ページ 136 | 今日もだらだら、読書日記。

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さよならピアノソナタ3

[著]杉井 光 [絵]植田 亮

夏の合宿・ライブも終え、二学期に突入したナオ達の学校は合唱コンクール、体育祭、文化祭とイベントだらけ。哲郎から貰ったエビチリのコンサートのチケットを巡って何故か真冬と千晶と神楽坂先輩が火花を散らし、合唱コンクールの勝者と2人でコンサートを観に行くことになったナオだったが…!?
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ユーリ可愛いよユーリ!!!
とりあえずこれに尽きます。ナオのライバル的なポジションのキャラクターなのですが、あっけらかんとした爽やかで人懐こいライバル具合も、割とノリノリで女装してしまう性格もかなりドツボでしたよ!今回はナオがかなりうじうじ思い悩む描写が多かったのですが、ナオとユーリの勝負になると一気に場の雰囲気が爽やかになってしまうのが印象的でした。それぞれの立場から様々な形で勝負していく2人の姿が中々面白くて、是非とも彼はレギュラーキャラ化してほしいなあと思う次第です。いえ、女装美少年というポイントは置いておいても。

今回はナオが手に入れたコンサートのペアチケットを巡った合唱コンクール、2回目のライヴとなった文化祭とそれに向けての体育祭と美味しいイベント盛りだくさん。一方、私生活の方でも天才バイオリニスト・ユーリとの対決があったり、真冬がピアニスト復帰への道を模索しだしたり…と、考えるとかなり急展開のお話だったかも。超鈍感なナオも周囲に尻を叩かれまくりながら、少しだけ真冬との進展を果たします。しかし、真冬はあれだけツンツンした態度でクール系っぽく見せかけて、もう本能的にダダ漏れてるデレっぷりが可愛くてしょうがないな!特に、彼女がピアニストに復帰しようと思った経緯や理由には思わずニヤニヤせざるをえない。読者(…や、恐らくそれ以外の登場人物達)には結構序盤でその理由がなんとなく推測ついてしまうのに、勘違いしているナオがとてももどかしい。いや、でも自分の気持ちを遂に少しずつ自覚してくれたのは嬉しい限りでした。

しかし、惜しい点といえば…ここまできたらナオを文化祭のライヴで女装させるべきだったのに!
いや、執事も悪くないけどさぁ……悪くないけどさ!!

余談ですが、合唱コンクールで神楽坂先輩が歌った「あの曲」は普通に元ネタ映画で聞いたことがある曲だったので、超反応しつつ読んでました。「天使にラブソングを」は私が唯一DVDを持ってる洋画であります。偽装シスターでクラブ歌手・デロリスの破天荒ぶりに毒されて、だんだん朱に染まってしまうシスター達が最高なのです。敬虔なシスターさんたちがデロリスの歌唱指導の下ノリノリでロックな聖歌を歌い始めたり、ベガスに渡る為のヘリを調達する為ヘリの運転手を全力で拝み倒すシーンとか、神だと思う。

いやもう、あの曲のデロリスパートを神楽坂先輩が歌ってるって考えるだけで心がときめいた!!またあの映画のDVD見よう。
天使にラブ・ソングを…天使にラブ・ソングを…ウーピー・ゴールドバーグ, マギー・スミス, キャシー・ナジミー, ハーベイ・カイテル, エミール・アルドリーノ

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2005-12-07
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さよならピアノソナタ2

[著]杉井 光 [絵]植田 亮

めでたく真冬が民音に入部し、バンドが本格始動し始めたある日、神楽坂先輩が突然海での合宿の話とライブの日程を持ってきた。突然の話に驚きながらもなんだかんだと合宿に行く計画を整えていくナオ達だが、真冬の様子がおかしい。父親の反対もあるようだけどどうもそれだけではないようで…
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元・天才ピアニスト少女と音楽評論家の高校生の恋愛や青春を描くシリーズ第二弾。

とりあえず今回の敢闘賞は間違いなくエビチリ。
ちょっと過保護親気味なことは前回ラストからもうかがえましたが、ここまで典型的な親バカだともう笑うしかない。直接的な出番は最初のご訪問シーンとラストのお出迎えしかないのに、何でこの人はこんなに存在感が強いんだ!!真冬の動向を心配しまくったり、ナオにあらぬ疑いをかけたり、携帯を持たせて自分専用の着信音を設定したり……とツッコミ所満載の父親具合に大爆笑。なんつーいい父親だ…!

