ダガーちゃんの件も落ち着いて5期生も少しずつ馴染んできて……平穏を取り戻してきたと思われたライブオン。ところが今度は、「アンチライブオン」を標榜する5期生・宮内匡が病んでしまった!?彼女のことをを心配したチュリリ先生は淡雪に相談を持ちかけるが、彼女はチュリリにも意外な提案をしてきて……?
相当センシティブな話してるんだけどその裏ではさぁ……
前巻に引き続き5期生の掘り下げ回。「アンチライブオン」の宮内匡が逃げ続けてきた自らの本質と向き合う話と、5期生に救われたチュリリ先生が改めて自分の居場所をライブオンにみつけるお話でした。アンチを自称しながらも実はライブオンが大好きな宮内匡のアイデンティティの危機とそれにまつわる葛藤も面白かったけど、それ以上にチュリリ先生のお話が面白かったです。というか改めて思い出すと匡&チュリリ先生の話もなかなか難しいセクシャリティの話してるよな……聖様の件もそうだったけど、結構センシティブな所攻めるよなこのシリーズ。晴と淡雪からの提案で、匡とチュリリが他のライバー達の話を聞く……というコンセプトだったので、シリーズを通して変化してきたライブオンライバー達の変化、現在の素直な気持ちが知れるのも良かった。
お互いに依存して、支え合って生きているような状態だった5期生が三人とも別々の方向を向きながらもしっかりと自らの足で踏み出し、その反面これまで以上に一つにまとまるお話であり、いろいろな意味で綺麗にまとまってくれて安心しました。個人的には彼女達のありかたとは対象的な4期生の話が印象的で、仲は良いけれど一緒にまとまって何かをやるというのは少ない4期生……確かにな……。この直前に仲良しすぎる3期生組の体力勝負配信回と4期生のカステラ返信回入ってるの意図的だとおもうんですけど、割とイチャイチャ感の高い3期生ともまた違う感じなんだよな5期生組。3期生組は大人の女子会感が高いけど、5期生は若さがそうさせるのか女子校ノリなんだよな……。5期生、全員が開眼したところでどんな関係性になっていくのかがとても気になります。
そして裏でこんなに真面目な話をやりながら表(?)では突然淡雪個人の独断によるライブオンライバーの格付け始まったり(ギリギリを攻めたネタするなと思ったけど正直この格付けでSもらってもうれしくないんだよな……)、終盤はひたすらスイ◯ゲームやってたりと改めて自由が過ぎるぞこのシリーズ。個人的には淡雪がス◯ゼロじゃなくてビールを飲むドッキリを仕掛ける回で死ぬほど笑った。いや冷静に考えてエーライちゃんの反応が普通だと思うんですけどその反応が異質に思えるほど他の面子にはドッキリ成功しちゃってる(?)の面白さしかないんですよ。ダガーちゃんに仕掛けたときの試合に勝って勝負に負けてる感、どこにもツッコミがいない感じで腹筋がツラいしダガーちゃん可愛い。
次巻で完……結……?
それにしても、匡とチュリリ先生で2冊使うかと思っていたのを一気に掘り下げるなと思ったら次巻完結とのこと。短編の寄せ集めのようで結構しっかりとしたストーリーが存在するこのシリーズ、いろいろな意味で終わりのないライバー達の物語にどういう決着をつけるのかとても気になるし、最終巻ではいよいよなんか凄いことがあったらしいことしか明かされてこなかった淡雪のライブオン入社面接の様子が明かされるようでそちらも楽しみだし、ようやくライブオンの中に居場所を見つけた5期生3人の配信も改めて拝みたい。というか前巻で問題を解決したダガーちゃんのカステラ返信回がめちゃくちゃ良かった(とても可愛かった)から残り2人分も見たい。……いや冷静に考えてストーリーを終わらせるだけなら5期生掘り下げが一段落した今いつでも終われる感あるけど、配信でみたいエピソードを考え始めるとやっぱり残り1冊じゃ全然尺足りないでしょライバーの配信回だけ集めた短編集とかシリーズで出しません?文庫書き下ろしシリーズだったら絶対ドラマガに描き下ろし短編連載してシリーズ化してたとおもうんですけど、Web小説はその辺で結構縛りあったりするらしいので難しいのかな。
問題解決後の5期生でもうちょっと尺取ってほしいし出番が減りがちな4期生以上の話ももっと見たいんだよなぁ〜〜〜。