[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける 赤ずきんの「泡禍」が起こった後、蒼衣達は暫く平和な日々を満喫していた。帰りに神狩屋に寄って待機しながらお喋りをし、時々小さな「泡禍」を解決する。こんな普通の日々がずっと続けばいいなと考えながら…。蒼衣と雪乃が出会った“普通の”泡禍にまつわる事件を描く、連作短編集。 |
イソップ寓話を題材にした泡禍…ということでどんどんタイトルの断章の「グリム」という単語が怪しくなって来たのは置いておいて。短編ということで題材の配役等に関する謎解きはありませんが、いつも通りの面白さでした。食事時に読むと後悔する、ちょっぴり(?)グロな展開も健在。しかし、蒼衣は謎解きできないと空気な子なので、今回は見事に雪乃さんスペシャルですね。
見所はやはり表題作となる「金の卵をうむめんどり」でしょうか。生前の風乃と、断章保持者になる前の雪乃の姿は必見。ツンでゴスロリでリストカッターではない雪乃の姿が見れるのもかなり美味しいのですが、生前の風乃の飄々とした世捨て人的な退廃的雰囲気がとても素敵でした。この風乃さんはぜひとも再登場希望。また、同時にこの姉の内罰的な一面こそが、1編目で泡禍を「自分への罰だ」と思い込む少女へ向けて怒鳴りつける雪乃に繋がっているんだろうなあ…とか考えると、その辺もなかなか興味深い短編でした。
やはり「Missing」で感じた程の衝撃がは無いのは残念なのですが、地味に面白いシリーズになってきた感じ。短編も普通に面白かったので、今後もちょこちょこ出していって欲しいなあ。
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