ページ 132 | 今日もだらだら、読書日記。

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さよならピアノソナタ4

[著]杉井 光 [絵]植田 亮

真冬への気持ちにようやく気付いたナオは、彼女の誕生日とクリスマスににプレゼントを贈ろうという計画を立てる。ところが、神楽坂先輩がライヴの予定をぶつけてきたり、色々な所で邪魔が入ってなかなか次の一歩を踏み出せない。結局クリスマスイヴはライヴを行うことになったのだが、真冬の様子に異変が起こって…
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あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

『金髪の美少年が家におしかけてきたと思ったらいつのまにかベッドを共にしていた』

な… 何を言ってるのか わからねーと思うが おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…

ツンデレヒロインとか健気幼馴染とか恋する革命家だとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

というわけでシリーズ最終巻。ユーリ×ナオだとおもっていたら最後の最後でナオが下剋上を達成して下剋上モエとしてはとんでもなくおいしい展k……ごめんなさいすいませんその関節はそっちに曲がらないぃぃぃぃ!

冗談はとにかく、真冬への気持ちに気づいたナオに対しヒロイン3人が次々にナオへの想いをぶつけてくる展開で、最初から最後まで息がつけない盛り上がり。個人的にはやはり神楽坂先輩の言葉に痺れました…ああいう見るからに「強い女性」が弱い所を吐露する場面はたまらないものがある。そして、そんな時でもやはり神楽坂先輩は哀しいくらいに、どうしようもなくかっこいいんだ…。

これまでヘタレてたツケが回ってきたかのように神楽坂先輩と千晶の想いに翻弄されて、すれ違い続ける真冬とナオ。幸せな場面でも少しずつ何か嫌なものが忍び寄ってくるような感覚がして、いやな予感ばかりを募らせていたらそのすれ違いが遂に決定的なモノとなってしまって……真冬のいなくなったフェケテリコが片翼で必死に飛ぼうとする姿には鬼気迫るものを感じました。血を吐くようなライヴの場面が胸に痛い。

登場人物すべてにおいしい魅せ場があった最終巻でしたが、一番好きなキャラクターだった神楽坂先輩の告白シーン以上に印象に残ったのは哲郎がナオを空港に送り届けようとする場面。最初から最後までおちゃらけたダメオヤジだった哲郎が本当に一瞬だけ覗かせた本心に、胸が締め付けられました。たった一言に様々な想いが凝縮されている、非常に重い一言だったなあと。

しかし、せっかくかっこよく送り出したのに、最後の最後でヘタレっぷりを炸裂させてしまったナオはほんと変わってないな?。ここは男らしく、自分から行動してみせろ!とか思わなくもないですが、この上なくこの2人にふさわしいエンディングだったと思います。素敵な物語をありがとうございました!

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あきれてものも言えねえぜ! 魔術士オーフェン無謀編5

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

「バグアップス」の店番をしながらコギーの上司から頼まれて部下いたぶりアイテム・“ボンバー君シリーズ”の開発に勤しんでいたオーフェン。いつものごとくコギーと言い争いをしていると、店の外で怪しげな祈祷をしている老婆の姿が…。彼女に「異世界からの戦士」と勘違いされ、なしくずしに200年前に封印された悪の王子に立ち向かう事にされてしまうが!?
いつものとおりオーフェンが貧乏だったりコギーが仕事出来ない子だったり土人兄弟がふっとんだりする無謀編第五弾。良い意味でも悪い意味でも感想が出てこないなあ…その軽さがまた良いと言えば良いのですけれど。今回は個人的に楽しみにしていたオーフェンの貧乏ネタやキースの出番も少なくて、ちょっとパンチ力に欠けていたような気がします。

俺に構わず死んでくれ!」に出てくる白魔術「存在の引き算」には噴いた。ちょっ…この世界の白魔術ってこんなんばっかりなの!?以前出てきた霊体になっちゃった夫婦も白魔術士だったような気がするのですが…なんか説明だけ聞くと割とまともな理論言ってるように見えるのに、見た目がひでえ。才能の使いどころ間違ってると思う!!

