「オトキュン!」のパラレル番外編が面白かったので。2人の兄を差し置いて、王女であるレティーツィアに次期王位が転がり込んできた。彼女は自分が王になることは"知っていた"が、2人の兄とのパワーバランスを保とうとしていたため、即位の際に必要となる専属騎士団「円卓の騎士」を持っておらず、優秀な人材は兄2人が持っていってしまっている。手初めとしてどちらの勢力にも属していない優秀な騎士・デュークに声をかけるが…というお話。
二人の優秀な兄達の方が王に向いているのではないかと葛藤しながらも、血を流さない、自分の出来る精一杯の国作りをしようと努力するレティがかっこいい!ある特殊な能力を持つが故に一人で抱え込んでしまうところがある彼女が、最初は「居てさえくれれば」などと思っていたデュークに心を開いていくのも良かったです。
メインはあの手この手でデュークを自分の「騎士」にしようとするレティの猛攻としきりにそれを拒否るデュークの追いかけっこ的展開でそちらももちろん美味しいのですが、個人的にはレティと彼女の兄・フリートヘルム様との不器用な関係にとてもニヤニヤする。なんだかんだでお互い本気で嫌い合っているわけではなさそうなのに王位をめぐり三つ巴状態でバランスを取ってきた影響か顔を合わせれば軽口の応酬。なんとか仲良くしようと話題を振るもお互いの政治的立場やらこれまでの関係性やらが祟ってすれ違い……みたいな展開が美味しい。
「オトキュン」の短編は結構普通にデュークとレティが…という感じだったので、予想以上にラブ薄味でびっくりした(むしろ今のところ殆どラブはフラグすら見当たらない)けど、大変主従関係やら兄妹関係的に美味しかったです。これから彼女たちがどういう関係になっていくのか、とてもたのしみ。
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はたらく魔王さま! 6
真奥の働くマグロナルドが“マッグカフェ”の機能をふまえてリニューアルオープン。そんな中、千穂が恵美と鈴乃に概念送受を習いたいと申し出て……というお話。久しぶりにマグロナルド従業員な真奥が見られたなとおもったんですがこのラノベ改めて、物凄いマクドナルド賛美ラノベですよね……アニメ化の際はマクドナルトとのコラボ企画を是非お願いしたい。
あくまで「いっしょに戦いたい」ではなく、「自分が足を引っ張った時に最低限の予防線を張りたい」という千穂が高校生とは思えないほど大人だ……皆に護って貰うしかないこの状況って結構本人の気持ちとしては辛い状況ではないかと思うんですが、自分のできる事と出来ない事を冷静に見定めて、精一杯努力する姿がとてもかっこよかった。終盤のタンカもかっこよすぎたし、そろそろ異世界で宗教が立ち上がってもおかしくないレベル。
千穂もかっこよかったけど、なんだかんだであまり底を見せない真奥が語る「新しい世界征服」の姿も面白い。フリーターしてるのはただ生活に困ってとかそういうのじゃないんですね。いやそういう面も重々あると思うけど。力ごなしに征服するのではなく、エンテ・イスラに経済の概念を持ち込むことで新たな秩序を作ろうとする姿がかっこいい。そしてちゃっかり恵美と鈴乃まで巻き込んじゃうしたたかさにニヤニヤがとまらない!!
それにしても、サリエルが愛に一直線すぎて腹筋が辛い。この人もう木崎店長目当てに寝返りそうな勢いじゃないですかww
薄氷あられ、今日からアニメ部はじめました。
宝島社様より献本をいただきました!
