ページ 125 | 今日もだらだら、読書日記。

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前はマのつく鉄格子!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

聖砂国からの帰路、村田と共に海に投げ出され、渦に引きこまれてしまった渋谷有利。いつもの地球への帰還コースか…と思いきや魚と共に網にかかって、追い掛けてきたグウェンダルともども漂流(?)するハメに。一方、残されたヴォルフラムやギュンター達の間にも異変が!?
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あんなキャラやらこんなキャラやらがこぞって再登場の新シリーズ開幕。聖砂国編はずっと重い展開だったので、コミカルなテンションがもどってきてホッとしました。ギュンターとギーゼラ・ヴォルフラムは良い漫才トリオですね(失礼)。やっぱ「マ」シリーズはあまり重くならないほうが好み。

漂流の末、眞魔国から遠く離れた水上港湾都市・ダルコにたどり着き、何故か監獄にぶち込まれてしまった有利・村田・グウェンダルの所にはツェリ様の従者・シュバリエが、有利達とは別ルートで聖砂国から帰る途中のコンラッドにはキーナンが、そして船の上に残されたギュンター・ギーゼラ・ヴォルフの元には色々とアレな格好な眞王様が…とこれまでちょろっと出番のあったキャラクターたちが改めて登場……ってごめん、マジでキーナンって誰?(おい)眞王様は前回出てきたからまだしも、キーナンとシュバリエとか普通にどこに出てきたか思い出せなかったのですが。そろそろこの作品もキャラが増えすぎて設定の把握が辛くなってきたなあ……。

眞王様、登場の仕方がインパクトありすぎてこの巻だけ読むともうギャグキャラにしか見えない!!のですが、これまでの話でそれだけの人物ではないことは十分実証済みだからなあ…言動からしても、ただの気まぐれで出てきたのではないことは明白なのですが、彼の正体を知っている村田達とはぐれて行動しているギュンターやヴォルフ達があっさり信じてしまっている感じなのが不安です。ギャグキャラ装ってるところが逆に不穏な感じで、何はともあれヴォルフ逃げて逃げてーーー!!!!「凍土の業火」の鍵の話といい、最近のヴォルフの周囲は不穏なフラグが乱立しているような気がしてとても心配です。

それにしても、出番はないのにおいしいところはさりげなく持っていくアニシナ様噴いた。毒女広まりすぎ!

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ばけらの!2

[著]杉井 光 [絵]赤人

「ばけらの!」の2巻でカラーイラストに水着が欲しい!という編集部側の欲望丸出しな提案により、沖縄旅行が企画されることに!ただし、参加できるのは5人まで。たった1つの男子枠を巡ってヒカルはラブコメ作家なインキュパス・エムさんとラーメン対決をするハメに!?料理の師匠的存在であるエムさん相手に、ヒカルはどう立ち向かう—!?
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池袋を舞台に「ばけもの」作家達と普通の人間・ヒカルが繰り広げる内輪ネタ満載ラブコメ第二弾。今回はエムさんとヒカルの料理対決編、沖縄旅行編、そして新たな「ばけもの作家」が2人も登場する新キャラ登場編の3編が収録されてます。

料理対決編は実質エムさん編?エムさん曰くの「ギョーカイ用語」を普通に翻訳なしで読めるようになってきて、なんだか複雑な気分になりましたが、あのラーメン屋台のラーメン群の解読は無理すぎる。物凄いまじめに解読にいそしんでしまったのは内緒です。

ラーメン対決のために色々頭をひねっているうちに、いつのまにやら「不健康なイヅナに野菜を食べさせる」という方向に目的が摩り替わってしまっているのが微笑ましい。しかしとらドラといいばけらのといい、世間は暴食の秋ですか……現在絶賛「暴食の冬」中の私に対するあてつけですか…!!

沖縄旅行編は表題通り、陰陽師の亜里沙さん編。沖縄で出会った人間外の少女とヒカルが繰り広げる心温まるお話。沖縄旅行にいけなくなった風姫姉さんの代わりに結局ついてくることになったエムさん&男爵ウーノのリア充コンビが出番少ないながら良い味だしてる。ていうか男爵ウーノは良いギャグキャラだ…!!90ページの挿絵のウーノ氏は輝いている!(いろんな意味で)

新キャラ登場の3編目は北海道からやってきた魔性の美少年・鴻池ジンが池袋に住みたいと言い出して、池袋に住むばけもの作家の元締め?らしき事をやっているとある作家さんから試練を受ける…というお話。性別不詳キャラきたよキタヨテンションアガッテキタヨー!!!

