ヒドラ 2 発売:2006.8 発行:富士見書房 [著]吉田 茄矢 [絵]武若丸 |
「いいかい。さよならってほっぺたひっぱたいて逃げてく女っていうのはな、本心じゃ引き止めてもらいたがってるんだよ。さみしさ胸に隠してるんだ。おまえも男ならわかるようになるんだよ」
「……さらに気色の悪い比喩を聞かされた気がするんですが、誰が女で、誰が男か、変換するのを俺の脳みそが激しく拒んでるんですが……」
すいませんやっぱりアラタとエイトが801に見えまs(強制終了)
カラー挿絵の最後のページが801と百合に見えるのは、昨日友人の家で
挿絵の中の人のアス●ラ同人読んじゃったのが悪いんだ…たぶん!!
っていうかおじさん!!おじさん公認ですかこいつらの仲は!!
…と、それはとにかく。
1巻ではイマイチな印象だったけど2巻を読んでみたら予想外に面白かったです。
やっぱり2巻まとめて読まないと駄目なつくりだったと思うのですよね。
というか、2巻の先に進ませようとする力は凄かったので、是非1つの読みきり作品として出してほしかった。
厚みからしても2冊纏めたページ数で全然可能だと思うのに。
今流行り?の2ヶ月連続刊行企画に踊らされて前後編という形になったのなら本当にもったいない気がするなあ…。
個人的にはやはりナカミチのキャラが非常に良かったです。
「悪役」というか「ヒール」なキャラで、主人公格4人よりも
美味しい所を持っていった気がします。
そしてナカミチの最期以上にキュンときたのが、エピローグでのエイトの行動。
自分がいなければ何も出来ないと思っていた相手が自分の思っていた以上に自分の意志を持っていて、逆に自分がどれだけその存在に救われていたか思い知らされる…という展開はある意味王道かもしれませんが好きです。
あと、村人達の優しさも最後の最後で身にしみました。
この2箇所では思わず涙しました。
なんかこの2人が美味しい所もっていきすぎで主人公である筈のアラタが
イマイチ印象に損ってないというのもどうかなー、と思うのですがアラタとハナに関してはやはり手放しで二人の行く末を祝ってはあげられないかなあ。
結局アラタはウミの変わりになっただけであって、行く末に待っているのは今回のような悲劇的な結末になるのではないかと。
アラタの行動も単なるボーイミーツガール的な熱血的精神から自然に出たものではなくて…とか考えるとちょっと空しい。
出来れば二人の結末がウミとハナのそれとは違った、幸せなものになればいいなと願わずにはいられません。
タイトルの件といいラストの展開といい詰め込みすぎて
少し説明不足な感も否めなかったけど、でも非常に面白い物語でした。
タイトルの意味はなんとなく判らなくもないんですが
ヒドラ自体を良く知らないので確証つかめません。
多少の薀蓄を入れていただいてでもちゃんと
タイトルの意味を明示してほしかったなあ…。
というわけで読むときは1巻2巻まとめて読むことを推奨です!!