ネクラ少女は黒魔法で恋をする4 | 今日もだらだら、読書日記。

ネクラ少女は黒魔法で恋をする4

[著]熊谷 雅人 [絵]えれっと

高校受験を目の前に控えた空口夏樹は、彼氏と上手くいかずに悩んでいた。それなのに姉の真帆ときたら、残しておいた冷蔵庫のプリンは勝手に食べるし、挙句人の枕元でブツブツと黒魔法の呪文を唱え始めるし…。思わず夏樹は一方的に姉を無視することにしてしまうのだが…
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「ネクラ少女?」シリーズ、4作目は各キャラクターに焦点を当てた短編集。空口姉妹の仲違い、大河内&雛浦が暴漢を退治するため奔走する話、湊山先輩のちょっぴり甘酸っぱい勘違い話(笑)と、演劇部の夏合宿の話の4本を収録。

真帆のネクラ成分は順調に薄くなり気味で、それが少女の成長を描く青春ラブコメとしてひとつの魅力ではあるんだけど、それが逆にこのシリーズ最大の個性であろう「ネクラ少女」という部分を徐々に殺しつつあるのが難しいところだなあ。なんていうか、ただの青春ラブコメになってしまって、安定した面白さはあるんだけどラブコメが元々あんまり好きじゃない身としてはいまいちピンとこない作品になりつつある…。

それでも各キャラクターの個性が立っているので、それぞれの短編は非常に面白かったです。一見仲悪そうに見えるんだけどお互いがお互いを気にせずには居られない空口姉妹の関係にニヤニヤしつつ、雛浦さんのまるでマンガみたいな(…小説だけど)家庭環境と、そんな彼女を引きずり回す大河内との凸凹コンビっぷりが微笑ましくなったりとかなり楽しめました。湊山先輩は……その……ご愁傷様、です。

ただ、真帆の毒気が抜けつつある現状では、演劇部の夏合宿を描く「空口真帆と仲間たちの夏」は正直微妙だった。一之瀬先輩との仲も進展するかと思いきや一之瀬は気絶しっぱなしで肩透かし食らわされたカンジだし……ここは一つ一之瀬先輩と色々なぶっちゃけ話をするみたいな嬉し恥ずかしイベントを挿入すべきだったよ!というか、一之瀬先輩の影が薄すぎて、「本当にコイツとくっつくの???」ってカンジが否めない。今のままだとこの二人の関係は真帆の空回りにしか見えなくて、次で余程上手い事やってくれないと、くっついても「え、なんで?」って思っちゃいそうだ。

そもそも、1巻以外での一之瀬先輩の存在が物凄く空気なので、何故真帆がそこまで一之瀬に固執するのかが見えてこないのが致命的です。キャラも他の演劇部の面々が上手い事キャラを立てているのに対し、あんまりキャラが立っていないように見える。読んでいるほうとしては、真帆も神門とくっついてしまえば?という気持ちにならなくもなく……

神門は2巻で登場した時には結構好きなキャラだったんだけど、本当に一之瀬と真帆をくっつける予定になっているのなら、神門は2巻のみのゲストキャラにしておいて3巻以降は真帆と一之瀬の恋愛模様に話を絞って欲しかったかなあ。

さてさて、物語は次で最終巻ということですが、殆ど全く進展が見られない一之瀬先輩との関係や3巻で意味ありげに出てきた割に4巻では存在ごとスルーされた生徒会長、真帆の傍に潜んでいるらしい黒幕悪魔……などなど、大量にあるような気がする伏線をどうやって回収してくれるのでしょうか。大きく物語が動くであろう最終巻に期待。

個人的にはラスボスっぽい雰囲気を纏った生徒会長の活躍がとても楽しみ(あれ?)