マンガを描くのが好きな主人公は、隣の席の目立たない女の子に弱みを握られて彼女の作ろうとしていたアニメ部に引きずり込まれる羽目に。そしてその隣の席の少女・薄氷あられ、実は物凄い美少女だった!! というお話。
ラノベ界では珍しい、アニメーターネタのラノベということでアニメ制作に関する裏話とか1つの作品を皆で作る青春的な要素を物凄く期待していたのですが、どちらかというとラブコメ比重の方が強かった。その割りにヒロインが余りにもヒドインでちっとも萌えられな……げふっげふっ。アニメ制作的な意味でもラブコメ的な意味でも、登場人物全員がなぜか敵ポジションのはずの生徒会長の踏み台にされているのはどういうことなんです?
各所で見せるアニメ制作ならでは創作ネタや裏話的な解説が凄く面白かったので余計「どうしてこうなった」ってなる……。特に自分が漫画描いてるからというのもありますけど、似ているようで全然違う「漫画制作」と「アニメ制作」の違いみたいなのが凄く面白かったので、もっとその辺を描写してほしかった。
なんかイマイチ全体的に、アニメ制作に対する部員達の情熱や苦労が伝わってこなくて、空回りしてる様子しか描写されてなくて、しかもピンチになったら安易に外部に頼ってしまい、その外部があっさりと彼らの苦労を解決してしまうという感じでなんか盛り上がらない。生徒会長がスーパーオールマイティなのはわかりましたがオールマイティすぎて、もうちょっと他のメンツが彼女を出し抜くような展開が見たかったなあ。せっかく最大の敵が味方になるという展開なのに、ライバルだからこそ知ってる彼らの強さにに対する信頼と心強さとか、そういうのが全然ない。っていうかアニメ部と漫画研究会の対立構造ってつきつめるとただの姉妹喧嘩じゃないですかやだー……。
そういうラノベじゃないのよ、大事なのは生徒会長のデレなのよっていわれたらぐぅの音もでないんですけど……正直ヒロインは論外だけど生徒会長にも可愛さを見出せなかったので単純に合わなかったんだろうなあ。
ROBOTICS;NOTES プロジェクト・プレアデス
「次は僕が優勝します!」自作ロボットを闘わせるROBO‐BAN。その優勝者・天川碧衣にそう宣言したものの、日高昴は失意の底にいた。中学校で起こしたトラブルにより、父にロボット製作を禁止されてしまったのだ。尊敬する父に逆らえず、進学した高校の「ロボ部」にも失望する日々。しかし、碧衣のロボットへの熱意と「決着をつけよう」という言葉に、昴は彼女との再戦を決意する!大人気ゲーム『ROBOTICS;NOTES』より日高昴の情熱を描くノベライズ登場。 (「BOOK」データベースより)
科学アドベンチャーシリーズ第三弾「ROBOTICS;NOTES」の登場人物・日高昴を主人公にしたスピンオフ前日譚。スニーカーのノベライズは原作プレイ前提でしたが、こちらは前日譚ということもあり原作未読者でも楽しめるお話です。
ホビーロボを一緒に製作していた親友との決別、父親からのロボット製作禁止……と、一介の高校生としては絶望的な挫折を味わった昴が、ライバルの少女・天川碧衣の言葉に奮起し、周囲からの協力を受けて再び「ROBO-BAN」で優勝する為に立ち上がる姿がアツい。ギリギリの後の無い状態から身を削って優勝を目指す姿は、奇しくも昴がバカにしていた先輩・瀬乃宮あき穂が後に辿る道にも重なっているようで……なんていうか、やっぱ似たもの同士だよなあ、あの二人。
そして、ゲームをやった時点では色々な意味でネタすぎた“ミスター・プレアデス”誕生の経緯にニヤニヤせざるをえなかった。確かに、あの発想は昴自身からはでてこなさそうだし、テレビ局が全てをお膳立てするのは頑張りすぎだよなあ……とは思ってた!恥ずかしい台詞がいえなくて噛み噛みだった昴が、段々周囲のテンションもあいまってノリノリになっていくのが微笑ましい。ゲーム版の「ミスター・プレアデス」を思い出すとますます微笑ましい。そして、大ピンチになった彼のもとに駆けつけたあの人の姿に胸が熱くなった。