ジンの試練を手伝うため暫く彼と一緒に行動することになるヒカル。ところが、何故かイヅナがヘソをまげて……ということでイヅナがヘソを曲げた原因はいろいろとお約束な誤解なんですが、誤解の原因に噴いた。っていうかジンとヒカルの関係ってほぼそのまんまユーリとナオ(ピアノソナタ)だよね?イヅナが誤解する気持ちもわかる……ユーリってば罪作りな子!!!

エピローグはクリスマスを舞台にした、ヒカルとイヅナのほのかに甘い小話。不器用でなかなか素直に想いを口に出せないイヅナと鈍感ヘタレなヒカルのために(?)他のばけもの作家達が全力で二人の恋を応援する(?)姿が微笑ましかったです。イヅナの抱き枕も出たことですし、ラノベ作家ブログ界隈では早くも3巻の話を出してる作家さんもいらしたし、ヒカルとイヅナの愛の行方(笑)や今後もどんな作kk……もといキャラが出てくるかとか、今後の展開がとても楽しみです。


【オマケ:元キャラ推理コーナー】
せっかくフライングで感想書いてるので、諸説出揃わないうちに…やっておこうかと。

● 鴻池ジン
えーと、女の子と見まごう美少年で、一人称「わし」で富士見・電撃以外のレーベルの新人作家さんで北海道出身北海道育ち(※御本人がブログで否定されてたのでWikipediaで確認しました)……ってどうかんがえてもこの人じゃないですか!性別どころか受攻まで反対にしちゃうとは、さすが杉井センセイわかってるー!!いや、ほんと良い総攻め具合でありました。

ドジっ子じゃなかったのは残念ですが、その辺はこちらで脳内補完する方向で。
あと、描くならジン×ヒカルで(何が)

●お屋形様(フェレットの人)(…この人、キャラ名出てたっけ?)
「8年ぶりに学園バトルものな新シリーズ」で富士見ファンタジアのベテラン作家で出してるシリーズは巻数30巻超え……というと、この人で確定?いけぬこ会関係のブログでもちょくちょくお名前を見かけるし……あ、問題の「新作」は今月2巻が出ますね。たのしみだー。

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コードギアス反逆のルルーシュR2 ナイトオブラウンズ

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗 [絵]玲衣


皇帝直属の騎士「ナイトオブラウンズ」に所属し、日々の任務をこなしているジノ。そんな彼の元に、新しくナイトオブセブンとなった騎士・枢木スザクとの御前試合の話が舞い込む。興味を持ったジノは、スザクに本気の真剣勝負を挑んで…!?
   個人的お気に入り度数
「スニーカー」に掲載されていた、ギアスR2の短編集。ジノやアーニャに焦点を当てた、ラウンズ達の日常を描く短編や本編最終回後の後日談、ルルーシュ&ナナリーの母である閃光のマリアンヌがラウンズだった頃の前日談を収録しています。

サブタイはこうなってますが、実質スザク・ジノ・アーニャトリオがメインで彼らとマリアンヌ以外の他のラウンズの出番は一切ありません。実際彼らとはほとんどつながりなかったんだろうけど、ある程度その他のラウンズとの絡みを期待したのでちょっとがっかり。というかキャラクター紹介はラウンズ全員の立ち絵いらなかった気が…そんな出てこない人よりもベアトリスさんの立ち絵をお願いします(こんな人いたっけ?とか真面目に思った)。

ジノとアーニャの短編はどちらも「この二人が好きならどうぞ」という感じで、特に可もなく不可もなく…むしろ、あたりさわりなさすぎて物足りないなあと思う部分も。ただ個人的には、ジノ好きにはかなりオススメかもしれません。一応まともなバトルシーンも魅せ場もあるし、何より後日談で語られるラウンズを辞したジノのその後のフリーダムっぷりには噴いた。

