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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14

 

季節はまた春を迎えようとしていた。 同じ日々を繰り返しても、常に今日は新しい。悩み、答えに窮し、間違えを繰り返しても、常に飽きもせず問い直すしかない――新しい答えを知るために。 言葉にしなければ伝わらないのに、言葉では足りなくて。いつだって出した答えはまちがっていて、取り返しがつかないほど歪んでしまった関係は、どうしようもない偽物で。 ――だからせめて、この模造品に、壊れるほどの傷をつけ、たった一つの本物に。故意にまちがう俺の青春を、終わらせるのだ――。 過ぎ去った季節と、これから来る新しい季節。 まちがい続ける物語が終わり……そしてきっとまだ青春は続いていく。シリーズ完結巻。

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春の季節に始まった八幡と雪乃の「勝負」は決着を迎えた。どこかお互いに割り切れないまま卒業式が、そして無事開催される運びとなったプロムが開催される。成功したプロムの終わりに、自らの母親に自らの「やりたいこと」を伝える雪乃。陽乃だけが不満げな顔を隠さずにいて……。

この陽乃さんのラスボス感がすごい。
序盤とにかく前巻から続く迷走感がひどくてしんどい。結衣との甘酸っぱいエピソードにはやっぱりニヤニヤしてしまうのだけど、勝負に決着が着いても雪乃との距離感が戻ることはなく、どことなくぎこちないやりとりにハラハラが止まらなかった。雪乃と仕事の話するときだけは会話が進むとか、割とリアルで人間関係でトラブル起こして疎遠になる直前の人とのあるあるすぎて余計なトラウマ刺激されるんですけど!!!いちいち彼らの関係性の終わりを匂わせる演出が多くてふとした事で胸を締め付けられてしまう。

今にも壊れそうな三人の関係性に容赦なく一石を投じてくる陽乃さんがマジラスボスの貫禄なんだけど、同時に彼女自身もまた八幡達の関係性に『本物』を求めずにいられないのだと気づいてしまって、しんどくなる。

八幡が覚悟を決めてからの、カタルシスが最高でした。
陽乃からの叱責や平塚先生の教え、結衣からの支えを受けて不格好でもこれまでの関係を壊してでもなんとか前に進むことを決めた八幡が、覚悟を決めて動き出してからが最高に面白い。その前に進むための「手段」があまりにも傍迷惑で笑ってしまうけど、なんていうかこれこそが比企谷八幡なんだよなあ。宙ぶらりんのままだった雪乃・結衣との関係性の決着、そして独りで去っていこうとしていた平塚先生の離任騒動まで含めて、未消化だった部分を完璧に払拭する展開が最高に楽しかった。

あまりにも八幡らしい不器用で独り善がりな計画に、これまで関わった人たち全てが力を貸してくれる展開が熱すぎてヤバい。少年マンガの最終回かよ……このまま元気玉撃てそうまである。今回はいろいろな意味で周囲の人々の行動にいちいち胸が熱くなってしまったんだけど、特に結衣のことを心配して何かと不器用に声をかけてくれる三浦さんがマジいい人すぎて幸せになってほしさがすごかった……いや三浦さんが良い人なのは知ってたけど本当に良い人すぎる。平塚先生はもうこの人真ヒロインでよくない!?ってレベルの大活躍だし、あとカラオケボックスといいサウナといい卒業式といい、今回葉山さんが八幡と仲良すぎてひっくり返るんですが、あいつらなんなの。サウナで戸部にまで空気を読まれて二人きりにされてしまうの無限に笑うわ。八幡に対してのぞんざいな態度を人前で隠そうともしなくなった葉山さん、最高かよ……。

それよりなにより──夢だけを積み重ねたはずだった偽りの「ダミープロム」が、彼らの手によって現実的な妥協点と折り合いを見つけられて、ほぼ完璧な形で顕現されてしまうの、あまりにも最高すぎない!?あと、ダミープロムの企画やってる間の雪乃がデレデレすぎて可愛さがヤバかった。特に語彙力を喪失するデレのん可愛いすぎる。

