[著]時雨沢 恵一 [絵]黒星 紅白 山の中に80歳前後の長老と10歳くらいの少年という2人の山賊が居ました。彼らは2人とも大きな望遠鏡を持ち、山の下にある道路を見つめています。ある日、そこに緑色のバギーが通りかかり、長老が尋ねます。「さて、あの連中は儂らの"獲物"として相応しいか否か?」……。「山賊達の話」他、全16編を収録。 |
とりあえず今回は最初の「山賊達の話」が最高すぎて笑いが止まりませんお頭!!ストーリーの内容もなかなか凄いですが、挿絵との相乗効果が凄い。見開き2枚目のキノのキラキラッ☆具合に噴出したのは私だけじゃないはず。もうなんというか、山賊少年が青春ど真ん中ストライクすぎます。なんという妄想フィルター…。
個人的に、やはりキノの中編・長編話はあまりツボにこないので短編詰め合わせな今回はとても楽しめました。個人的には「日時計の国」が一番お気に入り。というか、なんとなくそんな予感はしたものの、オチがシュールすぎる。そして普段は役立たずなエルメスが大活躍の回でした。キノにはさっぱりわからない科学的な事を指摘したり、落下地点の計算を瞬時にしてキノをそれとなく避難させる機転など…まるでいつものエルメスじゃないみたいだよ!実はどうしようもないことばかりいってるように見えて、凄いスーパーメカだったりするのでしょうかエルメス。
良い意味でいつも通りであまりコメントすることがないシリーズではありますが、文句なしに面白かったです。やはりこのブラック具合、大好きだなあ。
…それにしても、あとがきはそろそろネタ切……ゲフンゲフン。カバー裏の短編は途中まで普通に気付かなくて「あれ?この話って前に他の巻で出てきたやつだっけ??」とか思ってましたが。