ページ 107 | 今日もだらだら、読書日記。

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Gosick 〜ゴシック〜

 

日本から西欧の小国・ソヴュールに留学している少年・久城一弥はひょんなことから図書館の塔の上に居る変わり者の少女・ヴィクトリカと出会う。ある日、殺人事件の解決に協力したヴィクトリカへのお礼としてヨットクルージングに出かけた二人は“幽霊”が現れると言う船の事件に巻き込まれ、その謎に挑むことに…

今のうちに買わないと挿絵つきで読めなくなっちゃうよ!」という脅迫観念(違)の元、今更読み始めました。(←どうやら挿絵付き「Gosick」が別途出るようですよ!)第一次世界大戦後のヨーロッパの小国を舞台に、日本の帝国軍人三男の少年が少し不思議な女の子に振り回されるというおはなし。同じミステリー文庫の「しずるさん」シリーズのような、安楽椅子探偵モノなんだとなぜか思い込んでいたのですが、普通にミステリーしてました。

ヨットに乗りにきたはずが、なぜか不吉な噂を持つ“幽霊船”に乗ってしまい、噂の通りに同乗者がどんどん死んでいってしまうという状況の中、見た目は可愛らしい少女なのに、老獪な印象を持つヴィクトリカが時々垣間見せる少女らしい一面が可愛らしかった。作家・桜庭一樹というと「推定少女」や「少女には向かない職業」のイメージが私の中で非常に強く、そういう作品と比べると「Gosick」は「らしくない」印象を受けたのですが、読み終わってから再考すると、「EVE THE LOSTONE」が持っていた雰囲気に近いのかなあとか思いました。いえ、展開が無茶すぎるとかそういう意味ではなく、あくまで持ってる雰囲気が!逃げ場の無い閉鎖空間の中で、徐々に“死”が間近に迫ってくる感覚とか、そういうあたりが。過去の「QueenBerry号」での、エレベーターのトラップはトラウマすぎる…。

ミステリーというよりは少年少女の冒険話として面白かったです。Twitterで「角川つばさ文庫から出せばいいのに」という意見を見て「なるほど」と思ったのですが、青い鳥文庫とかと一緒に並べたい気がします。

個人的に、「あわせて読みたい」児童文学は「クレヨン王国と水色の魔界」。
1円玉の話がトラウマすぎる。


406147295Xクレヨン王国水色の魔界 (講談社 青い鳥文庫)三木 由記子
講談社 1991-06-15

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生徒会の月末 碧陽学園生徒会黙示録2

 

私立碧陽学園生徒会―そこは、美少女メンバー四人が集う楽園だが、楽園のご主人様(妄想)である杉崎鍵は今、美少女達を裏切り、オトナの世界へ旅立とうとしていた。いや、杉崎だけではない。いたいけな腐…じゃなくて婦女子の椎名真冬も、また。人は皆、様々な経験を経てオトナになる。生徒会のメンバーだって、例外ではないということだ。さあ、オトナの世界へ向かって飛びだそう!碧陽学園生徒会と一緒に!―ってことで、久しぶりにやってきました「黙示録」。今回も、どこに行こうとしているのか分からない少年少女達の書き下ろしが満載だ。いやー、ガッカリだよ。ガッカリオブザイヤーだよ。 (「BOOK」データベースより)

ドラマガなどに掲載された特別短編と、2年B組ネタ中心の書きおろしを収録した「黙示録」シリーズ第二段。実は「のっとる」?「2年B組の姫君」までの短編は全てドラマガのほうで読了済みだったのですが、改めて読んでも笑いが衰えないのが凄いなあ。個人的にドラマが掲載分では「アニメ化する生徒会」が一番好きです。皆自分の欲望に正直すぎる…。

「六花」ではイマイチ杉崎成分が足りなくて面白いながらも物足りないモノを感じていたのですが、今回は「二年B組の下心」「杉崎鍵の放課後」「椎名真冬の月末」「椎名深夏の月末」と書きおろし4編が杉崎祭状態だったのでとてもうはうはしました。

特に鍵・中目黒・宇宙守の3人が合コンする「二年B組の下心」が良かった。
相変わらず、天然でギリギリ(アウト)な中目黒くんの暴走っぷりも楽しいのですが、宇宙巡のことをボロクソに言われた時の3人の言葉がかっこよかった。その前に「二年B組の姫君」を見ていたからこその、相乗効果もあった気がします。散々嫌がりながら、真冬ちゃんを喜ばせるような行動(笑)をガチで取ってしまう鍵は本当にいいひとだ…。そして中目黒の天然子悪魔ぶりに萌え死んだ。あと、

163Pの中目黒、ほんとグッジョブ!!!!!!