ミレイとセシルが在りし日を振り返る「円卓の肖像」は、正直原作のクライマックス展開が神すぎたので、もうあの二人の「その後」を描かれるだけで涙が出てくるので、色々反則です。在りし日の彼らを知るミレイにとっては、例えどのような汚名を着せられたとしてもルルーシュとスザクは「弄りがいのある、可愛かった後輩」でしかないんだよ、というお話。また、生き残ったキャラクター達のその後が垣間見えるのも美味しい感じです。

しかし様々な意味で必見なのは、在りし日のマリアンヌとシャルルの過去を描く「マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア」。皇妃マリアンヌとナイトオブワン・ビスマルクがシャルル皇帝の為に戦っていこうと決意するお話。いや、とりあえず、ヘタレっぽい笑みを浮かべる若き日のわかも…シャルル皇帝が衝撃すぎる。マリアンヌ様の腹黒っぷりも併せて考えると、こんなご家庭に生まれなかったらシャルル皇帝はマリアンヌさまの尻に敷かれまくりだったんじゃないだろうか。甘えん坊で純情無垢まっしぐらな感じの子ルルーシュと、小さいながらも他人の悪意に敏感な子ナナリーの様子を見ていても、どう考えてもこのご家庭は何事もなければ物凄い女性優位な御家族だったに違いない。

しかし、ラストのマリアンヌ様の発言が凄い。アニメ版でもそういう部分をちょっと覗かせてはいましたが、本気で子供のことなんか何とも思ってなかったんだな。

ページ数が少ないからある程度覚悟していたとはいえ、ちょっと物足りなかったです。前シリーズの際に出た「紅の軌跡」の方が面白かった気がします。ていうかバリバリアニメ版を最後まで見たの前提で書かれてる話が、なんで小説版完結前に出るんだろうなー。まあたしかにあの小説版のつくりでは、小説版だけでこの物語を追い掛けている人はいないだろうけど…

全体通して個人的に印象的だったのは「後の歴史家達の間で、シャルル皇帝は“暴君”との認識はされていない」「むしろ“暴君”と呼ばれたのは次の…」という言葉だったりしました。結果的にルルーシュは、結果的にあれだけ嫌っていた両親の汚名まで最小限まで雪いでしまったんだなあ。なんか本当に不器用すぎる。

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戦闘城塞マスラヲ Vol.5 川村ヒデオの帰還

[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人

聖魔杯を敗退した川村ヒデオは失意のままアルハザンの罠に嵌り、かつて対戦した強敵達と共に地下空洞に監禁されてしまう。パートナーを人質に取り、強制労働を強いるアルハザンの目的は異界への穴を開き、暗黒神を召還することだった。生きる気力を見失いかけるヒデオだが、仲間からの叱咤とウィル子の声を聞いて…
   個人的お気に入り度数
シリーズ完結編。…いやほんと、この前読んだ「ムシウタbug」といいこれといい、スニーカー新年からトバしすぎじゃないですかっ!?4巻感想冒頭でもおなじ事書いたけど最後まで熱すぎるっ!

聖魔杯の準決勝・決勝戦が行われる裏で、地下に閉じ込められたヒデオ達と魔殺商会一派vsアルハザンの対決が描かれます。聖魔杯決勝戦では前巻圧倒的な力を見せ付けた前主人公・鈴蘭・みーこ組と、前シリーズから未だ直接ぶつかった事のなかった翔希・エリーゼ組のバトルが展開。圧倒的な力を持つアウター達と手を取り合うことで力をあわせて戦う鈴蘭と、すべての戦いを自分ひとりで抱え込もうとする翔希の戦いは猛烈に熱かった。どっちも間違った事いってない気がするのがまた…。特に、ただのワガママ娘かとおもっていたエリーゼの言葉には胸が熱くなりました。

しかし、そんな前シリーズ主人公達が繰り広げる頂上決戦すらこのクライマックスにおいては「前座」でしかないというのだからもう、最終決戦の熱さは推して知るべし。口先の言葉と立ち回りのみでこれまで数々の強敵を翻弄してきたヒデオと、ヒデオの為に更なる高みへ上っていこうとするウィル子が絶望のふちから立ち直り、パートナーを信じてかつての強敵達と共に戦っていく姿がとにかく熱すぎる。その快進撃に喝采し、ひとりまたひとりと戦場に残りながら戦い続ける姿に胸を熱くし、魔殺商会の面々がすばらしいタイミングで入れる援護射撃にニヤニヤしまくり。そして最後の最後の局面でヒデオが打った、一世一代の大ハッタリに圧倒されました。かっこいい、かっこよすぎるよヒデオ…!!