個人的には過去編「タフレムの震える夜」が一番好きかな。アザリーのフリーダムっぷりに惚れそうです。振り回されるキリランシェロ&ハーティアコンビが哀れ。

……しかし、一番安定して面白いのは「あとがき」なのではないかと思い始めた。作者の中での土人兄弟の扱いが可哀そう過ぎて思わず笑ってしまう…。

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない2

[著]伏見 つかさ [絵]かんざき ひろ

実はオタクだった妹・桐乃からの人生相談も「親バレ」の危機を乗り越えて漸く終了……と思っていたのに、相変わらずも妹系のエロゲを押し付けられたりして彼女に振り回される日々を送っている京介。今日も桐乃の学校での友人が遊びに来るという事で、部屋に篭ってろだのなんだのととても理不尽な扱いを受けていたわけなのだが…?
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イマドキの女子中学生でエロゲオタな妹と、彼女に振り回されるパンピー兄貴のお話第2弾。今回は幼馴染の麻奈実との関係を巡るお話と、桐乃達が夏コミに行くお話の2本立て。

なんか着実に妹に染められている京介の姿が微笑ましくてたまらない。なんだかんだといいながら勧められたゲームに熱中してしまったり、妹から借りたノートパソコンでネットにハマってしまったり…と、地味にダメ人間色に染め上げられて行ってる気がする。検索履歴の件は知らなかった事を考えると可哀そうだなあ…と思いつつ、微笑ましい検索ワードの数々には思わず噴き出しそうになりました。

そんな兄貴が「わが身を犠牲に」して妹の立場を守ろうと奮闘する姿が素敵すぎる。1巻の親バレ騒動といい今回と言い、兄貴は正しい意味で自分の身を削りすぎだと思います。望まれれば妹とオンライン対戦するためにエロゲをやり込み、彼女の世間体を守るために自分の世間体を次々に犠牲にしていく姿に、感動の涙が止まりません。こんな兄貴私も欲しい。

今回の目玉は夏コミのお話。文句たれながらもなんだかんだと楽しんでいる兄妹の姿がとても微笑ましい。そして黒猫さんと桐乃のお互い素直になれない友情関係がとても素晴らしい。黒猫さんは桐乃以上にツンデレだよなー。口で何を言ってもその行動には桐乃への好意がしっかり見えてて、とてもニヤニヤします。…しかし、桐乃の守備範囲からしてどうしようもないこととはいえ初心者の女の子がいきなり3日目一般参加はハードル高いよね…。私、前回の夏コミで初めて3日目の東ホールで買物してきたのですが、女子中心の1?2日目とは比べ物にならないくらいハードル高かった気がします。偽壁にうっかり近寄ったら男波に流されたのも今となれば良い思い出だ…。

コミケ部分は普通に初心者向けのコミケガイドとしても楽しめるので、月末の冬コミに参加する人はこれを読んで雰囲気をつかむと良いかもしれません。そして2日目で僕と握手!(待て)

おっとりとした天然幼馴染にちょっぴりヤンデレ気味の桐乃の親友も加え、今後どこまで兄貴の世間体が削られていくのか、続巻がとても楽しみです。……出るよね?

それにしても、殊勲賞は高坂父だったんじゃないかと主張したい今日この頃。京介に相談を持ちかけられた時の反応が可愛くて仕方ありません。なんだかんだといいながらも、ちゃんと許可を出したら自分なりに出来る事をやろうとする高坂父は良いオヤジだよなあ…京介の性格は親父譲りだと見た。

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ガーゴイルおるたなてぃぶ2

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

父親の秘書をやっている西川から、「ラーの天秤」というアイテムの正体を突き止めて欲しいという依頼をうけたひかる。また古科学者がらみの事件だと推測を立てたひかるは彼らの足取りを追うが、その先で再び喜一郎と出会う。しかし、そこに古学者達はなった追っ手が現れて!?
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「ガーゴイル」の世界と並行して、新米錬金術師・ひかる&ガー助と古科学者達の戦いを描く番外編シリーズ第二弾。1巻から続いてバトルメインの展開ですが、1巻で感じたもにょもにょ感は少しずつなくなってきて、だんだん面白くなってきました。

古科学者達が作り出し、刺客として放った動く人形・狛が可愛い!無感情な暗殺人形タイプの少女かとおもってたら、少女漫画が大好きで負けず嫌いでガー助に張り合おうとする姿がとても可愛かった。何かと少女漫画の出来事を基準にしようとする姿がまた微笑ましくて、特に「月に代わって仕置きする」にはシリアス場面なのに噴出してしまった。「妖刀メイクアップ・シャドウ」もやはり同じ作品が元ネタだよね?