雄二に続いて杉崎の女装まで拝めるとは思ってませんでした!!ありがとうありがとう!
っていうかなんですか最近のラノベ界隈は女装祭りですかなにこれふざけてるの萌え。
うおおおお女装杉崎、美女系だよ美女系。これは正直萌えざるをえない!!!

そして、もうひとつ好きだったのは鍵の早朝バイトに欲望塗れた真冬ちゃんが乱入する「椎名真冬の月末」。鍵のいい人っぷりが炸裂な展開と、そんな鍵の優しさにさりげなく応える真冬ちゃん、というコンボにニヤニヤが止まらない。別にその前の中目黒家前でのやりとりに萌えてなんかいません。

しかし、その前の「下心」によると鍵の自室はエロゲやら漫画やらに占領されてるあげくアニメ録画用HDDまで完備されているらしいのに『生活が苦しい』なのか……ひょっとして、どこかの観察処分者のごとく、趣味に金取られて生活狂わされてるタイプなの…か?とてもそうは見えないけど……

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えでぃっと! ライトノベルの本当の作り方?!

 

中学生にして新人賞を受賞し、一迅社でライトノベル作家をやっている高校生・羽沢雛太。彼の元にやってきた新しい担当編集は同じ高校一年生の女の子と自称「神様」なミニチュア狐耳少女だった。しかも新シリーズを担当する事になった絵師さんは同じ学校の同級生で…!?

現役高校生ラノベ作家の担当が現役高校生編集者の女の子になり、挿絵が現役高校生イラストレーターでさらに主人公の幼馴染とちょびっと不思議要素とかも絡みつつ展開するラノベ業界ラブコメ。

ラノベ業界ラブコメというとGAの「ばけらの!」を髣髴してしまうのですが、そちらとはまた違った方向から描かれるラノベ業界の様子と、主人公たちの恋愛事情が中々楽しかったです。実際の作家をモデルにしたと思しきキャラクターも出てきますが、あくまでそっちはエッセンス程度の扱いでメインは主人公たち3人(+α)の関係が中心。終盤は典型的なハーレムラブコメの様相を呈してましたが、私は美少女高校生イラストレーターの宝泉院さんが一番好きでした!

個人的に一番楽しかったのは、編集会議のシーン。作家と編集が二人三脚で物語を面白くしていく様子がとても楽しそうで、物凄いワクワクする。編集さんとの相性とかもあるだろうし、こうも上手くいくことは稀なのかもしれないけど、やはりこういう形で作品を「高めて」いけるというのは「自由に好きなものを描く」同人とはまた一味違う商業創作活動の魅力なんだろうなあ。特に一人で同人をやっていると、なかなかこういう形の指摘をして貰える事は中々出来ないので、そういうのを忌憚なく言ってくれる相手が居るということには物凄くうらやましく感じる。いや、実際本当に忌憚無いツッコミをバリバリされたら、凹むのは目に見えてるんだけどさ…!!

