“ことぶきつかさ” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:ことぶきつかさ (12 件 / 2 ページ)

セイバーマリオネットJ 12.愛・乙女

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

遂にメソポタミア号にたどり着いた一行。小樽は、ライム達を外に待たせて一人ローレライと対峙する。小さなころから肖像画で見つめてきた彼女の顔には、肖像画とは打って変わった冷たい表情が浮かんでいた…。一方、小樽の帰りを待つライム達の前にはファウストが現れて…
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SMガールズ セイバーマリオネットJ〈12〉愛・乙女 (富士見ファンタジア文庫)
ヘスの謎とかローレライの正体とかファウスト・家安の思惑とかが一気に明らかになる、シリーズ完結編。10巻ころからもうずっとそうだけど、次々と明かされる真実がいちいち重い。ていうか初読時の自分どんだけのんきだったんだ…今思うと「1人の女性を6人で管理する」とか普通に考えて重すぎる…。

セクサドールズvsセイバーマリオネット組再びとか最凶のセイバー・クーリガァIIIとか彼らを見捨てた「母なる地球」の結末とか、小樽の選択とか色々見所はあるけど、今読みなおすとやはりファウスト(=ヘス)とローレライの過去が印象に残る。ただ、ヘスの方に話を取られて結局最終的にはヘスの操り人形状態だった「ファウスト」が不憫に思えなくもない。実際、セクサドールズをどうしてあのファウストが起動させることができたのかとか、凄い気になる(アニメ版みたいな展開があったとも思えないし…)

そして物語のラストシーンはやはり何度見ても、何とも言えない寂寥感と哀しさと小さな満足感が沸き起こる名場面だと思うのですが、それと同じくらいにどこかこの場面を額面通りに受け入れられないものを感じてしまいます。小樽が死んだ後のライムはどうなる?他のセイバーマリオネット達は?……と、どうしても考えてしまう。

原作は特に、ライム達が小樽以外に執着するものがあまりないようにみえて、それが凄く怖い。アニメ版みたいに「小樽だけじゃなくてジャポネスの皆を護るんだ!」って自然になるほど、原作では周囲の人々が描かれていないし、どうも「小樽が好きな皆を守る」という感じで間に一枚フィルターが掛かっているように感じてしまうのです。本物の女性が復活して、「女性の代わり」という意味でのライム達は小樽以外には不要になって、その小樽も寿命で死んでいってしまう。その時、彼女達はどうするのだろう。

小樽ではなくてライム達にこそ、聞きたかった。「あなた達は今、幸せなのか?」と。
…うーん、アニメ版(JtoX)はライム達が人間になる方に話が落ちるらしいので、そちらも見てみたいなあ。


セイバーマリオネットJ 11.機械乙女は少年の夢を見るか?

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

メソポタミア号の位置情報を手に入れ、ニューテキサスを出発した一行。しかし、気がつくと小樽はなにもわからないまま一人灼熱の砂漠を彷徨っていた。行方の知れないライム達を探そうとする小樽だが、そんな彼の前に次々と現れるセイバーマリオネット達は少し様子がおかしくて…
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SMガールズ セイバーマリオネットJ〈11〉機械乙女は少年の夢を見るか? (富士見ファンタジア文庫)
クライマックス目前のシリーズ第11弾。小樽、試練の回。物語のキモともいえる「小樽が好きなのは“乙女回路を持ったライム達”かそれとも“ライム達という人間の女の子にきわめて近い存在”か」におぼろげな回答が与えられるお話。

彼女達と『人間の女の子』の違いをまざまざと見せつけられ「それでもお前はライム達を選ぶのか」という、小樽本人も無意識に回答を保留していた疑問に対する迷いを突き付けられていく。試練の中で彼女達は紛れもない「人間」であり、その中で繰り返される甘い夢は、すべて彼女達が人間であれば実現できるもので、決して今のままでは手に入らないもの。ローレライが突き付けているのは「これら全てを生涯放棄しても、マリオネット達への愛に殉じる事ができるか」ということ。

