[著]坂照 鉄平 [絵]水城 葵
顔の良さを利用して様々な女を騙し、綱渡りで日々の生計を得る詐欺師・フラットランドはある時、竜の力を持つという“竜徒(ドラグ・ジーン)”同士の争いに巻き込まれ、偶然赤い石<罪人竜の秘宝>を飲み込んでしまう。街の権力者が狙うその石を使って一獲千金でのし上がろうと目論むが、それ以来嘘を吐くと口から火を吹く身体になってしまって…!? | |
詐欺師の主人公が知略を巡らし敵を出し抜くサスペンス——かと思いきや、真実は
ヘタレで嘘が下手糞な詐欺師と世間知らずのツンデレ美少女が繰り広げる、熱血ラブコメでした。いや、タイトルからの先入観って怖いね!!というか、帯だけじゃなくてタイトルも詐欺というか本文と内容どこも関係ねえーー!!あと最近の富士見Fは帯で遊びすぎだと思うのです。(何も言わずに帯を全部広げて見てみるといいよ!)
中盤までは面白いけどどこかフツーだなーというか、アーティアは確かに可愛いんだけど
「これどこの炎髪灼眼?」みたいなちょっとツンデレのテンプレすぎという印象が拭えず、全体的にシリアスなのかギャグなのかに偏りきれないストーリー展開もあってイマイチ物語にのめりこめずにいたのですが、終盤で敵に拉致されたアーティアを巡り、ヘタレで卑怯でバカで詐欺師でかっこ悪かったバーンが一念発起するあたりからどーんと面白くなりました。自らの心についた嘘を“息吹”で確かめる場面とか、敵前で思いっきり上げた雄叫び、クライマックスでのハリウッド映画そこのけのアーティアとのイチャつきっぷりに胸を熱くさせられまくり。なんだこの序盤からは想像も出来なかった、青春ど真ん中ストライクな展開は!!というかヘタレで卑怯で不器用な駄目男で、
でもいざというときは大好きな女の子のために頑張れる男なんて最高に萌えじゃないかコンチクショー!!!
また、序盤では寒いギャグ担当だとばかり思っていたブロック団長が漢らしすぎました。あの勝手に暴走するギャグキャラからイイ男への変わりっぷりは卑怯だ。またバーンの良き理解者でもあり、舞台である『フロンティア』にすむ人間を物語中で最も体現した女性・カロリアの在り方も非常に良かったです。
色々とツッコミどころは満載だけど、それ以上に魅力的なキャラクター達が突っ走るカンジの物語で、ベタベタな熱血王道ラブコメ展開な中盤以降ではニヤニヤが止まりませんでした。これは2巻が楽しみ。
コメント
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L 詐欺師フラットランドのおそらくは華麗なる伝説 (富士見ファンタジア文庫 173-2)坂照 鉄平 富士見書房 2008-04-19売り上げランキング : 1602Amazonで詳しく見る by G-Tools こういう作品を読むたびにしみじみ思うわけですよ…… ツンデレって、いいよね。 太陽戦士サ..