一方でその「二人三脚」の創作活動に魅力を感じるからこそ、その後の宝泉院さんさんのトレス疑惑の話が恐ろしい。「あれ」が真実であるとはどうしても思いたくないけど、本当にそういう事がきっかけで沈んでいった絵師さんがいるのではないかとか考えると…。最近は特に、ちょくちょくトレース疑惑問題が取りざたされていた事もあって、本当に恐ろしく感じました。

青春ラブコメとしても創作活動モノとしてもとても面白かったです。しかし、個人的には創作活動モノとしての方向に高い比重の魅力を感じていたせいか、イツキの異能能力設定は余計に思えなくも無かったり……彼女自身凄く良いキャラだとはおもうんだけど、物語の出来に彼女の能力が影響を与えているということに、どうも抵抗を覚えてしまう。まあ「運を引き寄せるのも実力のうち」って返されるとそこまでなんだけども。

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身代わり伯爵の冒険

 

町のパン屋の看板娘・ミレーユ。色恋沙汰に生まれてこのかた御縁が無く、ひたすら実家のパン屋の商売繁盛のことばかり考えていたが、ある日謎の青年に拉致(!?)され、死んだとばかり思っていた父親の元に連れてこられてしまう。しかも、成り行きから双子の兄・フレッドの身代わりとして王宮に出仕することになってしまい…!?

ついったーで「鈍感×鈍感とか、天然×天然とか、両思いなのに進展しなくていつまでももどかしい関係なカップリングの話が読みたい!」と叫んだらオススメされたので手にとってみました。きっぷのいい町娘・ミレーユが父方に引き取られた双子の兄の身代わりとして男装し、陰謀渦巻く王宮に潜り込む…というお話です。

商売根性溢れる庶民派で、どこか破天荒な女の子であるミレーユが見せる、女の子らしい一面がとてもかわいい。プロローグの暴れっぷりからして彼女に周囲が振り回されるのかと思いきや、慣れない男社会に振り回されたり、陰謀渦巻く貴族たちのやり方に憤ったり心を痛めたり…という姿に若干の驚きと、それ以上の愛おしさを感じました。王宮での鬱憤を晴らそうととった行動とその顛末には爆笑したけど。

そんなミレーユが「身代わり伯爵」となった時から影に日向に彼女に付き従い、次第に惹かれていくのが兄の親友・リヒャルドなわけですが…恋愛ごとに不慣れで不器用な二人のすれ違いから、それが解きほぐされるエピローグまで思う存分に楽しむ事が出来ました。「王道ファンタジー」と謳うだけあって、素晴らしい王道展開にニヤニヤがとまらない。王道すばらしいよ王道。

しかし、完全にドツボにハマったのは終盤でミレーユの兄・フレッドが登場してからでした。何、この素晴らしすぎる兄貴!!!笑顔で人を惑わす昼行灯ぶり、自分大好き妹大好きなナルシストっぷり、そしてミレーユとリヒャルドの恋路をさりげなく進展させようとする策士ぶりに最初から最後まで胸がキュンキュンときめきまくりました。もう、わたし、フレッドの親衛隊に混ざってもいい……。

ミレーユとリヒャルドの淡い恋の行方や二人の周囲を渦巻く陰謀といい、素晴らしすぎる萌え兄貴といい、いろいろな意味で素晴らしかったです。少しずつ、続きも読み進めていこうとおもいます。とりあえず兄貴にもっと出番を!!!

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夏コミ新刊、委託はじめました。+サンクリ45予定

夏コミで頒布したバカテス本「ばかてすっ!」が「とらのあな」様で委託していただけることになりました。
すごく……びっくりです……

以下のリンクから商品ページへ直接飛べますので、夏コミで買い損ねた!という方は是非どうぞ。
手数料の関係でちょっと高めになってますが……他の素敵な同人誌のオマケかなにかに、是非。
(小部数ながら秋葉原店でも取り扱っていただいてるみたいです。)


内容は秀吉&明久中心、2巻の文化祭話の妄想補完本です。
とりあえずメイドアキちゃんかわいいよな本です。

→本の詳細はこちらからどうぞ。



なお9月27日に池袋で開催される「サンシャインクリエイション45」でも頒布しますので、
そちらのイベントに参加される方はそちらでどうぞ。Bホール エ-04b「CELESTE BLUE」でおまちしております。
サンクリ新刊は……コピーでなにか、出せたらいいなあ……orz

