空戦魔導士候補生の教官1 | 今日もだらだら、読書日記。

空戦魔導士候補生の教官1

 

連戦連敗E601小隊の快進撃は、ここから始まる――
人類が大地から離れ、魔甲蟲という畏怖と戦う世界。「特務小隊の裏切り者」と蔑まれる学園の嫌われ者・カナタは、連戦連敗のE601小隊の教官に任命される。そこには一癖も二癖もありそうな3名の少女がいて……?

地上を追われた人類が空に生き、魔甲蟲と呼ばれる魔物の脅威に晒されている世界。魔甲蟲に対抗する空戦魔導士を育てるべく設立された教育機関・浮遊学園都市《ミストガン》で負け続き・落ちこぼれのE601小隊にテコ入れとして派遣されてきたのは、「裏切り者」と呼ばれるカナタ・エイジで……。

空の世界を舞台に繰り広げられる、少年少女たちの闘い

すごい今更なんですがファンリビ参戦したときからちゃんと読みたかったので手を出しました。「ロクアカ」グレン先生とのコンビCMでずっと気になってたのもある。空の世界を舞台に、人類を脅かす魔物たちと戦う少年少女達の物語です。

まず世界観がとても印象的な物語でした!地上を追われた人類が棲まうのは空中を浮遊する都市。魔甲蟲に殺された人間はその存在だけでなくその記憶すらも奪われてしまい、彼らの喪失を覚えている事ができるのは「ウィザード」と呼ばれる人間たちだけ。そしてその記憶を持った人間たちが「空戦魔導士」として魔甲蟲に対抗することが出来る……という設定が大変に良かった。能力を持たない「ナチュラル」達との記憶の誤差、大切な人の埋められない喪失を抱えながらそれでも世界を護るために立ち上がる少年少女たちの姿が胸に刺さる。

そんな中でもう崖っぷちなE601小隊の教官として着任したカナタが一見トンチキな特訓を提案して、それを受けたE601小隊に所属する三人の少女達がマイペースな教官に振り回されながらもその特訓をこなしていく。実力はあるのにとんでもない気分屋のリコ、強力な剣技を習得しながらも引っ込み思案で本番に弱いレクティ、そして高い魔力を持つが死んだ母の記憶に囚われ自分と相性の悪い戦い方に固執しすぎているミソラ。教官としては若葉マークで圧倒的に言葉での説明が足りてないけど教え子に対する理解がとにかく高いカナタと潜在能力自体は高いが戦闘面以外の部分が原因でそれを活かせてない教え子たちという組み合わせが上手いこと噛み合って、特訓をしたり個々の事情に向き合ったり問題を克服したり覚悟を決めたりしているうちにお互いの事情が少しずつ透けて見えてくるのが面白かったです。最初はバラバラだったE601小隊の三人が凸凹ながらも少しずつチームらしくなっていく……という展開が良かったし、魔甲蟲との実戦を経て強くなったと思ったけどまだまだ成長途中を思わせるドタバタなエピローグにもニヤニヤした!

その一方、教官であるカナタの方も様々な「問題」を抱えていて……都市を守りたいという気持ちは人並み以上に持っているのに、とある事故をきっかけに「裏切り者」にならざるをえなくなったカナタと彼の秘密の一端を偶然知ってしまったミソラ。ふたりが今後どのような形で物語を引っ張っていくのか、楽しみです。

とても楽しかった反面で新人賞受賞作ということもあるのか良くも悪くも矛盾ないよう小綺麗にまとまってる感が強く、全体的に物足りなさもあったかも。次巻以降で各キャラクター達のさらなる掘り下げとか来たら一気に面白くなりそうではあるので、続きを楽しみにしたいと思います。

あと2巻のあとがきで言及されていたのであんまり指摘するのもアレなんですが、誤字脱字がひどすぎるのは重版や電子書籍化の際でもなんとかできなかったんですかね……この辺は作者さんを責めたいわけじゃなくて編集部・校正がお仕事してない案件だと思ったんですけど。誤字も酷かったけどふたりで会話してるはずのシーンに何の脈絡もなく三人目のキャラクターが生えてくるとかあったし、文章面の粗が目立ったのでもうちょっと(編集部が)(ダブルチェックを)頑張ってほしかったな。お話は面白かったのに、誤字脱字と文章面で引っかかりを覚えてしまったのはとてもとても勿体ない。

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