続いて中学生以降編です。小学生時代編はこちら
小学・中学というよりも、どちらかというと「絵本・児童文学とそれ以外」で分けてます
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読書遍歴を振り返る流れに便乗する その1(小学時代編)
あこやさんちの「読書遍歴を振り返ってみる」エントリを読んで、色々ホイホイされたので便乗してみます。
ラノベ関係の読書遍歴は以前書いた「懐かしのラノベを語ってみる」エントリで殆ど書いてしまったので、今回は基本的に「ラノベ以外」で。
うちは小さい頃から割りと、親が両方とも本を読ませよう本を読ませようと必死になってる人達だったので何かと本が家にある家庭でした。幼稚園時代からとりあえず本棚だけは完備されてたような記憶が……
小学生時代その1:絵本関係
![]() ▲Amazonで見る | おおむら ゆりこ 福音館書店 1967-01-20 |
それはいいけど、読み直してみるとこのネズミたち、結構腹黒……ゲフンゲフン
![]() ▲Amazonで見る | 岩崎 ちひろ 岩崎書店 1972-01 |
自分の事を話さない女の子が、人を助けて死んでいくお話。
うちは家族そろっていわさきちひろが好きだったようで、結構いわさきさん挿絵の絵本が多かった。そして現在手元に残ってる絵本もいわさき率激高だった。
![]() ▲Amazonで見る | Dick Bruna 福音館書店 2000 |
小学生時代その2:日本の児童文学編
![]() ▲Amazonで見る | 杉浦 範茂 講談社 1987-05 |
岐阜から東京に迷い込んでしまった飼い猫が野良猫の「イッパイアッテナ」と出会う話。
これもよかったけど続編の「ルドルフたびだちひとりだち」も好きでした。
正直仲間になったブッチーが可愛すぎると思うんだぜ…
![]() ▲Amazonで見る | ヒロナガ シンイチ 講談社 1999-11-15 |
はつかねずみな宇宙人と小学生の男の子が色々するお話。
![]() ▲Amazonで見る | 理論社 1980-03 |
なんか全体的に「●●に向けて旅するお話」が好きだった。ルドルフとかもそうだし…
![]() ▲Amazonで見る | 瀬川 康男 理論社 2000-04 |
脳内類似品として「ながいながいペンギンの話」なんかも。
![]() ▲Amazonで見る | ひらい たかこ 講談社 1999-04-15 |
日常世界から異世界に迷い込んじゃう系の話も大好きでしたねー。「霧の向こうの不思議な町」「地下室からの不思議な旅」とか。子供の頃は、電車に乗るといつ電車が異世界に繋がってしまうのかとワクワクしてました。
中学生以降は、電車に乗るたびいつ電車が止まらなくなって惨劇の幕があけてしまうのかガクガクしてました(※最終電車的な意味で)
![]() ▲Amazonで見る | 前川 かずお ポプラ社 1978-02 |
![]() ▲Amazonで見る | 三木 由記子 講談社 1980-11-10 |
![]() ▲Amazonで見る | 永井 郁子 あかね書房 1987-12 |
わかったさんのおかげで長らくクッキーつくりにハマったけど我が家にはオーブンがなかったのでそもそも全く上手く焼けなかったという罠が……
小学生時代その3:海外の児童文学編
![]() ▲Amazonで見る | E.H.シェパード 岩波書店 2000-06 |
今では「●ィズニーとか邪道です、シェパードの挿絵最高です」と叫ぶような原作信者になりました。
![]() ▲Amazonで見る | Tove Jansson 講談社 1979-08 |
洪水で離れ離れになったムーミンファミリーを呼び戻すため、ムーミンパパ達がなぜか「演劇」をする話。
![]() ▲Amazonで見る | 井伏 鱒二 岩波書店 2000-06 |
動物語を喋れるドリトル先生と、ドリトル先生の家の動物たちのお話。
![]() ▲Amazonで見る | 久米 元一 あかね書房 1990-04 |
白いオオカミと、その飼い主(?)の少年が狼の保護地域を目指して逃避行するお話。なんか全体的に食べ物の描写がおいしそうだった記憶が。
映画版のグラフィックは、どう見ても主人公がウッソ(Vガンダム)
![]() ▲Amazonで見る | Michael Ende 岩波書店 1976-09 |
長くなったので、中学校以降の読書遍歴は別エントリに……
これはゾンビですか? 2 そう、私は死を呼ぶもの
アユムに「ヨメ」現る!? 魔装少女とネクロマンサー驚愕!
