huke | 今日もだらだら、読書日記。

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STEINS;GATE─シュタインズゲート─ 円環連鎖のウロボロス(1)

   
原作
5pb.×ニトロプラス

秋葉原の地を舞台に、狂気のマッドサイエンティスト「鳳凰院凶真」…を自称する厨二病大学生、岡部倫太郎の時空を超えた物語が始まる。過去に送信できる「Dメール」が引き起こす、原作ゲームと似て非なる世界線の目撃者となれ!―ああ、すべては「運命石の扉」の選択のままに。―エル・プサイ・コングルゥ―。発売以来、絶賛と熱狂をもって迎えられた想定科学ADV『STEINS;GATE』が小説として再臨。(「BOOK」データベースより)

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Xbox360で発売されたADV「シュタインズゲート」のノベライズ。原作はクリア(というか実績1つ除いてコンプ)済み。

原作の展開に忠実なノベライズ、かとおもって読んでいったら少しずつ行動によって引き起こされる「結果」が変わっていって、その違和感にゾクゾクする。最初は小さな違和感だったのが段々大きくなっていって……フェイリスがDメールを送るくだりでは予想外の展開に呆然とした。

基本の展開は原作に忠実にChapter6の途中のあそこまでなのでPC版を買うかどうか悩んでいる人はとりあえずこれを買って気になったらノベライズ後半を待ちながらPC版をプレイするのもアリかも。フラグをじっくり立てていって、お膳立ては整ったさあフラグ回収するぞ!とトリガーを引いた瞬間に終るようなものなので多分これ、原作未読で読んだら居ても立ってもいられなくなりますよね…ニヤニヤ。

同時に、前半でたてられたフラグの内容が結構変えられているので当然解決法も変わってくるはずで……原作プレイ済の人でも(帰結する場所は見えていても)先が見えないという展開がニクイ。ちょっと分厚い上に序盤は大体原作と同じ展開なのでハードル高いかもしれませんが、原作プレイ済の人でも新しい気持ちで楽しめる内容になってますので、オススメ。

しかし「知りすぎた」のメールはやっぱり添付画像がないとインパクト薄くなるなあ……。


STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐ 円環連鎖のウロボロス(2)

   
原作
5pb.×ニトロプラス

「跳べよぉおおおおおおおっっ!」タイムリープ・マシンと化した“電話レンジ(仮)”を使い、岡部倫太郎は「世界」に戦いを挑む。―椎名まゆりに降りかかる悲劇を回避するため。―その先に待つ、残酷な真実を乗り越えるために。想定科学ADV『STEINS;GATE』の知られざる世界線が描かれる、もうひとつの真実がここに。 (「BOOK」データベースより)

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「シュタインズゲート」のノベライズ完結編。原作と細部の流れは違うけど、これもまた紛れもなく同じ『シュタインズゲート』へ至る物語。

かなり細部に渡って展開が変わってきているので、原作と同じ展開を辿っていてもまた新たな気持ちで楽しむ事が出来ました。初めてタイムリープしてどうしても8月13日を抜け出せないときの閉塞感は原作とおりに凄いんだけど、最後にまゆりと「彼女」を天秤にかけなければいけなくなった時のオカリンの葛藤は原作以上だった。散々二人ともを救おうとして失敗したオカリンが、血を吐くような気持ちで彼女にあの一言を伝えた場面では思わず涙が零れました。

フェイリス・ルカ子の話が大幅に削られた分、原作では徹底して蚊帳の外だったまゆりとダルにピントが向いているのも面白かったです。ていうか原作よりも「スーパーハカー」ダルの天才性が強調されていて、天才タイプの2人に囲まれて自らの凡人さを自覚していて時折無力感に囚われる岡部という構図が凄く好みだった。そして二人の天才に対して岡部自身は本当に「努力」の人なんですよね。様々な可能性世界での「彼」が様々な世界で途方も無い努力を重ねたことで見出した“シュタインズゲート”という可能性。そこに至るまでの軌跡を想像するだけでもやばい。オカリンがゲーム序盤で見た謎の「夢」の正体は別の可能性での自分自身の記憶だったんだろうなあ。あとバレル・タイターまじかっこいい(ネタバレ)

