ページ 122 | 今日もだらだら、読書日記。

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ジャパネスク・アンコール!

[著]氷室 冴子 [絵]後藤 星

帝に対する謀反事件から数ヵ月後…京では「顔に火傷を負った怪僧」の噂に沸いていた。事件の顛末から謀反事件の首謀者・唯恵ではないかと言うものも多く、噂は噂を呼んで行く。唯恵と瑠璃姫の因縁を知る高彬は事件を穏便に収めようと一人で調査を開始するが……
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瑠璃姫が吉野で静養している間に京で起こった2つの事件を描く番外編的短編集。再び現れた怪僧の噂を突き止めるため高彬が奮闘する話と、“もののけ憑き”と噂される瑠璃姫との結婚をなんとしても阻止したい高彬の乳兄弟・守弥が陰謀をめぐらせるお話の2本となってます。

高彬が主人公なお話は、ヘタレな高彬が全開な展開でとてもよかった。瑠璃姫との結婚を巡って母親には猛反対され、乳兄弟の守弥に妨害された挙句、都を騒がす怪僧の事件を巡って唯恵と瑠璃姫の事情を知らない今上帝や藤宮さまからせっつかれ……と胃潰瘍起こしそうなくらい周りの人々に振り回される姿にニヤニヤする。僧の正体もいろいろな意味でオチがついてしまって、笑いが止まりませんでした。

そして後半は前半で散々高彬をいびっていた(笑)守弥がアっといわされるお話。血統はいいけど瑠璃姫並みに変人な煌姫に振り回された挙句、策は失敗するわ高彬には勘違いされるわ煌姫には振り回されるわ…でいいところ無しの姿に爆笑。ていうかいろいろな意味で面の皮が厚いもの同士、守弥と煌姫はくっつけばいいと思うの。良いカップルだと思うんだけどなあ…。

瑠璃姫がいないのでパワー不足は否めないんだけど、それでもニヤニヤゴロゴロと楽しい短編集でした。というか煌姫は是非レギュラーキャラ化すべき。瑠璃姫にも匹敵するふてぶてしいお姫様っぷりがたまらない!!

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さくらファミリア!2

[著]杉井 光 [絵]ゆでそば

復活祭で神の子の生まれ変わりやら天使やら悪魔やらが騒動を繰り広げている祐太の家に、「三十銀貨財団」からクール宅急便で“精霊”が送りつけられてくる。やたらと卑屈な精霊様だが、彼女の力を接着剤としてエリとレマが合体、“神の子”が復活しそうになってしまう!?必死に阻止しようとする祐太だが、そこに更なる騒動が…
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天使や悪魔や聖人の生まれ変わりな人々が繰り広げる、下ネタ満載のドタバタホームコメディ(?)第二弾。今回は“三位一体”の一角・精霊さんの登場です。

相変わらず下ネタ満載のツッコミ激しい会話の応酬が繰り広げられ、前巻以上に某教関係者は見ちゃいけませんなノリになってます。特にペトロの生まれ変わりな某教皇が駄目人間過ぎる…「禁書目録」ですら色々ギリギリのところで同団体と完全イコールにならないようにしてるのに、こっちは思いっきり団体名モロ出しなのでとりあえず関係団体のお偉いさんの目に触れないことを祈るばかりです。ていうか十二使途が「実質神の子ファンクラブでした」ってオチには緑茶噴出したわ!!!

ていうか基本的にこの作品については、祐太が活躍してくれていればそれだけでも十分満足なわけですが。杉井光作品定番のヘタレ主人公に「実はキレ者」属性と「異能もち」属性を追加するだけでこんなに自分の好みにジャストヒットするとは思わなかったよ……杉井光は早急に祐太を女装させるべきそしてペトロか神父あたりと濃厚に絡ませるべき。コミカルでテンションの高い会話の応酬や佐倉一家の擬似家族っぷりもかなり好きです。怒涛のLOVE寄せとかもありましたがそのへんはまあ、どうでもい(強制終了)

しかし、ラストのガブリエルさん、良いキャラだなあ。3巻の天界編に期待が高まります。

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なんて素敵にジャパネスク2

[著]氷室 冴子 [絵]後藤 星

即位した新帝からの度重なる文のおかげで高彬は婚約を暫く見送ると言い出すわ、お屋敷の雰囲気は最悪。高彬の発言に堪忍袋の緒がキレて「尼になってやるーっ!」と小萩を連れて尼寺に駆け込んだ瑠璃姫だが、彼女が家を空けている間に実家・三条邸が炎上したとの連絡が入って…!?
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シリーズ第二弾。実家・三条邸が炎上した事件の犯人をつきとめようと動き出した瑠璃姫の前に、死んだと思っていたあの人が現れるというお話。