「アユム! メガロが出た、行くぞ」魔装少女ハルナに魔物狩りへ連れ出される俺。そこへセラと敵対する吸血忍者の少女が現れ、まったくの事故でキスしてしまう。その子、友紀は同じ学校の生徒で俺の嫁になるってー!?
ひょんなことからゾンビになってしまった歩はこれまたひょんなことから「魔装少女」となってしまい、日光を避けたりしつつ魔物狩りに駆り出される日々を送っていた。そんなある日セラと対立する吸血忍者の少女が現れて、とあるアクシデントをきっかけに「歩の嫁」とか言い出してしまって…!?ひょんなことから男なのに「魔装少女」になってしまった主人公(ゾンビ)と彼の周りに集まるヒロイン達が繰り広げるラブコメ、第二弾。
1巻は無茶苦茶なノリと勢いに任せて、駄目な部分もちょっと気になりつつ楽しく読んでしまったんだけど、2巻はちょっと駄目だった……キャラクターは可愛いのに、それがどうでもよくなるくらいにストーリーが駄目だった…。
この作品に登場する4人のヒロイン(ハルナ、ユー、セラ、新キャラのトモノリ)の全員に無理やりスポットを当てようとしてて、そのせいか物語そのものが結局何したかったのかちっとも伝わってこない。ハルナや大先生や「魔装少女」の事、ユーと謎の人物と「不幸を呼ぶもの」であるということ、セラと吸血忍者と任務のこと、新キャラのトモノリとクラスメイト達とのドタバタ…全部いっぺんに進行していて、いっぺんに進行してるが故に全部物足りない。「どれか一人の物語を本腰据えてやってくれ!!」と思うのはだめなのか?
ヒロイン3人もそうだけど、特に新キャラクターのトモノリが可愛かっただけに、その可愛さを楽しみ切れないのが非常につらかった。主人公達の疑似家族具合も結構好みなので、もういっそよくわかんないシリアス話とかやらないで疑似家族モノの短編ラブコメとしてやってくれたほうが楽しいんじゃないかなあ…と思ってしまったり。
もうただただひたすら、「合わない」っぽいので3巻以降はもう読まなくていいかな。
なんかドラマガ的に超プッシュ体制入ってて、設定やキャラ自体は好きなので、アニメ化とかするならそっちに期待します。
15×24 link one せめて明日まで、と彼女は言った
謎の人物とネット心中しようとしている少年と、彼の自殺を止めようと動き出す人間達の群像劇。
徳永本人の知らない所でどんどん大きくなっていく騒ぎと、追跡者達の決して善意だけで動いている訳ではない思惑がどんどん交錯しておかしなことになっていく様がとても面白かった!「自殺をしようとしている少年を助けるため、無関係の人々が動き出す」というと凄くいい話っぽいんだけど、登場する人々の殆どは自己顕示欲とか、勘違いした正義心とか、恋人への義理とか、とにかく基本的に「自分の為」に動いているのがある意味凄い。登場人物達は利己的な、「痛い人」が殆どなので、彼らの痛々しい行動を生温かく見守りつつ、彼らがお互いに足を引っ張り合ったり、彼らの行動が思わぬ事実に発展していく様をニヤニヤ眺めてしまいました。
登場人物の中では、個人的には車椅子少女の満里衣さんが好き。
暴走する車椅子正義が素晴らしいです。
行ったり来たり戻ったりを繰り返しながら、「<17>とはだれなのか?」「徳永の居場所は?」などといった物語にちりばめられた謎に迫っていくのが、もどかしいやら心地よいやら。
人数が一辺に出てきて頻繁に視点が入れ代わるので、キャラを把握するまで暫く戸惑いましたが、とても面白かったです!これは2巻を読むのが楽しみ。
黄金の姫は桃園に夢をみる
