ページ 104 | 今日もだらだら、読書日記。

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【告知】コミックマーケット77参加します。

無事コミケのスペースをいただけました!12月30日(2日目) 西ホール「み」18aになります。
ちょっとラインナップが増えてしまったので、目次を作ってみました。読みたいところに飛んでください。

新刊その1)「バカのおと バカとテストの再録本」
新刊その2)「とある性別への戯れ歌」
新刊その3)バカテス原作未読者向け(?)布教本 New!
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オマケ New!

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彩雲国物語 暗き黄昏の宮

 

監察御史・紅秀麗が、任務半ばで姿を消した!その報は瞬く間に朝廷を駆け巡り、国王の紫劉輝は心を痛める。秀麗の安否は気になるが、一官吏の彼女を特別扱いできない。そんな王の心を汲み、側近の藍楸瑛は、密かに秀麗を捜すことを決意する。一方、秀麗と同行していた榛蘇芳が帰還。彼が語った驚きの事実に劉輝は絶句する。秀麗の身に危険が、劉輝の治世には暗雲が立ち込める!?人気シリーズ第15弾、怒涛の最終章開始。 (「BOOK」データベースより)

劉輝株大暴落(ストップ安/最安値絶賛更新中)の巻き

すでに読了済の人たちから噂には聞いてましたが、もうなんというか、秀麗や他の人の頑張りを片っ端から台無しにしていく劉輝がマジヘタレすぎる……もちろん、敵となる人たちがあまりにも一枚上手で…というのはあるのだけど、もう少ししっかりできないものなのか。これまではまだ「わかってないから仕方ない」みたいな部分があったけど、自らの言動が事態をさらに悪化させるであろう事を予感しながらもその場の流れに流されてしまう劉輝は、本当にヘタレとしかいいようが……

序盤に普通に乙女ゲーしてた頃の秀麗贔屓が今になってこんなにも大きく、取り返しのつかない過ちとして浮かび上がってくるとは……そしてその後もどんどん自ら再起の目を潰して行っていたという事実が、胸に痛い。彼らの行動が間違っていたとは思わないけど、もう少しうまく立ちまわっていれば…みたいなのはあるよなあ。気がつけば周囲は四面楚歌、こちらには切れる手札もなく、なすすべもなく翻弄されていく劉輝達が本気で哀れ。物語は最終章に突入ということですが、なんかもうバッドエンドしか道がないんじゃないかと思われてしょうがない。この道は本当にあの、1巻で示されたような輝かしい未来へとつながっているのだろうか。

普通の人間でも過労死しておかしくないような激務を続けてきた秀麗が、回復のために担ぎ込まれた縹家で僅かな静養の時間を得て、様々な選択肢を持ちながらも最後まで王の為の官吏であろうとする姿がかっこいいのですが、その努力をブチ壊しにしようとしているのが、その王本人というのがなんだかなあ…味方のはずの人たちにどんどん足元をすくわれていくのがなんともやるせないです。

次こそ、次こそはいい加減劉輝には本気出して踏ん張って欲しい……。

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魔王様げ〜む!

 

お家の事情で魔王ディンゴの討伐に出たものの、あっさり負けてしまった貧乏貴族の三男・レイモンド。そのうえ魔法をかけられ、美少女・レモンに変身させられた!?元勇者のなれの果てが魔王専属メイド。ディンゴのセクハラをかわし、メイド長のシゴキに耐え、男に戻る日を夢見るレモンだったが…。第1回メガミノベル大賞銀賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)

魔王に敗れた勇者が魔法で女の子の身体にされてしまって、魔王城のメイドとして働くことに……というお話。メガミ文庫の新人さん。

女の子に目が無いという女好きの魔王・ディンゴ様が変態という名の紳士でした。女好きが嵩じて魔界の統一を目指し、副官から召使まで全部女の子で統一し、倒した敵を魔法で女にしては傍に召し仕えさせ、女の子とイチャつくためなら普段はほったらかしの仕事も片付ける、とにかく原動力が「女」という一文字で出来ているであろうその生きざまが、あまりにも歪みない。