頑なに自分の中に閉じこもっていた昴が周囲の協力を経て、次第に良い方へ良い方へと変わっていき、ライバルとの“約束”とかけがえのない友人達を手に入れる、大変良い青春物語でした。クールに見えて実は熱血!な昴のキャラも物凄く良かったです。
ただ、物語がこれ単体なら文句なしに面白いんだけど、これを「ロボティクス・ノーツ本編の前日譚」といわれてしまうとちょい違和感がある。一応最終的に、「その後も親密な関係を維持したわけではない」みたいな軽い捕捉があったけどこれだけの絆を築いた仲間がいるのであれば、本編で昴が完全にぼっち扱いなの違和感あるよなーと……なんというか、後付け設定臭が強いというか、一見繋がっているようで本編に繋がりきれていない感じがある。
ヒロイン毎に完全に展開と解決方法が違う個別ルートが存在したカオスヘッドや世界線分岐にかこつけて好き勝手物語を枝分かれさせられたシュタインズゲートと違い、世界線もルートも1本しかないロボティクスノーツはその辺難しいんだろうなあ…。
ROBOTICS;NOTES 1 キルバラッド・アノテーション
科学アドベンチャーシリーズ第三弾「ROBOTICS;NOTES」の物語をヒロインの一人・神代フラウの視点から追うノベライズ。角川スニーカーのノベライズでは定番ですが原作を知っているの前提+原作の隙間を補完するタイプのノベライズになっていますので原作未プレイのかたはご注意ください。(特にこの物語の場合、フラウは物語の途中から現れる設定のため序盤のシナリオはかなりすっとばして描かれてます)
フラウ視点のメディアミックスはウルトラジャンプではじまったコミカライズの第一話も読んだんだけど、地文でじっくり心理描写の入れられるノベライズのほうがしっくり来る気がする。原作でも「ツイぽ」や彼女自身の発言でぽろぽろ露出していた腐萌え語りがだだもれになっているのはもちろん、典型的な非コミュオタな彼女が@ちゃんねる用語で覆い隠している本音がだだもれ状態になっているのが楽しくてたまらない。ロボ部の中で一番自由奔放な発言をしているようにみせかけて、単に他人とコミュニケーションとるのが苦手なだけだったり、結構うろたえたりしているのが可愛くて堪らない。
海翔視点からはなかなか見えてこない、母や『ガンヴァレル』や『キルバラ』への強い思い入れが透けて見えるのも良かった。「キルバラのリーダーボード5位」というのは自分が作り上げた大切な作品にどれだけ思い入れを持っているのかの証というわけで。母の手がかりを追うための人脈作りといいながら必死にその繋がりを維持しようとして、どうしたらよいかわからなくて内心テンパる姿が可愛すぎました。
しかし、一番このノベライズで面白いなあとおもったのは原作でも登場する「ツイぽ」の扱い。ゲームと同じフラウの発言に、ゲーム中では見えることの無いフラウのフォロワーからの反応(主にフラウのサークル仲間からのレス)がついて海翔のそれとは全く違うTLになっているのが面白かったです。
バカとテストと召喚獣10.5
入れ替わり、人気投票、8年後、兄思いの弟など色々な意味で隙のない短編集5冊目。正直、玉野さんが予想以上にデカかった(まさかの翔子以上)ことが最大の衝撃だった気がします。人気投票がいろんな意味で予想GUYでしたけど確かにそんな話、10巻のあとがきでやってましたね!予想外だよ!!順位はよそうとおりだったよ!!明久泣かせたい。
僕と兄さんと謎の抱き枕
物語の欄外で色々とアレな目にあっていた久保君の弟・良光が文月学園に学校見学に行くお話。兄の抱き枕の相手(=明久)を知るところから始めようとFクラスに赴いてリサーチをかけていくうちにいつもの面々に振り回されて、彼の中の明久像が捻じ曲がっていくのが楽しすぎました。外部の中学生にも色々と容赦ないFクラスの面々も面白かったけど、良光のクラスメイトだったムッツリーニ妹の陽向が可愛すぎて生きるのが辛い。っていうかまさかの弟妹同士のラブコメ展開が可愛すぎて死んだ。
