夜会の再開まで一ヶ月となった夏休みのある日、雷真は硝子に命じられて小紫とともに“魔王”の一人・グリゼルダの内偵をすることに。“紅翼陣”と似た能力“アリアドネの糸”を自在に扱う彼女の戦う姿を見た雷真は彼女への弟子入りを決意するのだが……というお話。
夜会再開に向けた、続にいう「修行回」というやつなんだけど今までになく夜会に存在感あった気がする!これまでの夜会描写が薄すぎたせいもあり、意味ありげに出てきた50位の人が物凄い要らない子になってるのはちょっと本人は泣いていいと思う。あれだけかっこつけて出てきたけど凄さが全く伝わってこないよ!多分この巻、彼が出てこなくてもなんら問題なく進行したと思うんです……
雷真を中心に、色々なキャラクターの成長が見て取れる巻でもありました。特にこれまで家族の仇を討とうと生き急いでばかりだった雷真が学園に戻って真っ先に言った言葉にはニヤニヤせざるをえなかった。自分のできることと出来ない事を見定めた上で、それでも今の自分の力で立ち向かおうとする姿が印象的。雷真と逢えない寂しさを押し隠して学園で素直に帰りを待つ夜々の姿も精神的な成長を伺わせて胸が熱くなる。
圧倒的な力を持つ“魔王”達の戦いや新たな出会いと別れもとてもよかったですが、ラストの「夜会」で相変わらず喧々囂々しながら戦う雷真とロキの姿にニヤニヤが止まらなかったのは言うまでもない。これまで通りの仲悪さでありながら、もはや喧嘩してるどころかじゃれついてるようにしか見えないのは何故ですかもっとやれ!!ロキが味方に回ってくれる事を喜んじゃう雷真はすっかりロキと仲良しですよねわかります。
シャルの腐ったツッコミに全面同意したい。