一方、そんな魔王のとばっちりで女の子にされちゃった主人公のレイモンド改めレモンちゃん。元・男としてのプライドやら感情やらでせめぎ合い、ディンゴの所業に理不尽なものを感じながらも、なんだかんだといって魔王城の一員として順応していく姿にニヤニヤしました。自分の身体がなかなか直視できなくて悶々としたり、元男だと知っているはずなのにあまりにも開放的な同僚のメイドさん達の態度に逆に慌ててしまったり…とTSお約束なネタも満載。そしてなんとか順応して来たと思ったらスパイ容疑を掛けられて……勇者として正々堂々と魔王を討ちたいというプライドや「好きでこんなことしてるわけじゃないのに」という理不尽さに苛まれているレモンの姿が印象的でした。

しかし、どんなにシリアスなシーンでも、やっぱりディンゴの行動原理には何かしらで女が絡んでくるので、イマイチシリアスになりきれない勢いが素敵。正しく頭の悪いラブコメで疲れた頭に大変美味しかったです。個人的に唯一残念だったのは、メイドさんたち同士でのやりとりや女の子になったレモンの心の葛藤が結構多くて魔王様との掛け合いが思ったよりも少なかったことでしょうか。次巻が出るならぜひとももっとディンゴ様にはレモンにセクハラしまくってほしいです。

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SH@PPLE?しゃっぷる? 7

 

巡りめぐって季節は秋。読書、スポーツ、…食欲の秋!最近元気のない一駿河さんのため、僕、淡谷雪国はせっせと総菜パンをデリバリー。そんな日々の中で、青美女学院は生徒会選挙の時期に。「会長」で無くなれば、舞ちゃんは安心して青美に帰ってこられ、入れ替わり生活は…おしまい!?「しかし、雪国さまはよろしいのですか?」と、さゆねさんは僕に問う。僕は…それで―いいわけないじゃないか!この想いを伝えるラストチャンスは、選挙後のダンスパーティーだけ。舞ちゃんは何だか怪しいし、古葉さんは家に押しかけてくるし、ドタバタ続きだけど、今度こそ。…オトコ雪国、キメます―。 (「BOOK」データベースより)

「入れ替わり」終了を前に、風雲急を告げるシリーズ第7巻。

前巻くらいから少しずつ不穏な匂いを漂わせていた様々な事項が一気に表面化して、とにかく翻弄される。舞姫が、雪国が、皆が「良かれ」と思ってやったことが次々と裏目に出て、悪い方向に転がっていく様子には本当にはらはらした。双子を叱咤する胡蝶の宮のかっこよさには思わずキュンとなったけど、まさか彼女の提案があんな結果を生んでしまうなんて……。

前半の舞姫とのやりとりをみるかぎり蜜の心に映っているのは雪国ただ一人だと思うのに、入れ替わりの事を知って自らの気持ちが判らず戸惑う彼女の姿が心に痛い。実際、蜜だって「女の先輩を好きになってしまった」という事実と向き合って、漸く心を決めた所でこのどんでん返しはないよね…。一度同性の先輩を好きになったんだ、と受け入れてしまった以上、そして雪国と舞姫の入れ替わりが頻繁に行われていた以上、「本当の舞姫」に惹かれてしまったかもしれない自分を否定する要素が無いわけで……ああ、もっと早い時期にこの誤解が解けていたら、と本当にやきもきする。

双子の入れ替わりの終わり、蜜の転校。蜜の想い、雪国の想い……と様々なものが絡み合って身動きが取れなくなった所でのこの引きは強烈すぎます!早く続きを!!

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土属性はダテじゃない!