これだけ自分がクローズアップされた短編なのに最後しか出番ない久保君の歪みなさ……たった1日で微妙にあの空気の中に染まってる弟の様子を見てどこか暖かく見守ってる久保君の姿がなんだかとてもツボだったのですが、その後の久保兄弟の喧嘩とか色々な意味でみたかったです。そして間違いなく玲と葉月の次くらいに生徒の兄弟では存在感のあるキャラで、これだけ出番あったのにイラストでの出番をムッツ妹にもっていかれる久保君弟マジ久保君の弟…。
僕と雄二と危ない黒魔術
FBオンラインで先行掲載されて物議をかもしだした略。翔子の所持していた黒魔術の本の不思議な力で明久と雄二が入れ替わってしまって……!?からはじまる珍騒動。明久と雄二が「俺の身体」「僕の身体」いいすぎなのはわざとなんですか玉野さんホイホイすぎて玉野さんと一緒に小躍りするレベル。
雄二っぽいふてぶてしいいやらしい笑顔の明久とか想像するだけで萌え転がれるんですが、アキちゃんのこととなるとリミッター外れる玉野さんの暴走っぷり凄すぎてもう笑うしかない。そして案外不意討ちに弱い雄二の怯えっぷりが可愛すぎました。
中身姫路さんな雄二とか、終盤の美波in雄二と玉野in明久の喧嘩の前口上とか普通に挿絵つきで見てみたかったんですが……今回は全体的に挿絵が女子萌えメインでしたよね……。
僕と未来と召喚獣
今回のババア長枠。どういう形で召喚されるのかとおもったけど、召喚者の未来をシミュレートして、その自分と会話したり出来ると言うシステムでババア長マジ存在がSF。
大人の余裕を身につけた25歳明久がただのイケメンすぎてもれなく死ねる。挿絵も含めて酷い破壊力だった。25歳ムッツリーニはあれわざと過去の自分を煽ってるようにしか見えないんだけど、あのメールを見た工藤さんの感想が私気になります。あと、秀吉の性別不詳は多分過去にDメール送ると関係ない内容で世界線変動起きても性別が変わるとかそういうレベルなんだと理解。そして25歳雄二がまさかの全○……原作が常に私たちの斜め上を行き過ぎて雄二……
それにしても、未来の美波&美春の設定が正直おいしすぎてあれだけで番外編出して欲しいレベル。そして久保君マジゆがみない……
私とウサギと仄かな初恋
姫路さん視点から描かれる、明久と姫路さんの小学校時代の初恋話。明久が普通に隙のないクラスの人気者でビビる。周囲に気配り出来てスポーツ万能で愛嬌あって顔も悪くなくて女の子にモテモテだがいい感じに男子の恨みも買ってないとかなんですかどういうことなんですか。高校生時代よりも小学生時代のほうが間違いなく頭よさそうに見えるんですが彼になにがあったんでしょうか。
病弱だった事もあり引っ込み思案で後ろ向きな姫路さんが明るくて前向きな明久の行動がきっかけで少しずつ良いほうに変わっていく過程はとても可愛くて好きなんだけど、やや明久側の行動に含みを持たせた流れになってるのがとても気になる。この流れで明久が「姫路さんの初恋は僕じゃない」って誤解するのには間違いなくもう1クッションあるはずだし、今回の物語でも姫路さん側からでは見えてない不鮮明な部分(神田さんとか神田さんとか神田さんとか)があって、そこが凄く気になりました。もう1冊短編が出るフラグなのか、それとも本編最終エピソードで語られるべき物語なのか。『ウチと日本と知らない言葉』に対する『俺と喧嘩と不思議なバカども』のような、明久サイドから語られる小学生時代の物語があるんじゃないかなあと……原作の残り話数が少なくなってきていることもあり、そういうのを期待してしまう。
それにしても、小学生明久の挿絵が普通に可愛くてもう私は!!!姫路さんは容姿がコンプレックスになるくらいだからもうちょっとふくよかでもよかったとおもうのですが。普通に可愛いので「太ってる」が自分の思い込みなのかそれともガチで肥満体型だったのを葉賀フィルターで軽減させられているのか判断がつかないのでちょっと悩む。
今回も文句なしの面白さだったんだけど、あとがきで「次が本編最終エピソード」と語られているのが、10巻のあとがきでも告知されていたことだけど予想以上に寂しくて。とはいえ本編最終エピソードの後に短編が出る可能性だって本編が分冊される可能性だってまだ微粒子レベルで存在する……!!
