転生先が少女漫画の白豚令嬢だった 3 | 今日もだらだら、読書日記。

転生先が少女漫画の白豚令嬢だった 3

 

少女漫画の白豚令嬢に転生しながら、再びダイエットに成功し堅実に暮らすブリトニー。しかし社交界デビューの場で、自身を処刑に導く諸悪の根源ヒロイン・メリル(超美少女)と遭遇!彼女と距離を置こうとするも、リカルドと親しくする様子を見てモヤモヤが止まらない。そんな折、リュゼから突然「僕と婚約してみないかい?」とプロポーズされて!?(「BOOK」データベースより)

いよいよ少女漫画の本編がはじまった。婚約を取り消されたリカルドと一緒に居たいブリトニーは、マンガのあらすじ通り王都でアンジェラやノーラと共に学校に通うことに。そこで、アンジェラの妹姫にして少女漫画の主人公・メリルと出会うことになるのだが……。

そろそろ粗筋からも「白豚」要素が消えつつあるのでは…!?と勝手に心配していたのですが、途中でしっかりリバウンドしていて笑った。ダイエット要素は流石に影が薄くなってきたけど、「肥満体系のモブに転生してしまった主人公がダイエットしつつ破滅フラグを折る」という下手すると一発ネタで終わりそうな要素を3巻になってもなんだかんだと絡めつつ悪役令嬢・モブキャラ転生物としてもラブコメとしても両立させてくるの凄い。

もともとの破滅要因は既にほぼ折られているのでどうなるのかと思ったけど、なにかと形を変えながらも概ね「原作通り」に襲来するトラブルの数々に対処していくのが面白かった。外部から悪役令嬢であるアンジェラの体面を悪くしかねない状況があったりして性格が丸くなっただけでは回避しきれないトラブルが発生するのは納得の流れだし、何よりブリトニーの友人として良い方向に向かっていたはずのノーラが自らの劣等感を制御しきれずに暴走してしまう流れが印象的。アンジェラにせよブリトニーにせよそれぞれが生来持っているコンプレックスを完全に克服できたわけではなくて、自分の難儀な一面とずっと向き合いながら生きていかないんだなと思わせる展開が印象的でした。

また、他の「転生者」の登場によって「少女漫画だから」ということで済まされていたちぐはぐな世界観に肉付けがされていくのが印象的で、ただこうなると同時に「破滅フラグを阻止すれば良い」という話でもなくなってきた感じがする。彼らが世界そのものに文化的・技術的な革新を引き起こして不自然な進化を遂げさせているいるのならブリトニー達の存在には別の意味が出てくるわけで……。

などと、本編は割と真面目にファンタジーやってる中で気持ち的には両思いになったブリトニーとリカルドのやりとりが!!超可愛い!!今回は従兄弟のリュゼや王太子マーロウからの求婚みたいな展開もあり、逆ハーレムルート突入か!?の気配も感じたのですけど、ブリトニーがリュゼからの求婚で貴族としての立場と自分の気持ちの間で揺れ動く反面、しっかり気持ちはリカルドに向いているのが大変美味しかったです。新キャラのエミーリャとアンジェラ王女が物語の横で着々とフラグを積み重ねている感じにもニヤニヤするんですけど、あとはノーラに幸せになってほしいなあ。正直今回、ノーラの婚約者の掘り下げが一切なかったの不穏に感じるんですよね……。

物語としては結構巻きに入ってる感じもして、ブリトニーの少女漫画本編での処刑フラグを叩き折ってきれいに終わるのかなとも思うんだけど、一筋縄では終わらなさそうな雰囲気だよなあ。どうなるのか楽しみ。

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