「お・り・が・み」で繰り広げられたパワー全開・卑怯全開な力押しバトルの爽快さに加え、「マスラヲ」でヒデオが繰り広げてきた口先で相手を翻弄する、手に汗握る知略戦のスリルが加わってきて、本当に最高のラストバトルだったと思います。ああもう、ここまで読んできて本当に良かった!最高に楽しかった!

しかし、しっかりエピローグで出オチを用意しているのがまた、素晴らし過ぎる。やっとニート脱却して就いた職場で、上司と同僚の尻に敷かれまくるヒデオの姿が素敵すぎます。そしていい具合に気を抜いたところで、最後の一文でまたグっと胸が熱くなる。あの一行は卑怯だよ…!!!

この巻でヒデオの物語は終幕、残念ですが新シリーズを楽しみに……と言おうと思ったら、次はヒデオと名護屋河睡蓮が繰り広げる対魔物が出る……だと!?外伝なのか、新シリーズ化なのか超気になる。超楽しみ。

ああ、しかしやっぱりこの最高のカタルシスは「お・り・が・み」シリーズを全部読んでからじゃないと味わえないよねえ。ギリギリ「前シリーズがなくても読める」の範疇には収まってますが、やっぱり伊織魔殺商会大暴れシーンは「お・り・が・み」シリーズの補強がないとキツイ気がする。

というわけで、未読の人は今からでもいい、読むんだっ!!

4044266042お・り・が・み林 トモアキ
角川書店 2004-06-29

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とらドラ・スピンオフ! 2 虎、肥ゆる秋

[著]竹宮 ゆゆ子 [絵]ヤス

食欲の秋。何を食べても美味しい季節……欲望の赴くがままにご飯をたべまくってしまった大河はすくすくと太ってしまった。主夫として家族の食事管理を怠ったことを後ろめたく感じた竜児はなんとか大河をダイエットさせようとするのだが…!?
   個人的お気に入り度数
「とらドラ!」の番外編シリーズ第二弾。本編最新刊の展開を思い出すとなんだかこういう疑似家族的な大河と竜児のやりとりがとてもなつかしい……なんか感慨深い。「虎、肥ゆる秋」「THE END OFなつやすみ」「秋がきたから畑に行こう!」あたりは特に初期の雰囲気そのまんまで、読んでいてなつかしかったなあ。

しかし表題作「虎、肥ゆる秋」は食欲の秋→ダイエットしなきゃ!→でも美味しい→脂肪定着を毎年繰り返している私としては激しく他人事ではありませんでした……あああああ、とらドラ史上もっとも心に痛い短編だったかもしれません……結局、食事を控えるか運動するかしかないのか……楽して痩せたい。私も大河のクラスメイトくらい協力的なクラスメイトがほしいです。

一番ツボだったのは、クラスメイトのバカ代表・春田がひょんなことからであった女性の為に奮闘する「春になったら群馬に行こう!」。9巻で連れていた“年上の彼女”との馴れ初めが語られます。いやー、バカがバカなりにがんばるお話は大好きだよ!!しかも春田もただバカなだけではなくて自分のクラス内での立ち位置を正確に把握していて、その為クラスメイトには悩みを打ち明ける事ができないと思っているのがなんかいいなあ。ただのオバカキャラが空回りするお話ではなくて、ちょっとしんみりする良い話に仕上がっているのがとても良かったです。しかし、よりによって独身(30)に相談しなくても……コイバナを独身に語るのはいろいろと可哀そうな気がするよ!!!

