いまだ現在進行中で退学の危機のリクスに、エストリア公国の公女であり生徒会長のルティルが何故か急接近。彼女から生徒会に誘われて単位欲しさに快諾したリクスだが、彼女と入学前から縁があるセレフィラは不信感をあらわにする。一見穏やかな優等生に見えるルティルには、どうやら裏の顔があるようで……!?
生徒会の渉外やってるリクスの短編、超読みたい
いやルティル先輩良いキャラでしたね!おっとりした優等生──とおもいきや裏では目的のためには手段を選ばず甘い笑顔や魔力で周囲の人間を都合よく操る悪女、そしてその真実は……!?ということで、果たさなければならない目的のために《黎明の剣士》の能力を利用しようとリクスに近づいたルティル先輩が、これまで自分が利用してきた男達とは一味違ったリクスの行動に翻弄され、逆に頑なになっていた心を解かされてしまうというお話でした。予想以上に内心が真っ黒で男性不信状態のルティル先輩が予想外のリクスの行動に困惑しているのが面白かったし、リクスの裏表のない反応に少しつづ年頃の少女らしい心を取り戻していく展開が大変良かったです。しかし毎巻ヒロイン候補(?)が増えていくな。今回はとにかくリクスの「傭兵」時代の経験が本領発揮、戦闘面でもそうですが、彼が傭兵団で培った人誑しぶりが遺憾なく発揮されているのめちゃくちゃ良かった〜。1巻は魔術を学ぶ学校に通うただひとりの魔術を使えない剣士、2巻では成績不良で何をやらかすかわからない問題児にしてトラブルメイカー……というように、問題児としての一面が強調されていて学園内で浮いてる描写がめちゃくちゃ多かったんですが、本来の性格は人懐こくて周囲を取りまとめる能力が高く(傭兵という特殊な世界の中であるとはいえ)世慣れした人物なんですよね。今回は“傭兵”でも“黎明の剣士”でもないリクス自身が後天的に培ったパーソナリティーが状況に綺麗にハマって、状況が上手く回ってるのが気持ちよかったです。
生徒会で「渉外」担当になった彼が暴力や権力には頼らず、学園の生徒達では思いもよらぬような方法(主に酒宴)で学園内のトラブルを解決していく姿は今回はざっくりとしか描かれていませんでしたがめちゃくちゃ楽しそうで、いつかしっかり枠を取って掘り下げてほしいです。というか今後も学園内のトラブル請負人家業続けてほしいし生徒会に所属できる2年生になってからでもいいのでリクスが学園内のトラブルを解決するのがメインの日常短編をドラマガでやって欲しい。ロクアカの現在の展開終了後でいいので……そういうの読みたすぎる……(でもロクアカも当分終わらないで欲しいという未練はめちゃくちゃにある)
バトル的にはリクスがひとつの壁を乗り越えて大きな成長を果たす回であったし、《祈祷派》というか祈祷魔法の恐ろしさを改めて感じさせられるお話でもありました。シノの前世の話も改めてそうだし、《祈祷派》に対して憎しみすら感じていたルティル先輩が祈祷魔法でああなっちゃうのは普通に恐ろしい。
そしてリクスはルティルとの戦いの最中、自らが使う“光の剣閃”のさらなる高みに辿り着き……自らを削ぎ落とし一本の剣とすることで完成するといわれる“光の剣閃”、そしてその先にある銀色の光──ってやっぱりアレっぽいんだよなあ……スターシステムで片付けるには類似点が多すぎるので、この辺どう絡んでくるのかも大変気になります。