[著]氷室 冴子 [絵]後藤 星 帝に対する謀反事件から数ヵ月後…京では「顔に火傷を負った怪僧」の噂に沸いていた。事件の顛末から謀反事件の首謀者・唯恵ではないかと言うものも多く、噂は噂を呼んで行く。唯恵と瑠璃姫の因縁を知る高彬は事件を穏便に収めようと一人で調査を開始するが…… |
高彬が主人公なお話は、ヘタレな高彬が全開な展開でとてもよかった。瑠璃姫との結婚を巡って母親には猛反対され、乳兄弟の守弥に妨害された挙句、都を騒がす怪僧の事件を巡って唯恵と瑠璃姫の事情を知らない今上帝や藤宮さまからせっつかれ……と胃潰瘍起こしそうなくらい周りの人々に振り回される姿にニヤニヤする。僧の正体もいろいろな意味でオチがついてしまって、笑いが止まりませんでした。
そして後半は前半で散々高彬をいびっていた(笑)守弥がアっといわされるお話。血統はいいけど瑠璃姫並みに変人な煌姫に振り回された挙句、策は失敗するわ高彬には勘違いされるわ煌姫には振り回されるわ…でいいところ無しの姿に爆笑。ていうかいろいろな意味で面の皮が厚いもの同士、守弥と煌姫はくっつけばいいと思うの。良いカップルだと思うんだけどなあ…。
瑠璃姫がいないのでパワー不足は否めないんだけど、それでもニヤニヤゴロゴロと楽しい短編集でした。というか煌姫は是非レギュラーキャラ化すべき。瑠璃姫にも匹敵するふてぶてしいお姫様っぷりがたまらない!!