魔王の右腕になったので原作改悪します 2 | 今日もだらだら、読書日記。

魔王の右腕になったので原作改悪します 2

木村
 

魔王さんが幸せになるエンドしか認めません!トールは運命を変えられるか?
異世界に転移し漫画の最推しキャラ《魔王》の右腕になった元社畜OLのトール。原作通りだと大好きな魔王さんは破滅エンドを迎える運命。物語の内容を改悪してでも、彼を幸せにしたいと奔走するが──。「俺様が死んだ後もお前には笑っていてほしい」トールの思いもむなしく、魔王は自らの役目を果たすため彼女の前から姿を消してしまい……!?

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生を諦め死ぬために生きる魔王と、何が何でも魔王に死んでほしくないヒロインのやりとりがどこまでも平行線をたどるのでしんどい前半から、そんなゴチャゴチャは全部蹴っ飛ばし力技に力技を重ねて強引にハッピーエンドに突撃していく主人公の活躍が凄いクライマックスが最高に楽しかった!最後まで謎のままの伏線があったのがちょっと残念だけど、続きはWebでか〜…。

魔王とトールのすれ違いがしんどい

世界に溢れる魔力を吸収し、いずれ死ぬことで世界を保ってきた魔王。肉体の異形化が進み、着々と自らの「死」に向かい準備を重ねていく魔王だが、トールはその死を止めようとして……。

あいも変わらず「推し」の魔王さんに始終ときめいているトールとそんな彼女にタジタジな魔王のやりとりが可愛いんだけど、その一方で死を覚悟した魔王と、原作を改悪してでも魔王の死を阻止したいトールのエゴのおしつけあいが続く前半が正直しんどい。魔王も自分が死ぬことで世界を安定させることしか考えていないけど、トールも「あなたが望むことならなんでも〜」と言いながら、自分の望むことしかしようとしないんですよね。会話してても「対話」は出来てない言葉の押収が、辛かった。

その一方で「魔王さんマジ天使」などと言いながらも、トールの中では「二次元の最愛の推しキャラ・魔王さん」ではなくて自分のすべてを捧げても惜しくはない人として「現実の魔王」さんの比重が大きくなっていくのが印象的でした。「これが二次元であったなら魔王さんが死んでしまうストーリーごと愛してみせる」という彼女の言葉は同じオタクとしてめちゃくちゃ尊いと思うし、でも目の前で死のうとしている彼は、自分に手を差し伸べてくれたその手は現実のもので、だからこそ手を差し伸ばしたい、絶対に救いたいと思う彼女の痛烈な思いに胸を打たれました。

力技に力技を重ねてたどり着く超超ハッピーエンドが良かった!

トールの記憶を消し、勇者に手を汚させないため自ら処刑される道を選ぼうとする魔王。力押しでトールとのやりとりを打ち切った彼に対して、トールが自らの記憶の欠落に苦しみながらも力技で魔王の命を「獲り」にいく終盤の展開が熱かった!

そもそも、勇者も悪い魔法使いも国王すら誰もこの優しい魔王が死ぬことなんて望んでなかったんですよね。そんな中で、彼らが直面した理不尽な運命を魔力のない世界からやってきたトールが科学と魔力の力技で強引に突破していくのが最高にズルい。魔王よりもよほど「魔王」らしい大活躍に震えてしまうし、色々と面倒くさい事言ってる魔王さんを力技で黙らせた主人公がラストのハッピーマリッジエンドに向かって物語を強引にイナズマシュートする展開が最高に好き。

トールの力技ぶりも最高に楽しいですが、終盤は本当に勇者さんのナイスアシスト力というかハッピーエンドクリエイターぶりが輝いてましたね。記憶を失っていたトールを無理やり表舞台に引きずり出したのも彼だし、色々しがらみに囚われている大人たちの気恥ずかしさをも最後に取り払ってくれる、あまりにも純粋なヒーローである彼の視点が眩しくなってしまう。

未消化の伏線が残ってるのがちょっと残念…(続きはWebで)

ちょっと終盤しんどい部分や設定が混雑している印象はあったんですけど、個人的にはこの超ハッピーなエンドとその後のいちゃいちゃ短編が読めただけで満足という部分あります。いや本当に満足度の高いエンディングだったと思うんですよこれ…色々問題が解決して、これまで通りに「天使かな?」ってやってるトールと、そこに「魔王だが」ではなくて「お前の夫だが?」って返しちゃう魔王さんにニヤニヤが止まらなかったです。

トールの異世界転移前の人間関係、「先生」と「兄」そして実崎の関係性がモヤッとしたままだったのは残念なんですが続きはWebで!とのことなので、そちらで続きが読めるのを楽しみにしていたいと思います。

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