そしてやはり今回のキモは神楽坂先輩!1巻から高校生離れしたオトコマエっぷりが光る人でしたが、予想以上に重い過去…というか凄い戦績(違)を持つ人で。ナオにおもわせぶりな発言をしたり、弱い部分をさらけ出したり…と彼女の魅力が満タンにつまった話でした。

千晶と真冬もそれぞれが良い味を出していて、明確に表には出してないけどバレバレなナオへの恋心にニヤニヤしてました。特に真冬がナオの呼び方に拘ったりする場面では思わず「ツンデレツンデレ!!」と叫びそうになったり。千晶は典型的な体育会系というか、サッパリとしたいい人でその分真冬に遅れを取ってしまっている部分があるけど、随所で覗かせるナオへの恋心にきゅんとなります。しかし、これだけロコツに好意を向けられて1ミリもそれに気付いてないナオは鈍感というかなんと言うか……ああ、もどかしい。

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Serene Bach からWordPressに移動しました。

記事件数が着々と増えてきたこともあり、
↓のような記事の存在がちょっと怖くなってきたのでWordpressへ移行しました。

SBからMTへの移行がちらほら - The blog of H.Fujimoto

この記事の情報によると、不具合が起きるのは1000件前後になってからということで、まだあと1年くらいは大丈夫なのですが、SereneBach3.0の正式版が一向に見えてこない現状と、うちの記事の文字数が全体的に多いことを考えるとちょっと恐ろしく。他にも以前からやりたいと思っていた改造がWPの方がやりやすいらしいというのもあり。

気合でURLは変えずに移行したので、リンクURL変更の必要はありませんが、RSSのURLが変更となっておりますので、各種リーダー等にRSSを登録されている人はURL変更を宜しくお願い致します。

以下、SereneBach→Wordpress移行時の覚書。
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流れに乗って懐かしのラノベを語ってみる。

ついったやら何やらで、懐かしのライトノベルをブログで語る流れが盛んなようなので便乗してみます。一昔前のコバルト・スニーカー・富士見F・ソノラマあたりを中心に。

余談ですがこのエントリのせいで、「ロスユニ」を読み返したくなった私が居る。

コバルト中心少女小説系
408610783X殺人切符はハート色 (集英社文庫—コバルト・シリーズ)山浦 弘靖
集英社 1985-09
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恋多きツンデレ乙女・星子さんが「いい男探し」の一人旅中に毎回事件に巻き込まれるというトラベルミステリー。「ひとり旅」だけで37冊、その後の「星子&宙太ふたり旅」「星子とらぶるファミリー」まで含めるとシリーズ全52冊という超長編ですが、ストーリーは基本的に1巻完結なので読みやすくはある。私は星子と宙太の微妙なすれ違い関係が好きなので「ひとり旅」までをオススメ。

40619036832100年の人魚姫 (講談社X文庫—ティーンズハート)折原 みと
講談社 1989-10 
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ティーンズハートというとこの人の思い出ばかりだ…なんていうか、夢見がちな女の子のハートにどーんと直撃する王道少女漫画系(というか本職は少女漫画家という珍しい経歴を持つ人)。この人の場合特出してお気に入りのシリーズがないから薦め辛かったりするのですが、逆にいえば安心クォリティで1作ツボにハマったらほとんど全部オススメできるかも?1巻モノが多い(除アナトゥール)ので適当に挿絵で選んで読んでたなあ。昔の絵の方が好きだった

