ページ 129 | 今日もだらだら、読書日記。

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火目の巫女 巻ノ三

[著]杉井 光 [絵]かわぎしけいたろう

火垂寮にいる御明し達がそろって不思議な“歌”を聴いた。その歌は初代火目・霞の鳴箭の音。火目達を、そして化生を呼び寄せるその音に呼応するように都には紅い雪が降る。どうやら彼女の遺骨を盗み出した者がいるようなのだが…。豊日と共に、今回の件の調査を始めた伊月は次第に妙な"声"を聞くようになって…。
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シリーズ第三弾。とある人物の陰謀により火目の力の源である火の神である"ヨビ"が降りてきて、京の都がかつてない災害に見舞われるというお話。豊日の過去とかもちょっと明かされます。

伊月と豊日の関係にニヤニヤしてしまうのは相変わらずなのですが、2巻でちょっと浮上して3巻はまた重い展開に…様々な意味で四面楚歌な伊月が必死に奔走するのですが、彼女を含めて伊月も豊日も佳乃も茜もみんなが皆、自分を省みない自己犠牲判断の元に行動するものだからいつどこで誰が死ぬかとハラハラしっぱなし。自己犠牲を思い留める時ですら自分のためではなく、『自分が死んだら○○は悲しむだろうか』という思考になってしまうあたり、もうみんなして筋金入りです。

久しぶりに出てきた常和のシーンには泣かされたけど、そこでそう来るのか!なんて悪趣味な!(※褒めてます)それにしても、1巻の頃からどういう事になっているかは大まかに明かされているわけだけど、実際に決定的な描写を見てしまうと改めて惨い…一瞬でも救いを見せられてしまっただけに、余計に悲しく感じてしまう。

豊日に関するミスリードには思いっきり騙されましたが、それ以上に茜の本命がこの巻における最大のミスリードなのではないかと思いました!!そりゃあもうまんまと騙されたよ!!エピローグ読んで噴出しました。もういっそ佳乃と茜と豊日で仲良く伊月を取り合えばいいと思います!この4人でコミカルな鞘当て模様とか凄く見てみたいです。そしてそこにいらぬ首をつっこんで騒ぎを大きくする為子様を蝶希望。

最終的にはそれなりに綺麗に落ちてますが、火目という重い宿命を背負った彼女達がその後どうなっていくのかや伊月の能力等気になるところも満載で、これで完結と言われたら納得せざるをえないけど読めるものなら続きが読みたいと思ってしまいます。ほんと、続編でないのかな?…ここでおしまいといわれるのは凄く残念です。

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火目の巫女 巻ノ二

[著]杉井 光 [絵]かわぎしけいたろう

火目が代替わりした後、火護唯一の弓衆となった伊月。1年後、役目を終えた前代火目・時子の埋葬に弓衆として立ち会うことになったのだが、その最中に時子が化生として覚醒・逃亡してしまう。自らの無力さを目の当たりにしながら新たな御明しになった茜と共に彼女を追う伊月だが…
火目の巫女 巻ノ二
シリーズ第二弾。1巻であれだけ衝撃の事実が明かされまくったので前巻に比べてちょっと物足りないなあと思う部分もあったけど、“火目”という存在に縛られていた伊月と佳乃が少しずつ変わっていこうとするお話として手堅く王道な面白さになってきた印象。

新御明し・茜をとりまく人々の気持ちが胸に痛いです。なにかと常和を思い起こさせる言動を見て、真実を知らないまま火目を目指させて良いのかと自問する伊月はある意味予想とおりなのですが、佳乃のもらした言葉がとても印象的。彼女も彼女なりに、常和のことを気に入っていたんだなあと思わせる一言でした。

伊月&佳乃、佳乃&双葉などなど各所で乱立する百合フラグも悪くないですが、やはり豊日と伊月のビミョーな関係が凄く良い。わだかまりは消えてはいないけど、色々理由をつけていつのまにか女御扱いになってたり、夜に二人きりで色気のない相談話とかしちゃうこの二人の関係がとてもツボ。ああ、ぜひ次ではちょっとだけ進展してほしい!