結末を知ってから改めて再読すると、小樽はこの時点で次の巻での「あの選択」を決断していたんだなあ、としみじみ。ただ、この決断のさせ方には正直疑問が残ります。夢の中の彼女達はどこか本物よりも利己的で、本来の彼女たちの姿とは少し違うように思えるから。ただ、それは「人間とマリオネット達の違い」として意図的に描かれていているのかもしれない。人間になった彼女達はある意味『違う生き物』になってしまうのだ、という暗喩なのかも。

しかし、この巻はシリーズの中でも最大級に重い。“試練”の中で幾度となく痛めつけられ、悲惨な目に遭う彼女達の姿は、本物ではないとわかっても痛々しいものがある。花形とチェリーが一服の清涼剤すぎて出てくるたびに噴いたけど。花形はともかく、チェリーはどこまで堕ちて行くんだ……


セイバーマリオネットJ 10.機械の乙女、生身の乙女

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

なんとかニューテキサスに辿り着いた小樽たちは、ニューテキサス大統領ジョイ・ヒューリックにより先導された住民たちに追い掛け回される事に。そんな一行を救ったのは、シーという名の同い年くらいの女の子。どうやらニューテキサスでは女の格好をした男“オカマ”が流行しているようなのだが、彼女(?)には秘密があって…
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風雲急のニューテキサス編。小樽(というか家安)ともファウストとも違う方向で「女性復活」を目指すニューテキサス大統領ジョイ・ヒューリックと小樽達が対決するというお話。

読んだ当初はあまり感じなかったけど、今読み直すと重いなあ……シーの境遇とか、クライマックスでニューテキサスが占領されるシーンとか、凄い重い。とはいえ、10巻以降はずっと重い話が続くのですが。

一見“普通の女の子”であるシーにドキドキする小樽と、二人の姿に「女性が復活した後の将来」を重ねて不安を覚えるマリオネット達。ティーゲルたちのもう一人の想い人であるファウストとの邂逅、ヘスの暗躍。そして、これまで小樽たちを導いてきたコピー・ローレライ達とは打って変わって残酷な行動を取った“オリジナル・ローレライ”。クライマックスに続く伏線は全て出揃ったという感じ。2巻3巻の頃からすると、思いも寄らないほど重い方向に話が動いちゃったよなあ。

一応結末は大体覚えているけど、なにはともあれ残り2冊を読むのが楽しみ。


セイバーマリオネットJ 9.無人島☆乙女大作戦!

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

ニューテキサスに向けて出発した小樽一行は、プラズマ嵐に遭遇して無人島に漂着する羽目に。海に流されたショックで記憶喪失になってしまった小樽を見て、小樽をモノにするチャンス!!とばかりに妄想暴走をはじめるマリオネット達だが…
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ずっと花形のターン!!!!

無人島で記憶喪失になった小樽を見て、チェリーやブラッドベリーやルクスやパンターが自分に都合のいい記憶を小樽に刷り込もうとするお話。前の人の妄想と齟齬が内容に妄想設定を付け加えていくせいでどんどんストーリーが整合性が取れない、強引なものになっていくのに笑いが止まらない。そして何よりも、どんどん人間離れしていく花形……もう、あそこまで酷い事になるとどう反応したらいいかわからないよ!!久しぶりのギャグ回ということで、本当に今回はイキイキとしている花形が素敵過ぎました。

ギャグ色が強い半面、「今既成事実を作ってしまわなければいつまでも小樽は自分を選んでくれない」「自分の気持ちが定まらないから、決定的にくっついてしまって片方を諦めたい」という彼女たちの内心の焦りが透けて見えるのが印象的でした。その一方で、「どんなに嘘を並び立てても、いつか嘘が露見してしまう」という事実に気付いて自分たちのやってることに空しさを覚えてしまう姿がどこか切ない。小樽とライムが良い雰囲気になるを見ているしかできない彼女たちの葛藤もよかったなあ。

