やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10 | 今日もだらだら、読書日記。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10

 

冬休み。のんびりとした年の瀬、そして年明け。合格祈願の初詣や買い物など、予定外の外出が重なる八幡が新年の街で出会ったのは、雪ノ下陽乃と葉山隼人、そして…。共に過ごしてきた時間で、お互いのことを少しは知ったように思えた。でも知らないことの方がたくさんあるのだろう。今も、そしてこれからも―。二年生という学年ももうあとわずか。今を大切にしたいと思えば思うほど臆病になって、考えているのに答えは見つからないし、走っているのにゴールが見えない。彼ら彼女らの、新たなる季節、新たなる関係。 (「BOOK」データベースより)

 新学期。奉仕部の部室にやってきた三浦からの依頼は葉山の進路についての事だった。なぜか頑なに進路を教えてくれない葉山の進路を調べるため、八幡達は彼の周辺から調査を開始するが……。

 こんな告白みたいに甘い「俺はお前が嫌いだ」見たこと無い

 あーしさんの乙女ぶりが可愛すぎて悶えるけどそれはそれとしてものすごく葉山回だったしマラソン大会がもうなにがなんだかわからないほど葉山と八幡が対話しすぎてるし二人はお互いのこといろいろな意味で本当に嫌いだし憧れあってるし信頼しあっててお互いに「嫌いだ」って言い合っちゃうくらいの仲で読み終わった直後ツイッターで日本語が行方不明になるほどでしたが今も思い出すと日本語がお留守になるのほんとうになんとかしてほしい。これまでも葉山と八幡の関係性にはさんざん手の上で転がされてきた感じが否めないのですが今度ばかりは本当に意味がわからない。

 なんかこう、お互いにお互いのすることを理解できないと理解した上で、相手がその自分には理解できない信念に基づいて行動していく事を微塵も疑わないし、自分には理解できないその道を征くお互いに対してどこか憧れずには居られないみたいな奇妙な関係が本当に凄かったです。あと、「万人に愛される」役割を背負った葉山にとって、面と向かって「お前が嫌いだ」言ってくれる八幡の存在はどこか特別な立ち位置なんだろうなあと思う。いえBL的な意味じゃなくて。BL的な意味じゃなくて。(ものすごい萌えるけど)

 そして依頼を解決するにあたって材木座と戸塚を「頼る」ことをためらわなくなった八幡に、これまでの物語を受けての成長や関係性の変化を感じる。あと、戸塚かわいい。本当に今回の戸塚は出番少ないのにめちゃくちゃかわいい。「進級」と「進路」という解りやすく関係の変化を自覚させるイベントを前にして、それぞれのキャラクターの立ち位置や考え方が見えてくるのが面白かったです。

 いろいろな意味で個人的にはクライマックスすぎる回だったのですが物語全体からいくとむしろこれはクライマックスへの序曲に過ぎない所のはずで、いよいよここから雪ノ下姉妹との物語に突入していくのかなあと。まったく先が見えないけど、これからの物語が楽しみでなりません。

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