1巻ではただ「悪い奴ら」としか描かれなかった喜一郎以外の古学者達の、普通の人間としての一面が見え始めたのも良かったかも。お七婆さんの行動についてはちょっぴり不可解な気もするんだけど、きっとこの人の描く物語なら素直に「実はいい人」説を信じていいんだよね!?って気分になる。彦左衛門を巡る杉田とひかるの会話のやりとりも好きです。敵対してはいても、もう憎み合ってはいない。「悪い古科学者」を憎んでいても「杉田さん」や「お七婆さん」自身は憎んでいない、という微妙な構図が面白い。あと何よりもひかるたちに感化されて、良い方向に変わっていく喜一郎が素敵です。「ガーゴイル」側で登場したときの喜一郎の姿を知っていると、特に感慨深いところがある。喜一郎かわいいよ喜一郎。

ただ、「私たちはガーゴイル程万能じゃない、でも仲間に助けてもらって、その絆の力で勝利する」って言ってる割にはやはり味方側のキャラクター立てが薄いのが気になるんだよなあ……今のところ千秋くらいしかキャラとして目だってないので、なんか仲間達がジャストタイミングで駆けつけてきてもいまいち感情移入できないというか、どこか舞台装置的なご都合展開を感じてしまう。敵のほうがよほどキャラ立ちしてるってのがまたなんだか……

とりあえずお七婆さんや杉田さんの味方フラグに期待しつつ、そろそろ物語の焦点をバトルではなく一色町の仲間達に当ててくれてもいいんだぜ?とか思いつつ、続きを読んでいこうかと思います。

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彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる

[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ

吏部尚書・紅黎深が解任され、吏部侍郎・李絳攸の処分を決める御史大獄が開かれた。官吏潰しと異名を取る清雅と渡り合い、辛くも御史大獄を乗り切った秀麗だが、今度は黎深の解任を不服とする紅家の官吏が一斉に出仕を拒否、王都の経済にも圧力をかけられてしまう。秀麗は犬猿の仲の清雅と共に、事件の対応に追われるが…!?
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劉輝!!このヘタレがーーーっ!!
そこでその選択はないだろう!!しかも敵の手の中で思いっきり踊っちゃってるよ!!!序盤はもうちょっと、「ヘタレだけどやれば出来る男」だった筈なのに最近のヘタレっぷりはほんとどうなの!!!

というわけで、一気に物語が急展開。黎深の解任をきっかけに紅姓官吏達が出仕拒否と経済制裁を起こし、それを解決するために清雅と秀麗が奔走していたら事件の裏に思わぬ人物の存在が明らかになる、というお話。

今回は本当に御史台側の動きが面白かった。清雅と秀麗の背中合わせなライバル関係も良い感じだし、散々罵倒されながらもすっかり秀麗になつかれちゃってる葵皇毅との関係や、秀麗の破天荒ぶりに振り回されてだんだん雰囲気の変わってきてしまった御史台の様子がとても美味しい。特に清雅の鬼畜エロ台詞や燕青&清雅のやりとりにはニヤニヤしっぱなしですよ。デレ分が限りなく低いツンデレ……というかサドデレ?なセーガ最高です。ああもう、恋愛感情かどうかはとにかく明らかにそれなりに好意持ってるのに、どこまでもデレそうでデレない絶妙なデレ度の低さがたまりません。

