死神姫の再婚シリーズ短編集第二弾。過去編を除き、基本的に時系列順になっているのが興味深いというかカシュヴァーン様が少しずつ残念な嫁バカになっていくのがとてもわかりやすい短編集。+「オトキュン!」に収録された学園パロディ短編が掲載されています。
最初の2編はFBオンラインに掲載されたせいもあるのか、序盤のまだまだラブラブには程遠い2人の話。「お手軽新婚旅行」ではまだまだツンツンしてるカシュヴァーン様が大変新鮮でしたが「恋も剣技もお代次第」では既に色々仮面がはがれまくったあとという感じが大変美味しい。剣のお稽古にかこつけてアリシアのキスを強請るカシュヴァーン様まじ残念。
個人的に一番好きだったのはカシュヴァーンの少年時代から『怪物』とよばれるようになるまでを描いた「成長痛」でした。父に疎まれ、トレイスの姉・リリアを父に奪われたカシュヴァーンが少しずつ思いつめていく様子が痛々しい。暴君の道を歩みながら、そして唯一の理解者となってしまったトレイスに依存してそれ故にすれ違っていく。口ではどんな風に言っても最後は自分を信じてくれると思っていたトレイスすら神に奪われたカシュヴァーンが静かにトレイスと決別する姿が、どんなに強がっても父親のように大事な人間を切り捨てる事だけはできないカシュヴァーンの甘さが、切なかったです。
しかし「成長痛」の後に読む「今さら王子様総選挙」の、なんてカシュヴァーン様どうしてこうなっ幸せそうなこと!!シルディーンの内乱を乗り越え、今まで以上に強い絆で結ばれたカシュヴァーンとアリシアの幸せそうなバカップルぶりにニヤニヤがとまらないんですがもう今すぐアリシアを押し倒したくておいしく戴きたくてたまらなそうな、発情期まっただなかなカシュヴァーン様マジ残念!!!
キーワード:小野上 明夜 (37 件 / 4 ページ)
死神姫の再婚 -怪物王子の死神姫-
お腹痛い→お腹壊れる→お腹壊れた→お腹すいた←new!
離れ離れだった夫婦が漸く……!!なシルディーン編・完結編。長い事重く苦しい展開が続いたからこそ、本当に幸せそうなライセン夫婦の姿がもうまぶしくて……まぶしいんですがカシュヴァーン様まじ残念……幸せになった途端臆病になるカシュヴァーン様残念……カシュヴァーン様、アリシアのこと「世界一可愛い俺の嫁」言い過ぎ……(ビクンビクン
長い物語の間に失われた物が大きすぎて、流石にこれは完全に円満な解決は望めないんじゃないかと思っていたんだけど、綺麗に誰も不幸にならない幸せな決着がついて良かった。大変な人に目をつけられてしまった感がはんぱないトレイスや、一度関係をリセットすることになったエルティーナ元夫妻はまだまだこれからといった感じですが。というかまだまだ未練はあるものの表面上はすっかりふっきれたエルティーナと、どうみても未練たらたらなジスカルドの関係はまじで今後に期待するしか…!!
もう本当にこれ以上にないってくらいの幸せハッピーエンドでほんとうに読んでるこっちのおなかがいたくなる。本当に、再婚おめでとうございました!!今後の展開も楽しみにしてます。
それにしても、ゼオルディスを救ったあの人があまりにも予想外でした突然のほmただまっすぐにお互いを好きといえる関係ではないけれど、それでもお互いを見捨てられない男の友情展開が本当に美味しかったですありがとうございましたごちそうさまでしたゼオルディスむしろ今後の登場に期待したい……すごくしたい!!!