吉野君の意外な正体が明かされ、それが今上帝との悲しいすれ違いを産んでいく様子がとても悲しかったです。そして二人の決定的なすれ違いを防ごうと防止する瑠璃姫の姿がけなげ。しかし、今回一番美味しいところを持って行ったのはやはり「実はキレ者」の高彬さん。最初は高彬たちに事件を追っているということを知られないよう、後半以降は事件の真相を今上帝に気付かれないようにと水面下で動く瑠璃姫に対し、最大のダークホースとして君臨する姿に読者としてはもどかしさを感じつつも高彬スキーとしてはニヤニヤが止まらなかったり。1巻の頃からヘタレな反面キレ者らしい一面は覗かせていましたが、今回はそのキレ者な一面が全開になってきます。そしてラストの瑠璃姫に対して効かせた配慮に対しては……正直たまらん萌え。

しかし、この一件で高彬・瑠璃姫間の結婚は未だかつて無くピンチな状態になってしまった気がするけどこのあとどうなるんだろう?続きが楽しみ。

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とある飛空士への恋歌

 

バレステロス皇国の王子・カールはある日突然起こった「風の革命」により両親とすべてを失った。母とかわした最期の約束を果たすためにカルエルと名乗り、飛空士を目指す彼はとある事情から、「空の果て」を目指す浮遊島・イスラに乗り込む事に。イスラ管区長であり「風の革命」の旗印であった少女ニナ・ヴェントに深い憎しみを抱くカルエルだが…

ラノベ感想サイト界に絶賛の嵐が吹き荒れた前作「とある飛空士への追憶」の一応続編(?)。といっても舞台やキャラクターが完全一新されてまったく別の物語となっています。今回はカルエルとニナを巡る物語の序章。

「追憶」が正直あまりツボにこなかったので、続編はスルーかなあ…と思っていたのですが、すでに読み終わった平和さんが「「『追憶』の続編かよ・・・」とか思って恋歌スルーしようとしてる人がいたら、なんとか考えを変えて読んでみて欲しい」とか言ってたのでとりあえず手を出してみたら……どうしようこれ面白いまじ面白い。

「追憶」では思春期の少年が持つ、女の子や空への崇拝に近い憧れとか騎士願望とか自己犠牲精神とか戦闘機とか超カッコイー!みたいなそういうのがいっぱい詰まってて、まあ面白い事は面白かったのですが女の立場からするといまいちノリきれないなあというか、周囲の異様な高評価とかも合わせて釈然としない何かがあったんですけど、今回は空戦シーンも少ないし、キャラクターも感情移入しやすいし…で「追憶」を読んだ際に感じたモニョモニョ感は殆どなくなってました。

何よりも、キャラクターが非常に魅力的。元皇子様で現庶民だけど皇子としての誇りを忘れられなくて貴族へのコンプレックス満載なヘタレマザコンツンデレナルシストな主人公・カルエル、家族想いな二人の義姉に義父、ツンデレ全開で主人公の事が大好き(笑)な義妹アリエル、そして謎のドジっ娘クレア…と、イキイキと動くキャラクター達の動きから始終目が離せませんでした。特にナルシストなカルエルが飛行機の運転をトチってパニックする場面では思わずニヤニヤが止まらなかったり。この様子だと次巻以降、義姉と義父の出番が殆どなくなりそうなのがちょっと残念なのですが、カルとアリー、クレアが三角関係を繰り広げてくれるだろうとか妄想するともう次巻以降への期待が止まりません。

これは確かに1巻読んでスルーする予定だった人もぜひ読むべき。
とりあえず2巻まで読んで続きを読むか判断しても遅くはないかと…超オススメ!

