空戦魔導士候補生の教官2 | 今日もだらだら、読書日記。

空戦魔導士候補生の教官2

 

落ちこぼれE601小隊、初勝利なるか!?
変異種との戦闘で自信をつけたミソラたちだったが、ランキング戦ではいまだ勝ち星ゼロ。教官であるカナタの更迭を賭け、ユーリ率いる小隊との模擬戦が行われることに。一方学内ではある実験が進められていて……。

カナタからの特訓と初めての実戦を通して小隊として一歩成長したE601小隊の面々。ところが学園内でのランク戦ではいまだ勝ち星なし、実戦で変異体を倒したという実績も目撃者がいなかったため認めてもらえない。しかも、カナタのことをよく思っていない空戦魔導士科長フロンが次のランク戦でE601小隊が勝利することが出来なければ小隊を解散、カナタを更迭すると言い出す。対戦相手はカナタが所属していた特務小隊の後輩の少女・ユーリ率いるBランクの小隊で……!?

格上相手に「大物喰らい」を繰り広げる展開が心地よかった!

地上を追われて浮遊都市に生きる少年少女達が魔甲蟲と呼ばれる魔物の脅威と戦う物語、シリーズ第2巻。前巻では主にバトル面の問題を解決して一歩前に踏み出したE601小隊の面々でしたが、実戦で目覚ましい活躍したところは誰にも見てもらえてなかったし、しかも普段はチームワーク面が壊滅的ということで学園内では落ちこぼれ小隊扱いのまま。前巻のラストでチームワークがめちゃくちゃであっさりランク戦に負ける彼女達を見て腹を抱えて笑ってましたが今回はそのチームワークを解決して大物喰らいを目指す!というお話でした。それにしても目撃者がいないからミソラ達の挙げた戦果が認定されないの地味に酷くないですか……そのガバガバシステムだと撃墜数水増し報告してる小隊とか出そうだけどどうなんだ。

ポジションの入れ替えを繰り返してお互いの役割を理解させるという特訓が今回も面白かった!確かに実際にその立場になってみないと理解できないということってあるよね。カナタ教官の教え、徹底的に「仲間を深く理解させてお互いの弱みは補いつつ強みを活かす」方向性なの一貫していていいな。そして1巻の感想でも書いたけど、その方向性が潜在能力はあって別の理由で実力を発揮できていなかったE601小隊の面々と噛み合ってる。自分たちのやったことを認めてもらえない序盤から、チームワークを発揮できるようになって格上のBランクの面々を圧倒する三人の姿、格下だと思っていたミソラ達の本当の実力を見て驚愕される展開がとても気持ちよかったです。

しかしリコがサクっと趣旨を理解して一抜け、それからレクティが努力して自力理解、最後まで手こずってるミソラという展開1巻でもあったな……みたいな、特訓部分の展開自体はやや1巻の焼き直し感があり。リコとレクティは元々実力者として描かれているのでそうでないミソラだけ理解が遅いのは仕方ない部分もあるんですが、ミソラは実際にこの小隊のリーダーなわけで……個人戦に一日の長がある2人では気づけないなにかに気づくとかあると美味しかったんですけどね……。

カナタ教官を思う気持ちは人一倍強そうなミソラがひとりで空回りしがちなの、読んでて結構もだもだするポイントだったので次巻では彼女の良いところも見れると良いな。それはそれとしてなんだかんだでカナタへの好意が隠しきれないミソラ可愛い。

小隊の面々が少しずつチームとしてまとまっていく中、学園都市では不穏な動きが。カナタ達が倒した変異種をきっかけに学園内で始まった不気味な実験と前衛ばかりを狙った襲撃事件。その不穏な事件に、今回の対戦相手でもありカナタの特務小隊での後輩でもあるユーリも巻き込まれて行って……。魔甲蟲、1巻を読んだ時点だとただの意思のない化け物みたいな印象だったんですが、今回の件やカナタの言ってた内なる囁き的な発言も踏まえて「ただのバケモノ」という感じじゃなくなってきたなあ。もっと危険な存在というか……裏というか上にもっとヤバいのが控えてそうというか。

今回の件をきっかけにしてカナタのもつ謎の力の件が小隊のみんなやユーリにも知られてしまい、更にユーリが小隊の新メンバーとして加わって……今回でE601小隊が抱えていたわかりやすい問題も解決した感があるので次巻から物語が本格的に動いていきそうな気配。どうなっていくのか楽しみにしたいです。

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