うららの記事一覧 | ページ 189 | 今日もだらだら、読書日記。

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ムシウタ 06 夢導く旅人

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

虫憑きであることを隠し普通の学生として生活していた鯱人の前に虫憑きを集める極秘機関“特環”のスカウト獅子堂戌子が現れる。特環本部に代わり、彼女の“レッスン”を受ける羽目になった鯱人の前に、以前かっこうが倒した筈の虫憑きを生む存在のうちの1人“浸父”が、再び姿を現し…。
 

bugシリーズではないのですがかっこうもふゆほたるも出てこない、ある意味外伝的位置付けの作品。特にかっこうこと大助が直接出てこなかったのは全シリーズ通して初めて?
今回の見所はやっぱり戌子と鯱人の師弟関係だと思うのですが、あらゆる意味で“似たもの同士”な二人のでこぼこ関係が非常に良い。実際は更にそこに梨音を加えて三角関係ですが(笑)

また今回は作品通してのテーマである“夢”に関しても考えさせられました。虫憑きにとっては無くてはならないものであり、生命線とも言える夢ですが、それが本人にとって望んだ夢ではない場合もあるということで。霞王の話でも考えさせられましたが戌子と鯱人は規模が…。

ていうかなにより今回は戌子のキャラがイイ!!傲岸不遜の性格から飴がないと生きていけない身体とか、その身に秘めた重い決意とか…何から何まで良すぎです。エピローグの彼女の最後は本当に涙モノでした。梨音もなかなか美味しかったですが戌子のキャラが強烈過ぎて。鯱人の人の変わりようもかなり強烈だったんですけどね(笑)今回は括弧文すら無かった大助もちゃんと最後の最後でいいところ持ってってます。

特環や侵父の秘密なども明るみになり、次からは本格的に話も動き出すとのことで、これからも続きが楽しみな作品です。


フルメタル・パニック! 燃えるワン・マン・フォース

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発売:2006.1
発行:富士見書房
[著]賀東 招二 [絵]四季 童子
久しぶりのフルメタ新作。

ミスリルが壊滅状態になり(というかそう思い込んでるというか…)、かなめを攫われ再び一人になった宗介が日本を遠く離れた紛争地帯で敵対する「アマルガム」の情報を得る為孤軍奮闘する姿を描く。
…というストーリーのあらすじからも想像されるとおり、前作を超える重さを引きずってます。
この他にもゲストヒロインが可哀想な目に遭ったり、宗介の過去が暗示的に出てきたりします。

しかし、それにもかかわらずこの作品は熱い。
タイトルの通り「燃える」作品に仕上がってます。

前回で壊されてしまったミスリルの最新鋭兵器「RX-7アーバレスト」に変わり宗介の愛機として登場するのはオンボロのソ連製AS「サベージ」。
今までは最新鋭機VS最新鋭機の超能力バトルっぽい所があったんですがその最新鋭機をオンボロサベージがパイロットの機転と実力で打ち破っていく姿は非常に熱い展開でした。

しかし、その中でもこのオンボロサベージの名前(クロスボウ)を宗介がほめたり、AIに「アル2号」と名づけたり勝手にアーバレストカラーにしちゃうあたり、かなり胸がキュンとなりました。
本来の自分の居場所に身を置いたからこそ、かなめたちと過ごして自分がどれだけ変わったか気づいてしまい戸惑う(傭兵としての)宗介の姿が印象的。逆に、傭兵の性なのか少し離れただけなのにかなめの記憶が曖昧になっていくことに戸惑う(ただの高校生としての)宗介の姿がなんとも哀しい。

「俺はもう傭兵ではない、ただの男だ」という言葉が胸に響きます。

最後のクラマとの戦いはもう痛々しいわ哀しいわで本当に胸がしめつけられるんですが、続編が久しぶりすぎて「クラマって誰?」という気分になったのも否めないのですが…次はぜひとも内容忘れないうちに続編出してくださいorz