 

ときは21世紀。精霊魔法が日常に存在する現代日本において、埴本麒一郎(はにもと・きいちろう)は精霊魔法界のエリートだった……ただし、土属性の。
●一位:風属性 気楽に付きあえるモテモテクン! 飄々とした態度に翻弄されちゃう!
●二位:火属性 恋も生き様も情熱的なカレ! 火傷するぐらいアツアツのメイクラブしちゃおう!
●三位:水属性 クールな横顔にメロメロ! 奥手すぎるのがタマにキズ?
●四位:土属性 デカい、ダサい、ヂミの3D揃った非モテクン!土いじりでもしてれば?
とからかわれることNO.1の土属性の家系に生まれた麒一郎は実家の援助を打ち切られバイト生活に励む日々。そんなある日、火属性の美少女と赤井雪乃と出会い、良きライバル関係になるのだが……。ドタバタ青春精霊コメディ!(一迅社文庫公式サイトより)

精霊魔法を学ぶ学園でも地味で目立たないと人気のない「土属性」の少年が、ひょんなことから学年でも有名な火属性の美少女と知り合いになり、「異種精霊障害乱走」なる競技での優勝を目指す、というお話。

数あるファンタジーでもめったに主役属性として採用されない地味属性・「土属性」を逆手に取った自虐系コメディ……かとおもっていたら意外に王道な異能スポ根ラブコメでした。全体的にちょっと展開が駆け足かなあと思う部分もあったけど、各属性の特色を生かした戦い方と弱点を補うための「大乱走符」のシステムがなかなか面白かったです。火属性(=熱血娘)なヒロインとのやりとりも微笑ましくて素敵。

ただ、個人的に主人公が乱走で活躍できたのって、のづぢが偶然土属性にしては動きの機敏な能力を持つ朋霊だったから…みたいな気がして、そこが微妙にひっかかってしまいました。鈍重な朋霊と組む羽目になって、底辺から知恵と根性で他属性を出しぬいて行く、みたいなのをタイトルから想像して勝手に期待していたからかもしれない。

しかし、何よりも素敵だったのはクライマックスのやりとり。
彼に対する間違った憧れで凝り固まろうとしていた雪乃に対して、麒一郎が放った言葉には思わず噴き出してしまいつつも、ニヤリとする。「土属性」らしい彼の口下手さが愛おしくなる一幕でした。

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「このラノ2010」を見て「性別秀吉部門」を再びねつ造してみた

今年も「このライトノベルがすごい!」で性別を間違えて投票されているキャラクターを集計して「このラノキャラクター人気ランキング:秀吉部門」を勝手にねつ造してみました。

得票数が一部除きとても少ないので普通に男女欄間違って投票してしまった人の票が混ざってるんじゃないかという予感がしますがまあその辺は冗談企画なのでお許しください。「こいつが入っている/入ってないのはおかしい!」という意見は受け付けません。

「このラノ」編集部の皆様ごめんなさい。
昨年度のランキングはこちら。

479667490X■ 参考文献:このライトノベルがすごい! 2010宝島社 2009-11-19

by G-Tools

■集計対象:「このラノ2010」でキャラクター部門にランクインした上位50人
■ランキング方法:今回から誤性投票率の高い順でランキングしています。
■得票数集計:総合結果から男女別部門に書かれている得票数を引いて計算しました。
■誤性投票率:「異性部門で獲得した票数÷総得票数」で算出してます。




「性別:秀吉部門」ランキング


(→) 第1位 : 木下秀吉 (バカとテストと召喚獣)
[性別 : ] [得票数 : 132pt / 73票(-19pt/+5票)] [誤性投票率:28.19%]
男子キャラクター部門二連覇・女子キャラクター部門では7位という大健闘しすぎな第三の性。
編集部談によると男女両部門に投票して無効票にされた票を含めたら、女性部門でもぶっちぎっていたとのこと。つまり、純粋に女性部門で秀吉に投票した人はもう100pt分程度はいらっしゃったということに……ゴクリ。
来年はアニメも始まる事ですし、この「秀吉旋風」がどこまでいってしまうのか、楽しみなような怖いような。

(↑) 第2位 : 吉井明久 (バカとテストと召喚獣)
[性別 : ] [得票数 : 6pt / 5票(+3pt/+2票)] [誤性投票率:6.49%]
性の境界線にフリーダムな「バカテス」がワンツーフィニッシュという恐怖のトラップ!
やはりトドメは6.5巻の「僕と海辺とお祭り騒ぎ」でしょうか。「校内一女装が似合う男子(除秀吉)」という不名誉な称号を持つ主人公。決めるときはそれなりに決めてくれるんですけどねえ……


