「スレイヤーズ!」の神坂一が手掛ける、スペオペもの。何年かぶりに再読しました。実はラノベジャンルで萌えキャラ遍歴をたどると、源流としてこの作品にぶち当たります。ケインかこいいよケイン。ケインは愛すべきバカ!!
主人公の性別を変更してジャンルをスペオペにしたスレイヤーズみたいなお話。「スレイヤーズ」のリナほどではないけどかなり破天荒で、大きな力を持った主人公達が世界を牛耳る犯罪組織『ナイトメア』と、彼らが所有する“遺失宇宙船(ロストシップ)”と闘っていくというお話です。
いろいろコミカルな展開はあるものの基本の展開は結構シリアスで、「アビスゲート」と「スレイヤーズ」本編の中間くらいの重さ。結構主人公達に近い位置にあるキャラが割合身も蓋もなく死んでしまうので、初期スレイヤーズあたりから入った当初はけっこう衝撃でした。特にクレイブの最後については展開以上に、至極あっさりと凄惨な場面を描いてしまう作者の方に驚いた記憶があります。
あと「スレイヤーズ!」好きには色々と世界観に繋がりがあるっぽい設定を示唆されているのも面白いところ。「闇を撒く者(ダークスター)」とか後に出てくる「烈光の剣(ゴルンノヴァ)」など、スレイヤーズを知っていれば思わずにやりとしてしまう単語が出てくるので、あちらとどういうつながりがあるのか想像するのが物凄い楽しかった。アニメ版では声優被りも顕著なのでそっちの妄想もなかなか面白かったです(声優的にはリナvsガウリィなんだよね!とかそんな感じ)
しかし、今読み返すとかなりあっさり味でちょっと物足りないなあと思ってしまう部分も。特に“ガルヴェイラ”との戦いはミリィに対してキャナルの正体バレが行われる前なので本当に兵器を撃ち合うだけで終了みたいな感じになってしまっているのが残念だったかも。