ラストで遠ざかる意識の中必至にかなめの名前を呼ぶ宗介が痛ましいのでとっとと出してくれないと暴れます(待て)
正直短編シリーズとか落ち着くまでお休みでいいから本編をどんどん出して欲しいです。
短編シリーズは今の状態で出されても本編がああなってしまった以上切なくなるだけで…。

しかし、Wikipediaで宗介の幼少時設定のネタバレ読んじゃったんですがなんですか、萌えポイントにジャストヒットでどうしようかとおもっt(強制終了)


エアリアルシティ

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[著]川上 稔 [絵]中北 晃二
メディアワークス(2001.12)

「都市シリーズ」第二作。
文字によって記述され、天使や悪魔が住まう“架空都市”倫敦。本来ならば人間の踏み込むことの出来ないその都市に現れた3人の人間が侵入し、その事件は始まった…。

えーと実はわたくし、読み終わったあとでもいまだにこの世界の設定をイマイチ把握しておりません。何の説明も無くその世界の特殊用語が連発で出てくるので、「???」のまま物語が進みます。こちらのサイトにて世界観について詳しく解説されていますが結局本文を読んだままでは意味がわかりませんでした。

世界設定を理解できれば物凄く「独創的な世界観を描いた、面白い小説」として評価出来るんですが…個人的に世界設定を公式以外の部分の助けを借りなければ理解できないってのはどうかと。続編となる「香港」やTENKY通販限定の「創雅都市S.F」を読むとそれなりに理解できるそうですが、実際続編ってその前の話が面白いとおもわなければ読まないとおもうんですけど。実際私も「終わりのクロニクル」は1の上巻で一度挫折しているので…。
やはり世界観解説はちゃんと「エアリアルシティ」の中で完結させるべきだとおもいます。

キャラクター・ストーリー設定は普通に良いです。
対照的に見えて実は“似たもの同士”な主人公達の関係とかは非常に良いです。クラウゼルとモイラの関係とか特にオススメ。猫娘と警部のでこぼこコンビがまたいい(笑)

ただ、キャラクターや引き込まれるストーリーは文句なしなのですが、やはり世界観設定についてが納得いかないので評価低めで。作者買いだったからそのまま続編読むけど表紙に惹かれたとかそういう理由で単独買いだったらここで読むのやめてる危険性高いしなー…。


円環少女(1) バベル再臨

[著]長谷 敏司 [絵]深遊

魔術を見ただけで消してしまう人間たちが住み、“地獄”と恐れられる地上に堕とされた魔術師の少女メイゼル。この地獄から抜け出すには、地上で魔術を悪用する魔術師たちを100人倒さなければいけない。彼女は監視役の武原仁と共に魔術師たちと戦いを繰り広げる。
 

とにかくこの作品の醍醐味といったらヒロインのメイゼルが可愛い事だと思うんですが(笑)ツンデレな行動やドSな行動にもかなり燃えましたが特に「せんせ」って呼び方が可愛い!ロリ属性が全く無い私までうっかりキュンとなった!

まさに「ツンデレ」ヒロインの王道。しかしツンデレ通り越して思いっきりサディストなヒロインな気もしますがそれはそれで良し。同性の同級生を涙目にそそられる姿なんかヒロインとしてどうかとおもいますがそれもそれで(略)

メイゼルは論外ですが脇役の女性陣が非常に良いです。十崎京香の豹変ぶりや神和瑞希のツンデレっぷり、そして敵側ですがジュルベールやエレオノールもかなり好きでした。

特にジュルベールは女狐中の女狐という感じで非常に良かったです。こんなの誉めてもどうかと思うけど死に様が見事すぎです(笑)

対してストーリー的の根幹的にはかなり重いです。魔術師達と人間達との深い差別や溝とかサブヒロイン?のきずなと父親の関係とか。また、魔術のシステム的なところが結構細かくて長ったらしい。結局魔法システムなんか半分位しか理解しないで読んでた気がする。レビューサイトの殆どで浅井ラボや川上稔と同系統に分類されてましたがその辺は思いっきり同感ですね。「終わクロ」の1巻の読破に散々てこずり、「され竜」は序盤でリタイアの私には魔法設定の解説あたりで結構だれの来る作品でした。

