「小説家になろう」版既読。オタク女子高校生が異世界のワガママ令嬢に転生し、ひょんなことから前世の記憶を取り戻す。その記憶によると、自分がいる世界は死ぬ直前にプレイしていた乙女ゲームと瓜二つで、しかも自分の役回りは主人公に意地悪ばかりする“悪役令嬢”だった。ゲームの通りに事態が進めば死ぬか国外追放か……とにかく破滅フラグしか残されていないヒロイン・カタリナがより良い未来を掴むために奮闘するお話。
「破滅エンド」を回避するために打ち出す作戦は空回りするばかりなのに、本人が自然にやっている行動が一癖もニ癖もある攻略対象たちの心の穴を(無自覚に)埋めていってしまい、気がつけば本人は気づかぬうちに逆ハーレムが完成してしまっているのがあまりにも楽しい。結局、前世の記憶として持っているゲームの攻略知識は殆ど役に立って無くて、カタリナが無意識にやった行動が結果的に「正解」になっていくのがずるいし、ゲームで示されてる正解なわけだから読んでるこちらとしても「それはもう落ちるしかないよな…」ってなる。
魔力を高めるためと称して農作に没頭したり、攻略対象の一人である婚約相手と婚約解消しようとし(て逆効果だっ)たり、義理の弟や王子様と木登り勝負をはじめたり…ともう「お転婆」では済まされないような破天荒っぷりが気持ちよく、色んな意味で先が見えない行動にワクワクしました。
1巻では幼少期〜ゲームの開始直前までということで肝心の「本来のゲームの主人公」は出てきていないんだけど、その前の時点でメインの攻略対象全員カタリナにメロメロ(死語)なのでやばい。色んな意味でこれ主人公のやること全部取っちゃってるけど大丈夫なのかよって感じなのが逆にハラハラしました(いや、Web版で2巻の内容まで読んでるのでそっちの展開まで知ってるんです、けど…!)。
Web版は2巻分までで完結、1〜2巻には追加エピソードが入り、3巻以降は文庫書き下ろしで進むようなので取り急ぎ続きも買ってきたいと思います。楽しみだ…!