ビーズログ文庫アンソロジー オトキュン!
ビーズログ文庫の人気作品が大集合!「死神姫の再婚」の最強夫婦が教師と元生徒のイケナイ関係に!?「双界幻幽伝」の朧月が輝夜姫になって引きこもり…え、蒼刻が求婚!?「おこぼれ姫と円卓の騎士」のおこぼれ女王がマフィアのボスって、どういうこと!?ほか「闇の皇太子」「瑠璃龍守護録」「戦う王女」シリーズの短編を掲載。ここでしか見られない設定で胸キュン満載にお届けします。 (「BOOK」データベースより)
「ですから、今から少しでも学園の雰囲気に慣れておきたいので、来月の文化祭を一緒に回ってほしいんです。いえ、決して下心はありません。純粋な職業意識からです。手を繋ぎたいなどと贅沢は言いません。隙あらば人気のないところに行こうなどとは思っていません。そもそもあなたがお化け屋敷なんかで怖がってくれないことは分かっています。くそ……ああ、失礼。とにかく下心はありませんし、食べたい物があればなんでも奢りますから」
カシュヴァーン様 マジ残念(挨拶)
期待の更に上を行く最初から最後まで全開に残念なカシュヴァーン様に腹筋を破壊されましたルアークのツッコミがまた的確すぎて……本編がシリアス入っててこういう能天気なお話が殆どなかった分、余計に破壊力が……
ビズログ文庫の人気作・期待作の番外編を集めたアンソロジー。シリーズの中でマトモに読んでるのが「死神姫の再婚」のみでほぼそれ目当てで買ったのでちょっと他の作品についてはよく知らないんですが、多分「神とある国の物語」以外は完全なパロディ・パラレルネタな外伝の詰め合わせのようです。
個人的に「死神姫」以外で一番のお気に入りだったのは「おこぼれ姫と円卓の騎士 アンラッキースパイシーラブ」。突然マフィアの次期頭首候補として指名されてしまったヒロインが警察官のデュークと自分の立場を隠して恋に落ちるお話。実の兄をはじめとしたマフィアのファミリー達に振り回されながらも、ただ状況に振り回されるのではなく、彼らの上に立つ為の力を付けながら最終的には彼らを撲滅するため頑張ろうとする姿が男前過ぎました。
元の作品は、中世ファンタジーらしいよ!↓
「さっさと頭を下げなさい!」←この女王様が、スゴイ!!!
ソルヴェール国の第一王女・レティーツィアは、将来自分が“女王になる”ことを知っていた??。結果、優秀な兄たちの“おこぼれ”で王位が転がり込んできたレティは、王の専属騎士団(ナイツ・オブ・ラウンド)を作るべく、漢(おとこ)の中の男と評判の騎士・デュークを強引に勧誘。けれど彼は「『おこぼれ姫』の愛人と呼ばれるのは願い下げ」と一刀両断!!ますます彼がほしくなったレティは……!?第13回えんため大賞優秀賞受賞作!!