ただし、後半はそのだれを払拭するかのような急展開に急展開を重ねた展開だったし、逆に言うとこういうシリーズは基本設定の説明の終わった2巻以降が勝負だと思うので続編がかなり楽しみな作品です。


パンツァーポリス1935

オンライン書店ビーケーワン:パンツァーポリス1935パンツァーポリス1935


[著]川上 稔 [絵]しろー大野
メディアワークス(1997.1)

「都市シリーズ」や「AHEADシリーズ」の川上稔のデビュー作にして、「都市シリーズ」第一作。

舞台は第一次世界大戦後の独逸。人々が夢見た宇宙への進出は打ち上げられた宇宙船が帰還不能になるという悪夢のような事故をきっかけに諦められていた。そしてその事故から15年…再び宇宙に上がるため開発された「成長する」飛行戦闘艦を巡って闘いが繰り広げられる。

友のため、父親の為、そして自分の進むべき道の為に軍に逆らい宇宙を目指す…という設定からして非常に熱い。一昔前のジャンプ漫画三大原則(「友情」「努力」「勝利」)を忠実に守っている小説です。各キャラクターも生き生きとして非常に魅力的。特にヒロインのエルザが非常にカッコいいです。

川上さんの小説は全体的に設定が非常に細かく、導入部分で激しくだれるのが個人的にはネックなのですが、この話はデビュー作という事もあり、全体的に判りやすい世界設定になっています。個人的にはこのくらいスッキリしてる方が読みやすくてよいかも。結構色々と無茶や強引な部分があるというレビューが多かったですがテンションと話を読ませる力が強いので私はあまり気にならなかったです。また、敵も味方も悪い奴はいないというかそれぞれの信念を持って闘っているという所が非常に清清しい。どこかスポーツの試合でも見たような独特の読後感の良さはやっぱり癖になります(笑)

なんか自分の感想とよそのレビューを読んで総合評価すると「よくも悪くも古きよき時代のジャンプ漫画な小説」ってイメージでしょうか。ジャンプ読者じゃないのでなんともいえませんが三大原則は踏襲してるとおもう。


ムシウタ 05 夢さまよう蛹

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

記憶を取り戻したかつて大助の姉、千晴は茶深と協力して"かっこう"こと大助の行方を追う。
その頃、姉の失踪を知った大助は特環から離れ、単独で虫憑きを生み出す"最初の3匹"の一人、"大喰い"と接触しようとしていた…
 

大助が虫憑きになった理由、大喰いの能力や"3匹目"の正体など
どんどんストーリーが核心に近づいてきました。
大助・千晴の関係もさることながら茶深一味が凄い良い味出してます。
もうほんと、茶深には幸せになってほしいって感じです。
こういう小悪役っぽい子は下手すると最後ら辺とかでヒロインかばって
死ぬとかそういう役回りしそうで怖いんですよね。

それはいいけど茶深の能力って結構美味しい気が。
彼女の能力は正直サポート系になっちゃうので本人的には不本意でしょうけど。

大喰いの能力はほんと反則ですね…。
彼女の能力を知った魅車副本部長がどう動くかも今後楽しみ(というか不安というか)

個人的には千晴のお姉ちゃんっぷりに萌え!


ムシウタ04 夢燃える楽園

オンライン書店ビーケーワン:ムシウタ 04.ムシウタ 04.


岩井 恭平〔著〕
角川書店(2004.10)

どうしようこの作品脇役が美味しすぎて思わず主人公たちに対する言及忘れがち(笑)
大助も詩歌も美味しいキャラではあるのですが
3・4巻は特に他キャラ視点であるのが原因なのかな…。

今回は特環職員の菰之村茶深と一般人の鮎川千晴を中心に
ストーリーが展開します。
レビューをざっと見るとあまり評判よろしくないけど、
茶深がマジで良いです。インパクトとしては3巻の初季以上かも。