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メイド刑事8

[著]早見 裕司 [絵]はいむら きよたか

黒須姉妹の末っ子・善香から、宣戦布告とも取れる言葉とともに"狼女の連続殺人事件"という衝撃的な映像が映ったDVDが送られてきた。葵は事件の捜査のため、怪しいと目されている一ノ瀬家にメイドとして潜り込むが……
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7巻ラストで登場した黒須善香が動き出し、ついに物語がクライマックスに向けて加速してきた感じのシリーズ第八弾。でも基本的にやってる事はいつも通り。順当にいつも通りなのであまり書くことがな(強制終了)

黒須姉妹子飼いの奥飛騨忍軍の郡星(伊月)が海堂家にメイドとして潜り込む話が一番好き。いつもとは逆のパターンですが、だんだんお屋敷の暖かい雰囲気を見て、自分のしようとしていることに疑問を覚える伊月と、いつもの通り彼女の正体を知っても平然と接するお屋敷の人々が素敵でした。伊月かわいいよ伊月。普通に海堂家に第三のメイドとして居ついてほしかったよ…!!

しかし、毎回安定して楽しめてたシリーズなので次で終了してしまうというのはかなり寂しいです。3編だと仮定すると貴美香、善香、黒幕の「あの方」と戦って終了な感じになるのかな。完結後にニキータやルカをメインにしたスピオンオフ短編集とか出ないかとか期待してみる。

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雪蟷螂

 

長いこと争いを続けてきたフェルビエ族とミルデ族。死の病に瀕した両族の族長達は、戦いに終止符を打つためにそれぞれの子供達を召し合わせる事を約束する。そして父の跡を継いだフェルビエ族の女族長・アルテシアは結婚の儀を執り行うため、2人の従者を従えミルデ族の若き族長・オウガの元にやってくるが…

『ミミズクと夜の王』『MAMA』に続く“人喰い物語”の第三弾にして最終章。想い人を喰らいたいと願うほど情熱的に愛するという女傑の蛮族・フェルビエと死んだ人々の遺体をミイラとして死後も保存し“永遠生”として信仰の対象とする狂人・ミルデという、凍てついた大地に暮らす対称的な2つの種族を巡る物語。誇り高く凛々しい女族長アルテシアと彼女の影武者で苛烈な“愛”を持つ少女ルイ、アルテシアへの硬い忠誠心と醜い容姿を持つ寡黙な男トーチカ、とある事情からフェルビエに対して嫌悪感を抱くミルデの族長オウガという対照的な4人を中心に繰り広げられるお話です。

メインの4人よりも、物語の途中で語られるアルテシアの叔母・ロージアの物語が鮮烈な印象を残しました。言葉通り“愛する人を喰らってしまうような恋心”に痺れる。しかしその分、メインである筈のアルテシア達の物語がちょっと物足りない…。特にアルテシアについてはそれまでの恋や愛とは無縁の孤高な少女というイメージが強すぎたので、彼女が恋心を思い出す場面はもうちょっと言葉を尽くしてほしかったかなあ、と。ルイの心の動きなんかは結構印象的なんですが。

でも真っ白い雪原に佇む少女、村の地下で“永遠生”を送る故人達、そしてロージアの結末など、物凄く印象的なシーンが多く、やはりこの人の作品は素敵だなあと思ってしまいました。「ミミズク」を読んだ際に「ラノベらしくない」と表現したけど、なんていうか良くも悪くも読者に一切“媚びない”作風というか、穢してはいけないような雰囲気があるというか、その辺が他のラノベとは一線を画しているというか…なんか流行とかに流されることなくどんな時でも等しく楽しめるみたいな雰囲気がある気がする。

とにかく「ミミズクと夜の王」「MAMA」がツボに入った人なら絶対に楽しめるであろう一作、非常に面白かったです。次回作も期待してます!

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なんて素敵にジャパネスク

 

名門貴族の娘である瑠璃姫は幼少のころ吉野で出会った初恋の相手・吉野君の事が忘れられず、生涯結婚しないことを胸に誓っていた。ところが口うるさい父親が次から次へとお見合い話を持ってきて、閉口する毎日。そんなある日、権少将が吉野君と親しかったと聞いて話を聞こうと出向いたら、それは彼女を無理やりにでも結婚させようとする罠で…!?

