいオジサン」が現れ、難しいお年頃の父子の絆を取り持つお話。サイズはファンタジーだけど口を開くと普通にオヤジギャグ連発な小さいオジサンに少しずつ心を許していく主人公の女子高生の姿が微笑ましかったです。
アパートの自分の部屋の隣の部屋から、いつも物音がする。正体不明の隣人の正体を、何故か大学の同じゼミの女の子と見張ることに……。
主人公とヒロインのくっつきかたが強引すぎて解せぬという気持ちに凄いんだけど、○○からの圧力じゃ仕方ないな!?個人的にはもう少しこう短編とはいえなにかあと3本くらいはフラグが欲しかった気がします。しかしこの謎ときもすこしふしぎもうっちゃってトップスピードで主人公とヒロインをくっつけて去るスピード感、結構好き。
『東雲侑子は短編小説をあいしている』シリーズの後日談。原作読んでないので解らない部分も多かったんだけど、ヒロインから主人公への暖かい気持ちがあふれ出るような絵本の内容にとてもほっこりしました。
『バカとテストと召喚獣』の後日談。高校を卒業してもあまりにも通常営業な彼らのやりとりと、めちゃくちゃ強引に「15cm」という共通お題を力技で突破していく感じ凄くいつものバカテスでした……。しかし、明久が大学に合格してることよりも、姫路さんとのバカップルぶりがあまりにもリア充すぎてこれはFFF団も15センチを振り回すしかない。ていうかイチャイチャするために同じインカレサークルに入る明久と姫路さんis何……めちゃくちゃ合コン帰りに酒の勢いで一線超えそう(偏見)。
『文学少女』シリーズの後日談。仕事上の関係をタテに取りなかなか素直になってくれない遠子を振り向かせようと彼女を強引な手口で振り回して「ごはん」責めにしちゃう、大人になったコノハくんのやり口が大変好みでズルいです!!!短編集のシメにふさわしい、甘いデザートのような短編でしたごちそうさまでした。