コバルト文庫の新人さん。平安時代を舞台に人間の世界で育った異形の少女ともののけ達が繰り広げる退魔モノです。人間の世界では恐れられていた能力が、実は「影」と呼ばれる人やもののけの心の影に巣食うバケモノを退治する唯一の能力で、恐れてきた祖父の手の中から逃げ出せたのはよかったけど、今度はその「影」を祓う為に力を使えといわれ、そんな中で様々な人(もののけ)と出会ったり色々と葛藤したりながら次第に自らと向き合っていくお話。
王道的な展開で面白かったけど、個人的にはもう少し平安モノ・もののけモノとしての味付けがほしかったかなぁ。「平安時代モノ」と銘打たれてるわけではないし、人間の世界から隔絶された世界でのお話なので前者の味付けが薄いのはしょうがないと思うのですが、百鬼夜行な「間の国」の設定が凄く面白かったので、ここまできたらもう少し妖怪色を強めに出しても良かったんじゃないかと。「妖怪の世界にも様々な差別・確執があって、人間の世界と変わらない」というお話ではあるのですが、彼らがあまりにも人間らしすぎて逆に妖怪っぽさを殆ど感じなかったのが残念でした。
あと、影の黒幕ポジションの人はもっと序盤から主人公たちに絡んできてもよかったんじゃないかなあと…「彼」と朔の関係が突然強調されはじめたなあ…と思って「この展開はひょっとして、こいつ黒幕なんじゃないの」って思ったら本当に黒幕で噴いた。だってなんか、あの優しさが胡散臭いんだもんっ!!
一生懸命、朔へミスリードしようとしてるのが丸判りであっさり黒幕が見抜けてしまったのは、最近の自分の読み方がひねくれているのでしょうか……朔の心変わりも唐突な印象を受けたし、出来ればその辺りはもう少ししっかり描いてほしかった。
色々気になるところもありましたが、もののけ百鬼夜行な世界観、重い運命を背負わされた雲雀と彼女とは対象的な境遇の朔の関係……などなど非常に好みだったので、続編が出るなら読みたいです。次は是非とも、バトルはおいといて「間の国」そのものにスポットを当ててほしいなあ。もののけ色たっぷりでお願いします!!(※それを少女小説に求めるのが間違ってます)
今月のまとめと読了記録[2009年9月分]
9月に読んだ本は感想書いてないもの含め15冊でした。
っていうか、9月の新刊4冊しか読んでない! ?やべえ/
欲を言えば、この期間にもうちょっとまとめて本を読んでおきたかったなあ。
やっぱ、イベント後1ヶ月で次のイベントってコンボはキツすぎるぜ…
2009年9月に読んで面白かった本
なんか見直すと、今月はとても少女小説月間だった……![]() 384,403km あなたを月にさらったら (⇒感想) | ![]() アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋 (⇒感想) | ![]() 生徒会の月末 碧陽学園生徒会黙示録2 (⇒感想) | ![]() 身代わり伯爵の冒険 (⇒感想) |
商業誌のエロものでここまで萌えたのは初めてだったかもしれない!くらいの勢いでテンション上がったのがティアラの9月の百合こと「384,403km あなたを月にさらったら」でした。自称・策士なのに色々とバレバレなうっかり百合娘・美由紀が天然だけど天然襲受けな理世に振り回され、翻弄される姿が本当に可愛い。百合+エロなので苦手な人にはオススメできませんが、その辺が大丈夫な人になら全力でオススメしたい作品でした。
少女小説好きの人達から「これは読むべき!」といわれ続けて漸く読んだ「アンゲルゼ」も凄かったです。少女小説とは思えないハードな展開とは裏腹に、ツンデレな主人公の幼馴染・もーちゃんとの恋の行方にゴロゴロゴロゴロ転がる日々。まだ感想書いてませんが4巻と補完同人誌「AAST」も素晴らしかったです。これは少女小説読まない人も全力で読むべき!!