自分の能力が低いのをコンプレックスに持ちながら
「いつか私が主人公になるのよ!」って心意気からもう良いのですが
茶深曰く「手駒」に対する感情が複雑で凄く好き。
「手駒が自分より先に死ぬのは許せない」って我侭のように言いながら
本心では凄く下僕大事にしてるんだなあ、っていうのが。
ぶっちゃけ割合今流行のツンデレタイプの女の子だと思うのですが、
評判悪いのはツンツンしすぎだからですか?(笑)

天真爛漫の千晴とツンデレ系の茶深のコンビはかなり好き。

"むしばね"に拾われた詩歌の方も、ひとつの転換地点に差し掛かります。
今まで戦うことに否定的だった詩歌が茶深や怜司との出会いを通して
戦うことに意義を見出していく過程は凄く良いと思います。

同時に今までも何度かクローズアップされてきた利奈の存在が
また大きくなってきた感じ。
1巻で死んでからまったく出番の無いキャラなのに
彼女の存在感は非常に大きく、それが印象的でした。
(ていうか、主人公たちよか存在感でか…ゲフンゲフン!)

さて、最後で展開が一気に加速してきました。
続編が気に…ていうか実はこれ書いてる時点ですでに読んじゃってるんですけど(汗)


とある魔術の禁書目録(インデックス) 2

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

記憶を失ってしまった上条当麻は、目覚めた時に枕元で泣いてくれた少女のため、自分が記憶をなくしている事を隠して「今まで通り」生活することを決意する。そんな彼の前に、巫女さんの格好をした少女・姫神が現れて…

 

普通だったらヒロイン以外は事情を知っていて、相談に乗ってくれたり
するものだと思うんですが、周囲には一切事情を話さず、記憶喪失を
自分ひとりで背負って生活していく姿がすごいです。
ヒロインだけでなく、周囲全員を「知ってるふり」して生きていくっていうのは
本当に大変そうなのですが…。

今回のメインは学園都市に巣食う、錬金術師達のグループと対決。
“吸血鬼殺し”の能力を持つ巫女さんも出てきて展開的にはいろいろ萌え系なのですが
内容はかなりディープかつシリアスです。
錬金術に関するマニアックな(笑)講義も出てきたりして
すっかり錬金術=「ハガレン」のイメージな私には驚きの連続でした。

インデックスを巡る保護者対決も見逃せません(違)


とある魔術の禁書目録(インデックス) 3

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

当麻をライバル視している電撃少女でレベル5能力者の御坂のDNAマップを解析して作られた2万人の「妹達」。彼女達を利用したレベル5能力者をレベル6にするための実験に憤りを感じた当麻と御坂は実験を止めようと動き出すのだが、その前に学園都市最強の"レベル5"・一方通行が立ち塞がる…!
 

今回は第一回で出たまますっかり存在忘れられてた、
このビリビリ少女(笑)がメイン。
第二巻ではまったく出てこなかったので存在自体忘れられてるかと思ったよ…!

個人的には御坂のような男勝り少女は大好きなので
かなりおいしい話でしたv(笑)
更にいえば綾波系な妹達がまた可愛い!
しかし「綾波系」というよりもまんま綾波ですよね設定が…
「私の代わりはたくさん(略)」系。

鬼のような強い能力を持っている敵は肉弾戦に弱いというオチは最早定番ですね(笑)


空の境界(下)


[著]奈須 きのこ
[絵]武内 崇

 
上巻を読んでから半年以上が経過しているため、
内容を思い出すのが死ぬほど大変でした(汗)

各登場人物や敵の正体も少しずつ明らかになり、
最終話では式の記憶を失うきっかけになった事件の真相に近づいていきます。

男勝りだけど実はとっても女の子らしい式の姿がとても可愛いですv
最後の話が本当にラブラブで。
オチはロミオとジュリエットオチかー!?といささかあわてましたが。

おねーさん好きとしては燈子先生が好みです(聞いてないし)

久しぶりに小難しい本を読んだ気がします…。
電撃系のラノベ慣れした私にはいささかきつかったですが
読み応えがあって面白い作品だと思います。