[著]八薙 玉造 [絵]瀬之本 久史 ラゲーネン王国を襲った惨劇。諸侯から責められる兄・パーシーの姿や、絶望し悲しみにくれるエミリーの姿を見て自らの無力さを実感したグレンは、護衛騎士の身分を捨てて自ら戦場に赴く。少しでも兄やエミリーの役に立てれば、という強い思いからの行動だったのだが、父の護衛騎士であったライオネルはパーシーに疑いを向けて…… |
2巻、3巻で見えた希望が何かの冗談だったかのように悪趣味全開です。やっぱこっちが作者の本性か…(違)
ラゲーネンを襲う惨劇の真犯人については、読者側からは「花園のエミリー」の時点でしっかりと明かされているわけだけどグゼンやエミリーにとっては謎のまま……というわけで。読者側からも犯人を曖昧にしておいて、ラストでどーんと落としたほうがショックが大きいのではないかという印象があるのですが、とにかくこの巻だけ見ると真犯人が「イイ人」にしか見えないというトラップがありまして。「グレン、まえまえーーーっ!!」的な何かもあるわけだけどそれ以上に、「あれ、じつはこの人じゃなかったんだっけ…?」みたいな、目撃した読者までを惑わすいい人っぷりがとても憎い。え?惑わされたの私だけ?
事件の真相を知っているだけに、グレンの行動がどんどん裏目に出て行くのが判ってしまっていたたまれない。今までの容赦ない死にっぷりを知っているといつ死亡フラグが成立してしまうのかハラハラしながら読んでました。
それだけに、終盤でエミリー姫が戦場に現れた時の爽快感、喜びといったら無かったです。様々な想いはあれども復活した、セクハラ姫様の言動を聞いただけでも思わずニヤリとしてしまう何かが!!そしてエピローグでのツンデレっぷりはもう垂涎モノですよ。エミリー姫のごとく涎じゅるりですよ。漢らしい戦いっぷりを魅せる「鉄球姫」の雄姿も、セクハラ発言しまくるご無体なセクハラ姫の姿もとっても素敵なのですが、なんだかんだいいつついざとなると素直になれないツンデレ全開なエミリー姫様、マジ可愛いっ!!
彼女の復活があったとはいえ、ラゲーネンの置かれた状況はどうしようもなく絶望的なのですが、今後どうやって彼らが再起を図り、持ち返していくかがとても楽しみです。今ラノベの中でも有数に続きが楽しみなシリーズかも。
余談ですが、絵師さんの後書きでおーいお茶噴きました。ラ イ オ ネ ル さ ん … !
コメント
お久しぶりです。以前、女装男子の特集をされたとき、「アスラクライン」の主人公をたれこませていただいた者です。
>え?惑わされたの私だけ?
いえいえ。すっかり惑わされてしまいました。あわてて3巻の最後を確認しました。
>今後どうやって彼らが再起を図り、持ち返していくかがとても楽しみです。
本当どうなっていくんでしょうね…。いちせさんは「わりと単純に終えるつもりなのかしら」とおっしゃってますが、この作者のことですから、「血風姫」に完膚なきまで叩きのめされて2人離れ離れになって諸国を流浪するなんて展開が待ち構えているかもしれません。まぁ、そんな先行きも含めて次の発売が待ち遠しい数少ないシリーズの一つです。
ということで
>今ラノベの中でも有数に続きが楽しみなシリーズかも。
激しく同意です。
お久しぶりです、コメントありがとうございます。
ああ、やはりあの人の打って変わった態度にはだまされましたよね……このシリーズだと、1巻の際にかなりあっさりメインキャラが死んでいるので、最悪全滅エンドになってもおかしくない気がするのが本当に恐ろしい…。
本当に、続きが楽しみですね?!
[読書] 読了本
「オオカミさんと長ブーツを履いたアニキな猫 (電撃文庫 お 8-12)」御伽話をモチーフとしてキャラクターたちがあばれまわるオオカミさんシリーズ。たまにエロネタ入ってますが、オオカミさんのツンデレっぷりも殿堂入りぐらいよくて、けっこう好きなシリーズなのです。 「輪