もうひとつ長らくオススメされてて漸く読めた「身代わり伯爵の冒険」も面白かったー!ミレーヌとリヒャルドの関係もたまらないのですが、それ以上に兄貴のフレッドが素敵過ぎて一人でゴロゴロ転がる羽目に。フレッドの親衛隊になりたい……
アニメもはじまった「生徒会の月末」は「六花」で物足りなかった杉崎成分全開で、個人的にニヤニヤ止まらなかった。「下心」で魅せた杉崎の男らしさに、中目黒じゃなくてもうっかり惚れるよ!とか思ったり。
2009年9月にアクセス多かった感想
![]() バカとテストと召喚獣7 (⇒感想) | ![]() “文学少女”と恋する挿話集2 (⇒感想) | ![]() えでぃっと! ライトノベルの本当の作り方?! (⇒感想) | ![]() 黄昏色の詠使い10 夜明色の詠使い (⇒感想) |
新刊を読まないとその前の月に書いた人気作品の感想がそのまま頑張っちゃう法則で「バカとテストと召喚獣6.5」「“文学少女”と恋する挿話集2」のファミ通文庫二大人気作品とシリーズ完結編だった「黄昏色の詠使い」がアクセス集めまくりだった9月でした。
4冊読んだ今月の新刊系で唯一反応高かったのがラノベ業界系ラブコメ「えでぃっと!」。個人的にはラノベ業界コメディというより思春期の少年少女達が皆で一緒にひとつの作品を作っていくお話、という方向で面白かった。作った人間の好き勝手できる同人と違う、制限があるからこその商業誌作品を作ることの面白さが伝わってくる作品でした。
2009年9月の読了記録
漫画を含めても読了冊数33冊でした。しかも半分弱再読・新装版。面白かったのは友達から借りた「アイツの大本命」。ブサイクなのに可愛い吉田にキュンキュンがたまらないよ!今月はBLも百合も当たり月だったようです。あと、学生時代に大ハマリしていた作品のスピンオフ外伝となる「緋桜白拍子外伝 冬緋桜」も。以前から連載の話は聞いていたのでコミックスにまとまるのを楽しみにしていたのですが、予想以上に冬尋がよいツンデレでした。
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ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc3
「メモリーロンド」の一件で傷ついた理恵も回復し、なんとかこれまでの日常を取り戻した武紀たち。ところが、今度は春海が隠し事をしているようで…。不安に思っていたところ、春海と夏海の実父だという男が現れ、二人を引き取りたいと言い始める。それは、既にこの世から消えたはずの、武紀が展開しなかった「ファンディスク」のシナリオ通りで…!?
ギャルゲーの世界を現実に投影してしまった主人公と、彼の手によってこの世に投影されたヒロイン達が織り成すラブコメ第三巻。今回は、あらすじの通り春海・夏海姉妹を中心とした都筑家家庭崩壊(?)編。2巻読んだときに「そういえば、すっかり春海夏海姉妹が空気だなー」とか思っていたら、そこからこんな物語が展開するとは。オープニングの淋しそうな姉妹の姿がとても印象的でした。
春海・夏海の実父が登場し二人を引き取ろうとするという、武紀が展開しなかった「ファンディスク」の内容と酷似した現実の展開から、更にこの物語のシステムに対する疑惑が提示されていく、謎解き的な展開が面白かったです。今回は結局……でしたが、火種自体は残したままの終わり方となったので、これが今後の伏線へと繋がっていくのかな?とはいえ、ゆうきが自分のシナリオを評して「ファンディスクらしい甘々展開」と言った通り、ファンディスクで破滅的な展開になる可能性は低そうな気がしますが…
武紀がヒロイン達の中から「誰か一人を選ぶ」事で現在展開されている「シナリオ」にも終わりが訪れてしまうのか、それともただ現実の人間と同じように誰かを選んだ後もこれまで通りの日常が続いていくのか。それとも今回おぼろげに提示された「ハーレムエンド」という新たな展開を選んで未知のシナリオに突入するのか…、今後の展開が非常に楽しみです。
それはそうと遂に高橋愛子ルートの可能性が垣間見えたわけだが!!