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我が胸で眠れ亡霊 魔術士オーフェンはぐれ旅3

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

借金取立ての旅の途中、『魔術士殺し』と呼ばれる女暗殺者・ヒリエッタに命を狙われたオーフェン。またぞろ、自分の縄張りで商売をしているのが気に喰わない金融業の元締めにでも狙われているのだろう…とおもっていたのだが、ヒリエッタは意外な取引を持ちかけてくる。一時的に彼女と手を組む事にしたオーフェンだが…
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我が胸で眠れ亡霊 (富士見ファンタジア文庫?魔術士オーフェンはぐれ旅)
本編シリーズ第三巻。女殺し屋に命を狙われたオーフェンがとある魔術士の生み出した「亡霊」と対決することになる…というお話。序盤に出てきた、オーフェンの金貸し戦跡噴いた。「無謀編」を知ってるとどのくらい金に困窮してたか、仕事上手くやってないかは知ってたけど、そこまで酷かったのかよ!!!とっとと金貸しやめて他の職業に転職しろよ!!!

今回は何よりオーフェンとクリーオウの微妙な関係にニヤニヤが止まらない!オーフェンに振り向いて貰いたくてヤキモキしているクリーオウと、邪険に扱いながらも彼女の事を大切に思っているオーフェンの縮まりそうで縮まらない絶妙な距離感がたまらない。

一方で、様々な意味で重いものを感じさせるオーフェンの過去も気になる。オーフェンの《牙の塔》時代は「無謀編」の方で結構読んだけど、あちらは結構ドタバタなイメージしかなかったので、1巻の事件があったとはいえこんな重たい過去があるとは思いもよらなかった。そういえばあの話ではアザリーの他にも《牙の塔》時代の仲間が出てくるんだっけ?1巻を読んだのが2年前とかなので、いい加減内容忘れてる……

彼の過去になにがあったのかは今後の本編で明かされていくのかなあと思うので、今後どんな風に物語が続いていくのかも楽しみです。

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我が命にしたがえ機械 魔術士オーフェンはぐれ旅2

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

借金を踏み倒して逃げだした地人の兄弟を追いかけて古都アレンハタムへやってきたオーフェンとマジク、クリーオウの3人。まずは大陸魔術士同盟支部に足を運ぶが、突然の大爆発に巻き込まれてしまった。爆発の瓦礫の中から、かつての友人・ステファニーを発見して…
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我が命にしたがえ機械 (富士見ファンタジア文庫—魔術士オーフェンはぐれ旅)  <br />
気がついたら1巻を読んでから2年半の月日が経過しておりました…というわけで、周囲のブームに流されて遅まきながらようやく本編続きに着手(無謀編は結構読み進めてた)。今回は、“天人”の残した遺産で、すべての魔術士を抹殺しようとする殺人人形とオーフェンが対決するお話。

“魔術”と“魔法”の違いや作品世界で“ドラゴン”と呼ばれる種族の存在や魔術の成り立ちなど、全体的に作品の世界観を補強するような会話が多かったような。あと、「無謀編」のイメージを持ったまま読むとマジクがすごい子になっててびっくりですね。あと「お師様?」っていってオーフェンを慕ってる(?)様子にびっくりです。確かに言葉の端々はアレなんですけど、さりげなく恰好までオーフェンのまねっこしちゃって、なんなのこの師匠大好きッ子!!(無謀編の時は「この金食い虫!!」みたいな扱いだった…よね?)

まあ、オーフェン自身もそういうイメージでマジクを見てただろうから、思わぬ才能の開花にさぞかしびっくりしたんだろうけどなあ…。牙の塔でも才能があると言われていた自分をも超えそうな才能を発掘したことに、嫉妬心やらなにやらを隠しきれない姿が印象的。色々と不安なフラグが立ってる気がするけど、今後二人の関係はどうなるんだろう。弟子が師匠を追い抜いていくのが半ば確定的となっている気がするけど、無謀編でのやりとりを見ているとあまり確執とかに発展しないでほしいなあと思うばかり…。

そしてせっかく中盤までそれなりにシリアスに話が進んできたのに、遺跡で待ち構えてた人と「殺人人形」の酷いグラフィックにうっかり噴いた。そしてオチで更に噴いた。ここは笑うところですよねっ!?