4086145685なんて素敵にジャパネスク (コバルト文庫)氷室 冴子
集英社 1999-04 
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やっぱり平安スキーとしては「ジャパネスク」ですよね!!!しかし、中学の図書館で1回通し読みしただけなので内容覚えてません…すいません。面白かったことは覚えているのでいつか読みなおしたいシリーズですが。…今のうちに手元にそろえて置いておくべき?「クララ白書」「アグネス白書」あたりも好き。

4199050779くますけと一緒に (徳間デュアル文庫)新井 素子
徳間書店 2001-10 
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公言する程の新井素子好きなのに、コバルトの新井素子は殆ど読んでません…狂気系新井素子はあまりラノベに落ちてこないんだよな…。とりあえず素子さんに関してはこちらで熱く語ってます。「おしまいの日」は私の未成年時代の読書経験で一番の衝撃だったと断言できる。

スニーカー・富士見ファンタジア全盛期
404414608X闇の運命(さだめ)を背負う者〈エピソード3〉 (角川スニーカー文庫)神坂 一
角川書店 1999-02 
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神坂一の学園異能バトルもの。中二病患者の主人公が邪気眼全開の転生戦士達の戦いに巻き込まれるというお話。2巻までなら普通の邪気眼異能バトルなんですが、3巻が良くも悪くも……スレイヤーズ本編2部の最終話みたいな展開に噴いた。主人公は結局、最後まで中二病罹患したままだったねえ。

4829128712SMガールズ セイバーマリオネットJ〈11〉機械乙女は少年の夢を見るか? (富士見ファンタジア文庫)あかほり さとる
富士見書房 1999-03 
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当時の富士見Fで一番ハマったのは「スレイヤーズ」よりこっちかも。女性のいない世界で感情を持った3人のマリオネット(機械人形)を目覚めさせた少年・小樽が人間の女性の復活を目指して戦っていく話。ドタバタ系ハーレムラブコメかと思わせておいて、後半は機械と人間は愛し合えるのか…などかなり重い話題が中心になってきます。ラストの終わり方は賛否両論ありそうだけど、なんか凄い好きだった…。…ちなみにキャラ的にはティーゲル姉ちゃんイチオシ。

4044156085ぶれいくだうん・いのせんす—クロックワーク〈2〉 (角川スニーカー文庫)山本 剛
角川書店 1999-01 
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感情を持ち成長するゼンマイ仕掛けの機械人形・チッタとしがない30代探偵シャフトが繰り広げるSFファンタジー。最終巻は急展開の急展開でちょっと強引にオチをつけたような気がしなくもなかったけど、空の上に段層的に街が広がる世界観とか、ちょっとほのぼのとしたキャラクター達が好きでした。山本剛というとやはり「魔導物語」のノベライズもイチオシなんだけど、これも結構好き。

482912881X闇 終わるとき—ロスト・ユニバース〈5〉 (富士見ファンタジア文庫)神坂 一
富士見書房 1999-04 
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神坂作品もういっちょはいりまーす。宇宙をまたにかけた「なんでも屋」が繰り広げるスペオペ。マントマニアで婆コンでスター●ォーズな主人公・ケインがとてもとても好きでした。代表作である「スレイヤーズ!」と世界設定がつながっているんじゃないかと思わせるようなキーワードもさりげに登場するので、スレイヤーズ好きだと結構ニヤニヤできます。

4257768991倒凶十将伝 巻之拾参 (ソノラマ文庫)庄司 卓
朝日ソノラマ 2006-02-25 
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400年の時を経て転生した光の幽将たちが現世魔王の復活を食い止めるべく戦うというお話。幽将達はかつて一度悲劇的な終末を迎えていて、その辺の過去話が結構衝撃だった記憶が。ウン年ぶりに最終巻が発売されてめでたく完結しましたが間空きすぎてて内容殆ど忘れてしまっていたのがとても残念でした。全巻手元にあるのでいつか読み返したい…。