秀麗と清雅、葵皇毅を中心とする御史台での人間関係がどんどん面白くなって、今までになかったタイプの人間達の中で少しずつ自分なりに成果を出していく秀麗や朝廷から離れて事件の為に奔走する邵可パパの活躍が目覚ましい分、劉輝・絳攸・楸瑛を中心にした王様近辺の動きがもどかしくてたまらない。(※清蘭は私の中ではもうギャグキャラ扱いなので、今後も元気にお嬢様の悪口言う奴にイガグリとか投げててください(オイコラ))実際、とりまき二人はとにかく(ひでえ)劉輝については王様として少しずつ成長している部分もそれなりに見てとれるんだけど、周囲の活躍でそれが霞まくってるのとそれ以上にダメなところが悪目立っちゃっててなんだかなあ……。まあ実際、あまりにも相手が悪いというのはあるんですけど。

追い詰められた劉輝は遂に彼の中でも「禁じ手」とされていたとある手段に出てしまうのですが……彼の中で「人間の劉輝」としての様々なモノを犠牲にしての選択も敵の手の内で動かされているというのがまた。しかも、秀麗が漸く周囲の官吏に「気に食わない女性官吏」としてでなく「手ごわい御史台の官吏」として認められ始めたところでそれをやってしまったことで、もろに敵の思うとおりの展開になってしまいそう。秀麗の身体には一種のタイムリミットが発生し、劉輝の知らないところでは内乱・クーデターフラグまで立ちつつあるわけですが本当にこの物語、どこに着地するつもりなんだろう?間違いなく「そして二人はいつまでも幸せに暮らしました」という展開にならない事だけは確かな予感。

序盤で語られた後の世の評価によれば、秀麗が後の世にまで伝わる功績を残すのはこの後になる筈なので、このまま大人しく後宮入りするような展開にはならないんだろうけど、劉輝と秀麗の二人にとって少しでも幸せな結末になるといいなあ…。次はよもやのタンタン再登場フラグっぽい気がするのでそっちの意味でも期待。

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コードギアス反逆のルルーシュR2 TURN?3?

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗 [絵]木村貴宏/toi8


自分に、ギアスにかかわったせいでシャーリーは命を落とした……ルルーシュはその怒りの矛先をギアスという力に向け、零番隊に“ギアス嚮団関係者の殲滅”という命令を下す。それまでの命令とは打って変わった非道な作戦に戸惑う零番隊の面々。一方、ギアス嚮団に踏み込んだルルーシュは「Cの世界」と呼ばれる謎の空間でブリタニア皇帝・シャルルと邂逅する。
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ギアス嚮団殲滅作戦から東京租界へのフレイヤ発射までの場面を描く、ノベライズ第三弾。2巻の時にも思ったんだけど表紙と内容がちょっとずれてない?TURN2の表紙はもろに「Cの世界」前後のネタだし、今回の表紙もこの組み合わせが正しくなるのはこのだいぶ後だよねえ…

相変わらずノベライズというよりアニメの副読本として面白いこのシリーズ。個人的にはアニメ本編の裏で陰謀を張り巡らそうとするシュナイゼル&カノン主従の動きが面白かったです。シュナイゼルはなんだかんだいって結構早い段階からゼロの正体に気付いていたんだなあ…とか。中々良い黒幕ぶり。アニメ視聴を前提としたストーリー展開の所為か、ナナリーがいかにしてあの場面を抜け出したのか描写してくれたのもポイント高し。できればここまで原作のネタバレをかますなら、どっかに『アニメ見てから読んでください』くらいは書いて欲しい気がするけど。

そして秀逸なのはルルーシュとスザクが枢木神社で相対する一連のやりとりでした。復讐に縛られていたスザクが現在のルルーシュにかつての自分の姿を重ねて、そんな自分を救ってくれた在りし日のユフィを思い出して、彼なりのやり方でルルーシュを赦そうとする心の動きが非常に良かったです。実際、ここから終盤にかけてのルルーシュの行動は哀しくなる位にかつての(ルルーシュにギアスをかけられる前の)「死にたがりだった」スザクと似通っていると思うので、かつて同じところに居たスザクには少しだけでもルルーシュの想いが判ってしまったのではないかと。余談ですがこの場面を読んでる際、ジャストタイミングでipodから「あんなに一緒だったのに」が流れてあまりのジャストフィット具合に噴きました。ジャストフィットなんだけど、挿絵はスザクがルルーシュの頭を踏み踏みしている場面なのでもう合ってるんだか合ってないんだか……(笑)