「あなたのように醜くて弱い人間は、きれいで強い人間に逆らえないのです。ええ、そうです。逆らえないのです。天の意思です。逆らえないのです。」
「さあ立て!!あなたが馬鹿にしてきたフロリアン・マーベルなどに、救われてしまうがいい!!」
(P116〜117)
死神姫の再婚 -目覚めし女王と夢のお姫様-
カシュヴァーン様が相変わらず残念な色ボケ具合でとても安心した。アリシアはそろそろ真面目に再会時に「私の知ってるカシュヴァーン様はこうですわ!(バーン!)」になりそうな予感がひしひしと……角とか…生えてる……
序盤で安心の色ボケ旦那様にほっこりしたのも束の間、本編はこれまで以上に重い展開。これまでも人死にがないわけではなかったけれど、このシリーズでここまで盛大に「味方」が死にまくるとは思ってませんでした。ゼオルディスとの関係もレネがフォローできる範囲を突破してきて、これまでの束の間の平穏はゼオルディスによって“与えられた”ものだと思い知らされてしまうのが辛い。
ただ、そのアリシアを追い詰めるゼオルディス自身が自らを追い込んでいるように感じて、なんというか色々な意味で痛々しかった。元々アレな人ではあったけど……あと首輪で繋いで軟禁とかエロいです……すごく……エロいです……全然そういうシーンはないけどよく考えるとフェチ的な意味でやってることはエロ小説のようです……
唯一の光明は、これまで散り散りに動いていたアリシアの“家族”たちがいよいよ一つにまとまった事。サブタイトルにもなっている女王様の奮起には(内心色々な葛藤があったんだろうなあと推測されるけどそれはそれとして)テンションあがらざるをえなかった。また、『先生』と行動を共にしていたルアークの心からの本音にも胸が熱くなる。
重い展開も文句なしに面白いんだけど、本当にカシュヴァーンとアリシアが色ボケしてるのが本領発揮な物語だと思うのでそろそろ盛り返し展開が見たいです、となんか毎回書いてる気がするけど。そろそろ一瞬でも構わないので夫婦の再会を!そろそろ糖分不足でひからびそうです!
悪魔が来たりて恋を知る
夢魔と人間の混血のため夢魔としての能力が低く、満足に精気を奪うこともできないミアリ。他の悪魔達ですら苦戦する高潔な聖騎士・ユーシウスを堕落させろという命令を受けて嫌々人間界に降り立つが、あっさりユーシウスに正体がバレてしまった上、彼に飲ませようとしていた媚薬を自分で飲む羽目に!?すっかりメロメロになってしまったミアリを邪険にもできず、自分の部屋でかくまうことになったユーシウスだが……というお話。とりあえず本屋で手にとって帯で盛大に噴出したのは私だけじゃないはず。
序盤の媚薬を飲んでしまったミアリの残念なメロメロっぷりに笑いが止まらなかったんだけど、それ以上に媚薬が切れた後の二人のもどかしいながらも完璧にバカップルにしか見えないノロケっぷりに笑いが止まらなかった。お互いに「「魅了の魔法!」」とかいってるけどそれ単なる恋という名の魔法ですよね!?的な。
主人公2人もいいけど脇役も美味しい。ミアリを良いようにこきつかいながらもなんだかんだで愛着を見せる下級悪魔・アドルニ様の行動にはときめきっぱなしだし、お互い嫌いあっていたユーシウスとカルガが徐々に本当の主従となっていく様子には主従萌えとして本当にニヤニヤが止まらなかった。そしてすっかり確信犯となったカルガがミアリをけしかける様子が微笑ましくて微笑ましくて!!
同時期にはじまった小野上さんの新シリーズ「イノセント・スター」と比べるとややこちらの方がシリアス度が高い感じのストーリーも良かった。続編が出るかどうかは解らないけど、続きがあるならカルガさんの活躍に期待したいです。
イノセント・スター 光を欲する暗黒星
『星』と呼ばれる異能を見込まれて学園に入学したものの、毎回試験のたびに不幸なトラブルに巻き込まれて万年六等星の座をキープしていたエリッセ。能力の底上げを図ろうと禁呪に手を出したら強力な能力を持ち、そして封印されていたかつての一等星・ディガンが現れ、彼女を拉致してしまう。ディガンにより、自分のこれまでの不運が『不幸の星』と呼ばれる禁呪が原因であるといわれたエリッセは呪いを解除するためディガンとともに王宮へ向かうが……というお話。「死神姫の再婚」の小野上明夜さんの手がける新シリーズ。
落ちこぼれでなにかと騒がしいけど前向きなヒロイン・エリッセと俺様系ナルシストな暗黒星・ディガンの凸凹カップル具合がとても微笑ましい。穏やかで優しいエリッセの恩師・グラシカルとの微妙な三角関係もよかったなあ。旅路を進むにつれ、だんだんグラシカル先生LOVEなエリッセへのモヤモヤを隠しきれなくなっていくディガンのヤキモチっぷりが可愛い。
しかし、個人的には天才少年ハーシエルが残念過ぎてやばかった!先生への恋愛フラグはなんとなく見えていたけど、自分に正直になったハーシエルの甘え全開の発言に最初はにまにましたものの、その後どんどん発言が残念になっていく彼の言動にはもう笑うしかなかった。見た目クールでナマイキな天才系ショタなのに甘えた通り越して残念とかある意味新しいよ!!可愛いよ!!