4257768258ペリペティアの福音〈上〉聖墓編 (ソノラマ文庫)秋山 完
朝日ソノラマ 1998-01 
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宇宙の葬儀屋とライバルの巨大医療法人がとある星でみつかた聖墓を巡って争いを繰り広げるお話。同じ世界設定のシリーズが他にもいくつかあるようなので、読んでみたいと思いつつ爽やかに積んでいる私です。名前忘れたけどラスボスポジの腹黒系ロリ少女がとても良い感じでした。

電撃の「Missing」とかノベライズ話とかいろいろネタはあるけど長くなりすぎたのでこの辺でストップ。

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女帝・龍凰院麟音の初恋 2

[著]風見 周 [絵]水月 悠

夏休みが明け、2学期も継続して麟音と恋人ごっこを続けることにした悠太。風紀委員長として恋愛を取り締まってきた麟音の交際を学校内で公にすることは憚られ、周囲には知られないようにしてきたつもりだったのだが、ライバルにして巨乳生徒会長の姫神美麗に勘付かれてしまう。麟音を挑発する為、悠太を誘惑する生徒会長におっぱい道3段の悠太はメロメロだが…!?
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世間知らずの"非モテ"貧乳お嬢様・龍凰院麟音と巨乳至上主義の非モテ男子・悠太が恋人ごっこを繰り広げるラブコメ第二弾。今回はラブコメ戦線に巨乳生徒会長乱入でどうなるどうなる!?というお話。相変わらずあざといツンデレっぷり全開の麟音と超鈍感でおっぱい至上主義な悠太の掛け合いが面白い。1巻と比べてもコメディとしての楽しさは爆発的に上がっていたような気が。電車の中で何回か決壊しそうになりました。

麟音のライバルで生徒会長で悠太には憧れの巨乳生徒会長こと姫神美麗の誘惑にすっかりメロメロな悠太にヤキモチ焼きまくり、舌噛みまくりの麟音の姿に思わずニヤニヤ。見た目とのギャップが大きい美麗さんとの遊園地デートで、美麗がだんだん悠太に惹かれていくあたりは思わずきゅんきゅんしてしまいます。悠太の身の翻しようは正直女としてはヒくものがあったのですが…まあ元々憧れの女性だったというんだからしょうがないのかなぁ。あのメロメロっぷりがあるからこそ、悠太が麟音の不在に徐々に物足りなさを感じていくあたりが最高に引き立ってる感じがしますし、終盤の熱血展開も凄く良かったし。

ただ、なんかちぐはぐなモノを感じて戸惑う場面も。
どんなに後で「実は頑張りやさんな良い人」みたいな描かれ方をしても、序盤で麟音に対して行われた虐めがあまりにも陰湿すぎてちょっとドン引きしてしまった、というのが最大のネックでした。なんか後半になると皆が「あの虐めは麟音の今までやってきたことが酷すぎたからしょうがないよね」みたいな感じになってるのが凄い不思議で…もう明らかに「自業自得」で済むレベル超えてたと思うんだけどなあ。あれってヘタすりゃ怪我人や自殺が出るレベルなんじゃと思ったし。……あの場面がもうちょっとライトなものだったらまだ許せた気がするんだけど……なんだろう、この得体の知れないモニョモニョ感。

その部分以外は文句なしに面白かったんですが。悠太のバカかっこよさも相変わらずだし、ギャップ萌えの私としては実は努力屋で可愛い人な生徒会長にも、基本的にはとても萌えておりました。時々麟音のツンデレっぷりや悠太の鈍感ぶりがあざとすぎるなあと感じる場面もありましたが、あれはあれでこのシリーズの味ってことでなんとか…。

今後は生徒会長も恋愛戦線に加わってきそうだし、麟音と悠太の失われた1ヶ月についても新展開がありそうなんで、続きがとても楽しみです。

あ、個人的に今回一番ツボったのは各章毎に差し込まれるメールのやりとりだったかも。誤字脱字だらけ、トンチンカンな顔文字・絵文字使いまくりな麟音の文章も相当おかしいのですが、冷静すぎる悠太のツッコミと蘇芳さんの絶賛ぶりの対比に噴いた。お嬢様莫迦もいい加減にしろよこのメイド。(←褒めてます)