そして原作でも有数のトラウマシーンであろうアレ(ヒント: 幼 女 怖 い )は原作以上にヒドいことになってたなあ!!(一応褒めてる)挿入された挿絵の威力半端ない同世界線で「オカリンとクリスちゃんをくっつけるために」「がんばってる」まゆりの姿が描かれますが、よりによって綯のあのシーンで一緒に描かれるせいでホラー3倍増し。ぶっちゃけ、「あの」まゆりはタイムリープを繰り返した結果“狂ってしまった”まゆりなんじゃないかなあ……などと思ったりしました。問題はあの彼女が本当に“あの世界線上だけの存在”なのかってことなんだが。バレル・タイターがまゆりに関する警告をしたのは別の世界線での話って考えると他の世界線でもかなりの確立で“ああ”なってる可能性は……(以上ネタバレ)

900P近いページ数を一気に読ませる、ジェットコースターのような展開に感動。個人的には原作プレイしてから読むのを推奨したいですが、このノベライズ単独でも十分楽しめるお話になっているので「原作はやってないけどやろうかどうか悩んでる」みたいな人が読むのもアリなんじゃないでしょうか。



Steins;Gate(限定版) 特典 電話レンジ(仮)マスコット付ストラップ付き

でも皆原作もやるといいよ!!
かなり展開違うのでノベライズやったあとにプレイしても楽しめるよ!!





STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐ 比翼連理のアンダーリン(1)

   
原作
5pb.×ニトロプラス

『我が名は―鳳凰院凶真ッ!』室内に響く、“俺たち”の声。それは「比翼『連』理」の世界線で紡がれる、新たな運命石の扉が開く音。そして繰り広げられる、「未来ガジェット研究所」のラボメンたちによる楽しくも騒がしい日々。―だが待て、何だこの違和感は…?想定厨×2の展開で『STEINS;GATE』ファンを熱狂させたファンディスク『比翼恋理のだーりん』と似て非なる物語を描くノベライズ、ここに降臨。 (「BOOK」データベースより)

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 シュタインズゲートのファンディスクである「比翼恋理のだーりん」のノベライズ……という名の皮を被った別の何か。だーりんの各キャラ個別ルートのエピソードをなぞりながら、本編世界線及び某別の世界線が混入してきてるんですがお陰で平和な厨×2リア充世界線を隠れ蓑にして裏が明らかに色々な意味でヤバイことになってる。なんていうかこの混ぜちゃいけない洗剤混ぜて大変なことになっちゃってる感はんぱない。とりあえず8人のオカリンまじペロペロ

 あの人のエピソードだけ妙にじっくりやるよなーとかこの人のエピソードだけ意識的かなってくらいに触れてこないよねとか思ってたけど、原作「比翼恋理」だと一切出てこない本編寄りのエピソードが、いびつに形を変えて少しずつ少しずつ不穏な顔を覗かせていくのがヤバい。マジやばい。そっちいっちゃだめー!!と叫びそうになる。

 っていうか世界線数値といいプロローグといいひょっとして……と思ってたけど最後の展開見たらもう叫ぶしかなかった。そしてよりによってその世界線が混入してるとか作者が悪趣味すぎてもうそこにシビれるアコがれるいいぞいいぞもっとやってくださいお願いします!!!ええもう私あの話大好きなので!!私あの話大好きなので!!!

 総合するとだーりんの萌郁ルートとあの世界線を重ね合わせた結果できた萌郁&綯様ルートなのかなあと理解してもう続きが出るのを楽しみにしながら悶々とするしかないわけですが続きが楽しみすぎて転がる。「だーりん」では大幅に設定が変わる萌郁や鈴羽の立場がこの世界線だとどうなってるのかなあとか帯が詐欺すぎるとか最終ページの綯ちゃん様のフトモモ素晴らしいとか早いところ2巻お願いします!!!


STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐ 比翼連理のアンダーリン(2)

   
原作
5pb.×ニトロプラス

想定科学ADV『STEINS;GATE』のファンディスク『比翼恋理のだーりん』と似て非なる物語を描く禁断のノベライズ第2弾。ダルのラボ内恋愛事件やルカ子とのデート大作戦など、平和な日常を謳歌する岡部倫太郎。しかし、まゆりがコインロッカーから「なにか」を取り出す時、世界線は歪曲し、綻びを見せ始める…。覚えていろ、鳳凰院凶真―いや、岡部倫太郎。―お前は、私が、殺してやる―。(「BOOK」データベースより)

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『いやあ本当に世の中には不思議な事ってあるよねオカリンってちょ、待、これmjd?』
 なお、どういう処刑が行われたかは、以下のヒントからご自由に想像していただきたい。
 ピンポン球、どこまでいくつ入るかな?

