声優ラジオのウラオモテ DJCD | 今日もだらだら、読書日記。

声優ラジオのウラオモテ DJCD

 

声優からマネージャーまで、本編にはないウラ話を聴けるスピンオフ!
声優事務所のマネージャー、加賀崎りんごは思い出していた。自分がこの業界に入るきっかけになった大学の先輩のことを。「わたしでは、あの子たちを幸せにできない」と言って事務所から去って行った、優しすぎた先輩のことを……。 コ―コーセーラジオのやすみ誕生日回! 朝加の担当しているラジオで修羅場が巻き起こる! 乙女がライブ後に行う”堕落の会”とは……? 由美子や千佳といったメインキャラも、いままであまりスポットライトが当たってこなかったあのキャラも……。 TVアニメやコミカライズなどメディアミックス展開が目白押しな『声優ラジオのウラオモテ』、そのキャラクターたちのウラ話を描く、スピンオフ作品!

10月12日は声優・歌種やすみの誕生日!コーコーセーラジオでも彼女の誕生日回が放送されることに。それに合わせて由美子にプレゼントを送ろうと決意した千佳だったが、何をあげたら彼女が喜ぶのかわからず悩んでしまう。対して、3月15日は渡辺千佳の誕生日。誕生日に何が欲しいか直接聞いた由美子は、千佳からこっぴどく怒られてしまって……!?

一般声優ファン女性藤井杏奈ちゃんの短編定期的に摂取したい

主役ふたりの微笑ま可愛い相互誕プレ話から始まる、「声優ラジオのウラオモテ」シリーズの短編集。由美子のマネージャー・加賀崎りんごの過去と現在の物語を中心に、本編の裏話や幕間・サブキャラたちの意外な素顔を描くスピンオフとなっていました。

どの話も良かったけど、特に職業声優一般声優ファン女性藤井杏奈ちゃんもとい柚日咲めくる先輩関係の短編の安定感が凄まじい。本当に彼女の話って何やっても面白すぎるので今後も定期的に摂取したい。タイトル通りの内容の『めくる、佐藤家にお泊まりする』、出張で新幹線に乗ったら桜並木乙女と夕暮夕陽に左右を挟まれてしまう『柚日咲めくるのサンドイッチ』どっちもホントに最高でした。いやもうタイトルとあらすじで色々と察して欲しい。たいへんだ。

あとはやっぱり主役二人のドタバタ話は別の意味で安定感というか安心感がある。一番最初に入っていた誕生日プレゼントの話とか本当に可愛かったですね。興味がないといいながら必死にサプライズしようとがんばるけどな〜んか納得いかない千佳、良くも悪くも自然体すぎて千佳にキレ散らかされるけどなんだかんだで最後はしっかり完璧なプレゼントによって千佳のハートを掴んでいく由美子……良い意味でいつもの関係性が詰め込まれていて最高に可愛かったです。

加賀崎りんごの因縁話、今読むと色んな意味で沁みる……

とにかくどのお話も可愛くて面白かったのですが、一見繋がりのない短編集の物語達をまとめて読んでいくと加賀崎りんごと彼女が声優のマネージャーをやることになるきっかけを作った大学の先輩・南雲沙希の因縁の物語『加賀崎りんごのウラオモテ』に帰結していく構成が凄い良かった。明るく楽しい物語の裏でこっそりと進行する、南雲が立ち上げた声優事務所カラメル・プロモーションによる引き抜き騒動。かつて憧れた先輩の背中を忘れられずにいたりんごがその変貌に大きく心を揺らされながらも、由美子のために彼女の手を取らないという選択をする姿が印象的で。

加賀崎の視点から語られる声優・歌種やすみの過去と現在も凄く良かった。本編はデビュー三年目崖っぷち声優の状態から始まるのでわからなかった、デビュー直後の彼女が見せた不思議な魅力。担当声優に対してできる限り私情を挟まないようにしようとしていた加賀崎の心の障壁を打ち破り、なんとしてでも売ってやろうと入れ込んでしまったのに、事務所の意向や何やらもあってなかなか機会に恵まれなくて……もどかしい思いを隠して由美子に接する姿に胸が熱くなりました。いや、彼女が由美子のことを高く評価してくれているだろうことは知っていたけど、こんなにも推してもらえてたんだなあ。

南雲の立ち上げた事務所が作り上げる所属声優に優しくて温かい世界では多分ダメだった、これまでの様々な逆境がなければ「声優・歌種やすみ」は輝けなかった──結果論かもしれないけど絶対にそうだとおもうんですよ……。でも一方で本編最新刊(12巻)を先に読んだ身としては、「あの展開」を受けたりんごちゃんがなにを思ってたのかに思いを馳せてしまう……いやあの話の前にこの話やったのめちゃくちゃ人の心がないでしょ絶対りんごちゃんあの事件の時にこの件思い出しちゃうでしょ……。

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