王様のプロポーズ 極彩の魔女 | 今日もだらだら、読書日記。

王様のプロポーズ 極彩の魔女

 

世界を統べる魔女の身体と力を手にした少年の、最強の初恋!
久遠崎彩禍。三○○時間に一度、滅亡の危機を迎える世界を救い続けてきた最強の魔女。そして初恋の少女。彩禍の死によって、彼女の身体と力を引き継いだ玖珂無色は誰にもバレないよう彩禍として過ごすことになり!?

どこともわからない場所で血まみれになって倒れている少女・久遠崎彩禍に一目惚れをした玖珂無色。その直後に自分も背後から刺されて意識を失い……次に目を覚ました時には、一目惚れしたはずの少女の姿になっていた!?どうやらひとつの身体の中に彼女と自分、2人分の魂が宿っている状態らしい。とりあえずは「久遠崎彩禍」として、正体を隠して生活を送ることになった無色だが、彼女は世界の裏側で“最強”と目される魔術師『極彩の魔女』で……。

TS(性転換)×学園異能バトル×ドタバタラブコメの贅沢盛り

ひょんなことから一目惚れした美少女と2人で1人の合体状態になってしまった主人公が、自らの正体を隠しながら300時間に一度くらいの間隔で世界滅亡の危機に陥るという世界の裏側でわけもわからぬままに学園異能バトル的な仮の人生を送りながら、自分達を殺した犯人を探す羽目になるというお話。説明が難しいのですが一言で説明するとTS学園異能バトルラブコメになるとおもいます。分類的には憑依モノに近いかなと思ったけど合体なので厳密には違う気がする。

ろくに会話もしていない彩禍に一目惚れした無色が事あるごとに彩禍を褒め称えようとするのがめちゃくちゃ微笑ましかった。真面目な話の最中だろうがなんだろうが、気を抜くといつのまにやら彩禍を褒め称える方向に話が脱線してるの本当に笑う。推しの話をするオタクを遠巻きに眺めるのは健康に良いですが無色くんには同じ栄養素を感じてしまいました。

正体を隠して「彩禍」として振る舞わなければいけないのに、異性にドキドキすると元の姿に戻ってしまうせいでドタバタコメディになってしまうのがとにかく楽しかった〜!線の細い美少年系で普段は柔らかい喋り方をしている無色が「彩禍」として中性的な言葉遣いで尊大に振る舞おうとするのがそもそもとても良いのですが、一目惚れした彩禍への入れあげっぷりとか、その割にすぐ他の女の子でドキドキして姿が変わってしまうところとか、色んな意味で男子高校生なのめちゃくちゃポイント高い。しかも、通うことになった学園には無色の妹である瑠璃(兄大好き)がいたものだから更に状況が複雑に。兄を危険な目に遭わせたくないからわざとそっけない態度で接しようとするものの好意を隠しきれてない瑠璃が、割と妹に対して天然ジゴロな無色や突然同じ学園に入学してきた『憧れの魔女様』こと彩禍に振り回されてしまう姿がとても可愛かったです。

果たして二人を「殺した」のは誰だったのか。シリーズの1巻目ということもあってか割と綺麗に話が終わってたけどその一方で今後の展開を匂わせるような伏線も残っており……無色自身の魔術師としての成長も気になりますし、ごく普通の世界の裏側に300時間に一度は世界崩壊の危機な異能バトル世界が存在する…という設定、ドハデな能力バトルも楽しくて、今後どういうふうに進んでいくのかとても楽しみなお話でした。

それにしても、味方だけど好戦的でかませ犬っぽくてでも実は良い人枠(長い)なアンヴィエット(男)に対してうっかり第四顕現を発動させてしまったときの「お前を花嫁にしてやる」、中の人が無色であることをふまえると性別や立場などあらゆる意味で倒錯的で好きすぎて興奮してしまう。技を使うときの決め台詞(?)がこれなので今後も男女問わず色んな人を花嫁にしてしまうんだろうな。楽しみすぎる。

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