ディガンとエリッセの関係がどうなるかもとても楽しみだけど、2巻以降は色々な意味で脇役組の活躍にも期待したいです。グラシカル先生とかハーシエルくんの活躍を是非!お願いします!
死神姫の再婚 -誰にも言えない初恋の君-
急転直下の新章第二巻。『嫌い』を思い出したアリシアが再び立ち上がり、散り散りになった「家族」達の動きが見えてくる一方でいよいよ追い詰められていくアリシアの様子にハラハラする。死んでないだろうと思ったとは言え、あの人やあのキャラの元気な姿を見れたのは僥倖だったけど。
執拗に巧妙に彼らを追い詰めていくゼオルディスの行動もなんだか色々な意味で真の意図が見えない。なんかわざと国を破滅に導いてる感じもするというか、滅ぼされるのを待ってる的な印象もあって、不気味。真意の見えない『先生』勢力もいて、この不穏な雰囲気はまだまだ続きそう。
これまでとは一転、シリアスな雰囲気の本編も十ニ分に面白いんだけど、やはり早くあの夫婦のイチャイチャが見たい。アリシアの夢が酷すぎて再会の時にどうなってしまうのか逆に楽しみすぎるw
しかし今回は大きく成長したティルナードとセイグラムのやりとりだけでご飯10杯いけます!!譲れないものを守るために自身のトラウマの元凶であるゼオに立ち向かう覚悟と、そしてそれ以上の大きな重圧を覚悟して立ち上がったティルナードも凄いけど、セイグラムの判り辛い過保護っぷりにニヤニヤしました。反撃開始になるだろう次巻がとても楽しみです!
死神姫の再婚 定められし運命の貴方
感染った!!妻に!何か残念なアレが!!
毎回夫婦のイチャイチャっぷりに床掃除が炸裂するシリーズですが今回は開始20Pで既に瀕死でした。アリシアまで何か残念なことを言い出すわ、遂に名実ともに相思相愛になってカシュヴァーン様調子に乗るわで誰も止められない夫婦の暴走っぷりがヤバい。カシュヴァーン様マジ残念。
序盤で散々バカップル全開なライセン夫婦にあてられまくっただけに、その後の急展開が衝撃すぎた。カシュヴァーンと引き裂かれ、章題の通り「ふりだしに戻」ったアリシア。どんな逆境でもその場に順応出来てしまう彼女の性格はどちらかというと後天的に培われたものだったんだなあと実感するエピソードが多くて、胸が痛い。それでもカシュヴァーン達との短い生活を経て変化した彼女の精一杯の『贅沢』が印象的でした。
それにしても、メインでこれだけ色々な話があったのに真っ先に思い浮かんでくるのは序盤の暴走するバカップル夫婦のアレなんですよね……どれだけ破壊力高いんだ。振り出しからのスタート、逆境からの新展開をライセン一家がどうやって覆していくかも楽しみなんですけど、早く、その、元通りのバカップル夫婦が見たいです!!
……多分アリシアは今カシュヴァーンと離れると魔法陣グルグル1巻のククリの如くカシュヴァーン様の脳内美形化が発生して大変なことになると思うので危険だと思うんです。再会したときに「私の知ってるカシュヴァーン様はこうです!!(バァーン!!)」ってなっても不思議じゃない。
死神姫の再婚 始まりの乙女と終わりの教師
死神姫と暴君夫、ついに念願の夜(大事なことなのでもう一度言います)
本編急展開すぎていろいろ大変なシリーズ第10巻ですが、正直前半のシリアス空気を華麗にぶっとばす終盤の破壊力が凄すぎる。アリシアの「差し入れは私」発言がかわいすぎるんですけど、それ以上にその差し入れでうっかり部屋に入れちゃうカシュヴァーンが残念すぎる。1巻では俺様系ツンデレだったのに、もう「残念」という言葉しか出てこない不思議でつまりこんな残念可愛い旦那様に誰がした。
……と、「おなかいたい」がパワーアップして「お腹こわれた」になるレベルの床掃除本領発揮な本巻なのですが、本編では地方伯vs新興領主vs「翼の祈り」教団の対立がついに表面化し、なかなか重い展開。特に教団側の策略で火に包まれたアズベルグの惨状、ディネロの悲痛な言葉には思わず胸が痛くなりました。
しかし、その一方でラストのアレをはじめとして、ティルナードとノーラの結婚お披露目があったり、不仲気味だったバルロイとのあれやこれやもあったりで、必ずしも暗い話ばかりではないのが救いでした。すっかりカシュヴァーンにも負けずとも劣らぬオノロケを発揮しはじめたレイデン夫妻と嫉妬に目覚めたアリシアのやりとりにもニヤニヤが止まらないのですが、バルロイとカシュヴァーンのハイタッチで死ぬかと思った。ハイタッチ……背中あわせ……不肖の師匠……悪友萌えは正義……!!