中学生時代に図書室で読んだ本なのですが、急に読みたくなって買いそろえて再読。読み返したら見事なまでに内容忘れてて愕然としました…。お転婆姫の瑠璃姫が破天荒な行動で周囲を振り回したり、いつのまにやら宮中を揺るがす陰謀に巻き込まれたりするお話です。

とりあえず高彬かこいいよ高彬。
絵に描いたような生真面目なヘタレ男子なのですが、破天荒で(この時代的には)変人な瑠璃姫のことを一途に思い続ける姿が可愛らしいです。そして、ただのヘタレかと思わせておいて意外にキレモノなところがたまらない。後半のエピソードでは鷹男においしい所をかっ浚われた感が否めませんが…。

吉野君一筋だった瑠璃姫をようやく振り向かせ、いざ結婚!と思ったら、様々なアクシデントが発生してタイミングよく事を成し遂げられない…という経緯には思わずニヤニヤする。二人ともしっかりと両想いで何度も何度も良い雰囲気になってるのに、毎回何かしらの理由で邪魔されて関係を先に勧められないもどかしさがとても素敵。気の利かない高彬に憤慨して、本人が帰った後で「ひょっとしてやりすぎちゃったかしら…」なんて悶々とする瑠璃姫の姿がまた愛らしいのです。

ラストでは二人の間に更に爆弾が投下され、暫くは「この二人結局いつ結婚できるの!」でニヤニヤしまくれそう。次巻を読むのがとても楽しみです。

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アクセル・ワールド1 黒雪姫の帰還

 
HIMA

デブで虐められっ子の中学生・ハルユキは昼休みのたびに学内ローカルネットに潜り込み、人気の無いスカッシュゲームで鬱憤を解消する日々を送っていた。ところがある日、いつもの場所に向った彼を待っていたのは生徒会副会長にして校内一の美少女・通称“黒雪姫”と呼ばれる少女だった…!

電撃文庫の新人さん。校内一の美少女から「ブレインバースト」という、意識だけを“加速”させた世界でプレイヤー同士が戦うと言うちょっと不思議なオンライン対戦格闘ゲームを受け取った冴えない主人公が、彼女を護るために奮闘するというお話です。

幼馴染も美人な先輩もわかりやすいくらいに好意丸出しなのに、それを「僕のことを哀れんでいる」「こんな僕が彼女と対等の位置に立つなんて…」と解釈してしまう序盤の態度には正直かなりもどかしいものを感じましたが、デブの虐められっ子で、勉強もスポーツも出来なくて、唯一の友人とも言える幼馴染2人には劣等感丸出しで、自らを助け出してくれた“黒雪姫”に対してはひたすら卑屈で……というハルユキが“黒雪姫”との出会いによって本当に少しずつ良い方向に変わっていく姿がとてもよかったです。そして主人公の(リアルでの)容姿が、かなり絶妙なんだよな。「醜い」というまでではないんだけどちゃんと「デブで」「ちっさくて」「かっこ悪い」という点を備えた容姿になっていて、確かにこれで美人な幼馴染なんかと並んだら劣等感むき出しにもなるだろうなーという感じ。解説ページでの川上稔デザインな主人公も正直かなりツボだったのですが、正直あれは可愛すぎると思うんだ。私ならお持ち帰りしてしまいたい、あのちまいの!!!

オンラインの「“体感”対戦格闘ゲーム」とも言うべき「ブレインバースト」のゲームシステムや、2秒程度の時間を30分にも引き延ばす『加速世界』の設定も非常に面白かったのですが、実は個人的にツボに入ったのはヒロイン・黒雪姫だったりします。古風な言い回しや様々な場面での行動力、「かっこいい女性」としての黒雪姫と、主人公に自分の気持ちを解ってもらえなくて年相応に憤ったり幼馴染と良い雰囲気になったハルユキに嫉妬して、その自分の気持ちに狼狽する、という少女らしい一面とのギャップが正直たまりません。主人公を振り回すポジションでありながらしっかりと王道なヒロインやってるとこが最高!

まだ今後の敵となっていくであろうキャラクター達とはまだ邂逅してないし、「1」と銘打たれている時点でとりあえず続編は確定っぽい?ので、続きがとても楽しみです。

あと、「終わりのクロニクル」「境界線上のホライゾン」の川上さんが繰り出す「解説」はファン的にはとても必見だと思います。ていうかもうこれ短編だし!「解説」じゃないし!!