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384,403km あなたを月にさらったら

 

美由紀は幼稚園の頃に同じ組だった理世にずっと片思い中。私立小学校に進んだ理世と公立の学校に進んだ美由紀は離れ離れになり、月と地球にいるようなさみしさを感じていた。そんな彼女の念願が叶って理世の通う私立女子高に進学するが、理世はとある先輩の「お気に入り」になっていて…!?

ティアラ文庫、創刊ラインナップ以来のジャンル:「百合」。みりおんぐらむさんの感想がきっかけで手にとりました。主人公が、幼稚園児の頃から好きだった女の子を今度こそモノにするため、エスカレーター式のお嬢様学校に進学する…というお話。

主人公のキャラが楽しすぎて、最初から最後までニヤニヤが止まらなかった!これまで読んだティアラ文庫のラインナップの中でも最高に楽しめたかも。本人はあくまで「策士」のつもりでいるんだけど、考えていることがすぐに顔に出てしまったり、大事なところであっさり計略が破たんして茫然としたり……という壮絶なうかつな子っぷりが微笑ましい。「コードギアス」のルルーシュの女の子版、という言葉が脳裏をよぎったとかよぎらないとか。

また、美由紀の恋人である理世が非常に良い性格してる。おっとりした天然娘かと思わせておいて、予想外に客観的な視点を持っている、作中で何度も表現される通り「猫みたいな」女の子。彼女と美由紀が結ばれた後は理世の視点からも物語が語られるのですが、しょうもない計略を巡らせてはすっ転ぶ美由紀の姿と、そんな彼女をふりまわす天然小悪魔っぷりに笑いが止まりませんでした。

唯一、残念なのはティアラ文庫では定番の事ながらかませ犬ポジションの押しが不自然に弱い事。
特に恋敵であるまりあ先輩にはもうちょっと頑張ってほしかったな。良いキャラだったのに。
美由紀と理世が結ばれたとたんに完全に出番がなくなるのは正直どうかと思う。

あと、
理世×美由紀(with酒)を、どうしてカットしたし
せっかくエロありレーベルなんだから、そこはしっかり収録すべきだっただろおおおおお!

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コッペとBB団 その3

[著]田口 仙年堂 [絵]はしもと しん

かつてコッペを生みだし、BB団を裏切った男・K次郎博士の残した隠し部屋が発見され、その部屋に怪人の製造ポットが設置されていた。コッペの「弟妹」達の誕生に沸きあがる一同だが、BB団の支部が正義のヒーロー「トリオ・ザ・ナイトメア」に襲撃されて……
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アットホームな悪の組織・BB団と人工人間の少女・コッペが織りなすドタバタコメディ。「FBオンライン」で連載されていたお話に書き下ろしを加えた最終巻。

コッペの弟妹となる怪人で炎の男・ミスター・フランベ、氷の美女・ミス・ソルベ、大地の巨漢・ポテト・パパ、風の少年・アロマ・ボーイという4人が怪人として、そして「家族」として少しずつ成長し、絆を深めていくというお話。相変わらずちっとも「悪の組織」にはちっとも見えないBB団の面々と、凶悪な力を持ってはいるものの心優しく、敵と戦う時ですら躊躇してしまう彼らの姿が印象的でした。また、弟妹達の誕生によって4人の「お姉さん」としてこれまでと違った立ち位置で描かれるコッペの奮闘もなんだかほほえましい。

しかし、敵である「トリオ・ザ・ナイトメア」がまたちっともヒーローらしくなくて、彼らとの闘いを見ているともうどっちが悪の組織でどっちがヒーローだかわからなくなってくるから困る。ミスター・フランベが彼らに対して「そういえば俺達は悪の組織だった」みたいなこと言いだす場面がありましたが、あれは全国の読者も同じ気持ちだったのではないかと。しかしその一方で、最初バラバラに各自のやりたいことをやるだけだった「トリオ・ザ・ナイトメア」の子供たちが初めて“強敵”と呼べる存在に出会い、敵を打ち倒す為に少しずつ協調して戦う事を覚え、人間としての成長を果たしていく姿が印象的でした。そして予想以上に肝っ玉母ちゃんなゴーストWさんがすてきすぎる。