アッーーーーーーーー!!!
 ピンポン球をどこまでいくつ挿……いや入るかなって、それもう突っ込むところ一つしかないじゃないですかご馳走様ですまさかの公式メディアミックスでオカダル展開ご馳走様です。バレル・タイターは攻だと思いますがダルは受でいいんじゃないかと思い始めてきましたが個人的にはダルオカがいいですがオカダルもおいしくいただけ(もういい)

 「比翼恋理のだーりん」の物語をベースにした、似ているようであらざる世界線の物語第2巻。なんとなく2巻完結だとおもってたんですが見事に続きましたね!一応外殻は「比翼恋理」の鈴羽・ルカ子ルートをかたどっているけど、最早完全な別物と化しています。ドラマCDγの世界線寄りの世界線のようにも見える(岡部が○○○○になるタイミングが違うので多分これも似ているけど別の世界線であることは間違いない)んだけど、本編(α世界線)の要素も含んでいるし……で、全く先が見えない。完全に「恋理」とは別の話になってしまった。

 なんらかの原因で、タイムリープの記憶を引き継げなくなってしまった(と思われる)岡部を巡り、鈴羽を中心にした未来からのタイムトラベラー達が奔走する展開なんだけど、タイムトラベラー多いなこれ。オカリンの周囲の重要人物殆どこれ……ゲフンゲフン。

 鈴羽が向ける静かな敵意も怖かったけど岡部に執着ともいえるなにかを時折覗かせる紅莉栖がこわい。本編ではずっと岡部の『味方』でいてくれた彼女が味方でないのは物凄く読んでいて不安にさせられる。いや、岡部の味方であることに違いないんだけど彼女が味方しているのはあくまで別の世界線の岡部であり、“この岡部”の味方ではないという感じが……。

そんなもの知るわけないのに、なんで訊くのか。
そう訊き返した俺に、紅莉栖はふいとそっぽを向いて呟く。
「なんでもない」

「また失敗か」


 予告によると次で完結っぽいですがいまだ岡部が元に戻るかどうか全く先が見えない状態であと1巻で本当に解決するのか。残るは原作ゲームでもメインのシナリオとなっていたまゆりのシナリオだけだけど、他世界線もまじえて混線している状態なので一筋縄ではいかないんだろうなあ。物語がどういう結末を迎えるのか、とても楽しみです。

 それにしても、綯ちゃん様マジ裏主人公。


STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐ 比翼連理のアンダーリン(3)

   
原作
5pb.×ニトロプラス

「お前はこの俺を…鳳凰院凶真を…見くびっているのか…?」紅莉栖、ダル、まゆり、そして岡部倫太郎―いや“鳳凰院凶真”が挑む、異色の世界線の果てに待つものとは。そして、2025年の世界で岡部を憎む少女の想いはどこに向かうのか―。ふたつの時間軸が致命的な不意の接近を引き起こし、目に見えない故意の分岐が運命の集合体に干渉する禁断の世界線が、長い旅路の果てについに収束を迎える。 (「BOOK」データベースより)

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 一応「比翼恋理のだーりん」の鈴羽・まゆりルートをベースにしたノベライズ完結編。ファンディスクのノベライズのはずなのに、そして実際にちゃんとファンディスクのストーリーをなぞっているにもかかわらずとにかく重い。

 エピローグで示唆されたとおりの時間軸(世界線軸?)にこの物語が存在するんだとすると、本当に岡部はシュタインズゲートにたどり着くまでに何万回のタイムリープを繰り返すことになるんだろう。人の枠を逸脱して事象の域にまで達した『鳳凰院狂真』という存在が悲しすぎる。そしてこの世界の綯がタイムリープを繰り返す事になった原因がまたやるせない…彼女が「まゆりを殺した」世界線っておそらく、アレのことだよなあ……。