そして一つの「青春」が終わり、新しい「青春」が続いていく。
奉仕部という三人で築き上げられた不安定ででも温かかった関係を壊してでも「彼女」と関わり続けることを望んだ八幡の手によって一つの物語が終わり、そして新しい季節が始まる。もうとにかく匂わされる終わりの気配に震えてしまっていたんだけど、彼らはまだ高校「2」年生なんですよね。卒業式を見た八幡が感じた通り、このエピローグですら人生での終わりの予行演習でしかなくて、乗り越えてみれば少しだけ新しくなった人間関係とともに、新しい物語が始まるんだなと。「こいつら重い!!」「面倒くさい!!」といいたくなる中盤の告白シーンもさることながら、新しい物語を感じさせる最後のエピローグが最高に良かったです。

それにしても、最後のピースを後押ししてくれるいろはちゃんと高校生となった小町の小悪魔年下コンビが可愛すぎて死ぬ。あと三年生のクラス分けが最高にヒドいんですけど三年生になった比企谷八幡のクラスでの日常で一本書いて欲しいです。短編集もアンソロジーも楽しみだ。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。13

 

暦は雪解けの季節を迎えるが、新しい希望の芽吹きはまだ遠く感じられる3月。それぞれの想いを言葉にし、行動しようとする雪乃、結衣、八幡。そして、それは今のままの関係でいることを終わらせることでもあって―。雪ノ下雪乃は、最後まで見届けて欲しいと願った。由比ヶ浜結衣は、このままずっと一緒にいられたらと祈った。美しい夕日に時が止まればと願っても、落日を迎えなければ新しい日はやってこない。前に進むために諦めること、終止符を打つこと。悩む間もなく、巻き戻すことも出来ず、エンドロールは流れ始める…。 (「BOOK」データベースより)

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たとえ望まれていなかったとしても。PTAからの要請によって窮地に陥ったプロムを成功に導くため、雪乃とは違う形で動くことを決意した八幡。当て馬目的で別のプロム企画を立ち上げ、わざとPTA側の目に留めさせ危険視させることで本命のプロム中止を食い止めようと画策するが……。

終わりを感じさせる展開に、しんみりしてしまう
様々な意味で懐かしい人達が登場し、そこに終わりを感じさせられてしまうラスト直前の巻。玉縄・折本はもちろんだけど、地文でそれとなく差し込まれる相模や鶴見の名前、腐女子キャラをかぶっていない海老名さんの登場で自然とこれまでのエピソードを思い出させていくのはなんていうか凄く物語の構成が上手いなあと……割と13巻を読むまでにブランクがあったので、自然とエピソードを思い出せることにびっくりしました。

ところで久しぶりに濃厚な葉山と八幡の絡み愛(海老名さん的視点)を目の当たりにした気がしますが、他の人の目のあるところで厭味の応酬する葉山と八幡なんだこれ完全にただイチャついてるだけじゃない???あとわたりんは過去に深い傷を持つ優等生タイプに巨大感情持たせるの好きすぎじゃない???(クオリディアの方を見ながら) 葉山くんの理解度で八幡と張り合っちゃう戸部が可愛い。

それは果たして「成長」か「間違い」か。
危なっかしい部分は感じながらも周囲の「協力」を仰ぎながら展開される八幡の作戦が新鮮。その彼の行動は確かにこの1年で得た「成長」といっていいはずなんだけど、周りがことごとく描いた絵面のようには動いてくれなかったりと不安要素は多く、これを素直に「正解」と捉えてしまって良いのか不安な気持ちにさせられる。ぶっちゃけこれまで通り八幡が一人で抱え込んで突っ走っていたら、周囲に様々な禍根を残しつつもダミープロムの計画は滞りなく目的を完遂していたと思うんですよね。致命的な間違いをどこかで見落としているような、そんな気持ちが消せない。それはそうとダミープロム企画が正直楽しそうすぎて全くそういう状況ではないんだけどワクワクしてしまった。いやもう頓挫するところまで想定内で、好き勝手に夢ドカ盛りした架空の企画作るの絶対楽しいやつじゃないですか!!!巻き込まれた遊戯研が割と文句言いながらもノリノリなのわかりすぎる。