個人的にはここで持ち上げておいて3巻では再び突き落としにかかるのか、そのままハッピーエンド方向に続くのか気になる所。まだ不穏な火種は残ってるしな?…。というか過去話が入りそうな勢いだけど3巻で終わりなんだよね?凄いいやな予感がするぞ!

あと、矢加部のあの挿絵は反則だ。
死亡フラグにしか見えなくいよ!!

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文庫版「空の境界(中)」+映画版4?5章感想

[著]奈須 きのこ [絵]武内 崇

2年間の昏睡状態から奇跡的に目覚めた式。しかしもう一人の自分であった「織」は失われ、代わりに万物の綻びを視ることができる“直視の魔眼”を手に入れてしまう。自らの生の実感を得られないまま病院で過ごしていた彼女の元に、一人の女性が現れて…
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映画版に合わせて読んでる「空の境界」文庫版の映画版含めた感想第二弾。中巻では4?5章が収録されてます。
※映画版ネタバレが含まれる為、見ていない方はご注意ください。

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桐原家の人々 3 恋愛統計総論

[著]茅田 砂胡 [絵]羽崎 安実(※Cノベルズファンタジア版:成瀬かおり)

明かされた色々な真実のショックからようやく立ち直ってきた桐原家の三兄弟。ところが些細な事がきっかけとなって、女子生徒たちが眞己と都にホモ疑惑を立て始めて!?噂を聞いて心中穏やかじゃない都と猛だが、そこに更なる事件が…
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1巻で三つ子の出生、2巻で彼らの父親…でもう明かされてない事実なんてあったっけ?とおもっていたら、3巻は彼らの“兄”である零の出生その他もろもろに関するお話。ちゃっかり麻亜子さんの親友として親ばかぶりを発揮する崇史さんが人知れず輝いてます。

いきなり零の生んだ親の実家から使いが来て、なぜか「復縁してやるからこちらの言う相手とお見合いをするように」と伝えてくるというお話。彼の母親の実家は由緒正しい上流家庭で、様々な思惑もあって零に見合い話をもちかけたらしい。…というわけで、ひたすらかみあわない事ばかり言う祖父からの使いを一家総出でやり込め、お見合いを破談にした後やはり一家総出でやりこめる桐原家の人々の姿がとても爽快。豊・麻亜子コンビのオトコマエっぷりが全力で発揮されます。その後の結婚式のお話もさっぱりした行動派な麻亜子さんの本領発揮ぷりが半端ではなく、ニヤニヤしながら読みました。

…とまあそれはそれとして、最後の都&眞己さいこーーーー!!!本気とも冗談とも取れない都の発言と行動に翻弄される真面目兄萌えーーーーっ!!!そしてき、貴様ら……ついにやってしまったのか!やらかしてしまったのか!!教室での墓穴掘り発言には思わず大爆笑してしまいました。

とりあえずここで次は番外編?ということで本編は一区切り。女の子達はかっこいいし、都と眞己のビミョーな関係は美味しいし…と、最後までニヤニヤのとまらない美味しいシリーズでした。次の本では三つ子は出てこないようですが、どんな物語になるのか楽しみ。

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桐原家の人々 2 恋愛心理学入門

[著]茅田 砂胡 [絵]羽崎 安実(※Cノベルズファンタジア版:成瀬かおり)

母達の口から明かされたとんでもない自分達の出生に関する真実をなかなか受け入れられない三つ子たち。特に紅一点・猛のショックは相当大きかったようで、麻亜子に対してきつい態度を取ってしまう。そんな時、更に3人を混乱の渦に落とし込むような事件が起きて!?
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前巻で各々の生まれを含め、様々な意味で衝撃の事実が明らかになった桐原家の三つ子の元に、更なる新事実が降りかかる…というか、ぶっちゃけ前回麻亜子さんが秘匿した「父親」に関するお話。

1巻で明らかになった事実があまりにもショッキングで、これ以上の衝撃はないだろうと思っていたら最後でしてやられました!そのオチは予想してなかったわー。いや、確かに粗筋にもそんな感じの事が書いてありましたが……。また最初から最後まで「な、なんだってーーー!」の連続だよ。浮気自体は確かに許せない事だけど、麻亜子さんの怒りぶりが妙に不自然だと思っていたら……

前巻では重い過去の割りにあっけらかんとしていた印象だった麻亜子さんですが、今回は結構隠された本心が透けて見えて、ニヤニヤしました。そして複雑な思いにかられる猛が可愛い。例によって女傑家族の本領も発揮されまくりなのですが(特に母親)その奥から少しだけ顔を覗かせる女の子らしい一面がとても可愛らしかったです。

そして前の話で一件落着したかと思いきや、まだまだギリギリ境界線をつっぱしる眞己・都のギリギリ具合がたまりません。何気に本心をなかなか見せない都の行動に調子を乱される眞己が微笑ましい。この兄弟関係(?)、やはり好きだ!