恐らくこのノベライズもあと1冊か2冊くらい?原作では空白地帯の多い部分に突入するのでどうやってその部分を埋めて行ってくれるのかがとても楽しみです。楽しみにしてます。

ところで、作中にこんなセリフが登場するのですが…この辺の説明ってアニメにもありましたっけ?物凄い気になってるので引用します。原作アニメでいうと15話「Cの世界」のあたり。

「肉体の不死は、コードの本質じゃない」
「っ?」
「コードの不死性が持ち主の体に働くのはあくまでも副次的なもの。コードの本質とは、人を、世界を固定化させることにこそある。根源から生まれ、やがては根源に返っていく人。しかし、コードは人を根源に返す事を許さない。輪廻の輪を断ち切り、自らが選んだ刹那の時間に人を、そして、人が成り立たせる世界を留め置く。それこそが、真の意味でコードを『使う』ということ」
「………」
「もっとも??」
女はやはり目を閉じていた。
「そこまで到達したコード保持者は一人も居ないけれど。あなたが知る『私』も含めて。ささやかな願いから始まったギアスは人を溶け合わせ、やがてコードの使用が可能な存在を生む。
でも、コードそれ自体も本質を発現させるのは、とても難しい。なぜなら、個人個人が受け継いだコードも、その瞬間においては完全ではないから。世界を固定化し、輪廻を繰り返す根源の渦から切り離すには、コード自体もある種の成長をとげなければならない。けれど、それを成し得た保持者は誰もいない。誰も」

これが小説版オリジナルのセリフだとしたら、わざわざこんな意味ありげな長文を言わせるのはエンディングでのルルーシュ生存エンドへのフラグだと期待してしまう私が居るのですが……何らかの形でC.C.の命は奪わずコード能力だけを受け継いで、コードの能力を使って生き延びたとか。ていうか、そうじゃなかったらこんなところでこんなに詳しくコード能力説明するかなあと(原作では「不老不死能力」としてしか認識されていない気がしたので……それともシャルルの計画のあたりで生きてくる設定なのか?)

でも本当に小説版のラストが何らかの形でルルーシュ生存エンドになるんだとしたらアニメ本編でやってほしかったような気が……結局丈が足りなくて描ききれなかっただけなのかとか…ううーん、複雑な心境です。

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2008年11月のまとめ&読了記録

11月に読んだ本は21冊でした。
原稿に集中する為意図的にペース落としていたのはあるのですが(感想書く時間が意外に時間泥棒さんなので)、やっぱ全体的に以前よりペース増えたなあ…と思いつつ、せっかく新刊が少ない月だったのでもうちょっと読みたかった気も。
そして先月から続いていた「杉井光強化月間」がようやく終了。どれもおいしゅうございました。
…え?ここまで来たら「さくらファミリア!」も読んでコンプすべき?

2008年11月のページアクセストップ4


とらドラ9!
⇒感想

とらドラ8!
⇒感想

とある魔術の禁書目録SS2
⇒感想

バカとテストと召喚獣5
⇒感想

先月から引き続き「とらドラ!」フィーバー中。全然アクセスが下がる様子がないのですが、何が起こっているのですか……。

そして追随するのは同じくアニメ化中の「禁書目録」最新刊。新キャラ・新設定乱立でそろそろ設定資料片手に読む時代になってしまうのか。何度も言ってますが電撃文庫は、次から禁書文頭にキャラクター及び世界設定紹介をですね……?

それにしてもアニメ化3作品には叶わなかったとはいえ、最後の3日で禁書に追いつきそうなアクセスを集めた「バカとテストと召喚獣5」。次期アニメ化候補のトップエースパワーはやはり凄い。私としてはもうちょっと女性読者が増えて欲しいと切実に願うものであります。5巻は久保君がイケメン男子であることが発覚して、雄二×明久にノリきれない美形スキーがニヤリとすること請け合いですよ!?とりあえずエンターブレインは冬コミでアキちゃんの抱き枕を出してください。むしろ「裸ワイシャツ上目遣い涙目ボタン上2つ空け」の明久をお願いします。2万までなら出す。