 一見本編とは完全に分化した世界線だった「だーりん」の物語を本編に結びつけ、本編の設定のいくつかに結び付けてしまう流れが本当に絶妙でした。しかし、終盤は設定が複雑すぎて微妙に噛み砕けない感が……小説版本編でのまゆりのあの設定なんかにも繋がってる感じなので、一度あちらも再読して頭の中を整理してみたい。

 しかし、原作内でも一番能天気な3%台の「比翼恋理のだーりん」と、原作内でも最も過酷な2%台の「暗黒次元のハイド」がこの作中でという意味でなく数値的な意味で隣り合わせ、という現実に気づいてしまって怖気が走る。


STEINS;GATE 閉時曲線のエピグラフ

   
原作
5pb.×ニトロプラス

2010年11月。β世界線。これは岡部倫太郎が、7月28日に牧瀬紅莉栖を救えないまま戻ってきた後の物語。倫太郎は紅莉栖への想いもタイムマシンへの情熱も封じこめ、ラボへもほとんど足を運ばず、ごく普通の大学生活を送るようになっていた。そんなある時、大学のセミナーで一人の女性と出会う。その女性の名前は比屋定真帆(ひやじょうまほ)。紅莉栖と同じヴィクトル・コンドリア大学脳科学研究所の研究員で、セミナーにて講演を行うレスキネン教授の助手として来日したのだった。そのレスキネン教授が研究している『Amadeus』と呼ばれるシステムが、やがて自身を再び陰謀のはびこる世界へと導くことになるとは、このとき岡部はまだ知らなかった。そう、そこに『彼女』は今もいる――(公式サイトより)

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 コミックマーケット82の企業ブースで先行発売されていた「Steins;Gate」のノベライズ。β世界線で紅莉栖を救えなかった岡部が再びタイムマシン研究と向き合うまでの物語です。

 全3巻構成ということで、色々な意味で物語が動き出す前で終わった印象。リア充を目指すもリア充達の空気についていけてないオカリンかわいい。また、コミケ会場で阿万音由季と出会ったダルが未来の嫁と未来の娘に囲まれつつ、今まで自分が出会った女子とはどこか違う彼女に振り回される姿が可愛いのなんの。未来のダルからさりげなく岡部への想いが透けて見えるのにもニヤニヤ。

 紅莉栖の大学での先輩・比屋定真帆との出会いをふまえつつ死んだ紅莉栖の周囲で尚も蠢く影の姿が見え隠れするのがとても気になります。ドラマCDβ「無限遠点のアークライト」とは同一世界線の出来事の筈なんだけど、あちらのドラマCDから比較するとびっくりするほどオカリンが前向きなんだよなあ……そんなオカリンの心を折るような出来事が多分今後起きる筈なので、その辺も踏まえて楽しみです。


STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐ 変移空間のオクテット(1)

   
原作
5pb.×ニトロプラス

8bit時代を彷彿とさせる内容で話題を呼んだPCゲーム「STEINS;GATE 変移空間のオクテット」が、ノベライズに“変移”して降臨!果てしない“戦い”の末、「シュタインズゲート」の世界線に到達した岡部倫太郎のもとに届いた一通の「Dメール」が、凶悪なる混沌の招来を告げる―!想定と妄想の狭間に揺蕩う世界線で、岡部倫太郎…いや“狂気のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真”の“戦い”が再び始まる。 (「BOOK」データベースより)

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 シュタインズゲートの番外編的ゲーム「変移空間のオクテット」のノベライズ。

 元のゲーム自体が昔ながらのコマンド入力での不自由さ・自由さを愉しむのが主体な感じの物語で、どちらかというと物語としての重厚さとかは一切無く、お使いにお使いを重ねて謎解きをしていくタイプのゲームなのでこれをこのままノベライズしてしまうことに意味があるのだろうか…。原作ゲームプレイ済だと面白味が無いし、プレイしていないひとにとってはその後ゲームをやった時の楽しさを奪うだけな気がして。うーん、「猫がいっぱいいて通れない」とかそういうコマンド総当り式ADVにありがちな不条理メッセージまで再現する必要はあったのだろうか。

 1巻はほぼ忠実に原作ゲームのシナリオをそのままにして結末だけを変更し、2巻では“オクテット”の世界線から更に分岐した別の世界線での物語をやるみたいです。だとすると多分オリジナル展開になるはずなので、そちらの物語に期待したい……かなあ。