しかし、これだけ連続で衝撃の事実が明かされてしまって、3巻はどういう展開になるんだろう。今からとても楽しみです。

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純愛エゴイスト

[著]藤崎 都 [絵]中村 春菊

つきあっていた彼女にこっぴどくフられた上に本気で人を愛することができないと指摘され、落ち込んでいた中條弘樹は半ば強引に高校生の家庭教師というアルバイトを引き受けることに。ところがその高校生というのが、彼女にフられた時に自分の事をホームの向こうからずっと見ていたヤツで…!?
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ついったーで萌えカップリング話題をしていたら「それならこれを…」とオススメされたので手を出してみました。現在アニメ放映中のBLマンガ「純情ロマンチカ」のコラボ小説シリーズ。主人公とのカップリング相手のBL作家が身内をネタにして書いたBL小説…という設定らしいです?原作マンガも本編も華麗にスルーして突然変なところから読んでてすいませんごめんなさい。わんこ系腹黒年下攻な野分くんとツンデレ受な弘樹さんの出会いを描いたお話。

わんこ属性で年下だけど強引で何気に腹黒な野分に翻弄されてわたわたするツンデレ弘樹さんにニヤニヤが止まりません。最初から明らかに弘樹さんをロックオンしている野分くんと、ツンツンしながらもとても無防備な弘樹さんを見ていると「弘樹さん逃げて逃げてーー!」と叫びたくなります。そしてそんな野分くんに翻弄されているうちにすっかりほだされて悶々とするツンデレがとても素晴らしい。わんこ攻×ツンデレ受は素晴らしいですね!

内容的には私の脳内イメージにおける典型的なBL作品というか、すれ違ったり仲直りしたりお互いにヤキモチやいたりいたすことはしっかり致したりしておしまいという感じなのですが「一見ヘタレだけどいざとなると強引なわんこ攻と普段は強気ぶってるのにいざとなるとあっさりほだされるツンデレ(長)」が大好物な私としては二人の関係を眺めているだけでも十分おなかいっぱいですほんとうにありがとうございました。

ああしかし、後半の短編で野分が大人になってしまってとても残念だった私。
高校生くらいが、高校生くらいが一番ツボなんだ!(聞いてない)

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桐原家の人々 1 恋愛遺伝学講座

 

桐原家の猛・都・眞巳は三つ子の兄弟。瓜二つの美形を持つ猛と都とは対照的にがっしりして精悍な顔立ちの眞巳は自分が本当に彼らと血がつながっているのか悩んでいた。そんな折、なぜか都に迫られる夢を見て…!?

とても今更ですがsoundseaさんの“魔がさして?”エントリーに腐女子として激しく心を揺さぶられたので釣られてみました。書影の関係で商品リンクはCノベ版なのですが敢えてルビー文庫版で。

兄弟であり、しかも男である都から迫られるという夢を見て以来、自分の兄弟の事をヘンな意味で意識してしまった眞巳(♂)が赤面しながら悶々と悩む姿が微笑ましいというかなんというか。マジメで頭堅くて実直でヘタレな兄と世渡りがうまくて美形で小悪魔系の弟という組み合わせ自体元々好きなのですが、ヘタすると兄弟の関係を越えそうでしかし越えないギリギリ具合がとてもツボ。

眞巳が弟への気持ちで悶々と苦悩した事をきっかけに三つ子の出生をはじめとして桐原一家の様々な秘密が明らかになるのですが、事実だけ考えるとものすごい重い話の連続…のはずなのに祖母・母・長姉の肝っ玉が座りすぎてて物凄い軽いノリで話が進んでいくのが凄い。特に母親・豊さんの男らしさは半端じゃありません。実際本人達にとっては辛い話であることは確かだろうに、そんなことはおくびにも出さずにまるで笑い話のように喋れてしまう豪胆さにホレました。いや、ほんとにこのシリーズに出てくる女性は誰も彼もがかっこよくて、魅力的で良いなあ。

ルビー文庫というと私の中では「BL小説レーベル」という印象しかなかったので、こういう小説があるのがとても意外だったり。とても面白かったので続きを読むのがとても楽しみです!