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GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン1(下)

[著]川上 稔 [絵]さとやす(TENKEY)

三河消滅の責任を問われ、聖連により"自害"を迫られるホライゾン。自害の刻限が迫る中、総長としての権限を剥奪されたトーリとその仲間達は必死にホライゾンを救う方法を模索しはじめる。トーリは彼女を救い、無事に彼女に告白する事が出来るのか!?
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ラノベ界にまたひとり、とんでもねえバカが誕生したよっ!!

うわあああああトーリかこいいよトーリ!!なんだこの燃えるバカ!!正直1上読んだ状態で「主人公が佐山ほど燃えないんだよなー」とか思っててすいませんごめんなさい。いや、佐山も好きだけどトーリが凄い勢いでバカ好きの私のハートをずぎゅんとぶち抜いていったよ萌え!!!

というわけであとがきでも語られるとおり、1巻からもう既に最終回もびっくりな盛り上がりっぷり。1巻上での怒涛の世界観設定やキャラクターの多さに半分うんざりしかけていたものですが、下巻になっていざメインキャラたちが動き始めるとあれだけ辛い辛いと言っていたキャラクター達が凄い勢いで私の脳に活躍を刻み付けてくる。後半では固有名詞が出ても殆ど最初のキャラクター紹介を見なくなっていたという辺りに、川上作品の恐ろしさを感じます。1上は正直苦痛でしたが…もうなんていうかあれだよな、川上作品好きって割とマゾいよな!色々な意味で!!

とにかく2桁にも上る大漁のキャラクター達それぞれに魅せ場があり、それをいちいち語っていくとキリがないのですが、個人的にはやはり葵姉弟とヨシナヲ王の下りが好きです。ヨシナヲ王は1上ではただのかませ犬的嫌な奴というイメージしかなかったので、1下の展開はびっくりだった。アデーレとのやりとりにはホロリと涙が。

喜美と二代のバトル、そして葵姉弟の過去の一幕も最高。傲岸不遜のわがまま姉ちゃんかと思わせておいて実はめちゃくちゃ弟想いな喜美姐さんに一生着いて行きます私。というかこのラノ2008投票既刊にこの本が出ていたら間違いなく女性キャラ部門2位で姉ちゃんに投票したね!?……というか鈴の作文から始まってヨシナヲ王にセージュンに喜美姉さんに……とにかく何箇所で泣かせれば気がすむのよこの本。

そして何はともあれバカ主人公トーリですよ。いつでもどんなときでも前向きに、そして一途に一生懸命なバカっぷりに感動した!!佐山のように頭脳を駆使して敵に立ち向かうですらなく、全力で味方を信じるという事だけで、後は一種のカリスマで周囲を動かして行くという"戦い方"も新しい。そして何よりも壮絶だったのが、彼が能力を得る為に交わした『契約』の内容。それが明かされた時には思わず鳥肌が立った…あまりにもその設定はシビアだと思うの…。

テンポの良いキャラクター達の会話の応酬、予想も付かないバトルの展開、そして魅力的なキャラクター達が繰り広げる、それぞれの闘い。交渉場面ではちょっと置いていかれそうになったりもしたけど、700ページを余裕で越えるページ数を使って怒涛のように繰り広げられる展開に圧倒されました。壁のように厚い1巻の世界設定説明を乗り越えてでも読む価値はあるシリーズではないかと。今のうちなら2冊しか出てないからまだハードルは低いですよ!!超オススメ!!