しかし、今回一番すごかったと思うのは、プロローグで語られる「過去の地球」での、初代家安が宇宙を目指す事になったきっかけ話だとおもうのです。あれは初読した当時も衝撃すぎた。貧困に喘ぎ、何もかもに絶望する人々と自分たちの事しか考えていないお偉いさん方の姿が印象強すぎる。そして、なんだかちょっと現在の世界情勢とオーバーラップするところがあるのが少し恐ろしい。


セイバーマリオネットJ 8.愛と悩みと乙女の旅立ち

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

ゲルマニア総統ファウストが、ニューテキサスに向けて侵略を開始する。その話を聞いた家安は、小樽にひとつの任務を与えるが、それは思っても見なかった、そしてテラツーの運命を大きく左右するもので…!?小樽はそれぞれ思い悩むマリオネット達と共に、ニューテキサスに向けて出発するが…
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ニューテキサス編、序章。ニューテキサスに向かおうとしたライムたちと小樽が、海辺の町マカオでファウストによって初期に侵略された国・ロマーナの人々と出会うというお話。

ロマーナ侵略の際に心に大きく傷を負い、マリオネットを目の敵にするようになったペスカトーレのかたくなな心を、ライムの純粋無垢な気持ちが少しずつ変えていくというメインのストーリーもよかったですが、小樽たちとの関係で悩むライムたちや小樽とファウストの間で揺れ動くティーゲルたちの心の動きとか、一方でただライムたちを心配しながらも、彼女たちを「信頼」していこうとする小樽の心の動きが面白かった。チェリー&ルクス、ブラッドベリー&パンターという普段折り合いの悪いコンビがいざとなると名コンビ振りを発揮するというのも美味しいです。しかしブラッドベリーは前巻から連続していい所もってきまくりだ…ジャポネスでの小樽とのやりとりとか、深海での孤軍奮闘とか、今回美味しいところ多すぎる。

最初は敵だったロマーナの潜水艦「バルフィッシュ」の面々とティーゲル・ブラッドベリー・パンターがだんだん打ち解けていく場面には思わずニヤリとします。そしてさりげなくクルーの面々が小樽に嫉妬心むき出しなのには笑った。

しかし、ニューテキサスに行くとなると、遂に終わりが見えてくるなあ。なんだか感慨深い。


セイバーマリオネットJ 7.乙女心と秋の日々

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

西安から帰ってきて以来ライムの顔を見ると胸がドキドキしてしまって『自分はレズだったのだろうか』、と思い悩むティーゲル。そんな折、小樽が楽しみにしていた秋祭りがプラズマ台風のせいで中止になるという話を聞いたライム達は、チェリー&ルクスの発案によりプラズマ台風を消滅させる作戦を決行するが…
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シリーズ第7巻は短編集第二弾。

「秋だ、祭りだ、台風だ!?」はライムへの想いに葛藤するティーゲルのお話。普段は他5人のお姉さんポジションな彼女が取り乱す姿には思わずニヤニヤせざるをえません。突拍子もない「プラズマ台風消滅作戦」の顛末も含め、一番素直に笑い転げられたお話かも。しかし、ラストはせっかくの良い場面がティーゲルの体操服のせいで台無しになってる印象が否めなかったり。つか彼女のコスチュームチェンジはいつになるんだっけか…

「秋祭りの夜に……」は、小樽と自分の関係について思い悩むブラッドベリーが小樽と似た雰囲気を持つ一人の少年に出会うお話。いつものお色気姉ちゃんというだけではないブラッドベリーの女の子らしい等身大の一面が垣間見える話で、とてもよかった。普段の彼女にはあまり魅力を感じなかったんだけど、このお話の中の彼女は本当にかわいい。

「チェリーが子供を産んだ日!?」は、クローンの生産工場の見学に行ったチェリー達が赤ん坊の扱いに憤って…というお話。本編を貫く議題にも触れるシリアスなお話なんだけど、それ以上にクライマックスのテレビ中継シーンがインパクトあって、笑いが止まらなくなってしまう。完全に報道を忘れてオリンピック中継のごとく一人で盛り上がるアナウンサーは、勝手に●舘さんの声(筋肉○付ver)で再生されました。