しかし、一番凄かったのは「あとがき」かもしれない。恋愛は書けないけど変態なら書けるかもしれないってちょ…!!私もラブコメを書くのが苦手中の苦手なのですごい共感してしまったのですがその発想は無かった!!

余談ですが、この小説を読みながらずっとつだみきよの「ファミリー・コンプレックス」を思い出していた私がいます。美形だらけの家族の中で唯一平凡な顔を持って生まれてしまった男の子(でも頭は良い)と、その兄弟姉妹にまつわるお話。ついったーのTLでも散々語った気がしますが、つだみきよ作品の中ではこれが一番好きだったりします。

…その後「プリ・プリ」で秋良がホモに迫られた(勘違い)ときには本気で発狂したけどネ!


4403615902ファミリー・コンプレックス (Wings comics)つだ みきよ
新書館 2000-05

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火目の巫女

 

"化生"と呼ばれる異形の怪物たちに脅かされ、"火目"と呼ばれる一人の巫女により護られる世界。化生に村を焼かれ、ただ一人生き残った少女・伊月はその才能を認められて火目候補"御明かし"として宮中に上がる事になる。2人の御明かし候補の少女達と共に切磋琢磨しながら絆を深めていくが…

LNFminiでお話を聞いてから「これは読まなきゃ!」と思った杉井光のデビュー作。だって巫女さんで平安ファンタジーで欝展開で平安ファンタジーだよ?!大事な事なので2回言いました!

化生の襲撃によって母と生まれた村を喪い、化生を滅ぼすことに執念を燃やす伊月が盲目でミステリアスな少女・佳乃と天然で大きな才能を持つ常和や周囲の人々と触れ合ううちに成長していくお話……かとおもったら後半重もーーーー!!!欝展開という前評判は以前から聞いてましたが、ここまで重たいとは。いえ、こういう重さ大好物ですが。

だんだん佳乃や常和が抱える過去の"傷"が見えてきたり、「火目の巫女」という役割や"化生"の正体に対する疑念が見えてきたりして、少しずつ不穏な空気が漂い始めたところに、"火目"の代替わりがやってきて……そこからの展開はもう凄まじいの一言。帝の正体、"火目"や"化生"という存在の真実、そして佳乃と常和の想いなどが次々に明かされていき、一気に物語に引きずり込まれました。特に「火目の巫女」の真の役割が明かされたときは本当に呆然とするばかりで。慟哭する主人公の姿がただただ胸に痛かった。

キャラ的には重い過去と未来を背負う女の子3人も良いですが、やはり豊日最強ですね!!!LNFminiで"ロリババア"属性扱いされてたので全く期待してなかったのですが、ロリババアじゃなくてショタジジイじゃねえか萌え!!豊日×伊月を全力で応援したい私であります。

凄まじい欝展開といい爽やかなんだか後味悪さMAXなんだか判らないエピローグといい百合百合な展開といいショタジジイといい、とてつもなく人を選びそうな物語ではありますが、私としては文句なしに面白かったです。エピローグは……違うよな?そういう意味じゃないんだよな…?(「『佳乃の鳴箭?』」→「小さな影が二つ?」がどうしても、あの、アレな展開を連想してしまうのですが…違うよね、違うよね豊日ーー!←ネタバレ)しかし、1巻で綺麗に終わってる気がするんだけどここからどうやって続けるんだろう…。


余談ですが、読み終わってからふと思い出して↓のMAD見たら物凄い勢いで涙腺決壊した。うわああああ常和…!!!原作知らないで見たときは全くピンとこなかったけど、原作読んでから見ると神MADだこれ…鳥肌立ちまくりでした。