NEW! 第3位 : シューフェン (蒼海ガールズ!)
[性別 : ] [得票数 : 3pt / 1票] [誤性投票率:5.00%]
「おと×まほ」を擁するGA文庫の期待のニューホープ(男の娘的な意味で)。
男子禁制の軍艦・ビシャスホースに正体を隠して乗り込むことになった皇子・シューフェンがランクイン。ちょうど今月最新刊が発売されたのですが聞こえてくる感想を見る限り、色々と凄かったご様子です(※リンク先ネタバレ注意)
…実はまだ読んでないので近いうちに手を出してきます!

NEW! 第4位 : 八九時真宵 (化物語)
[性別 : ] [得票数 : 3pt / 2票] [誤性投票率:4.65%]
今年バカテスに次いで大健闘だった「化物語」の毒舌小学生がランクイン。
……特に性別不詳的エピソードはなかったので、投票欄の書き間違えっぽい気がします。
2票だし。


(↓) 第5位 : キノ (キノの旅)
[性別 : ] [得票数 : 3pt / 2票(-4pt/-1票)] [誤性投票率:3.17%]
今年もランクインのキノさん。序盤と比べるとその風貌にも少しずつ女性らしさが加わってきたような気がしますが、2年連続男子票が入っているという事はやはりまだまだ「性別不詳キャラ」のイメージが強いのかもしれません。
それにしても、13巻表紙のキノの可愛さは異常(関係ない)


6位以下


基本的には書き間違いだと判断してよいかと思われる人々のあたり。

キャラクター名(作品名)性別票数コメント
川村ヒデオ
戦闘城砦マスラヲ
5pt / 2票
(誤性投票率:3.07%)
ヘタレニートだけど、最後に「男」を見せてくれました。
藤和エリオ
電波女と青春男
3pt / 1票
(誤性投票率:2.32%)
実は読んでないのでノーコメントで…
阿良々木暦
化物語
8pt / 3票
(誤性投票率:2.14%)
「設定画のない主人公を実は女かもしれないと思いたくなる」の妙。
しかしアニメではグラフィック出てたのに…
戦場ヶ原ひたぎ
化物語
2pt / 1票
(誤性投票率:1.36%)
彼女はどんな男性よりもオトコマエだと思います。
琴吹ななせ
文学少女シリーズ
3pt / 1票
(誤性投票率:1.21%)
きっと投票間違いだ、そうに違いない……
井上心葉
文学少女シリーズ
3pt / 1票
(誤性投票率:1.2%)
コノハちゃんだから仕方ないね!!!
みーくん
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
1pt / 1票
(誤性投票率:0.88%)
「設定画のない主人公を実は女かもしれないと思いたくなる」のry
票は少ないけど、2年連続ランクインと言う……
 

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15×24 link three 裏切者!

 

「――裏切者!」 ついにサスペンス始動!
〈17〉とネット心中を図るため、徳永準は〈捜索隊〉の包囲網から再び脱出に成功。彼の噂は巨大な都市伝説と化す。一方、謎の男・ファブリも《名簿》の入った携帯電話を奪回すべく暗躍を開始する!(公式サイト紹介文より)

ネット心中をしようとしている少年・徳永準と様々な理由から彼を追う15人の少年少女達が東京を駆け抜ける24時間の群像劇、シリーズ第3巻。

これまでの2冊と比べるとぐっとページ数も少なく、全6巻シリーズと言う前提を考えても折り返し地点的な印象を受けたのですが、見た目の薄さからは想像もできないほど激動の一冊でした。まず、しょっぱなから起こった出来事でいきなり衝撃を受け、その後明かされた物語の一端に息をのみ……そしてラストの引きでまた衝撃!特に、序盤の「アレ」には軽い気持ちで足を突っ込んだ彼らが、遂に決定的に取り返しのつかない場所に踏み込んでしまった印象を受けて、物凄く胸がドキドキする。少なくても、彼らのうちの一人は永久に「取り返しのつかない」所に行ってしまったわけで……