もうひとつ面白かったのは「双界幻幽伝 竹取物語だけどかぐや姫は月に還りたくないそうです。」。以前だれかにオススメされた時に聞いたときはヒロインの引きこもり属性がとても気になっていたんだけど、舞台が中世日本になったせいで聞いていたほど引きこもり属性的ななにかは感じず、その分、蒼刻の無双っぷりと静心のシスコンぶりが光っていたような。次から次へと無茶振りをふっかける静心の鬼舅具合とあるときは悠々と、またある時は必死に静心の出す試練を乗り越えていく蒼刻のやりとりが楽しかったです。
元の作品は、中華ファンタジーらしいです。
噂の「天然公主」は超引きこもり! 幽霊もビックリの中華ファンタジー開幕!
姚朧月は死者の霊=幽鬼が見える少女。ユーモラスな幽鬼に囲まれて育ったので、感性がちょっと変わっている。──ついたあだ名が「天然公主」! そんな彼女のもとに、劉蒼刻という武人がやってきた。幽鬼が見える朧月にどうやら依頼があるらしい。嫌がる朧月に、「とりあえず連れ出せば、あとはなるようになるだろう」と、蒼刻は無理やり連れ出してしまい──!?
しかし、本編とリンクがやや強いせいで世界観・キャラがつかみきれなかった「瑠璃龍守護録」と「神とある国の物語」、登場するキャラ数が多い「闇の皇太子」の3つに関しては、正直原作読んでないと厳しいものがある気がする。各作品、それなりに未読者への配慮はあるんですが……正直元作品のあらすじと簡単なキャラクター紹介くらいは載せてくれてもよかったんじゃないかなあ。楽しめた2つも含めて、世界観設定自体を変えてしまっている作品が殆どだったため結局これどういう話なんですかという話が多くて、そこはちょっと残念でした。
とりあえず、「おこぼれ姫」と「双界幻幽伝」はちかいうちによんでみたいとおもいます。
人類は衰退しました 7
「A拒んでますし!」
「ノンケにはちょっと強めのきっかけがいるんだ」
この人はもう手遅れなんです。
Yさんは至急B×Aに関する詳細レポートをまとめてください(真顔)
憎さあまって可愛さ百倍の憎み愛カプで壁ドンとかどうしろというんですか!!体格差のせいで押さえつけられたら抵抗できないけど意思だけは屈しない受とか!!体格差で勝ってるけど微妙に自分の行動に戸惑いを感じちゃってる攻とか!!最高じゃないですか!!!97Pの挿絵だけで死にましたほんとうにありがとうございました!!!なんか本編関係ないけど死ぬかとおもいましたかわいい!!
そんなわけで悪がき2人の壁ドン展開にYさんも私も大興奮なシリーズ第7巻。特徴的だったキャラクターデザインが変わってしまって新装版が出た時は正直かなりモヤっとしたのですが、間にアニメを挟んだせいか上手い事絵師変更の違和感はさほど感じずに物語りに入る事が出来ました。妖精さんだけはどうにも違和感ありますが、今だ……。
3人の問題児とその後ろに立ちはだかるモンスターペアレントと対決する「妖精さんたちの、ちいさながっこう」。男子2人+女子1人の複雑な家庭環境および三角関係(含:BL)にYさんとともに萌え転がったりしてたのですが、それはそれとして主人公の魔女っ娘姿に萌えざるをえませんでした。三人の問題児達を突き放しながらも過去の自分と重ね合わせて最終的には見捨てないようすがとてもかわいい。だが正直色々な意味でB×Aに全てを持っていかれた気がしてならない。彼らの壁ドンについてYさんと語り合いたい。
後半はヒトモニュメント計画の最中に記憶を失って目覚めた“わたし”が事態を解決するため奔走する「人類流の、さえたやりかた」。しょっぱなからクスノキの里が壊滅してて助手さんもYもお祖父さんもいなくて“わたし”は拘束されていたらしき痕跡があって、一体何が起こったのかと少しずつ遡っていきながら、正体もよく解らない“敵”に立ち向かう事になり……そこはかとなく感じていた違和感に対する答えが一気に突きつけられるラストの展開がすごかった。
しかし、どちらの話もとてもおもしろかったけどなんというか妖精さんのいやし分が足りない。もっとしっちゃかめっちゃかにしてくれちゃっていいのよ!!
