声優ラジオのウラオモテ #11 夕陽とやすみは一緒にいられない? | 今日もだらだら、読書日記。

声優ラジオのウラオモテ #11 夕陽とやすみは一緒にいられない?

 

2024年TVアニメ放送!高校卒業が間近な声優青春ストーリー第11弾!
『ここで番組から大切なお知らせがあります――』  一月も終わり、別れを象徴する桜の季節がやって来る。  ラジオの企画も思い出を振り返るものが多くなっていく中、ふたりはお互いの進学先すら聞けていなかった。  順調すぎる声優業とは裏腹に、相方と離れ離れになってしまう未来にどこか不安を覚え始めている由美子。その一方、悩みを振り切った由美子の成長や、共演する結衣の底の知れない実力に、背後に迫るライバルたちの気配を感じ焦燥に駆られる千佳。  変化を強いられる卒業シーズン、ふたりの関係は果たして!?  2024年4月TVアニメ放送の声優青春ストーリー、第11弾!!

大学受験を控えた高校3年生の三学期……由美子が出演したアニメ『マオウノユウタイ』が予想外のヒットで覇権アニメに。喜び以上に戸惑ってしまう由美子だが、そのせいで千佳とはどこかギクシャクした関係になってしまう。一方の千佳は「歌種やすみ」がやっと世間に認められたことを喜ぶ反面、彼女や後輩である結衣の成長を脅威に感じていた。お互いの進学先も聞けないまま、自由登校に突入してしまったふたり。そして「コーコーセーラジオ」も一区切りを迎えることに……一体どうなる!?

結衣コーハイがラスボスすぎて最高だった

偶然声優ふたりが同じ学校のクラスメイトに……からはじまった「声優ラジオのウラオモテ」、高校生編のクライマックスともいえる今巻。卒業を前に千佳との関係性が変わってしまうことを恐れる由美子と後ろを歩いていたはずの結衣ややすみの存在を背後に感じて思い悩む千佳。それぞれの場所で思い悩む二人の奮闘がアツくて最高に面白かったです!!それにしても(短編集含めて)シリーズ12巻目でやっと世間に認知されたのか歌種やすみ。本当に長かったな。

今回は何より、「歌種やすみが憧れた『夕暮夕陽』であるため」に敢えて孤高の道を往く渡辺千佳があまりにもよかった……後輩である高橋結衣を超えた演技をしたい夕陽が自分に足りていなかった「魂」の演技を引き出そうとしてやすみの見ていない所で奮闘するクライマックスがアツすぎるし、結衣と戦ってる筈なのに気がつけばやすみと対峙してるの最高すぎるんですよね……。天才型の結衣コーハイが遥かな高みから「夕陽先輩はこんなものじゃないですよね?」って圧掛けてくるのあまりにもコワすぎるしラスボスの貫禄がありすぎるんですが、だからこそ夕暮夕陽にとっての「歌種やすみ」という存在のどうしようもない大きさを思い知らされるお話でした。由美子の活動休止中を描く、前巻から続く夕暮夕陽が主体のエピソードの完結編として最高に盛り上がる一冊でした。

そして、二人を待ち構える高校卒業という人生の一大イベント。もう延々と千佳の進学先がぼやかされてるところからしてエピローグそんな予感はありましたが〜〜〜!!でも、互いの進路がわからないからこそ、ふたりがお互いの関係性を見つめ直してその大きさを改めて実感した上で「学校が離れても時々しか会わなくなっても互いに声優であるかぎりこの関係は変わらない」という決意ができたわけで……ふたりが声優として成長するために必要な儀式だったと見て取れなくもないよな。声優ラジオの話もそうなんだろうな〜〜知ってた〜〜!!でもちょっと心配してた〜〜!!!

次巻は環境を変えて仕切り直しの大学生編開始──とおもいきや最後の最後でめちゃくちゃな爆弾投下してきた!!???いや、もうそれ展開によっては高校卒業なんかよりも圧倒的にそのまま最終回巻迎えそうなクソデカエピソードじゃない!!???由美子が憧れ続けたあまりにも大きな「夢」への挑戦、本当に次巻どうなってしまうのか楽しみです。

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