不気味な暗躍を続けるファブリや迷走するミツハシ、今回殆ど動きのなかったメンバーの動向も気になりますが、何よりも気になるのは笹浦・西・伊隅の3人。ラストの引き方からするとどうみても…!?なのですが、特に笹浦と伊隅は15人の中でも重要ポジションに位置するキャラクターだと思われるので、そのままあっさり……なんてことにはならない、と信じたい。<17>を巡っての温井川・徳永・伊隅の3人の動きも気になる。とりあえず、早い所続きが読みたい……!

…それにしても、遂に今回恋するツンデレ乙女として覚醒した西が可愛すぎます。(あれは間違いなく……惚れてる、よね?)思わぬカップル誕生の予感なのか!?

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とある魔術の禁書目録(インデックス) 19

 

学園都市の暗部で起きる事件を処理する『グループ』。最強の超能力者(レベル5)・一方通行(アクセラレータ)、魔術師でもあり能力者でもある土御門元春らで構成されたそのチームは、謎のキーワード『ドラゴン』について探っていた。それが、いまの“クソったれ”な現状を打破する唯一の手がかりであると信じて。一方、上層部に無断で行っていたその活動を煩わしく思う者がいた。その人物は、学園都市で最高の権力を持つ統括理事会メンバーの一人。彼の強大な勢力が、『グループ』に牙をむく。同じ時。元『アイテム』構成員の浜面と絹旗は、滝壺の見舞いにやってきていた。そこで突然巻き起こる、浜面の「バニーガール超好き疑惑」。どん引きする絹旗と滝壺を他所に、浜面は決死の釈明をするが……!? (15)巻、SSシリーズに続き描かれる、『学園都市の暗部』編登場!(電撃文庫公式サイトより)

15巻から続く、一方通行達を主人公とする学園都市暗部編第二弾。今回は一方通行達『グループ』が学園都市の機密事項である『ドラゴン』に迫る裏で、前回彼らに叩きつぶされた『アイテム』の残党と浜面が生き延びるため必死に奮闘すると言うお話。

ここにきて、一気に浜面がクローズアップされてきてびっくり。学園都市の裏で蠢く陰謀における最大の「イレギュラー分子」と化した彼が、一方通行も上条さんすらも霞んでしまいそうな主人公ぶりを発揮していて、読み終わってとりあえず「もう主人公、浜面で良くね?」と思ったとか思わないとか。上条さんのスーパーヒーロー的フラグ立てヒーロー具合も、一方通行のヒール(と読んで悪役と書く)具合も良いけど、たった一人の女の子を守るためならどんな手段を使っても必死に奮闘していく浜面は文句なしの「3人目の主人公」だった。

ところで一方通行さんはどこまでツンデレキャラになっていってしまうのですか。正直最近デレ分の目立つ御坂美琴を押しのけ、禁書最強のツンデレキャラと化しているような気がします。悪の仮面の下に隠れた優しさにキュンとなる。

それぞれの思惑を持って集う当麻・一方通行・浜面という3人の主人公達。彼らが新たなる舞台でどんなかかわりを持っていくのか、とても楽しみです。

……18巻読まなきゃorz

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ぐらシャチ

 
双 

この春高校生となる少女・秋津島榛奈は、全国うっかりランキング10位以内にノミネートされる(弟・孝雄談)以外はごく普通の女の子。海辺で祖母の形見であるオカリナを吹いていた彼女は、急な高波にさらわれたところを「ある生き物」に助けられるのだが──?そしてその「出会い」から、榛奈の日常は少しずつ波乱を含み始め、そして──。『ダブルブリッド』の中村恵里加が贈る、かなり奇抜なボーイミーツガール&ファーストコンタクト・ストーリー、満を持して登場!(公式サイトより)

ちょっとぼんやりしてるけど普通の女子高生が言語を解する不思議なシャチと出会う、ガールミーツ謎の未確認生物モノ。

感想:すごくいつもの中村恵里加だった!!
どこか飄々としたキャラクター達が淡々と創り上げる独特の爽やさとグロさが共存する不思議な空間は、もう読んだことある人なら「中村恵里加でした」と言う感想ひとつで片づけられそうなレベル。