ルートダブル - Before Crime * After Days - √Before
Xbox360で発売されたアドベンチャーゲーム「ルートダブル」のノベライズ。とある事件の顛末を立ち位置が全く違う2人の主人公の視点から追った物語で、今回発売された「√After」と「√Before」はひぐらし・うみねこでいう出題編のような位置づけになっています。√Bはごく普通の高校生“天川夏彦”が友人たちと共に、コミュニケーターと呼ばれる超能力者を狙うテロ事件に巻き込まれていく中で過去のトラウマと対面し、それを克服していく物語です。
√Aが「メルトダウンした原子力研究所の中で繰り広げられる極限系人間ドラマ/サスペンス」なので√Bを読むといきなりの女子高生ハーレム状態と学園異能モノ具合に驚くことになること請け合い。確かに√AでもBCと呼ばれる超能力の存在については語られてきたんだけど、表立ってこの能力を使うキャラクターが存在しないため完全にステルス設定化してるんですよね。
9年前、偶然ラボでの事件に巻き込まれて大きな精神的外傷を負った幼なじみの少女と、彼女を巻き込んだ事を負い目に感じながら平穏な生活を望むようになった主人公。殻に閉じこもる事で閉じた世界の中で停滞していた彼らが、√Afterで語られたラボでのメルトダウンに巻き込まれたことを切っ掛けに少しずつその心を開き、BC能力を開花させながらかつての姿を取り戻していく姿が熱い。
少しずつ前向きに変化していった夏彦に9年前の事故の真実の一端が襲いかかる場面は本当に衝撃的なんだけど、原作でこの事実を知ってからノベライズを読み直すと改めて……な場面が結構あって、面白かった。特に、夏彦の事をずっと見守ってきた彼女の行動の不自然さとその意味がわかると、なんというか胸にじんわり来るものが。周りの人々の本当の気持ちに触れ、自分がどれだけ彼女達に愛されて育ったのか目の当たりにすることで完全に「かつての自分」を取り戻す姿が頼もしい。
原作ゲームプレイ済視点からいくと彼女の動きをはじめとして小説だからこそ見えやすくなっている行動がある一方で、微妙にカットされたり変更された展開が多かったのが気になりました。√Aでも渡瀬がトイレで“彼女”の幻影を見るシーンがカットされたりしてるんだけど、√Bは夏彦達の放課後ショッピングや徹夜カラオケの描写が削られてしまったのがちょっと残念。個人的に、平穏な日常を象徴する二大ほのぼのエピソードだったんだけどなあ、あれ。
原作のままでいくと次の√Currentがかなり短いシナリオになるはずなので、これまでの微妙に変更された場面はそちらに関わってくる伏線なのか。多分グランドエンディングルートに行くんだろうけど√Doubleのグッド・ノーマルエンドがとても好きなのでそちらのエッセンスも盛り込んで欲しいなあというか、残りのルートの書籍化の際は小説ではないと見られないなんらかの仕掛けに期待したいです。
なお、原作ゲームではどちらのシナリオから進めても良いつくりになっていて、時系列的には√Afterの前、もう1人の主人公である“笠鷺渡瀬”が記憶を失う前の物語になるんだけど、√Afterに関する重大なネタばらしがあるので個人的には√After→√Beforeの順番で読み進めることをオススメしたいです。というか、√Aはやはり渡瀬の正体知らないまま読んで欲しいよね。記憶喪失のヒーローまじかっこいい。
そして大事なことなのでもう一回言うけどPC版は9月28日発売ですよ!!