泣いても笑ってもあと1冊!!
まちがった関係を正して関係性の決着を望む雪乃とこのままでいたいと願う結衣、思い悩む八幡がそれぞれにすれ違う姿が印象的。今回はほぼずっと一緒に居た八幡と結衣も正直なにか噛み合ってない感じがして、それがまた不安を想起させる。八幡と雪乃の勝負には一応の決着が着いたけどいろいろな意味でこのまま終わるとは思えない。雪乃からバトンを託された結衣がどう動くのか、本当にあと1冊でどう決着をつけるのか、楽しみなような怖いような……。

というか11巻の序盤読んでた頃はこんな終わりの間際になってこんなしんどい話をぶちこまれるとはちょっと思ってなかったですよね!!シリーズ中盤で八幡が一人で突っ走って奉仕部内がギスギスしてた頃はしんどくてもまだ彼らが再び手を取り合う日を信じて読めたんですけど、今回はそこかしこで奉仕部の終わりを見せつけられていくので、別種のしんどさがある。本当に最後これどうなってしまうんだ……。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12

 

バレンタインデーのイベント、水族館での雪の日を経て、自分たちが踏み出すべき一歩を定める八幡たち。そんな奉仕部に、ある大きな依頼が持ち込まれる。その依頼に対して、雪乃が決意と共に出した答えとは…。―たとえ、その選択を悔いるとしても―。時間の流れがいつか自分たちを大人にするのかもしれない、出会いと別れを繰り返して人は成長するのかもしれない。でも、いつだって目の前には「今」しかなくて―。それぞれの想いを胸に抱えながら、八幡、雪乃、結衣が選ぶ「答え」とは。新たなる青春群像小説、物語は最終章へ。 (「BOOK」データベースより)

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バレンタインの水族館でのやりとりをきっかけに、雪乃は母と向き合うことを決めた。妹・小町の受験も一段落したころ、一色いろはから奉仕部にとある依頼が持ち込まれて──終わりの始まりの巻。今月いよいよ完結巻が出るとのことで慌てて読みました。

割といろいろな意味で10巻までが激動の連続で、11巻もラストが爆弾で、そこから始まった12巻は小町の受験やらいろはの持ち込んだ卒業パーティ(プロム)の依頼やらと、どこかこれまでと違った空気を感じさせながらも思ったよりも穏やかな日々が続いていて。水族館のあの日に彼らは戻れないところまで進んでしまったはずなのに、少しなかだるみ感すら感じて。でも、最後の最後で奉仕部の関係に致命傷を与えかねない最大級の爆弾が落ちてきたなと言う感じでした。穏やかで停滞したところから急転直下で転がり落ちていく展開が凄まじい。

最後まで読んでから改めて思い起こせば、小町の受験をめぐる比企谷兄妹のやりとりが濃厚に描かれたのも、葉山やいろはとのとの何気ないやりとりも、最後の陽乃さんの一言のためのお膳立てでしかなかったのだろうと。そしてその言葉は比企谷八幡にとっては一番忌憚していた関係のはずで。年度代わりを前に否応なく変わりゆく人間関係の中で、三人それぞれの葛藤が胸に痛かった。どうなるんだこれ。

陽乃さんの言葉はラストのアレもそうなんですけど個人的には酒に関するやりとりが最高にキたといいますか、そうわかる陽乃さんも八幡もそっちのタイプだよな〜〜ガハマさんとか普通にめちゃくちゃ泣き上戸になりそうだけどあなたたちそっちのタイプだよな〜〜〜…………とてもつらい。

「けど、たぶん君もそうだよ。……予言してあげる。君は酔えない」