2008年11月に読んで面白かった本


ダブルブリッド Drop Blood
⇒感想

火目の巫女
⇒感想

桐原家の人々3 恋愛統計総論
⇒感想

魔王城一限目
⇒感想

今月読んだ中では…というかむしろラノベ全体の中でも「ダブルブリッド」と「バカとテストと召喚獣」は愛着のあるラノベとしては5本指に入ると思うのですが、その2つが2回連続同じ月に出るのはどんな運命の悪戯か!多分これがホントに最後の短編集、とても美味しく戴きました。というかダブルブリッドは思い入れありすぎて困る。未収録の短編をまとめた本が出るであろう事は予想してましたが、よもや本編終了後のお話が読めるとは夢にも思っていなかったです。最後の最後に素敵なプレゼントを本当にありがとうございました。ていうかこの調子で来年には「ソウル・アンダーテイカー」の続きが出るといいなあ…

杉井光強化月間からは平安系欝グロ巫女ファンタジー「火目の巫女」。結局2ヶ月がかりで「さくらファミリア」以外の杉井光作品をコンプしてしまったのですが、結局火目が一番ツボだったなあ……続きが絶望視されているのがとても残念です。「このラノ」ランクインのご祝儀かなにかで出ませんかね…できればメモ帳4巻より火目4巻を……。

そして杉井光強化月間とともに密かに裏で行われていたルビー文庫積読崩しキャンペーンから「桐原家の人々」。友情以上愛情以下BLと弟×兄スキーとしては大変美味しいお話でした。ああ、そういえば4巻まだ買えてない……ここまで来ると「デルフィニア戦記」が俄かに気になってくるわけですが、今月来月は新刊予定が詰まってるから来月以降かなあ…

魔王城一限目」はガーゴイルとはうってかわってしょっぱなから重い展開の物語ですが、「ガーゴイル」から続く家族の暖かさが根底に流れる優しいお話。今月読んだ新シリーズ系では一番オススメです!


2008年11月の読了記録

MediaMarkerさんでちょくちょくつけてる読了記録がHTML出力できるようになったので、読書メーター組に対抗して使ってみたいと思います。…個人的に、欲を言えば、カテゴリを絞っての表示とコメント出力ができれば完璧なんだけどなあ。ラノベの読了はいらないのでそれ以外だけで出力したい…
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【告知】コミックマーケット75参加します。

というわけで、今回もコミケのスペースをいただけましたので、バカテス本出します。
軽い腐女子要素含のほぼオールキャラギャグ本。明久とか明久とか明久とか多めかも。
詳細は「続きを読む」からどうぞ?。
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魔王城一限目

 
朝未

司令官に逆らい、ド田舎に左遷された軍人のエイゴ。彼を待ち受けていた任務は、何と魔王の申し子と呼ばれる歩く災厄―「魔人」たちの先生役だった!異形の身体と、生まれた瞬間に村ひとつ消し飛ばす魔力を持つ魔人。事実そうしていくつもの村を消滅させ、命を奪った存在を相手に、この自分が先生役!?と動揺するエイゴ。けれど、彼らの姿を知る中で、エイゴはある決断をすることに―。残酷な世界に抗う青年と子供たちの、痛みと優しさの物語、開幕。(「BOOK」データベースより)

「吉永さん家のガーゴイル」の田口仙年堂さんの新シリーズ。家族を"魔人"の暴走によって失い、軍人となった熱血直情型の青年が"魔人"の子供たちと出会うというお話で、「ガーゴイル」とはうってかわってかなりシリアスな雰囲気のファンタジー作品です。

熱血で直情的で一見ちょっと子供っぽいエイゴがその一方で着実に人間不信気味だった"魔人"の子供たちを手なずけていく手段が実に巧妙で、そのギャップが非常に魅力的。とにかく次の行動が読めないキャラで、エイゴが次に何をやらかすのかとワクワクしながら読み進んでいきました。子供たちに悪戯を仕掛けられたら「悪戯は楽しいものだと教える、でもそれはそれとしてちゃんと叱る」というような、柔軟な姿勢が面白かったです。子供たちだけではなく、"魔人"への偏見や恐怖に縛られてしまっている部下・バズのわだかまりも少しずつ解いていってしまうのだから凄い。天職としか思えないエイゴの先生っぷりから目が離せませんでした。