主人公の榛奈と謎のシャチ・グラボラスとのちょっぴりピントのズレたやりとりにニヤニヤしていたら、徐々に雲行きが怪しくなってきて……中盤以降は人間とは別種の生き物であるグラボラスの持つ無邪気な残酷さがグサグサ刺さるように。グラボラスの無邪気な好意を素直に受け入れられず、少しずつ疑心暗鬼と自己嫌悪にかられていく榛奈が見ていて痛々しいのですが、正直同じ状況に遭遇したら普通は疑心暗鬼くらいにはならないとおかしいよ!無差別動物殺人の時はひそかに、いつ飼い犬が犠牲になるのかと戦々恐々でしたとも。

基本は榛奈とグラの関係に終始するこの物語ですが、個人的にはグラ(というか…モゴモゴ)の友人となる平八が好きだったなあ。別人のようになって奇妙な言動を繰り返すようになった親友に戸惑いながらも当たり前のように受け入れ、新たな関係を築いて行こうとする姿に彼の人間としての大きさを感じる。

1巻完結と言われても不思議ではなさそうな本編だけど、続編があるなら平八さんにはもっと大きく活躍して頂きたいところ。こっそり2巻を楽しみにしてみたいと思います。
とりあえず、中村恵里加作品好きならオススメ!読んだことが無い人は、入門編として是非。

それで、ソウル・アンダーテイカーの2巻まだー?


4840229430ソウル・アンダーテイカー (電撃文庫)メディアワークス 2005-02

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魔王城三限目

 
鉄雄

魔王にもなり得る魔力を秘めた「魔人」たち。けれどその力を良い方向に向ければ、英雄にもなれる。その思いを伝えたいと、今日も今日とて苦心しながら授業を進めるエイゴだったが、一番年下のユーニィはまだ五歳。なかなかうまくは伝わらない。悩むエイゴの前に、あるチャンスが訪れるが…。悲劇の種は、その時既に撒かれてしまっていた。王都の陰で渦巻く様々な思惑と陰謀。そしてついにある組織の手が、ひとりの少女へと忍び寄る―。急展開第3弾。 (「BOOK」データベースより)

絶大な魔力を持ち「魔人」と恐れられる子供達と、彼らの「先生」としてやってきた軍人の青年の心の触れ合いを描くファンタジー第3巻。前巻の終盤辺りから不穏なフラグがびしびしと立ってましたが、新たな組織の存在を絡めて予想していた以上に重い展開に…。

エイゴの活躍によって、それまでただ実態も知らずに彼らを恐れるだけだった町の人々と交流を持つようになり、まだまだ問題は多いものの少しずつつたない人間関係を構築していく姿ににやにやしていたら……これだよ!!!子供達を排斥しようと思う奴らや彼らの魔力を利用しようとする奴らの思惑が動き出して、子供たちの善意がどんどん逆方向へと転がされていくのが、とてももどかしい。

丁寧におぜん立てされた「作られた」悪意が無関係の人々を巻き込んで形を為すのは次巻以降となるのでしょうが、せっかく仲良くなれた人たちとも今までのような穏やかな関係で居られないであろう未来が透けて見えてしまって、やるせない。そして発端を引かされたアプリールの、女の子としてはあまりにもささやかな願いが胸に痛い。

しかも、当事者である誰もかれもに悪意が無いのが逆に、怒りのぶつけどころが見出せなくて辛いんですよね。おぜん立てを整えた人々ですら(一部のちょっとイっちゃってる人達はともかくとして)自らの正義を貫き通そうとしてすれ違ってしまっているだけなのが。ハイナートですら、自らの正義に盲目すぎて手段を選んでないだけで、どこか憎めないんだよなあ…。

これまで以上に「魔人」達への風当たりが強くなってしまいそうな次巻、子供達とエイゴが少しでも幸せな未来にたどり着けるよう祈るばかりです。

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