ひょんなことから世界最強の魔女・久遠崎彩禍と身体を共有する関係になってしまった玖珂無色。ドキドキが止まらない二重存在生活にも少しずつ慣れてきた頃、彩禍が学長を務める〈庭園〉と、魔術師養成機関である〈影の楼閣〉の交流戦が行われることになったのだが、なぜか魔術初心者の無色が彩禍と共に代表選手として選ばれてしまう。さらに〈影の楼閣〉の代表として来校した魔術師専門動画サイト『Magitube』の人気配信者・鴇嶋喰良から彼ピ認定されてしまって…!?
ドキッ☆美少女だらけの無色争奪戦勃発!!(※出来レース)
喰良と彩禍による無色争奪戦、というとまるで一昔前のドタバタラブコメラノベみたいな展開に聞こえるんですけど、彩禍の中の人は今は無色なわけで、つまり喰良と無色による無色争奪戦なんですよね。無茶のありすぎる交代劇や二人羽織状態のごまかし方が既におかしいし、出来レースとしかいいようのない展開の数々で腹抱えて笑ってしまった。そこに最強の魔女である彩禍が交流戦に選ばれたと知って対抗して交流戦に参加しようと乱入してくる〈影の楼閣〉の教師ども(学生コスプレ)が加わってくるもんだから本当に笑いが止まらなかった。そしてハイテンションな無色争奪戦から、かつて彩禍が封印した「滅亡因子ウロボロス」を巡るハードな戦いの温度差が凄い。ていうか風邪引く。ていうかあのジジイ無茶すんなのコスプレが後の伏線だなんて思わないじゃないですか……どんなにかっこ良くてもその爺直前まで学生のコスプレしてたんですよって思うともうホント笑っちゃうんですよ……。
無色と融合する前の彩禍ですら倒しきれなかったウロボロスをなんとか撃退したものの、その存在の完全復活を巡って各地に封印されているウロボロスの残滓を巡る戦いが勃発することに。無色自身の魔術師としての力が少しずつ明らかになったり、彼らの正体を知っている存在がちょっとだけ増えたり瑠璃が少しだけ勘ぐったりし始めたりして、バトル的にも人間関係的にも今後がどうなっていくか楽しみな終わり方でした。次巻は渦中の瑠璃の掘り下げ巻みたいだし、喰良が今後どう動いていくのかも気になるし、続きが楽しみだな。
それにしても今回、正体バレした黒衣さんが時折見せる〇〇さんモードめちゃくちゃ良かったですね。無色が気を抜いた途端に不意打ちしてくるのズルい。イチャイチャしやがって!