死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)1 | 今日もだらだら、読書日記。

死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)1

 

「会いたかった!」 「申し訳ないが、人違いだろう」
オリアナにとって公爵家嫡男のヴィンセントは優しく一途な、最愛の恋人だった。 幸せな学校生活を送っていたが、十七歳の春に二人とも謎の死を迎えてしまう。 ――気がつくとオリアナは七歳の頃に巻き戻っていた。 入学式に念願の再会を果たすが、ヴィンセントには前の人生の記憶がなかった。 しかも、付き合っていたことをほら話だと思われてしまい、第一印象は最悪に……。 それでもオリアナは決意していた。この人生では必ず彼を守り抜くと。 彼が心配でなんとか傍に居続けようとがんばる女の子と、彼女が気になりながらも素直になれない男の子の、生きるか死ぬか二度目の魔法学校生活、スタート!

最愛の恋人と共に不可解な死を遂げたオリアナ。7歳から人生をやり直すことになった彼女は魔法学校で最愛の恋人・ヴィンセントと再会する。ところがヴィンセントには前回の生の記憶はなく、出会い方が変わったせいもあり初対面での好感度は最悪になってしまう……!?

人生2回目の少女×素直になれない少年が織りなす両片思いの複雑骨折

人生二周目で最愛の彼の死亡フラグを折るべく行動をはじめたものの一周目では向こうから告白してくれてずっとイチャイチャ状態だった相手からめちゃくちゃ塩対応されてしまって彼に死んでほしくないのは真実だけどいくら尽くしても報われない一方通行な想いと彼が別の女とくっついてしまうかもしれない焦燥に時折身を焼かれそうになるヒロイン・オリアナと、オリアナからの猛烈アタックを最初は煙たがっていたものの彼女の明るい性格に少しずつ心を許していったらその途端にオリアナから人生二周目の話を聞かされて「彼女が好きなのは一周目の人生での自分だ」と気づいてしまって彼女からどんな言葉を吐かれてもそれをまっすぐに信じられず不毛な方向に恋心を拗らせてしまったヴィンセント。両想いのはずなのに一周目の人生に翻弄されてお互いの本当の想いがわからなくなってしまったふたりが恋心を拗らせていく様子がめちゃくちゃ可愛かった!!報われなくてもいいからヴィンセントを死の運命から救いたいと思う反面かつて彼に愛されていた記憶がそれを邪魔してしまう、彼の傍に居るために捨ててきた一周目の人生での友人や楽しみに時折足を引っ張られてしまう、人生2周目だけどどうしようもなく年相応の少女でしかないオリアナの想いが印象的だったし、クールで大人っぽく近づき難い優等生だと思われていたヴィンセントが内心では凄く年相応の少年らしく恋心を拗らせていて、オリアナと仲の良い同級生男子どころか人生1周目の自分にすら嫉妬心を燃やしてしまうのが微笑ましい。最初はオリアナ→ヴィンセントの一方通行状態だったのが、ストーリーが進むにつれてヴィンセントの方が重たくなっていくのにはニヤニヤが止まりませんでした。

メインふたりの恋愛模様も大変良いのですけど、ふたりをとりまく周囲のキャラクター達も魅力的でした。特にオリアナの親友で異国の王女・ヤナとその護衛・アズラクの恋物語がとても切なくて。このふたり、良くも悪くも気持ちのちょっとした行き違いからの別れだったので今後の展開で幸せになるといいんですが……。あと、オリアナがこれだけ派手に求愛行動を繰り返していて、大きな虐めとかもなくクラスメイト達が暖かく見守ってくれてるのに大変ほっこりする。いやそういう描写が無いだけかもしれないですが……優しい世界……。

オリアナとヴィンセントのふたりがお互いの気持を拗らせまくりつつも少しずつ距離を縮めていった矢先……という所からの、なかなか衝撃的なラストで大変続きが気になる。なんとかして全員幸せになって欲しい!!

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