年若くして最強の魔術師「魔王」の候補にまで上り詰めた青年ザガンが、闇オークションに出品されていたエルフの少女・ネフィに一目惚れし、全財産をはたいて彼女を購入してしまう。自分の城に連れて帰ってきたまでは良かったが、正直彼女とどう接したらよいかまるで解らなくて!?
内面ではネフィのことが可愛くて仕方ないのに、話しかけるとついつい尊大な態度を取ってしまうザガンのスベりっぷりにニヤニヤが止まらない。特に、買ってきた直後のうろたえぶりと、とりあえず適当な部屋を与えようとしたらその部屋が前の持ち主の拷問道具で埋まってたりしてますます誤解されてしまう最初の1日のすれ違いっぷりで笑いすぎて腹筋が痛いレベル。
最初は誤解していたネフィにも段々とその不器用な好意が伝わっていくんだけど、なにかすれ違ったままどんどんとオープンいちゃいちゃになっていくのがまた楽しくて仕方がなかった。お互いに「あ〜ん」し合ったり、膝枕をしてもらったり……と、後半ではすでに完全にただのバカップルと化しているのがもう可愛すぎて早く結婚しろ!!!!(実質してる)
ネフィの持つ「魔術」とは違う力「魔法」のことや、ただの称号とは言い難い「魔王」という地位のことなど、今後が楽しみな伏線も色々あるのですがとりあえずもう主人公カップルのイチャイチャぶりが楽しくて仕方ないのでそういうの好きな人は読んでほしい感じ。タイトルからもっとこう今風のちょっとエッチなハーレム物みたいなのを想像してたんですけど、読んでみたらまるで少女マンガみたいなカップルで、本当に可愛かったです。
あと、ザガンの悪友である魔術師・バルバロスとの関係がとてもとても良かったです……完全に信頼してるわけでもないし裏切られても悲しくないしこちらとしても自分の障害となるなら遠慮なく倒しに行くけどでも「お前がいないと美味い酒が飲めなくなる」っていうのズルくないですか!?ああいうちょっと殺伐とした仲良し関係はとても好きです…。