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モーフィアスの教室4 黄昏の王女

[著]三上 延 [絵]椎名 優

ツグミの事件を解決した直人だったが、王国の『悪夢』が激化し、夢神の動向を感じ取れなくなってしまう。その間に『赤い目』は着々と力を蓄えていた。悪夢の中で夢神の“王”から『赤い目』の怪奇を解決すればかつて犯した“罪”を赦されると伝えられた直人だが…
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シリーズ完結編。綺麗に、言い換えれば無難に終わったなあ。今までの三上さんの作品と同じように、全体的にちょっと盛り上がりに欠けると言えなくもないけど、それはもうこの人の「味」というかなんというか。はっちゃけ分が足りない!とおもいつつ、比較的短い巻数で綺麗にまとめてくれるのは嬉しいなあ、と思ったり。

直人の父・正宗の姉の仇である夢神『赤い目』の力により、なすすべなく町の人や身近な人々が呑みこまれていく様が圧倒的。「きっと最後で皆復活するんだろうなあ…」とか身もフタもないことを思いつつ、それでも圧倒されてしまいました。特に水穂と久世のおばさんの所に『赤い目』が乗り込んでくる場面は怖かったです。

直人と綾乃・棗の三角関係(?)がようやくすっきりしたところに落ち着いたり、直人vs『赤い目』の最終決戦の熱さもハンパじゃなかったですが、個人的にツボにハマったのは正宗。「俺の秘密基地(アジト)」という一言が今回のすべてを持って行きました。ちょ…おま……そのナリで「俺のアジト」って…しかも入口に堂々と貼って……様々な意味で最高すぎるよ!!ツグミの一件を振り切った後の変わりぶりや『赤い目』との闘いといい、最後の最後で一番おいしい所を根こそぎ持って行ったような気がします。何より「俺のアジト」の破壊力が(略)

綺麗な終わり方で満足のいく最終巻でしたが、個人的には最終巻を他のラノベ作家さんに書かせたらどんな風になったのかなあ?と夢想しなくもなかったり。いや、やっぱり波乱万丈大好きーなラノベラーとしては、「ヤンデレフラグ立ちそうで立たなかったクラスメイト(棗)」と「ヤンデレフラグ立ちそうだったのにあっさり沈静化したブラコン妹(水穂)」が惜しく思えてしまうんだよなあ…この落とし方は落とし方でアリなんだけど、それはそれとして二人のフラグが成立したバージョンを見てみたい。

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みずたまぱにっく。3  - This is MIZUTAMASHIRO!! -

[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草

すっかり涼橋寮でのバイト生活にも慣れてきた水田マシロは、ある日寮母のアザミ子からの指示で「おつかい」として陽向と共に外に出ることに。何故か「赤ずきんちゃん」のコスプレ姿で!?恥ずかしい気持ちを抑えて町に出たら変な男に声達をかけられて…!?
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男の子みたいな女の子・マシロと学園を代表する"美少女"と名高い男の子たちが繰り広げる学園ラブコメ第三弾。今回はいつもはふわふわ美少女だけど実は…!?な男の子・陽向の秘密に迫ります。

うーむ、陽向が前巻から期待していた通りの二重人格キャラで、予想通りの展開にニヤリとしたところまでは良かったんだけど、前の2巻と比べてもあまり盛り上がらなかったなあ…私の中で。ふんわり天然さんな陽向と悪戯っ子な少年・花向の対比は凄くツボなんだけど、トラブルの解決法としてこれまでカケラも見せなかった「異能要素」が突然出てきたのが凄い違和感でした。なんか解決法が思いつかなくて安易に異能要素でごまかしたように見えてしょうがないというかなんというか…いや、見落としてただけなのかなあ…伏線もなしに突然こういうネタが出てくるのはあまりにも強引すぎる気がするのですが。

今回の話からしても、今後学園異能方向にシフトしていくつもりなのでしょうか…うーん、2巻までのノリが普通に好きだったので、このまま擬似TS系学園ラブコメとしての路線を貫いて欲しい気がするんですが。忍が「人前で男姿を見せられない」と言ってるのもなんかその辺の関係なのかなあ。

花向がマシロに子供っぽいイヤガラセを連発する辺りの話は好きです。花向可愛いよ花向。

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