今回も良い男前だった高橋愛子さん、個人的には是非とも正ヒロイン昇格していただきたいものですがいかがなもんでしょう。いやまあ、攻略不可ヒロインだからこそ輝くキャラって感じもするんですけど。
FBオンラインで連載中の「シルバーブレット」側のキャラクターもさりげなく関わってきたみたいなので、そろそろあちらの外伝も読むべきかなぁ。文庫化してから読むか、先にオンラインで読むか結構悩ましい…。
アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋
もーちゃん……!!!
とりあえず最後のもーちゃんで全部ぶっとんだ!もーちゃんかっこいいよもーちゃん!もーちゃん一途だよもーちゃん!!読書メーターの皆の感想のシンクロぶりも凄いよ!!!
今回は「アンゲルゼ」を初めとして、様々な真実が明かされるお話でしたが、その裏で蚊帳の外にされてしまった覚野や楓が変化を始めた陽菜の様子に、自らの無力さにもどかしい思いを抱きつつ、必死にそして一途に自分の今できる事を模索し、少しでも真実に近づこうとする姿がまぶしかったです。特に様々な方向で屈折した、覚野らしい不器用な告白の言葉にシリアス場面なのにうっかりゴロゴロ萌え転がってしまった。しかし、ラストのあれからいって覚野ルート確定と信じていいのか?今回の湊は露骨にかませ犬ポジションに墜落してた気がするしなあ…
一方で、次第に「未孵化」としても異質な能力と特徴を発揮し始める自分の姿そのものに怯える陽菜の葛藤が悲しかった。最初はギクシャクしていた湊や有紗とも「良いチームだなあ」と思えるようになっていったのに、その矢先に初の実践投入で……という展開。皆で写真を撮ろうという展開の時は露骨に何かのフラグにスイッチが入ったのが見えた気がして、思わず「だめええええええ!」とか思いました。本当に、本当に容赦がない。しかし、覚野以上に不器用な愛情表現を覗かせる有紗さんは本当に可愛いよなあ。
最後は、これまで真意がわからなかった敷島の不可解な態度の理由が明らかになると同時に、陽菜の前にはさらに残酷な未来が待ちうけている事が明らかになって、彼女を今後待ち受けるであろう様々な悲しみを思うと心が痛くなるわけですが、そんな彼女を「人間の」覚野に託そうとする敷島の想いに少しだけ胸が温かくなる気持ちでした。あと1冊で完結だけど、この物語がどのような結末を迎えるのか、とても楽しみ。
Gosick 〜ゴシック〜
「今のうちに買わないと挿絵つきで読めなくなっちゃうよ!」という脅迫観念(違)の元、今更読み始めました。(←どうやら挿絵付き「Gosick」が別途出るようですよ!)第一次世界大戦後のヨーロッパの小国を舞台に、日本の帝国軍人三男の少年が少し不思議な女の子に振り回されるというおはなし。同じミステリー文庫の「しずるさん」シリーズのような、安楽椅子探偵モノなんだとなぜか思い込んでいたのですが、普通にミステリーしてました。
ヨットに乗りにきたはずが、なぜか不吉な噂を持つ“幽霊船”に乗ってしまい、噂の通りに同乗者がどんどん死んでいってしまうという状況の中、見た目は可愛らしい少女なのに、老獪な印象を持つヴィクトリカが時々垣間見せる少女らしい一面が可愛らしかった。作家・桜庭一樹というと「推定少女」や「少女には向かない職業」のイメージが私の中で非常に強く、そういう作品と比べると「Gosick」は「らしくない」印象を受けたのですが、読み終わってから再考すると、「EVE THE LOSTONE」が持っていた雰囲気に近いのかなあとか思いました。いえ、展開が無茶すぎるとかそういう意味ではなく、あくまで持ってる雰囲気が!逃げ場の無い閉鎖空間の中で、徐々に“死”が間近に迫ってくる感覚とか、そういうあたりが。過去の「QueenBerry号」での、エレベーターのトラップはトラウマすぎる…。
