[著]かたやま 和華 [絵]風都 ノリ 兄と共に父の遺した剣術道場を営みつつ、貧乏ながらも慎ましやかに暮らしていた桐緒はとある満月の夜に白猫を助けることに。翌朝、その白猫をつれて彼女の家に現れた男・紗那王は自分のことを九尾の狐だといい、猫を助けてくれた恩返しにこの家に憑いてやる、と言い出して…!? |
直情型で色恋沙汰にうとい桐緒が超偉そうで余裕たっぷりな紗那王やその周囲の妖怪達に振り回される姿が素敵でした。一見男勝りな桐緒だけど、内心では女の子らしい優しさを覗かせてくれるのがなんとも可愛い。そんな桐緒に対して「恩返し」だのなんだのといいながら、気がつけばすっかり御主人様気取りな紗那王の方も、主人である桐緒の無鉄砲な行動をさりげなく心配している様子が要所要所でうかがえてニヤニヤしっぱなし。二人の関係が凄く微笑ましくて、ツボでした!
そしてそんな二人を見守る脇役達も良い味出してる。なかなか進展しない二人を暖かく(?)見守る桐緒の兄・鷹一郎もさりげなくかっこいいし、紗那王のお付きでやんちゃざかりの化け猫少年などなど…魅力的なキャラクターが目白押しで、とにかく飽きさせません。
ただ、個人的には黒幕の正体があからさま過ぎるほどにあからさまだったもんで、その辺だけもうちょっとひと捻り欲しかったような。それでさえそのポジションのキャラは敵になりやすいのに行動が露骨に怪しくて、出てきて5Pもしないうちに「きっとこいつが黒幕に違いない!」とか思ってしまったのはちょっと切なかったかも…(そして見事予想通りの展開に…)
しかし世界観といいキャラクターといい見事ドツボな作品だったので、少し落ち着いたら続編もチャレンジしてみようかと。同じ作者で江戸時代を元にした作品がもう1シリーズあるとのことなので、そちらも気になります。
あと、表紙買いした作品の中では久しぶりに挿絵が非常にツボ。元々挿絵の人は同人の方で予めそれなりに知ってる方だったので元々不安は持ってませんでしたが、「和服にフリル・レース」なんていうある意味ミスマッチになりかねないファッションも上手いこと違和感無く可愛く表現していて、素敵でしたー。
コメント
読んでて飽きないっ!とっても面白いですねっ!!(≧▽≦)