 個人的に、クライマックスでのナイトハルト&岡部のやりとりが好きだったので、そこだけピンポイントで削られたのが本当に残念で……2巻のクライマックスでそちらもやってくれるといいなあ。


STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐ 変移空間のオクテット(2)

   
原作
5pb.×ニトロプラス

秋葉原の街中で起きた爆発。それは岡部倫太郎、いや“鳳凰院凶真”への挑戦状であった。忍び寄る闇の力が秋葉原を覆わんとする時、光の使徒たるラボメンの新たな“力”が覚醒する…!?これは夢か現か。それともただの妄想の産物に過ぎないのか―数多の謎が拡散と収束を繰り返す“混沌の世界線”で、世界の未来を賭けた最終決戦が始まる。 (「BOOK」データベースより)

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 シュタゲの番外編的ゲーム「変移空間のオクテット」のノベライズ第二巻。第1巻でクライマックス以外の原作殆どの内容をやってしまっていたので2巻では一体何をやるのかとおもっていたのですが、「オクテット」の世界線よりも更に「妄想」よりの世界線を舞台に何故か『機関』に狙われることになってしまった岡部と、いつもとちょっと違うラボメンたちが繰り広げるオリジナル展開ストーリーでした。なにこれ困惑するほど面白い。1巻はほぼ、原作をなぞっているだけだったというのに!!

 岡部が携帯電話に向かって適当に話していた厨二病的な「設定」の数々が現実化してしまったトンデモ世界。一方、ラボメン達も岡部の口先だけの「設定」や願望を反映して謎のパワーアップを遂げており……と、次々に謎の力を発揮しだすラボメン達の大活躍がちょっと面白すぎるんですが、その一方で「オクテット」の世界線の設定をさりげなく補強・補完していたり、シュタインズゲート世界線到達後の岡部と紅莉栖の関係にさりげなく触れるような展開があったり…と、要所要所で胸を熱くさせてくれる展開が楽しかった。ツッコミ不在すぎるオカリンとダルの息のあった厨二病会話がジワジワくる。あと、ルカ子さんがキャラ変わりすぎててもう……抱いて!!(オカリンを)

 そして若干流れは変わってしまったけど最後の『疾風迅雷のナイトハルト』と『狂気のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真』のやりとりはやっぱいいなあ。岡部の厨二病っぷりをいつも通りのノリで揶揄しつつも、なんだかんだでノリノリなところを隠せない西條さ……ナイトハルトさんのノリの良さが大変に楽しい。ラストはちゃんと原作通りに落としてくれて満足でした。面白かった!

 しかし、本当に1巻が悪い意味で原作通りなのが損してるノベライズすぎて……もうちょっとうまいこと1巻の方も調理できなかったのかなあ!もったいない。

「では、ここでお別れだな。疾風迅雷のナイトハルト」
「またいつか会えることもあるだろうさ、鳳凰院凶真」
「フッ、それが運命石の扉の選択ならばな。では、そのときまで。エル・プサイ・コングルゥ」
「エル・プサイ・コングルゥ。ふひひ」


STEINS;GATE 永劫回帰のパンドラ

   
原作
5pb.×ニトロプラス

2010年冬。アキハバラテクノフォーラムの夜、岡部倫太郎と比屋定真帆を襲った怪事件から数日後。真帆のはからいで、八ヶ月前の牧瀬紅莉栖の記憶を基にした人工知能「Amadeus」と対面した倫太郎。だが、自分の知る紅莉栖とはどこか異なる反応に、行き場のない空虚さは増すばかりだった。そんな中、岡部は突然橋田至から「椎名かがり」という人物と、紅莉栖に関わる相談を持ちかけられる。それらの問いは、心中に困惑と言いようのない不安を侵食させていく。静かに、しかし確実に。過酷なる運命が岡部と真帆の周囲で蠢動しはじめていた。禁断の函の中の「彼女」が秘めるのは、希望か、それとも絶望か―(公式サイトより)

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 β世界線で紅莉栖を救えなかった岡部とその仲間達の「その後」の物語第2巻。岡部と出会う前の“彼女”の記憶を移植された人工知能との出会いやこの世界線の未来で発生する第三次世界大戦に向けた動きが表面化していったり、こちらの世界線ではこれまで出張ってこなかったあの組織が動き出したりする激動の巻。

