私はご都合主義な解決担当の王女である4 | 今日もだらだら、読書日記。

私はご都合主義な解決担当の王女である4

 

「わたくしの騎士を返していただきます!」 転生腐女子たるもの、己の騎士は自分で取り戻します! 政略結婚回避ラブコメ第4弾★
『天空の楽園』から戻ったオクタヴィアは、自ら負った怪我が原因で護衛の騎士クリフォードが謹慎処分になったと知り大慌て! しかも兄のセリウスはなぜかクリフォードを目の敵にしているよう。 急ぎ兄との面会を取り付け、己の騎士を解放すべく動くオクタヴィアだが、クリフォードがセリウスの恋人シルを狙う犯人だというさらなる疑惑が浮上し……!?

準舞踏会から帰還したオクタヴィアだが、シル様襲撃の件でクリフォードを疑う兄セリウスの手によってクリフォードと引き離される羽目に。クリフォードの無実を晴らすため、自らを囮にする作戦を兄セリウスに打診するが……。

2年ぶりの新刊嬉しい!!

生前ハマっていたBL小説の世界の主人公カプの妹に転生したらそこは想像主の悪意によって不自然に男性同士が愛し合い、女性が理不尽な扱いを受けるように歪められていた世界だった物語、シリーズ第4巻。前巻で起きた準舞踏会での事件によって生まれた疑問や深まる謎、原作小説では語られていなかったシル様の出生の謎、シルに対して意味深な態度を取るクリフォードとの関係は。そしてシルを襲撃した犯人は一体誰なのか。オクタヴィアは従者クリフォードと引き離されたままで折り合いの悪い兄・セリウスと向き合うことに……と、盛りだくさんの展開なんだけど、なにせ前巻が2年前だったので内容うろおぼえだったりストーリーを理解するのに時間かかった部分が多々。ビーズログ文庫は最初に見開きでキャラクター紹介載せてくれてるのめちゃくちゃ良いんですけど、今回はもうちょっと細かいキャラまで載せてくれると嬉しかったな。あとこれは文字でいいんですけど前巻の内容とかできれば2Pくらいで軽くプレイバックしてほしい。めちゃくちゃ前巻の続きから始まるので……。

シル様襲撃の件を巡って否応なしに絡まざるをえなくなったセリウスとオクタヴィア、ふたりの微妙な兄妹関係が印象的でした。序盤巻のセリウス、嫌な奴って印象がかなり強かったんだけど今巻ではちょくちょく彼が記憶を失う前は持っていたであろう妹想いの兄みたいな態度が透けて見えて面白かったです。オクタヴィアの主観だけじゃなくて友人のデレクや護衛のヒューなど、第三者の視点から改めて兄妹の関係性が掘り下げられるのも良かった。それはともかく、寝起きの兄を見て原作小説の懸賞にハズレたことを思い出すオクタヴィア(麻紀)にメチャクチャ笑ってしまった。確かにこういう特典ポスカあるわ〜〜挿絵の使い方がうますぎる。

一方、シル様襲撃事件への関与を疑われたクリフォードはオクタヴィアと引き離され、牢屋に入れられてしまう。二人きりで会話することもままならないオクタヴィアだが、兄とともにクリフォードの牢を訪問した翌日、少年時代のクリフォードが初めて人を殺す「夢」を見て……オクタヴィアが前半しか覚えていなかった夢の内容が、終盤にクリフォードが同じ夢を見るという形で補完されるのがメチャクチャ良かった!!オクタヴィアの涙の理由、理解できるとこちらまで胸が熱くなってしまう。クリフォードの夢のパートはどうやら書籍版書き下ろしのようなので、Web版の読者の人がここを読んでいたらぜひ書籍版をチェックしてみてください。

時折口を付く日本語の設定といい、日本語で書かれた日記といい、クリフォードの見た「夢」といい、今巻は良くも悪くもオクタヴィアの転生前の世界への執着が滲み出る(転生した経緯が経緯だけに仕方ない)お話でしたが、それはそれとしてこの世界でもなんとか折り合いをつけて上手くやっていけるようになるといいよね……。

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