空戦魔導士候補生の教官9 | 今日もだらだら、読書日記。

空戦魔導士候補生の教官9

 

カナタ不在――E601小隊はバトルロワイアルを生き抜けるのか!?
空戦武踏祭が始まった。まずは三日に渡るオーブの奪い合いという過酷なバトルロワイアル。しかしミソラは、カナタを傷つけた失敗から立ち直っていなかった。その裏でゼスは、人型覇権への新たな一駒を投入する――!

重傷を負ったカナタと別れ、空戦武踏祭の最初の競技・第九人工空島を舞台にしたサバイバルに参加するE601小隊。ところが、自分を庇って負傷したカナタの姿にショックを受けたミソラが戦いに集中出来ず、思うように戦えない。更には大量の《アスモデウス》を引き連れたリーゼリットが島に襲撃を仕掛けてきて参加者の多くが脱落してしまう。同じ《ミストガン》の正規代表チームであるA177小隊の隊長ミーナ、《ファルシオン》の隊長ノエルと共に、逆転の糸口を探っていくが……!?

「カナタの教え子代表」として戦うミソラ達の姿がアツかった!

カナタが第一人工空島地下都市で自らの呪力と対峙していたのと時を同じくしてリーゼリットと彼女が操る《アスモデウス》に襲われ、四面楚歌状態で孤軍奮闘するE601小隊の奮闘を描くお話。

ミソラ達の戦いも凄く良かったけど、彼女達に付き添うミーナ先輩からの視点が凄く良かった……かつてのカナタのライバルとして、そして現在はもうひとつのミストガン代表チームのリーダーとしてミソラ達とカナタの関係を見守ることになった彼女が様々な思いを抱えながらもカナタの代わりにミソラたちを導いていく姿が熱い。また、カナタに近しい者以外の視点からかつてのカナタの『裏切り』が描写されるのも印象深かった。ミストガンの周囲の人々からカナタへの当たりが妙に強いなというのはずっと思っていたんですが……カナタが意図的に煽ってたのね……。

他の生徒たちと同じように一度はカナタに憧れて裏切られたミーナがE601小隊とカナタのやりとりを通してその真意に触れ、彼の意志を受け継いだミソラたちを護り、思いを託そうとする姿がとても良かった。いや本当に、ミーナのミストガンの代表ではなく、カナタ・エイジの教え子代表でいろという言葉がまさに今回の全体を表す言葉だったんじゃないかなと。そしてその通りにカナタの教えを背負ったミソラ達があぶなっかしいながらも手探りで事態の収拾に当たる展開が多かったのも印象的でした。それにしても隊長副隊長のWトップ体制となった新生E601小隊、思った以上にリコがミソラに振り回されていて微笑ましくなってしまう。普段はマイペースな問題児という印象が強いけど、実際のところめちゃくちゃ面倒見が良くて苦労人な一面もあるんですよね彼女。

ミーナやノエル、そして新たな力に目覚めたカナタの助力も受けつつ、《崩力》を使うリーゼリットと彼女により強化された大量の「敵」を抑えることに成功したE601小隊。大番狂わせによって大幅に候補が絞り込まれてしまったとはいえ参加チームのなかでは文句なしに「最弱」だった彼女達が自らの力で脅威を跳ね除け、空戦武踏祭の次の戦いへの切符を掴み取る展開がとても良かったです。というか生き残ったチームの内で《ベベル》と《コウライ》は普通に襲撃の被害を受けてないし、《ファルシオン》はノエル以外のメンツが早々に離脱してしまっているのでリーゼリットに対抗出来たのって実質E601小隊だけなんですよね。大きな成長を遂げたミソラ達の次の戦いがとても気になるところなのですが、一方でカナタは教皇派と人形魔甲蟲派に自分を巡っての話し合いをさせるように持ちかけていて……!?色々な意味で先が読めなさすぎる展開で、続きがどうなるのかとても楽しみです。

それにしても要旨かいつまんで説明するといい感じに言及する隙のない、パシリバーくんの絶妙な存在感よ……いや、普通に良いキャラなんですが……。

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