以前の短編集よりは少しシリアス度が上がった印象だけど、個人的には前のやつよりも楽しめたなあ。各キャラクターの魅力が満載な1冊でした。


セイバーマリオネットJ 6.乙女の奇跡・in・チャイナ

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

悲しい別れを乗り越え、西安に到着した小樽たち。国家首席である王傭平に謁見して「ホスト・ローレライ」の場所を聞く予定だったのだが、王宮で小樽達を待ち受けていたのは大量のセイバー・“朱雀”だった!?ライム達と引き離され、地下に投獄された小樽はセラミックの仮面をかぶった謎の男と出会い…
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シリーズ第6巻は前巻とは打って変わって熱血王道展開。メモリーを消去されて離れ離れになってしまったライム達6人が再び小樽の元に集うというお話。

「たとえ記憶を消しても小樽を思う“心”までは消せはしない」という言葉通りの展開は非常に盛り上がるんだけど、どうせならもうちょっと各キャラが記憶を取り戻すまでに一波乱あってもよかったよなあ、とか思ったり。

しかし、対象が6人いる分、これ以上文章をかけるとテンポが悪くなりそう、というのはあるかも。別々の場所で次々に5人が言葉にできない想いに突き動かされて、小樽の元を目指すという展開はこの上もなく燃えるし、最後で満を持してライムが完全に記憶を取り戻す場面では挿絵効果もあって、思わずニヤリとしてしまう。短い分軽い気持ちで読めて、手に汗握って爽快に敵を倒してはいおしまい、という一連の動きはまさに「ライトノベル」らしい爽快感。

しかし軽すぎて特にこれ以上の感想が出てこないのもある意味「ライトノベル」としちゃー正しい形だよね!
バリバリにラノベ的王道展開だったこの巻の後書きが例の「アレ」だっていうのは、いろいろ象徴的だな?。


セイバーマリオネットJ 5.機械じかけの乙女たち

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

とある出来事をきっかけに“女性復活”の必要性を切実に感じた小樽はローレライの導きを受けて、西安にある「ホスト・ローレライ」のもとへ。ところが旅の途中でゲルマニアの新兵器『マスケル』の襲撃を受けて仲間とはぐれ、ライムとともに瀕死の重傷を負ってしまう。西安の外れに住む男の手によって一命を取り留めたが…
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ひそかにシリーズ屈指の傑作だと思っているシリーズ第五弾。マリオネットを愛してしまった男・ヤンと彼が愛したマリオネット・鳳々をめぐるお話。

学生時代に読んだときは一重に「マリオネットを愛してしまった男の悲劇」として読んでいたけど、今読むとあとがきのとおり、これが「読む人によっては“悲劇”であり、また“喜劇”である」という言葉の意味を理解してしまって、とてもやるせない。ヤンにとっての最大の悲劇(であり喜劇であるもの)は「マリオネットを愛したこと」じゃなくて「マリオネットも感情を持てるかも、というありもしない希望を抱いてしまったこと」なんじゃないかなあ。

ヤンは自分と鳳々の関係を小樽とライムの関係に見立て、「ただの機械を愛した自分」を正当化してしまうわけですが、感情(乙女回路)を持つライムとそれを持たない鳳々には致命的な隔たりがあるわけで。どんなにヤンが鳳々を愛したとしても、それに“彼女”が応えることは100%ありえない。それを無情にも突きつけてくるクライマックスは間違いなく“悲劇”であり、“喜劇”でもある。

同時に、この巻はこの後ライム達と小樽がシリーズを通して悩み続けなければならない「マリオネットである自分たちと人間である小樽は一緒にはなれないのか?」「小樽が愛しているのは“女”としてのライム達か、それとも“ライム達というマリオネット”なのか?」という命題がはっきりと言葉として与えられるお話でもあります。