書き下ろし短編はそんな独身(30)の過去のお話を描いた「先生のお気に入り」。ああ、もうなんていうかこのころから不幸キャラというか、報われない役回りは始まっていたんだなあ……としみじみ。仕事熱心で生徒思いの良い先生なんですけどね…。

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ムシウタbug 8th. 夢架ける銀蝶

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

流星の降る夜、かっこうやハルキヨ、そして多くの虫憑き達は虫憑きの生まれない世界を創るために“大喰い”と対峙する。そして亜梨子の前には花城摩理が再び現れるが、彼女は亜梨子にとって意外な答えを出して……!?
   個人的お気に入り度数
「ムシウタ」の前史であるbugシリーズ、最終巻。綺麗に終わって本編へと綺麗につながりました。

亜梨子がこの後どうなったのか、そして“大喰い”との決戦の行方は本編を読んでいるとある程度まで結果が示唆されているのですが、予想を超える激しい展開に呆然。ああ、本編で出てこないキャラはこうなっていたのかー…とか、花城摩理が去ったと思えば、今度は亜梨子が……という感じで、一難去ればまた一難の連続。怒涛の展開にただただ翻弄されてしまう。

夢を亜梨子に託していった摩理の言葉に泣いた。亜梨子を信じて犠牲になった虫憑き達に泣かされた。打ちのめされて、絶望して、自分を見失い掛けて、それでも仲間の言葉で立ちあがった亜梨子が“虫憑きを救う”という自らの夢を次に繋げるため取った行動に泣いた。ここんとこちょっと中だるみしてる印象があったムシウタシリーズだけど、久しぶりの本領発揮というか、とにかく盛大に泣かされた。

本編で示唆される通り“大喰い”を倒す事は出来ないし、大助達は多くの仲間を喪い、せっかく亜梨子が繋げた絆もバラバラに……とドン底状態で終わってしまうのですが、それでも亜梨子という少女が起こした奇跡はかっこうやハルキヨ、そして多くの虫憑き達によって受け継がれていくんだなあと、そんな一筋の光明をみたような気がした最終巻でした。

また、詩歌が欠落者から復活した意味やハルキヨの行動原理など本編での謎も幾つか解き明かされて、ますます本編のクライマックスが楽しみになってきました。この「bug」シリーズからたくさんの夢や想いを受け継いでいる「ムシウタ」本編がどのような結末を迎えるのか、とても楽しみです。

っていうか、ハルキヨと亜梨子の関係にとても萌えた私が居るのですがー!!
ハルキヨはもう王子様のごとく亜梨子を迎えに行っちゃえばいい。
そして大助に起こしてもらえなくてふてくされる亜梨子の姿に凹んでればいいよ!!(酷)

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ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート

 

同級生の神野真国から突然電話で告白を受けた明海。その内容は「自分はかつて女の子を殺したことがある」というものだった…。“イケニエビト”と名乗り、神野と出会い、殺され、都市伝説の通りに神野以外のすべての人間に忘れられた少女。しかし、明海もかつて彼と同じ経験をしたことがあって…

“タマシイビト”と呼ばれる存在に殺されるために存在し、自分を殺した本人以外の人間にはその存在を記憶してもらうこともできないまま数年で生き返り、繰り返し人生を送り続けるという悲しい存在である“イケニエビト”と、彼女に出会った二人の高校生が「歌」を通して彼女の存在を刻みつけようとする物語。

なんともいえない読後感。妙に目を引く表紙と、淡々とつづられる文章と、ホラーサスペンスっぽい設定と、イマドキの高校生らしい青臭さみたいなものと、物悲しさと、ロックな青春が核融合を起こした結果よくわかんないけど爽やかになってる!みたいな。桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は?」に不思議要素足したようなイメージに近いんだけど、もっとなんともいえない独特な雰囲気がある。

タマシイビトに喰われてしまう為に数か月しか生きられない“イケニエビト”である実祈。復活した彼女との限られた短い時間の中で精一杯思い出を作ろうとする神野と明海の姿がなんだか切ない。やけにあっけない結末は色々消化不良のところもあるのだけど、じつにこの物語らしい終わり方という気もする。なんていうか、気になる部分は多々あるんだけど作品の雰囲気がなんだか心地よくて、そんな小さな事はどうでもよくなってしまうような魅力がある。

ただ、逆に言うとこの辺の雰囲気にうまく流されないと全くツボにハマらないんだろうなー。「そもそもなぜ神野が明海に電話をかけたの?」とか、作品全体を流れる強烈な中二…というよりも高二病臭さとか。良くも悪くも「雰囲気を楽しむ」物語であることは間違いないと思う。

