[著]鏡 貴也 [絵]榎宮 祐 蛇の悪魔が生徒たちを飲み込んでしまい、その対応に追われる大兎とメヒア。事件が解決し、帰ろうとした二人の目の前で奇妙な紅い月が昇る。一方、紅月光は“日向の使い”を名乗る謎の悪魔から忠告を受けて…!? |
面白かったけど、主人公達のバトル的な活躍は殆どなくて、ちょっと物足りない気持もあったかも。前回の派手な戦闘を覚えていると、どうしてもああいうのを期待してしまう。
ヒメアの元恋人にして“最古の魔術師”のバールスクラが早くも出てきたり、シリーズタイトルでもある“天魔”が姿を見せたり…と、展開が速い速い。おしげもなく1巻で張った伏線をガシガシと消化していくので「ひょっとしてこれ、全3巻完結…?」とか思ってしまうのですが、あとがきを読むと別にそういうわけでもないようで…一方で、生きていた日向やヒメア達が生み出した『幸福』という魔法の存在、また月光も弟以外の部分で色々と気になる伏線が新たに張られているのでしばらくこの物語から目が離せそうにありません。
しかし今回一番残念だったのが、ツンデレ生徒会長こと紅月光の出番が少なかったことだったりします。大兎とヒメアのイチャイチャもとても好きなのですが、1巻であれだけ露骨な月光のデレを見せられてしまうと、2巻も期待してしまうのが人の常というものではないですかっ!せっかく味方になったのに、大兎達との絡みが殆どなくて、本当に残念。っていうかもうなんでもいい、月光もっとデレろ!!
しかし、1巻でみせた月光のデレ具合には正直(私の中では)及びませんが、ヒメアのデレデレっぷりもかなりたまりません。ストレートで端的なセリフから、溢れるばかりの大兎への愛がつたわってきて、こっちまでくすぐったい気持ちになる。本当に、こんな短い文章でこんなに大きなの気持ちを込める事が出来るのかと思う。