ミステリーというよりは少年少女の冒険話として面白かったです。Twitterで「角川つばさ文庫から出せばいいのに」という意見を見て「なるほど」と思ったのですが、青い鳥文庫とかと一緒に並べたい気がします。
個人的に、「あわせて読みたい」児童文学は「クレヨン王国と水色の魔界」。
1円玉の話がトラウマすぎる。
![]() | クレヨン王国水色の魔界 (講談社 青い鳥文庫) 講談社 1991-06-15 by G-Tools |
生徒会の月末 碧陽学園生徒会黙示録2
私立碧陽学園生徒会―そこは、美少女メンバー四人が集う楽園だが、楽園のご主人様(妄想)である杉崎鍵は今、美少女達を裏切り、オトナの世界へ旅立とうとしていた。いや、杉崎だけではない。いたいけな腐…じゃなくて婦女子の椎名真冬も、また。人は皆、様々な経験を経てオトナになる。生徒会のメンバーだって、例外ではないということだ。さあ、オトナの世界へ向かって飛びだそう!碧陽学園生徒会と一緒に!―ってことで、久しぶりにやってきました「黙示録」。今回も、どこに行こうとしているのか分からない少年少女達の書き下ろしが満載だ。いやー、ガッカリだよ。ガッカリオブザイヤーだよ。 (「BOOK」データベースより)
ドラマガなどに掲載された特別短編と、2年B組ネタ中心の書きおろしを収録した「黙示録」シリーズ第二段。実は「のっとる」?「2年B組の姫君」までの短編は全てドラマガのほうで読了済みだったのですが、改めて読んでも笑いが衰えないのが凄いなあ。個人的にドラマが掲載分では「アニメ化する生徒会」が一番好きです。皆自分の欲望に正直すぎる…。
「六花」ではイマイチ杉崎成分が足りなくて面白いながらも物足りないモノを感じていたのですが、今回は「二年B組の下心」「杉崎鍵の放課後」「椎名真冬の月末」「椎名深夏の月末」と書きおろし4編が杉崎祭状態だったのでとてもうはうはしました。
特に鍵・中目黒・宇宙守の3人が合コンする「二年B組の下心」が良かった。
相変わらず、天然でギリギリ(アウト)な中目黒くんの暴走っぷりも楽しいのですが、宇宙巡のことをボロクソに言われた時の3人の言葉がかっこよかった。その前に「二年B組の姫君」を見ていたからこその、相乗効果もあった気がします。散々嫌がりながら、真冬ちゃんを喜ばせるような行動(笑)をガチで取ってしまう鍵は本当にいいひとだ…。そして中目黒の天然子悪魔ぶりに萌え死んだ。あと、
163Pの中目黒、ほんとグッジョブ!!!!!!
雄二に続いて杉崎の女装まで拝めるとは思ってませんでした!!ありがとうありがとう!
っていうかなんですか最近のラノベ界隈は女装祭りですかなにこれふざけてるの萌え。
うおおおお女装杉崎、美女系だよ美女系。これは正直萌えざるをえない!!!
そして、もうひとつ好きだったのは鍵の早朝バイトに欲望塗れた真冬ちゃんが乱入する「椎名真冬の月末」。鍵のいい人っぷりが炸裂な展開と、そんな鍵の優しさにさりげなく応える真冬ちゃん、というコンボにニヤニヤが止まらない。別にその前の中目黒家前でのやりとりに萌えてなんかいません。
しかし、その前の「下心」によると鍵の自室はエロゲやら漫画やらに占領されてるあげくアニメ録画用HDDまで完備されているらしいのに『生活が苦しい』なのか……ひょっとして、どこかの観察処分者のごとく、趣味に金取られて生活狂わされてるタイプなの…か?とてもそうは見えないけど……