…しかし、やはりこうやってこの巻を読み直すと、(少なくてもこの時点で)小樽が愛しているのはマリオネットじゃなくて『人間の女』だよなあ、と思う。実際、乙女回路の付いていないマリオネットであったなら小樽はその気持ちを貫きとおせたかどうか。ライム達はある意味、戦闘能力以外は完全な「人間」として描かれている気がして、彼女たちを普通のマリオネットといっしょくたにするのは微妙な気がして仕方がない…。


セイバーマリオネットJ 4.雪山温泉乙女伝説

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

本物の“女性”が居たという伝説の調査という名目でジャポネスのはずれにある「ゲロゲロ温泉」にやってきた小樽達。今度こそ小樽と温泉でムフフな関係に…!と燃えあがるマリオネット達(+花形)だが、その温泉はちょっと胡散臭い感じで…!?
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シリーズ第4弾はこの手のラブコメではある種お約束の「温泉」編。前半の温泉でのやりとりがカオスすぎて、色々ヒドい(褒め言葉)。その後の酒呑み話も含めて、実にカオスです。というか3巻でもそうだったけど、ライムとティーゲル以外は露骨にギャグキャラ扱いされてるなあ…。

しかしその一方で、本物の女性に会えるかもとはしゃぐ小樽の姿を見て「本当に女性が復活したら、自分たちはどうなるんだろう」と不安に思うマリオネット達の姿がちょっと印象的でした。このあたりは今後最終巻までずっと彼女たちに付きまとう命題になってくるわけで、読み直すとこんな頃から伏線が張られてたんだなあ、としみじみ。

後半はライム達のプロトタイプで不完全な乙女回路を持つマリオネット達を巡り、かなりシリアスな展開に。同等の戦闘力を持つ彼女たちを破る方法があれ、というのはかなり切ないものが。プロトライムの最期にもちょっとホロリとしてしまうものがありました。


セイバーマリオネットJ 3.乙女の休日、乙女のやすらぎ

[著]あかほりさとる [絵]ことぶきつかさ

敵だった筈のセクサドールズの3人が、小樽の長屋に居候しはじめた。ジャポネスが平和になったのは嬉しいけど…色々とフクザツな心境のセイバーマリオネットたち。ある日、いつもの通り小樽に朝食を作ろうと台所にやってきたチェリーがみたものは、同じく朝食を用意するルクスの姿で…
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仲間になったティーゲル・ルクス・パンターの3人を仲間に加えた小樽たちが繰り広げるシリーズ第三弾。それぞれチェリー&ルクス、ブラッドベリー&パンター、ライム&ティーゲルにまとをしぼった短編集。

3編の中では、一番純粋に楽しめたのは最初のチェリー&ルクスの食事当番対決かな。二人とも結局はほぼ同じ妄想をしてるのに、キャラクターの違いでセリフが微妙に対比になってる(チェリーが「マスター、お願い明かりを消して!」でルクスが「マスター、明かりをつけて!私をもっと見て!」になる)あたりが楽しかった。ジャポネス中のじゃがいもを……たり、対抗して自らじゃがいもを収穫しようとしたり、ラストで2人と小樽のやり取りを眺めていた残り5人(含花形)が…という展開がハチャメチャで笑える。

ブラッドベリーとパンターの話は…個人的にはキャラ的にそこまで興味がない2人なのと、私初読時は結局最終巻までブラッドベリーとパンターのキャラの違いがよくわからなかったのでなんともいえない。むしろいっそ、ここでパンターが開き直ってデレなければ良いキャラ付けになった気がしてたなあ。あ、でもこの話のオチが好きです(腐女子的な意味で)。

ドタバタギャグな2編と比べて、唯一ちょっとシリアス調なのがティーゲルとライムのお話。ティーゲルさんはこの巻で一気にキャラが立ったよなあとか。服のセンスは正直色々とどうかと思いますが、小樽争奪戦に明け暮れる残りの6人(含花形)を余所目に『みんなのお姉さん』的ポジションを確立してて、何はともあれそこがいい。一方で、彼女たちによって少しずつ意識改革されていくジャポネスの人々の姿が印象的だったり。

しかし、今見てもティーゲルさんの●●服姿は衝撃的すぎです……。