そしてカワカミデザインのハルユキが激しく可愛い件について。
大事なことなので二度ry
いや、作品の雰囲気としてはHIMAさんのデザインの方が正解だとは思うんですけどね。

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ロスト・ユニバース5 闇 終わるとき

[著]神坂 一 [絵]義仲 翔子

銀河に滅びを撒くため、動き出したスターゲイザーと『闇を撒くもの』は瞬く間に6つの惑星を滅ぼした。その殺戮の為の殺戮行為には、ナイトメア内部からも疑問を持つ者が現れ始める。一方、星間警察のレイルは家族がナイトメアの殺戮に巻き込まれたことを知り、とある奇策を思いつく…
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「ヴォルフィード」と「ダークスター」の因縁をはじめ、すべてが明かされるシリーズ完結編。

なんかもう色々な意味でレイル警部のターン!!!
単身ナイトメアの基地に乗り込み、最終決戦でのキーキャラクターと化して……マジで活躍しすぎです。ていうかこれだけサブキャラ死亡率高い作品で最後まで生き残っただけでも凄い気がしてきました。後書きで「アニメがなかったらあっさり死んでたかも」と言われてましたが実際こうやって読み直すと3巻までは出てきてもかなり空気キャラなのですよね…アニメ化前後の4巻あたりから急に扱いが変わったように思えるのですが、そう考えるとアニメの恩恵を受けた最大の人物はこの人と言えるのではないだろうか。事情わかってない分、終盤では何気にギャグキャラとしても活躍してくれましたね。ヘカトンケイルに乗り込んだときの彼の「奇策」にはうっかり噴出しました。

これまでずっとソードブレイカーVSナイトメアの遺失宇宙船、という実質的なタイマン状態だったのに対し(3巻のゴルンノヴァ戦でも艦隊戦になるけどあの時の宇宙軍はマジ空気なので除外)最終的には様々な人達がナイトメアを倒すため、力を合わせる形になるのがとても熱いです。彼らの命をかけた思いが「第六の遺失宇宙船」まで建造し、絶望的に見えた戦いに小さな穴を開けて行き、それが勝利につながっていく。基本的に主人公と敵のタイマンでの戦いになることが多い神坂作品では珍しい燃え展開だったような…4巻には及びませんが、この作品屈指の好きな場面でした。

個人的には「その後」の彼らの姿を見てみたかったなあ。
リアルタイムで読んだ時はかなり残念に思った記憶が。
今読み返すと、これはこれで余韻があって良い終わり方だと思います。

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ロスト・ユニバース4 悪夢 生まれる

[著]神坂 一 [絵]義仲 翔子

犯罪組織「ナイトメア」との対立が避けられないと悟ったケインはナイトメアの隠れ蓑である大企業「ゲイザーコンツェルン」が募集している依頼を引き受けることに。危険は覚悟の上…ではあったが、思いもよらない敵の攻撃を受け、大打撃を受けてしまう。命からがら相転移航法で逃げ延びた「ソードブレイカー」は農業惑星・ジュノーへと不時着して…
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シリーズ第4弾。義仲翔子さんのイラストが急に漫画版の絵柄に近づいたなあ…とおもったら、3巻から4巻の発行までに約4年の月日が流れていたんですね。

ああ、やっぱり4巻が一番面白いなあ。良い子だけどしっかり者なマリエルに修理費用をしっかり請求されて涙目なケインや、町のならず者達と繰り広げるチキンレースの様子がたまらなく好き。自称「悪役(ヒール)」なリッチィさんも良い味出してます。何よりジャンクに埋まっていたソードブレイカーが、ジャンク吹き飛ばして再び宇宙に舞い戻るシーンはインパクトあって、文字を読むだけで情景が浮かんでワクワクしてくる。大気圏戦闘も面白かったし、ラストで吹き飛ばしたジャンクパーツに関してちゃんとオチがつくところも好きwこのラグド・メゼギス戦ははぜひともアニメで映像として見たかったなあ…(確か映像化されてないよね?)

しかし、これだけ良いキャラ出して、楽しいドタバタ騒ぎをやらせておいて、珍しく最後まで明るいノリで……と思わせておいて、ラストでそのキャラクター達を惜しげもなく犠牲にすることでラストで一気に落としてくる所が、神坂作品の悪趣味な所。この人の作品の最大の魅力って破天荒なキャラクターとかコミカルな物語より、これだけ明るい話やっておきながらも突然あっさりと暗黒展開持ってくる所だと思うんだ…。挿絵である程度示唆されているとはいえ、というか展開を知っていてもエピローグの衝撃は未だに大きかったです。ていうか後味悪すぎ!(まあ、最終巻が後味悪い「スレイヤーズ」本編や「闇の運命を背負うもの」よりは良心的だけど…)

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