そしてエピローグではいい人だらけのBB団がなぜ「悪の組織」ではならないのかという、物語の秘密の一端が明かされます。しかしP子がラストで呟いているように、彼らの目的は徐々にコッペ中心のものに変わってきているわけで、BB団が今後どうなっていくのかは非常に興味をそそられます。むしろ数年後には普通に正義の組織に生まれ変わっててもおかしくないんじゃね!?コッペの進学とか主にそういう方向の理由で。

しかし、もともと「FBオンライン」で連載されていた作品と言うだけあって外伝色が強く、これが「最終巻」と言われてしまうのは少し物足りなさを覚えます。ゆっくりとした発刊ペースでも構わないので、彼らのアットホームなやりとりをもう少し眺めていたかったような。3巻も十分面白かったけど、ミスターフランベ達4人が中心になってしまって本来の主役であるコッペ達は物語の中心に居ませんでしたし。

また何らかの形で続きが出ないかなあ、と思わず考えてしまう最終巻でした。

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アンゲルゼ 最後の夏

 

親友リコの「孵化」を私の歌が助けた……? 次々に明かされる衝撃の事実に戸惑う陽菜。能力の検査と訓練のために軍の施設に通い始めるが、そのメニューは苛烈を極めていた。新しい仲間、有紗もなぜか酷く冷たい。何度もくじけかける陽菜だが、世界は彼女を待ってくれなかった。アンゲルゼの「大活動期」が目前に迫っている…。重すぎる使命と折れそうな心を抱えた陽菜の、凄絶な夏が始まる!

“未孵化(アンハッチ)”としての能力を開花させ、否応無しに軍への入隊を余儀なくされた陽菜は、夏休みの殆どの時間を基地での教練をして過ごす事に。中学で受けたお仕着せの軍事訓練とは違う、本格的な軍事教練に日々ヘトヘトになりながらも何とか付いて行く陽菜だったが──「天使病」と呼ばれる奇病が蔓延し、その病気から人間外の存在になった者達と人類との闘いが勃発する架空の現代日本を舞台にした現代ファンタジー第二弾。今回は軍に入ることになった陽菜が様々な過酷な訓練を受けながら、「アンゲルゼ」に関する様々な真実を知っていくというお話。

ちょっと持ち上げては崖の下まで突き落とす、聞きしに勝るサド全開な展開に読んでるこちらまでわたわたしながらも手に汗握りまくりです。色々あったけど特に西原の母親の話は、真実に気がついたとき背筋が寒くなりました。

人間と“アンゲルゼ”との戦いに足を踏み入れ、次々と過酷な真実を知らされ突き落とされていく合間に、定期的に挿入される中学生の少年少女らしい青春なお話が憎らしい…!!いつこの儚い幸せが打ち砕かれてしまうんだろう、とハラハラしてしまうのは私だけじゃないはず。サブタイをふまえると、切なさ倍増。1巻の突き落としぶりがあまりにも見事だったので、「それで、湊はいつもう一回陽菜を裏切るの?」とか思ってしまう私がいる…。

人生を一変させるような出来事を経て、以前よりも前向きになった陽菜が少しずつ現実に立ち向かっていく姿は頼もしいものがあるのですが、同時に着々と嫌な伏線張られてる感じが恐ろしい。特に、敷島には様々な意味で不気味なものを感じます。陽菜に対しての不可解な態度は、利用しようとしているのか不器用な優しさの裏返しなのか…「利用している」程度ではすまないような何かが彼の行動の裏に潜んでいる気がして、それがとても恐ろしい。

ちなみに後書きで「湊派か覚野派か」みたいなネタがありますが、私は断然覚野派ですね!!なんか湊は全体的に行動がうさんくさいというか、3巻か4巻くらいでふたたびポジション裏返りそうな気がしてならない。覚野は出番少ないけど、一途ツンデレ(糖分控えめ)の香りを感じて、彼が出てくるたびにニヤニヤします。あと新キャラの有紗さんも、これは糖度1%未満ツンデレかそうなんだな!という感じでとても好きです。彼女の今後の活躍(もろに、捨て駒キャラになりそうだけど…)に期待。

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