“タマシイビト”との因縁も完全に断ち切れたわけではなく、実祈は自らの望みをかなえることができるのかとか、明海の恋の行方とか、爽やかな終わりと同時に続きが気になる終わり方。既に2巻が発売されているので3人の関係がどのように続いていくのか、とても楽しみです。

あと、やっぱり表紙のデザインが物凄い良いですよね。「白背景+女の子の立ち絵」というライトノベルでは王道すぎるくらいありがちなデザインのはずなのに、妙に目を惹かれてしまいます。帯の「せつなさはロック」というアオリ文句もこの作品にぴったりだし、2巻の帯デザインもすごく心惹かれるものがあって、凄くツボでした。普段あまり感じた事がないんだけど、編集やデザインの人のパワーに、どうしようもなく惹かれた一冊でありました。

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富士見の新刊超やべえええええ

今月発売のファンタジア文庫に、物凄い新シリーズがある!!!
いや、そこに萌えるのは斜め上すぎる」というツッコミは覚悟の上ですが、これは正直やばい。

えーと、ファンタジア長編小説大賞で佳作を受賞した「これはゾンビですか?」という作品らしいのです、が。


これが「仮面のメイドガイ」というモンスターを生み出した富士見書房の全力かっ!!!

富士見全力すぎる!!!感動した!!!
ついったーでタレコミ頂いて「やばい歩超モエ!」「買うしかない!!」って反応したら3人位からドン引きされたけど!
わたし、可愛い男の子が女装させられて恥らう姿も大好物ですが、男子が全く似合わない女装を恥ずかしげもなく晒している姿が実は大好きであります。実は「仮面のメイドガイ」とか好きです。バカテス5巻で、恥ずかしげもなく仁王立ちで短パン姿を晒す雄二にキュンとときめいたりしておりました。

とりあえず面白いかどうかは判りませんが、これは突貫するしかない。
今月すでにファンタジア3冊購入予定でてるけど、多分これ真っ先に読む。



これはゾンビですか? 1 富士見ファンタジア文庫
はい、魔装少女です。


木村心一著
こぶいちむりりん画

あと、一応アフィリリンクつけとく。共に突貫してくれる人超募集中です。

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“文学少女”と恋する挿話集 1  / “文学少女”の追想画廊

[著]野村 美月 [絵]竹岡 美穂

柔道部主将の牛園たくみが恋したのは、文芸部に所属する可憐な“文学少女”天野遠子だった。しかし彼女は近頃、生意気な1年生にご執心の様子で……そんな彼の元に、思わぬところから救いの手が!?“文学少女”天野遠子と彼女を取り巻く人々が織りなす短編集第一弾。
  個人的お気に入り度数
“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫 の 2-7-1)
 
“文学少女”の追想画廊
 
【恋する挿話集1】
「FBオンライン」で掲載されていた短編と書き下ろしを中心にした、“文学少女”シリーズの短編集第1弾。

遠子先輩の文学語りがメインな「今日のおやつ」のほか、日常のなんてことない騒動を中心に描かれている短編が多いので「美味しそうな」物語を思う存分堪能しました。本編終盤のシリアスな物語展開も秀逸だったけど、やっぱり美味しそうに「ごはん」を平らげる遠子先輩の蘊蓄は格別なものがあるよね!!

のーみそ筋肉な牛魔王こと牛園くんや、文芸部とひょんなことから『盟友』関係となったボート部の皆さんなど、短編にしか出てこないキャラクター達もコミカルに動き回って、彼らや遠子先輩に振り回されるコノハの姿にニヤニヤせざるをえません。しかし、「革命する労働者」のコノハくんは最高に“受”だよねー。遠子先輩の「裂けちゃって大変」にはおもわず緑茶噴いた。コラボでチラリと披露された遠子先輩の腐女子な一面は「おやつ」の方でもっと何回か披露されていた気がするので、次巻に超期待です。

その他、姫倉さんと遠子先輩の出会いや流人くんが巻き起こす大騒動を描いた短編など、サブキャラクターに視点を当てた短編がいくつか収録されていますが、一番印象に残ったのはやはり美羽と芥川のその後を描く「無口な王子と歩き下手の人魚」。不器用な芥川君と、ツンデレ全開な美羽のやりとりが可愛いのなんの。決して甘いだけの短編ではないのですが、このシリーズらしいほろ苦さでとても良かったです。