 しかし、色々な意味で今回は(今回も?)橋田親子がおいしいところをもっていった感。「だーりん」での出会いとは一味違った、どこかぎこちないもどかしい関係にニヤニヤするなぁ。戦士として育てられた鈴羽が「現在」の世界線にこそかけがえのないものを感じ、過去改変を躊躇うようになる展開もとてもよかったです。しかしダルは派生作品まで追うと本当にチートぶりが引き立つというか、本当にこの人普段何してるの。

 そして重く激しい展開の連続の中、暖かいクリスマスパーティから突然のクライマックスっていうかこの引きは酷い!!!未来のまゆりの娘の椎名かがりをはじめとして未回収の伏線がどうやって繋がっていくのか、とても楽しみです。というかドラマCD聴いてたら次巻のタイトル(「無限遠点のアルタイル」)には期待せざるをえないよね!!

STEINS;GATE ドラマCD β「無限遠点のアークライト」ダイバージェンス1.130205%STEINS;GATE ドラマCD β「無限遠点のアークライト」ダイバージェンス1.130205%
 ドラマ、宮野真守、花澤香菜、関智一
 メディアファクトリー
 2010/4/28


STEINS;GATE 線形拘束のモザイシズム

   
原作
5pb.×ニトロプラス

物語の序盤、岡部のもとに大量のDメールが届く。内容には一貫性がなく、文面も稚拙というおかしなものだった。はじめは、そうした蝶の羽ばたき程度の小さなことだったが、その連鎖はどんどん進み、状況を大きく混迷させていく。『STEINS;GATE』という器のなかに10話もの異なるDNAを内包した『線形拘束のフェノグラム』。そのすべてをひとつにまとめ、再構築された物語はラボメンたちをどんな未来へ導くのか!?すべては「運命石の扉」の選択のはずなのだが…。

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 「Steins;Gate」シリーズの外伝作品『線形拘束のフェノグラム』のノベライズ作品。キャラクターそれぞれの視点から描かれる短編集的な側面を持つ原作ゲームを一つにまとめあげて練り直された「別の世界線」の物語です。

 最終的に全く別の物語として収束するのにもかかわらず、原作ゲームの様々な要素を盛り込んできていて、読んでみると確かに「線形拘束のフェノグラム』のノベライズ」だと納得できてしまうのがズルい。ただ、原作ゲームを土台にして物語が組み上げられているため、ゲームをやっていないと分かりづらい、というか説明不足に感じる部分が多いかも。

 解りやすいところだと分裂する鈴羽の話や、紅莉栖が『父親からマイフォークを貰える世界線』なんかは完全にゲーム側の各ルートを意識している話で、他にも元が分かるとニヤリとできる話がかなりあるんだけど、わからないと「そういう世界線もあったのだ」と説明もなく置いてきぼりにされる感じは結構あると思います。その辺同じ作者の描いたロボティクス・ノーツのノベライズ(感想)と通じる読後感があります。

 「本編と矛盾がある」と後置きしながら、Steins;Gate世界の謎にこの物語独自の切り口展開される仮説が楽しい。岡部が物語時点でのα世界線において死なない方向に世界が収束する理由やまゆりが死ぬ理由、萌郁のメール依存の話などはまじめに検証を重ねると矛盾が出る話なのかもしれないけど、「そうかも」と思ってしまった時点で読者の負けという感じがありました。岡部が死なずまゆりが死ぬ理由が最終的に「運命石の選択」という言葉に繋がるのがまずズルいんですよ!!

 たったひとつのトゥルーエンドであるはずのシュタインズゲート世界線でない時点で、彼らを待ち受けているのはハッピーエンドではないのかもしれないけど、絶望の淵から這い上がり、血反吐を吐きながらも誰もが幸せになれる世界線を求めて奮闘する姿は間違いなくこれも「シュタインズ・ゲート」の物語なんだなと感じさせるものがありました。面白かった。

 しかし、個人的には最後の萌郁とFBのやり取りも好きなんですけど、終盤の岡部と4℃のやりとりが大好きでもうなんかこれ見れただけでも満足!!!って感じあります。ラボメン全員の救済だけならいざしらずよんどしーさんまで救ってしまうとかずるいわ…。