ムシウタbug 8th. 夢架ける銀蝶 | 今日もだらだら、読書日記。

ムシウタbug 8th. 夢架ける銀蝶

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

流星の降る夜、かっこうやハルキヨ、そして多くの虫憑き達は虫憑きの生まれない世界を創るために“大喰い”と対峙する。そして亜梨子の前には花城摩理が再び現れるが、彼女は亜梨子にとって意外な答えを出して……!?
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「ムシウタ」の前史であるbugシリーズ、最終巻。綺麗に終わって本編へと綺麗につながりました。

亜梨子がこの後どうなったのか、そして“大喰い”との決戦の行方は本編を読んでいるとある程度まで結果が示唆されているのですが、予想を超える激しい展開に呆然。ああ、本編で出てこないキャラはこうなっていたのかー…とか、花城摩理が去ったと思えば、今度は亜梨子が……という感じで、一難去ればまた一難の連続。怒涛の展開にただただ翻弄されてしまう。

夢を亜梨子に託していった摩理の言葉に泣いた。亜梨子を信じて犠牲になった虫憑き達に泣かされた。打ちのめされて、絶望して、自分を見失い掛けて、それでも仲間の言葉で立ちあがった亜梨子が“虫憑きを救う”という自らの夢を次に繋げるため取った行動に泣いた。ここんとこちょっと中だるみしてる印象があったムシウタシリーズだけど、久しぶりの本領発揮というか、とにかく盛大に泣かされた。

本編で示唆される通り“大喰い”を倒す事は出来ないし、大助達は多くの仲間を喪い、せっかく亜梨子が繋げた絆もバラバラに……とドン底状態で終わってしまうのですが、それでも亜梨子という少女が起こした奇跡はかっこうやハルキヨ、そして多くの虫憑き達によって受け継がれていくんだなあと、そんな一筋の光明をみたような気がした最終巻でした。

また、詩歌が欠落者から復活した意味やハルキヨの行動原理など本編での謎も幾つか解き明かされて、ますます本編のクライマックスが楽しみになってきました。この「bug」シリーズからたくさんの夢や想いを受け継いでいる「ムシウタ」本編がどのような結末を迎えるのか、とても楽しみです。

っていうか、ハルキヨと亜梨子の関係にとても萌えた私が居るのですがー!!
ハルキヨはもう王子様のごとく亜梨子を迎えに行っちゃえばいい。
そして大助に起こしてもらえなくてふてくされる亜梨子の姿に凹んでればいいよ!!(酷)
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