あちこちから火が上がる一方でまだまだ撒かれたばかりの火種も多く、動きを見せないシルディーン王家に加えてルアークを暗殺者として育て上げた「先生」の不気味な動きもあり。今後がどうなっていくのか良い意味で先が見えません。
死神姫の再婚 5つの絆の幕間劇
「まあ、申し訳ありませんわ、カシュヴァーン様。私、何を協力すればよろしいの?」
「……そうだな。とりあえず、『好き』といってくれるか?」
カシュヴァーン様がますます残念で度し難い人に!!!
物語の幕間を描く5つのお話を収録した短編集。本編でも散々残念な妻バカっぷりを発揮してくださっているカシュヴァーンが一周回ってもはや残念可愛い。カシュヴァーンのアリシアLOVEが炸裂してルアークとマジ勝負したり、アリシアに「プレゼントはわ・た・し」をリクエストしてアリシアの天然ボケに阻まれたり、アリシアといちゃいちゃするために乙女小説にチャレンジして瀕死になりながら猫魔王様にときめいたりします。たいへん(残念)可愛いです。
そしてそれを残念な目で眺めるティルナードもすっかりノーラLOVE炸裂状態だったりするわけですが、彼はセイグラムに初夜の何をてほどきしてもらったんですか。何をてほどきしてもらったんですか何をてほどきしてもらったんですかそこんとこくわしく!!!!!!
短編的にはジスカルドとエルティーナ様のお話が好きでした。典型的な物語のお姫様と王子様のような出会いをして、それでも最後の最後で気持ちを通じ合わせる事が出来ない二人の姿と、アリシアとカシュヴァーンの様子を見守りながらもどこか羨望の眼差しを向けるエルティーナ様の恋心が印象的な、ちょっと切ないお話でした。
死神姫の再婚 恋するメイドと愛しの花嫁
いよいよノーラと婚約することになったティルの所に、直前でゼオ王子が横やりを入れて来て……というお話。
ティルとノーラの身分違いの恋の行方ももちろん気になるのですが、ゼオルディス王子一派とライセン一派の対立が浮き彫りになってきました。来るべきその日を見据えながら、血の繋がりに拘らない絆を確かめ合い、共に歩むことを誓うカシュヴァーン達の姿に胸が熱くなりました。一方で、同時刻にゼオ王子達一派もいよいよ覇権をめぐって動き始めて……次あたりで本格的に激突するのかなあ。いよいよ物語も佳境に差し掛かってきた感じ。
まあしかし、それは置いておいても巻を経るごとに加速するカシュヴァーンの妻バカぶりが最高すぎる!!まさしく文字通り「恋は盲目」状態になってしまって、トレイスやノーラやルアークのしょっぱい視線もなんのその、アリシアの美しさを他の男に悟られてしまわないよう必死なカシュヴァーン様が割と残念な方向にほほえましい。
しかしその一方でカシュヴァーンと出会ったことで少しずつ自らの恋心を自覚していき、年頃の少女らしい恥じらいを見せ始めたアリシアが可愛いのなんの。旦那様とのイチャイチャも少しずつグレードアップしていって、「お腹痛い」も「お腹が壊れる」までグレードアップ。もうほんと、二人のイチャイチャっぷりを見てるだけでも幸せいっぱいになれそうなこのシリーズ。今回も本当にごちそうさまでした。
というか皆がいる前で旦那さまを「懐柔」するべく「色仕掛け」を敢行して返り討ちに遭うアリシア可愛すぎるだろおおおおお!!!!!(ゴロゴロゴロゴロゴロ)