【追想画廊】
竹岡さんのイラストに野村さんの文章と短編が添えられた、画集…というかファンブック。
アニメイトで買うと初回特典で野村さんの短編がもう1個読めます。「神に臨む?」で遠子先輩が心葉の為にシュークリームを作るお話で、流人くんの目線から描かれる恋する乙女な遠子先輩がたまりません。

本編を思い出しながらイラストと添えられた文章を追っていくと、本編を読んだ時の胸の痛さがよみがえってきます。イラストの雰囲気も文章もぴったりとマッチしていて、存分に堪能できました。しかし、書き下ろしイラストの美羽が素でコノハちゃんに見えた私はどうしたらいいんだろう……

掲載されている短編は本編終了後、大学に入った心葉のお話。離れて暮らす二人の話なのに、本編最大級のラブラブっぷりなのはどういうことか。「恋する挿話集1」の方に掲載されている、大学に進んだ遠子の物語「今日のおやつ 特別編」と合わせて読むとなんだか感慨深いものがありますね。

っていうかこの短編でのラストの心葉のセリフはなんかもう、殺し文句すぎてズルいよ!
これ先に読んでいたら「このラノ2009」は間違いなくコノハに投票してたのに!

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テイルズ オブ シンフォニア ?ラタトスクの騎士?世界の願い3

[著]矢島 さら [絵]奥村 大悟

ラタトスクを開放するため、様々な人との出会いを繰り返しながら旅を続けるエミルとマルタ。しかし、エミルは戦闘中以外でも別人格に支配されることが増え、その間の記憶も維持できなくなってしまう。そんな時、雷のセンチュリオン・コアを求めて王立研究院をたずねた一行は、かつて研究所にエミルと瓜二つの青年が存在したと聞き…
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「ラタトスクの騎士」のノベライズ、完結編。

エミルかわいいよエミル。
私が二重人格とツンデレ萌えだと知っての狼藉かっ!!いやどっちかっていうとエミルっていうよりあっちの人が好みな訳ですがっ!!表人格は当たり障りのない優しい男の子で裏人格は乱暴者なツンデレってどれだけこの子は私のストライクゾーンをつけば気が済むのかっ!!しかも中の人は明久の(それはもういい)

しかし、やっぱりゲームの内容を淡々と忠実再現するだけの文章は受け付けられなかったなあ…ていうか「面白いことをやってる」っていうのはわかるのに「文章が淡々としすぎてて面白く感じられない」って致命傷すぎる。2巻でも言ったけど、RPGゲームのノベライズで戦闘シーンを技名連呼でごまかすのはノベライズとして下の下だよ…。特に、今回はこれまでの巻以上にストーリーの把握に必要な場面の文章だけを忠実に書き写してつぎはぎしたという印象を受けて…ひょっとして、尺が足りなかったの?1巻でソーサラーリングの説明なんていらんことに無駄な紙面費やしてたらごらんの有様だよ!!

前作である「シンフォニア」関係設定が説明不足すぎるのも気になる。特に仲間になった所を境目にする、ロイドのキャラの変わりっぷりがヤバイ。……そりゃあ確かにTOSやってれば、ロイドがもともと熱血バカ系主人公だってことは知ってるんだけど!!態度の豹変が唐突すぎてもともとのロイドを知っていても首を傾げてしまうのはさすがにどうかと…もともとロイドの描写が少なすぎるので、物凄い違和感を感じてしまう。すでにゲームをプレイした人間には全く面白くないような物語構成なのに、何故か随所で「原作を全部やってる人が読むの前提」みたいな謎の暗黙の了解を感じるんだよな……結局このシリーズが、どういう層に向かって書かれているのかはっきりしないというか。

結局、自分はこの作者さんの文章とは壊滅的に合わなかったってことなんだろうなぁ…。ゲームの本筋はとても自分のツボにきたので、いつか原作のゲームには挑戦したい…でもWiiのRPGは色々ツライよ!!早くPS2に移植してください!!!(←結論)

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