しかしその一方で、魔人への差別の問題や戦争中という時代背景もあり、エイゴたちにはしょっぱなから残酷な事実ばかりが降りかかっていきます。「ガーゴイル」で言うと9巻・10巻の頃の雰囲気に近いものがあるかも。あれを読んだときにも思いましたが戦争という存在のおぞましさとかその中で必死に生きる人々の描写がとてもリアルで、重い。自然に「戦争って嫌だなあ」と思わせてしまうような何かがあると思う。

ただ、救いの無い展開の中でも根底に流れるどこか優しく暖かい雰囲気があって、それがとても心地よかったです。ガーゴイルやコッペもそうだったけど、敵にも味方にも基本的に「悪い奴」がいないんですよね。魔人たちは好きで魔力を暴走させるわけじゃないし、軍人達にしても妙に人間味溢れていて、憎む気持ちになれない。ああ、でも、子供たちの不幸な境遇に対する怒りをどこにぶつけたらよいのやら…心はぽかぽか暖かいけどとてももどかしい!!責任転嫁できる悪役が居ないのが地味にもどかしい!!

子供たちを守ると決意したエイゴたちの前にはこれからも様々な困難が立ち向かっていきそうですが、どんな奇策でその困難を乗り越えていくのか、とても楽しみです。二限目が楽しみ…!!

ああ、その前にガーゴイルおるたの続きよまなきゃ…(と1月の刊行予定見てちょっと思った)

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死図眼のイタカ

 

伊々田市に於いて絶大な権力を持つ朽葉嶺家の婿として養子に入り、小さな頃から朽葉嶺家で育てられてきたマヒル。兄弟のように共に育った4つ子の姉妹の中から彼の婿を選ぶという儀式「継嗣会」が間近に迫る頃、街では女子高生ばかりを狙った猟奇事件が発生していた。そんな中マヒルは、真っ黒い衣装で身を包んだ少女・イタカと出会い…

街を実質的に支配する旧家「朽葉嶺家」の跡取りとして育てられた主人公が、閉鎖的な田舎町で巻き起こる猟奇殺人事件と、なぞめいた朽葉嶺家の秘密に迫るという伝奇サスペンスもの。作風としては「火目の巫女」に近い欝展開で、「お兄ちゃん大好き☆な4姉妹モエー」とかいってるともれなく痛い目見る事請け合い。火目の巫女的な意味で。

朽葉嶺という古くから続く家の謎と、猟奇事件の真相に迫っていくと、段々自分に身近な人間達が死にはじめて……不審な態度を取る義理の母とその家によって掌握され、逃げ場のない閉鎖的な村の雰囲気、いかにもあやしげな“儀式”などなど、おどろおどろしい雰囲気とおぞましい事件のハーモニーが素敵。短いながら、各ヒロインそれなりに印象に残るエピソードがあるが故に死んでしまうとショックが大きいんだよなあ…情け容赦なくメイン級のキャラクターがガンガン死んでいく上メインヒロインらしき人物がしっかり他にいるので、4姉妹のうち誰が犠牲になってしまうのかなかなか先が見えない展開がまた良かったです。そして何より、事件の真実を明かされたときの衝撃が!ミスリードにあっさりひっかかってしまっていたので思いもよらぬ真実に愕然としました。

ただ、主人公の性格上仕方ないのかもしれないけど、主人公がイタカ・藤咲と4姉妹のどちら護りたいと思っているのかはっきりしないのがちょっともどかしかったかも。最終的には双方が対立してしまうため、特にそのヘタレっぷりが悪目立ちしてしまったような気が。やっぱり王道モノ好きとしてはきっぱりはっきり誰か特定の一人についてほしかったかな。

しかし、こういう物語はものすごく好みだし一応続けられそうな終わり方にはなってて続きが出たらぜひ読みたいけど、続きが出たらただの伝奇系現代異能モノになっちゃいそうな予感がして、1巻完結でちょうど良いような気も。少なくてもこのおどろおどろしい雰囲気を続けていくのは難しそうだよなあ。

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