…しかし、申し訳ないけど、AHEAD1巻にも言える事だけど"1巻上"のハードルの高さはなんとかならないものか。陸上競技のハードルのレース中、最初にいきなり高跳びのバーが出てきたってくらいの壁を感じる……



余談ですが、1上だけで設定・キャラが理解できなかったという貴方は是非とも下を読む前と読み終わった後に公式で公開されている紹介ムービーを見てみると良いとおもいます。1上読了後は名前やグラフィックを見ても半分も判別できなかったキャラが、あっさり全キャラ判るようになったことにちょっと感動した!すごい勢いでGENESIS世界に洗脳された自分を自覚してなんか感動した!!


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ガーゴイルおるたなてぃぶ

 

普段はガー助って呼ばれてる自動人形、俺の名はガーゴイル。遠くの町を守る最強の門番にあやかって名づけられた。猪崎市のとある雑居ビルが俺と相棒の住処だ。そこで駆け出し錬金術師のひかるとなんでも屋「鳥屋」を開業し、普通じゃ解決できない仕事を引き受けてる。暴走ダチョウの捕獲が済んだら、次の依頼は見たことも聞いたこともない巨大生物の相手だと!?どーすんだ。俺に任せすぎんなよ尻デカ天パー女!新“錬金”コンビが贈るハートフルコメディ。(「BOOK」データベースより)

吉永さん家のガーゴイル」と世界を同じくし、本編でも少しだけ登場した古科学者と新米錬金術師・ヒカルともう一人のガーゴイルの戦いを描く番外編的シリーズ。

バトルメインの展開自体は悪くはないんだけど、無理にバトルシーンを増やそうとして持ち味である人情味とかご近所成分が潰されてしまってる印象で、それがかなりキツイかなぁ…というか、物語の裏にはちゃんと「ご近所成分」がありそうな気配がするのに、それを描いて貰えないというのが凄くもどかしい。ご近所成分不足でとても欲求不満。

キャラ立てが終わる前にバトルに入ってしまっているので、各キャラに感情移入しづらい。特に高原喜一郎という、本編でしっかり描かれているキャラが登場するとどうしてもそっちに目が行ってしまう。ていうか喜一郎可愛いよ喜一郎。

ヒカル達が古科学を憎むようになった理由も中途半端にしか語られず、当事者であった千秋はとにかく、ヒカル達がそこまで彼らを憎む理由がイマイチ伝わってこなかったり。基準がどうしても本家本元の吉永家&ガーゴイルになってしまっているからか、ヒカル達の心が狭いように感じてしまう。うむむ……。バトルもいいけど、もうちょっとその前にキャラ立てをがんばってほしいというか…。

とりあえず、本家「ガーゴイル」とのクロスオーバーが気になるのでもう少し読んでみたいと思いますが、できれば次はもうちょっとバトル置いておいてキャラメインの展開にしてほしい……。

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さよならピアノソナタ

 

音楽を聴くことと機械弄りを趣味にする少年・ナオは「心からの願いの百貨店」と名付けた海辺のゴミ捨て場でピアノを弾いている少女と出会う。彼女はかつて天才ピアニストとして名を馳せた蛯沢真冬だった。彼女の演奏に心惹かれるナオだが、数日後転校してきた真冬は何故かナオが密かに使っていた空き教室でギターをかき鳴らし始めて…!?

ついった界隈でオススメ攻撃を喰らったので手を出してみました、というかなんかオフ会行ったら実物が回ってきました。3巻が発売されてからのオススメ攻勢は異常だったと思うんだ…と呟いてみる。(発掘できただけでもこのへんとかこのへんとか)

自分で演奏はしないけど音楽を聴くことが大好きなナオが自分の放課後の平穏な音楽ライフ(笑)を取り戻すため、空き教室を占拠してしまった天才音楽少女(本職はピアノだけどギターも超絶上手い)・真冬に音楽勝負を挑もうとする……というお話。

本線であるナオと真冬のラブコメも素敵なのですが、個人的にはナオをたきつけて音楽の世界に引きずり込もうとする神楽坂先輩が最高!!ゴーインで姉御肌でかっこいい姉貴キャラはどの世界でも良いものですが、神楽坂先輩のオトコマエっぷりとかっこよさは半端じゃありません。そしてどんどん彼女の思惑通りに「音楽を演奏すること」にハマっていくナオの姿にニヤニヤが止まりませんでした。

