二学期が始まり、体育祭や文化祭の準備で湧き上がる二年生の元に新たな特別試験の開始が告げられる。それは、クラス全員が同じ意見になるまで投票を繰り返す『満場一致特別試験』。制限時間内に全ての質問をクリアすればクラスポイントが得られるが、時間切れで失敗した場合には甚大なペナルティが発生する。最初は簡単だと思われていたその試験だが、茶柱を始め担任教師達にとってはトラウマものの、曰く付きのシロモノで……。
久しぶりのクラス内での対決がキレッキレで楽しい!!!
面白かった〜!!2年生編になってから勢いこそ落ちていないものの、3学年分全員の動向が縦横無尽に描かれる関係で展開を追うのがしんどい時も多かった。久しぶりのクラス内での動きを主体とした2年生同士の戦い、めちゃくちゃに楽しかったです。文句なしに二年生編になってからのお話の中ではぶっちぎりで好き。そしてホワイトルーム生との争いでは守りに入ることが多かった綾小路、久しぶりにキレッキレだった。メインはあくまで「満場一致特別試験」となっていますが、今後のイベント予定も示唆してきててそれも楽しかったです。外部からの来賓で俄然きな臭くなってきた体育祭、緻密な広告戦略・営業戦略が問われそうな文化祭、そして修学旅行。どう頑張っても外部との接触がありそうなイベントの連続じゃないですかやった〜〜!!内部で行われていたホワイトルーム生との対決とは違った直球の対決が期待できそうで、今からワクワクしてしまう。
一見簡単そうな「満場一致試験」、何も起きないわけがなく…
お題を聞いたときからずっと「これ絶対1年生編の『クラス内投票』と同じ系列のやつ!!!」と思ってたけどもっと始末が悪く、残酷な試験だった。任意の生徒を選んで退学させれば少なくはないクラスポイントが手に入るがクラスで満場一致の決断を行う必要がある。一方でクラスポイントは手に入らないが誰も退学させないという選択肢を取ることも出来る。時間切れにはAクラス争奪戦からの脱落に等しいペナルティを。クラスポイントを取って能動的に退学者を出させることでクラス内の不和を呼ぶか、退学者を出さないことで不要な犠牲を避けて結束を高めるか。様々な思惑を持った生徒たちによる意見のぶつかり合いが熱かったです。もちろん堀北クラスの展開も最高に面白いんだけど、他3クラスの動向も面白かった。特に葛城の加入をきっかけにして独裁政権ではなくなりつつある龍園クラスのやりとりがめちゃくちゃ良かった。無人島試験のときも言ってたけどほんと、龍園と葛城って良いコンビなんですよね。一方、こういう試験で安定感を見せるはずの一之瀬クラスの流れが不穏すぎる……言ってることは正論だけどその正論で思考停止してどこまでも状況が見えていない生徒たちの盲目さが……怖すぎる……。
他3クラスがなんだかんだで特別試験を終えた後も頑なに意見の一致が取れない堀北クラス。堀北と綾小路を退学させたい櫛田vsこの機に櫛田を退学させたい綾小路vs櫛田と和解したい堀北。水面下で繰り広げられる、2対1のように見えて実はみつどもえの戦いがアツかったです。そろそろ没個性の皮を被るの完全にやめつつある綾小路が櫛田を追い込みにかかるのは納得の展開でしたが、そこからまさかの堀北の行動が……!!!ただ闇雲に和解しようとするのでも切り捨てようとするのでもなく、櫛田という人間が能力を正しく発揮した場合にクラスにもたらす価値を測った上での判断。おそらく綾小路の想像すらも超えていただろう(多分)彼女のリーダーとしての成長に、胸が熱くなりました。とはいえ、いろいろな意味でこれ試験後のこのクラスどうなるんだよって気持ちがすごすぎるんですが。とりあえず一件落着といえば一件落着なのか。
……からの、結末が……ああ……。
綾小路がいつか誰かを切り捨てるような選択を取るであろうことは予想がついていたし、その相手についてもそれらしき伏線が張られている感じがあったので納得なんだけど…どこまでもしんどいなこれ……最後の最後で綾小路の独白がめちゃくちゃ冷静なのが逆にしんどいわ……。