神楽坂先輩や幼馴染の千晶と3人ではじめて曲を合わせた時、そして真冬と二人で曲を奏でた時に主人公が感じるワクワク感や一体感が凄く心地良い。"曲を奏でる"ということの楽しみがこちらにまで伝わってくるようなシーンで物凄くツボに来る。

後半には真冬がピアノを辞めた理由や彼女の持つハンデが明かされ、熱い展開になったりホロリと泣かされたり。王道な青春ラブコメ路線で始終胸がきゅんきゅんいいっぱなし。どこか独特な雰囲気があって、それがまたとても素敵でした。これは続きが楽しみです!

余談ですが「ゴミ捨て場」「捨てられた楽器」「ボーイミーツガール」というと、こちらよりも先に富士ミスの「フォルマント・ブルー」を髣髴する私です。あれも好きだったな?。ちょっと異能とかSF要素入りますが「ピアノソナタ」がツボにハマった人でそういう要素が大丈夫ならかなりお勧めかも。



4829162872カラっぽの僕に、君はうたう。?フォルマント・ブルー (富士見ミステリー文庫)木ノ歌 詠
富士見書房 2005-01

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電撃コラボレーション 最後の鐘が鳴るとき

[著]電撃文庫記念企画
(壁井ユカコ、渡瀬草一郎、三上 延、佐藤ケイ、柴村 仁、有沢まみず、鎌池和馬、成田良悟)
[絵]片瀬 優、文倉 十
 
3ヶ月連続刊行のコラボシリーズ最終巻。ちょっと不思議な噂のある"MW(マリー・ホワイト)学園"が廃校になり、その最後の1日に起こった様々な出来事を描く連作コラボ短編集です。それぞれの作品のいろいろな所で他作品のキャラクター達が顔を覗かせ、2作目「MW号の悲劇」よりも各作品のリンク率が上がってる印象。

どれも面白かったですが、コラボシリーズ皆勤賞の有沢まみず・成田良悟はやはり別格だった気がする。好き勝手バラバラな各短編にリンクを持たせて補完までしてしまう成田作品の凄さは言わずもがな。よもや完全に各作品の中でも異色作だった「学園ホロたん」まで関連性をつけるとは誰が予想したことだろうか。そして泣きゲー系&ラブコメ作家の印象しかなかった有沢さんの作品は1作目でホラー、2作目で中年の悲哀モノ…と、いちいち毎回意外性ありすぎで驚かされました。というか、なんで最後の最後で腐女子大喜びなホモネタ書きますか有沢まみずの守備範囲SUGEEEEEEE!!!

他作品も結構平均的に面白くて、これといって飛びぬけてツボにきたものはなかったけど、どれもこれも隔たりなく楽しめました。作風的には佐藤さんの「MW学園の崩壊」が一番ツボ。怪奇的な"自殺"を遂げた少女を巡り、彼女の友人グループの3人がそれぞれの思惑を持って時計塔に集まる…という話なのですが、各キャラクターの語りから浮かんでくる少女の人物像のブレやどんどん狂気的な方向に向けて進展するキャラクター達の思考が不気味で、最初はラブコメ的な雰囲気すら漂っていたのがどんどんホラーな雰囲気になっていくのが素敵。ただ、個人的な嗜好として終わり方が唯一(成田さんの補完を持ってしても)いまいちスッキリしなかったのが残念だったり。確かに、一応事件のきっかけや真相はわかって綺麗に終わってはいるんだけど、色々明らかにならない部分が気になってしょうがない…。しかし、有沢さんといい佐藤さんといい、今回はラブコメ作家にしてやられまくりだなぁ。

個人的には、「マヨイガハレルヒ」の続きが普通に読みたい。最後のぼやかし方がまたニクイんだっ…。

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